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EBウイルス癌遺伝子産物LMP1の上皮系細胞におけるシグナル伝達機能

フォーマット:
論文
責任表示:
原田, 志津子 ; Harada, Shizuko
言語:
日本語
出版情報:
2016-04-21
著者名:
掲載情報:
平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary
巻:
1999
開始ページ:
2p.
バージョン:
author
概要:
金沢大学がん進展制御研究所<br />Epstein-Barr(EB)ウイルスはバーキットリンパ腫や上咽頭癌を引き起こす癌ウイルスであり、試験管内発がんに重要な役割を持つウイルス蛋白の一つは膜蛋白LMP1である。本研究ではEBVによる上皮系細胞発がん機構を考察する事を目的とし、LMP1の上皮系細胞形質転換活性の検討を行い、以下の結果を得た。(1)LMP1を持続的に発現する細胞株を上皮系細胞株MDCK細胞より得たところ、上皮様から繊維芽細胞様の形態に形質転換し、さら に肝細胞増殖因子(HGF)なしでコラーゲンゲル内で管腔構造を取る浸潤性増殖能を獲得した。(2)遺伝子変化をdifferential display法などで調べるとPAI-1、uPA、Ets-1遺伝子の発現上昇が見られた。Ets-1のdominant negativeの導入で形質転換が抑えられ親細胞様形態に戻った。(3)変異株実験の結果、LMP1の機能に重要な2つの細胞質内ドメインのうちTRAFが直接結合する膜近傍ドメインが浸潤性増殖に必要であった。以上の結果から、LMP1はEts-1遺伝子発現上昇を誘導して上皮系細胞を浸潤性に形質転換する活性を持ち、B細胞の不死化に重要なLMP1ドメインが上皮系細胞の浸潤性増殖能獲得に不可欠である事が明らかとなった。(4)LMP1発現に伴う継時的遺伝子発現変化を見る目的で、loxP配列を持ったLMP1プラスミドをMDCK細胞に導入し、そのままでは発現しない細胞株を樹立した。その後、組み換え酵素Creを発現する組み換えアデノウイルスを感染させ100%の細胞で一斉にLMP1高発現を実現させたところ細胞死が誘導された。このように、Cre-loxP発現制御系を用いることで、LMP1の高発現によって上皮系細胞死が誘導されることが確認された。<br />研究課題/領域番号:11139224, 研究期間(年度):1999<br />出典:「EBウイルス癌遺伝子産物LMP1の上皮系細胞におけるシグナル伝達機能」研究成果報告書 課題番号11139224(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11139224/)を加工して作成 続きを見る
URL:
http://hdl.handle.net/2297/00060768
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