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癌細胞浸潤における細胞運動とMT-MMPの協調的制御機構の解析

フォーマット:
論文
責任表示:
滝野, 隆久 ; Takino, Takahisa
言語:
日本語
出版情報:
2018-03-28
著者名:
掲載情報:
平成15(2003)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary
巻:
2003
開始ページ:
1p.
バージョン:
author
概要:
金沢大学がん進展制御研究所<br />細胞外マトリックス分解と細胞運動が協調的に作用して癌の浸潤・転移が成立するが、その協調的制御機構については不明な点が多い。そこで本研究ではMT1-MMPの細胞運動における役割を解析した。HT1080細胞をI型コラーゲン上に接着させることでERK活性化、MMP-2活性化、MT1-MMP活性発現、細胞運動が誘導され、MT1-MMPの過剰発現は細胞運動およびERK活性化の亢進を誘導した。MMP阻害剤とMEK(MAPKK)阻害剤により この細胞運動とERK活性化は抑制され、活性型MEK発現により誘導される細胞運動とMMP-2の活性化はMMP阻害剤で抑制された。また、MT1-MMPのヘモペキシンドメインの過剰発現はI型コラーゲンによるERK活性化、MMP-2活性化、細胞運動を抑制した。これらの結果からI型コラーゲンによるERK活性化とMT1-MMP活性発現誘導間の正のフィードバック機構の存在が明らかとなった。また、本研究では4回膜貫通型分子CD63がMT1-MMPと結合し、MT1-MMPのリソゾームでの分解を促進することでMT1-MMP活性を負に制御すること、MT1-MMPが細胞膜接着分子Syndecan 1を切断することで細胞運動を制御していることも見出した。本研究ではインテグリン/FAK/p130^<cas>による細胞運動誘導情報伝達機構におけるアダプター分子Crkの役割も解析した。CrkIIは221番チロシンがリン酸化されるとSH2ドメインを介して分子内結合し、アダプター分子としての活性を失う。この221番リン酸化チロシンを脱リン酸化酵素の一つPTP1Bが脱リン酸化することが細胞運動亢進に重要であることを本研究で証明した。また、負の制御を受けないCrkIIのスプライシング変異体であるCrkIの発現が脳腫瘍組織で亢進しており、細胞におけるCrkI発現がP130^<cas>のリン酸化、Akt活性化を誘導することで細胞運動・浸潤能を増強させることも見出した。<br />研究課題/領域番号:15024225, 研究期間(年度):2003<br />出典:「癌細胞浸潤における細胞運動とMT-MMPの協調的制御機構の解析」研究成果報告書 課題番号15024225(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15024225/)を加工して作成 続きを見る
URL:
http://hdl.handle.net/2297/00060539
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