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TCRと抗原ペプチド/MHC分子の親和性を指標としたTAAsの同定
- フォーマット:
- 論文
- 責任表示:
- 近藤, 恭夫 ; Kondo, Yukio
- 言語:
- 日本語
- 出版情報:
- 2016-04-21
- 著者名:
- 掲載情報:
- 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2007 Research Project Summary
- 巻:
- 2005 – 2007
- 開始ページ:
- 2p.
- バージョン:
- author
- 概要:
- 金沢大学附属病院<br />腫瘍細胞が過剰発現し,末梢寛容の誘導が不完全な自己抗原の中から新たな腫瘍抗原(TAAs)を同定し,同種造血幹細胞移植(allo-SCT)ドナーとレシピエントのTAAsに対する寛容の差を考慮したワクチン療法の開発を進めている.細胞周期調節タンパクであるCDK2タンパクは白血病細胞で過剰発現しており,HLA-A^*2402陽性健常者のCD8陽性ナイーヴT細胞からCDK2由来のHLA-A^*2402拘束性9mer自己抗原ペプチド(CDK2_1 … 58, CDK2_178)特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が誘導される.HLA一致allo-SCTドナーから誘導したCDK2由来ペプチド特異的CTL(CDK2-CTL)は,ドナー及び患者の正常血液細胞と患者白血病細胞のCDK2タンパクの発現量の差を認識して,患者白血病細胞のみを特異的に傷害する.昨年度に引き続き,18例のHLA-A^*2402陽性移植例を対象として,allo-SCT後のCDK2に対する免疫の誘導と抗白血病効果との関連性を,CDK2ペプチド/HLA-A24マルチマーを用いて検討した.移植後CDK2-CTLが検出された7例は全例寛解を維持しており,移植時に血液学的寛解で分子学的微小残存病変(MRD)が検出されていた(腫瘍量が少ない)例では,移植時分子学的寛解(腫瘍量が全くない)例や血液学的再発(腫瘍量が多い)例に比べて移植後のCDK2-CTL誘導率が有意に高いことが確認された(p=0.02).骨髄性白血病患者の診断時末梢血から純化し,TNFαの存在下で短期間培養後に成熟させた白血病細胞由来樹状細胞(LDC)を抗原提示細胞として,HLA-A^*2402陽性健常者のCD8性ナイーヴT細胞を繰り返し刺激して誘導した培養T細胞は,寛解時患者末梢血単核細胞には反応せず,患者白血病細胞との共培養でIFNγを産生した(0.34%vs10.5%).この白血病細胞反応T細胞の中には,LDC刺激前には検出されなかったCDK2ペプチド/HLA-A24マルチマー陽性細胞が検出され,白血病細胞反応T細胞はCDK2ペプチドに反応してIFNγを産生した.allo-SCT後にCDK2-CTLが誘導されるメカニズムとして,移植時にわずかに残存するLDCがドナー由来のT細胞をプライミングし移植後CDK2に機能的結合性の高いCTLが誘導され,残存する白血病を特異的に傷害することが示唆された.<br />研究課題/領域番号:17790641, 研究期間(年度):2005 – 2007<br />出典:「TCRと抗原ペプチド/MHC分子の親和性を指標としたTAAsの同定」研究成果報告書 課題番号17790641(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17790641/)を加工して作成 続きを見る
- URL:
- http://hdl.handle.net/2297/00060975
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