1.

論文

論文
赤池, 秀一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.259-269,  1995-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9130
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)虚血刺激によって,海馬CA-1~4の全ての領域においてCa2+濃度の上昇がみられ,CA-1の反応が最も著明であった. 2)上記のCa2+濃度の上昇反応には,温度依存性がみとめられた. 3)50mMKC l刺激では,温度依存性はみられず,29℃でもCa2+濃度の上昇がみられた. 4)細胞外からのCa2+流入を除いた条件下でも,虚血によって細胞内のCa2+濃度が上昇した. 5)海馬切片の免疫組織化学的検索で,虚血後のCA-1錐体細胞の胞体においてPIP2の染色性が有意に増加していた. 6)電顕的に粗面小胞体の著明な拡大とミトコンドリアの腫大がみられた.以上より,一過性脳虚血後に海馬CA-1に生ずる遅発性神経細胞死には,粗面小胞体やミトコンドリアからの細胞内貯蔵Ca2+の動員が重要な役割をなすものと推定された 続きを見る
2.

論文

論文
久田, 幸正
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.36-45,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9111
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />1)抗Thy1.1腎炎の経過中,糸球体ECM増生部位のメサンギウム領域にMMP-2蛋白の発現が確認された.第60病日では,軽度のメサンギウム基質増生部にはその発現を認めたが,中等度以上に残存している硬化糸球 体には発現はなかった. 2)抗Thy1.1腎炎から精製された糸球体の培養上清中にはMMP-2が第7病日から持続的に分泌されており,これはすでに一部は活性化されていた. 3)MMP-2の遺伝子発現は抗Thy1.1腎炎の経過中,特に第14病日で対照に比し4.2倍,第28病日に5.0倍,第60病日に2.0倍の亢進が認められた. 4)糸球体におけるMMP-2の分泌量および遺伝子発現は,ECM増生時期に一致して亢進しており,ECMの減少とともにその発現も低下した.以上の結果より,硬化糸球体におけるMMP-2の発現が硬化病変の修復機序に大きな役割を演じていると考えられた 続きを見る
3.

論文

論文
吉見, 雄三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.94-102,  2003-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4508
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞移植学<br />アレルギー性気道反応におけるプロスタグランジンD2(PGD2)の役割を解明するために,PGD2受容体拮抗薬の影響を検討した.能動感作したモルモットに抗原を吸入させると,即時型気道 収縮と24時間後のカプサイシン咳感受性亢進,メサコリン気道過敏性亢進,および気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多がみられた.咳感受性測定,気道過敏性測定のそれぞれ1時間前にPGD2感受性拮抗薬compound20・Na塩を腹腔内投与すると,カプサイシン咳感受性亢進と気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多は影響を受けなかったが,メサコリン気道過敏性亢進は有意に抑制された.compound20・Na塩はDP受容体に対する選択的拮抗薬であり,アレルギー反応による気道過敏性の亢進にDP受容体を介してPGD2が関与することが示された.しかし,アレルギー反応による気道への好酸球浸潤や咳感受性亢進に,DP受容体の関与は明らかではなかった<br />原著論文 続きを見る
4.

論文

論文
服部, 和伸
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.845-854,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9258
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />腹水肝癌AH130を移植した担癌ラットに対して,メチオニンとシスチンを欠乏させたKKM-1及び更にアルギニンを増量したKKM-2のアミノ酸インバランス輸液と抗癌剤の併用療法を行った. 1)KKM-1及びKK M-2とテガフール併用群では経口摂取群に比較して有意に腫瘍重量の減少を認めた. 2)KKM-2とテガフール併用群とKKM-2単独投与群は有意にメチオニン濃度の低下とアルギニン濃度の高値を認めた. 3)5-FU濃度は腫瘍内で著明に高く,アミノ酸インバランス輸液併用群では総合アミノ酸製剤併用群より高い傾向にあった. 4)KKM-2とテガフール併用群では有意にG0G1期細胞数の増加とG2M期細胞数の減少を認めた. 5)KKM-2とテガフール併用群では総合アミノ酸製剤とテガフール併用群,KKM-1とテガフール併用群,経口摂取群に比較して,有意にPCNA標識率の低下を認めた 続きを見る
5.

論文

論文
高村, 博之
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.719-731,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9172
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)無治療群の移植小腸片の平均生着日数が5.7±0.2日であったのに対し,ゲニステイン投与群のグラフト小腸の平均生着日数は14.7±0.3日と有意に長く,ゲニステイン投与により拒絶反応の発現が抑制された. 2)移植7日後のグラフト小腸のIL-2及びIL-2Rβ鎖のmRNA発現量は,ゲニステイン投与群では無治療群に比べて明らかに低かった. 3)移植後7日目のラットの脾細胞を用いたリンパ球混合培養及び細胞障害性試験(クロム遊離試験)では,ゲニステイン投与群は無治療群に比べて細胞障害活性が有意に低かった.リンパ球混合培養上清中のIL-2蛋白産生量は,ゲニステイン投与群では無治療群に比べて有意に低かった.リンパ球混合培養細胞のIL-2及びIL-2Rβ鎖のmRNA発現量もまた,ゲニステイン投与群では無治療群に比べて明らかに低かった 続きを見る
6.

論文

論文
野村, 将春
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.29-38,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9181
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />マウスBLM肺線維症モデルに対する,AAMの拮抗剤及び類似物質投与の影響を検討した. 1)TXA2受容体拮抗剤S-1452は,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 2)pLT受容体拮抗剤A S-35は,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 3)PGE1の誘導体であるPGE1αCDは,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 4)PGI2の誘導体であるOP-41483αCDは,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 以上より,本モデルにおける肺の線維化形成過程においては,TXA2及びpLTは線維化促進に,PGE2及びPGI2は線維化抑制に関与していることが示唆された 続きを見る
7.

論文

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山田, 陽久
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.418-442,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4556
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />自然発症インスリン非依存型糖尿病ラット(OLETF)の網膜電図(ERG)に関して検討した.実験には,OLETFラットと糖尿病を発病しないLETOラットを用い,自由摂食のOLETF,食事制限のOLETF,LE TOの3群に分け,ERGの経時的変化を比較した.自由摂食群はLETOに比し,糖尿病状態にある35週齢以後でもO2,O3,O4振幅は有意に大きく,網膜ドーパミン,DOPAC含量が有意に高く,高血糖以外のOLETF特有の因子の関与が示唆された.自由摂食群は食事制限群に比し,耐糖能障害をきたし始める15,20週齢でO2頂点潜時は有意に短縮し,35週齢よりO2,O3の頂点潜時延長と振幅低下を認めた.55週齢OLETFでは血清総コレステロール,HDLコレステロール値,血清トリグリセリド値はO1,O2,O3,O4の頂点潜時と正の相関を示した.55週齢のDOPAC,HVAは,自由摂食群が食事制限群に比し有意に低く,O1,O2,O3の頂点潜時と負の相関を示した.以上より,脂質代謝異常ないし網膜内ドーパミン代謝異常が網膜機能失調に関与していることがERGにより確認された<br />原著論文 続きを見る
8.

論文

論文
木南, 伸一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.203-214,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9197
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ラットの腺胃幽門側2/3を切除し,Billroth II法で再建し,発癌剤を投与せずに50週間観察するモデルにおいて,低脂肪食(脂肪含有量0.5%)を与えるLF群と,高脂肪食(脂肪15%)を与えるHF群を作 製し,脂肪摂取量の多寡が,残胃癌の発生と進展に及ぼす影響を,実験的に検討した. 1)発癌率は,LF群14.8%, HF群41.4%で,LF群で有意に低率となった.組織型はmuc或いはtub,深達度は全てmp以深で,LF群では,浸潤はssまでに留まっているのに対し,HF群では,seが3例,siが2例認められ,HF群でより深部へと浸達していた. 2)腺腫の発生率は,LF群14.8%, HF群37.9%で,LF群で有意に少なかった.GCPは,LF群の74.1%, HF群の93.1%に認められ,LF群に少ない傾向が認められた.以上より,脂肪摂取の多寡が残胃発癌に影響することが実験的に示された 続きを見る
9.

論文

論文
森, 一朗
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.590-599,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9161
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />雑種の成熟イヌ24頭を用い,神経機能障害を残さない全脳虚血時間として5分間群を,機能障害を確実に残す虚血時間として15分間群を設定し,2群の脳波及び脳循環・代謝の回復過程を比較検討した. 1)再循環10~2 0分後における15分間群のCBFは,5分間群より有意に高値を示し,虚血前値の2倍近くであった. 2)15分間群は5分間群より,脳波の再出現が47分遅かった. 3)15分間群で脳波の再出現はCMRO2の回復時期より29.7分前後遅れて認められたが,5分間群で両者はほぼ同時期に認められた. 4)再循環10分後における15分間群のCCIは,5分間群より有意に高値を示し,虚血前値の3倍近くまで増加し,その持続時間も再循環30分後まで続いた. 5)15分間群は5分間群より,再循環後30分以内のSSS血の血糖値,ピルビン酸値及び乳酸値が高値であった 続きを見る
10.

論文

論文
峰松, 康治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.198-207,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4532
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />日本白色家兎の脛骨に金沢大式創外固定器を用いて1mm/日と2mm/日の速度で骨延長法を行い,延長仮骨内の骨塩量の変化をmineral densitometry法の原法から独自に拡 張したmodified mineral densitometry法を用いて評価した.延長仮骨部の骨塩量を比較すると,2mm/日の延長速度では仮骨部の骨塩量は明らかに少なく,骨形成が傷害された.更に2mm/日の延長速度において20mmの延長終了時に生食(コントロール群),塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)80μg/0.5ml(F80群),bFGF400μg/0.5ml(F400群)を経皮的に延長仮骨内に投与して延長仮骨部の骨塩量を経時的に比較した.その結果,F400群ではコントロール群に比べ3~6週において有意に骨塩量の増加を認めたが,それ以降は差を認めなかった.F80群はコントロール群に比べ全経過を通じて高値を示す傾向はあったが有意差はなかった<br />原著論文 続きを見る
11.

論文

論文
上山, 恵巳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.54-65,  2002-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4543
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />多局所網膜電図(MERG)の二次核成分の起源を明らかにする為,ネコの視神経乳頭周囲網膜の熱凝固が網膜の組織学的所見とMERGに与える影響を検討した.視神経乳頭周囲網膜熱凝固16ヵ月後,網膜神経節細胞は著しく 減少していた.視神経乳頭全周囲凝固眼は,凝固前,非凝固対照眼に比べ,全周凝固12ヵ月後の37エレメントのMERG応答,加算平均波形の一次核成分に変化はなかったが,二次核成分は減弱した.全周凝固群で,凝固12ヵ月後の37エレメントの応答アレイを同心円状に分割して検討した結果,中心部で二次核成分が最も減弱していた.全周凝固群の一次,二次核成分の頂点潜時は,凝固前に比べて凝固後では有意差のある変化はしていなかった.視神経乳頭半周囲凝固群では,凝固前,非凝固部に比べ,凝固部において二次核成分の減弱が顕著であった.半周凝固群では,非凝固部に比べて凝固部の一次,二次核成分の頂点潜時は延長していた.以上により,二次核成分の起源に節細胞の関与が明らかになった<br />原著論文 続きを見る
12.

論文

論文
八尾, 直志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.745-754,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9249
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ヒト大網と高度腹膜転移を起こす,ヒト胃低分化腺癌細胞株を用いた. 1)癌細胞と共に培養された大網の中皮は,時間の経過と共に半球状に収縮し,互いに離れ,脱落し,次第に中皮細胞下の基底膜が露出するようになった. 癌細胞は中皮細胞上ではなく,選択的に露出した基底膜上に,長い義足様の突起を出して接着していた 2)腹腔内継代前の癌細胞に比べて,高度腹膜転移株では有意に多く大網に接着し,抗インテグリン・サブユニットβ1抗体により,癌細胞の大網への接着は有意に阻害された. 3)腹腔内で継代する前に比較して4代,12代と継代が進むにしたがい,インテグリン・サブユニットα2,α3のの発現量が増加した.腹膜播種の最初の段階で最も重要な役割を有するVLA-2,VLA-3を発現する癌細胞が,腹腔内継代により選択され,より強い腹膜播種能を有する高度腹膜転移株となると推察された 続きを見る
13.

論文

論文
瀬戸, 俊夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.465-475,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9149
概要: 金沢大学 医 第1生理<br />妊娠ラット及び処女ラットに周波数2,450MHz,強度10mW/cm2のマイクロ波を90分間,全身曝露した. 1)妊娠ラットのTcolは曝露中常に処女ラットより低く,曝露終了時にその差は2.6℃に達した. 2)マイクロ波曝露は妊娠及び処女ラットの前頭葉皮質,側坐核,扁桃体のDA代謝率を亢進した.前頭葉皮質でのDA代謝率の増加程度は処女ラットに比し妊娠ラットで有意に大きかった.視床下部のDA代謝率は妊娠及びマイクロ波曝露により変化なかった. 3)妊娠・処女ラットともマイクロ波曝露により側坐核のCCK濃度が減少した.CCKレベルは妊娠により有意に影響された.前頭葉皮質,視床下部のCCKレベルは妊娠及びマイクロ波曝露により変化しなかった. 4)前頭葉皮質,側坐核,扁桃体,視床下部についてSS, CRHの変動から妊娠による体温調節機構の変化を説明できなかった 続きを見る
14.

論文

論文
仲井, 培雄
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.648-657,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9239
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />体重270g前後のWistar系雄性ラットを用い,十二指腸液が全て幽門輪を経て胃内へ逆流する手術を行った.TPROを0.5%含有した飼料を与えるTPRO群(n=13)と,標準飼料を与える対照群(n=14)の 2群に分け,術後40週で動物を犠牲死させた.腫瘤,胃癌及び胃腺腫の発生率は,TPRO群でそれぞれ1/13, 0/13, 1/13に対し,対照群で7/14, 5/14, 7/14と,TPRO群で低率であった.腫瘤は,幽門前庭部及び胃空腸吻合部に発生し,組織学的に癌及び腺腫,或いは両病変の併存であった.胃癌の組織型は管状腺癌又は粘液癌で,このうち1個に肝への浸潤がみられた.尿中硝酸排泄量の中央値は,TPRO群で4.9μmol/日,対照群で5.7μmol/日であったが,尿中NTPRO排泄量の中央値は,TPRO群で2.0μg/日に対し,対照群では0.05μg/日の検出限界を下回り,TPRO群が有意に高かった 続きを見る
15.

論文

論文
朴, 在鎬
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.287-294,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9205
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />Balb/cマウス脳におけるFas蛋白とmRNAの発現に関し,免疫組織化学的検索ならびに,RT-PCR法,免疫細胞化学的検索を行った. 1)Fas蛋白は,免疫組織化学的に海馬のCA2とCA3及び大脳皮質第 III層の神経細胞に発現がみられた. 2)FasmRNAは,大脳と小脳,海馬に存在していることが確認されたが,陽性対照の胸腺に比し発現量は少なかった. 3)陰性対照であるMRL lpr/lprマウスにおいては,大脳,小脳,海馬のいずれにおいてもFasの発現はみられなかった.以上より,生理的な神経細胞死にFasが関与している可能性が示唆された 続きを見る
16.

論文

論文
松本, 勲
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.309-332,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9207
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />実験1ではイヌで自家肺同所移植モデルとリンパ節郭清を施行した部分肺移植モデルを作成してECLRの手技上の問題点とリンパ節郭清の影響を検討した.実験2ではイヌで左肺の2時間温阻血モデルを作成し,体外での保存, 再灌流障害に対してのUTI投与,冷却保存及び肺血管床前灌流の効果を検討した.ECLRにおいては,特に肺静脈の吻合に留意し,縦隔リンパ節郭清施行時には吻合部の被覆等の吻合部の血流を確保する工夫が必要である.又,保存中の肺障害,虚血後肺再灌流障害の抑制に対してはUTI投与及び冷却保存は有効であった 続きを見る
17.

論文

論文
安田, 保
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.2-16,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9179
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />1)近赤外分光法を利用したSo2, Hb+Mbの測定は常温血性心筋保護液の冠灌流,灌流停止を鋭敏に反映した. 2)常温血性心筋保護液の5分間冠灌流と10分間灌流停止を3回繰り返したA群では心機能は低下しなか ったが,5分間冠灌流と20分間灌流停止を3回繰り返したB群では収縮期血圧,心拍出量係数は低下し,末梢血管抵抗が上昇し,左室仕事量係数が低下し,心機能が低下した. 3)A群では心筋内ATP, ADP, AMP含量のいずれも有意な変化を示さなかったが,B群ではATP含量が低下し,AMP含量が上昇し,高エネルギー燐酸の枯渇が認められた. 4)心筋超微細構造において,A群では経時的な虚血性変化が認められなかった.B群では3回目の灌流開始直前に,ミトコンドリアや核に変化が認められ,大動脈遮断解除直前にそれらが増悪し,虚血による蓄積性の細胞損傷が示された 続きを見る
18.

論文

論文
伊藤, 雅之
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.476-482,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9150
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ラットを用いて実験的に腹膜炎モデルを作成した. 1)腹膜炎群では血中BCAA(VAL,ILE,LEU)濃度の低下が認められ,低下した血中BCAA濃度は20%アミノ酸(BCAAを21.2%含有)と15%糖液に よるTPNにより対照群の血中濃度に是正された. 2)尿中BCAA排泄量はアミノ酸を投与した腹膜炎群で最も増加していたが,排泄量は投与BCAA総量の1%未満であった. 3)非腹膜炎群では血中のLEUからのケトン体の生成は認めなかったが,腹膜炎群では血中LEUからのケトン体生成が著明であった. 4)腹膜炎群でのLEUの血中消失速度は非腹膜炎群より速く,半減期は非腹膜炎群より短縮し,腹膜炎群でのLEUのエネルギー基質としての消費は非腹膜炎群の約4.8倍であった.重症感染時にはBCAAとくにLEUの代謝が著しく亢進していることを考慮しアミノ酸輸液の組成を決定すべきである 続きを見る
19.

論文

論文
二上, 文夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.717-724,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9246
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />分化度の異なる5種類のヒト膵癌培養細胞を用いて検討した. 1)mRNAレベル及び蛋白レベルにおいて,u-PAは分化度とは関係なく全種類に発現が認められたのに対し,膵トリプシノーゲンは分化型であるCapan- 1,BxPC-3及びAsPC-1の3種類にのみ発現がみられた. 2)ヌードマウスの脾内移植法による肝転移発生率はCapan-1では56%,BxPC-3では50%,AsPC-1では89%と,分化型の癌で高率であったのに対し,Panc-1ならびにMIAPaCa-2の分化度の低い癌では転移が全くみられなかった.即ち,膵癌細胞の肝転移発生率は分化度ならびに膵トリプシノーゲンの発現とよく相関した. 3)インベージョンアッセイにおけるCapan-1細胞の浸潤細胞数はFOY-305により0.1μM以上で濃度依存性に減少した. 4)Capan-1細胞の脾内移植法による肝転移発生率は,FOY-305非投与群の62%に対し投与群では14%と,FOY-305投与により有意に低下した 続きを見る
20.

論文

論文
野島, 直巳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.834-844,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9257
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)第1の転移経路として大網に多数存在した乳斑を介するものが認められた.大網では1日目からヒトβ-グロビンの強いシグナルが認められ,日をおって増強した.活性炭の腹腔内投与にて大網の乳斑は肉眼的に黒い点として 認められ,その内部にMKN-45-P細胞を認めた. 2)第2の転移経路として,横隔膜及び壁側腹膜の後上部に存在するストマータを介するものが認められた.横隔膜ではヒトβ-グロビンのシグナルは7日目より増強を示した.腹膜下リンパ管はMKN-45-P細胞接種により拡張して腹膜面に隆起として観察された.7日目には癌細胞は腹膜下リンパ管へ侵入した. 3)第3の転移経路として腹膜中皮細胞の収縮後に露出した基底膜に癌細胞が接着するものが認められた.MKN-45-P細胞接種12時間後より各々が分離するようになり,3日目には癌細胞はその基底膜の露出した部分に接着していた 続きを見る
21.

論文

論文
井上, 哲也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.420-426,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9218
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)脾臓において,3日目には赤脾髄へのリンパ球浸潤とIL-2受容体陽性細胞の増加が明らかとなり,7日目には全リンパ球に対するT細胞の比率が上昇した. 2)脾臓内のリンパ球分画では,W3/25陽性細胞のOX8 陽性細胞に対する比率は3日目に一旦上昇し,7日目には低下した. 3)宿主腸間膜リンパ節内のリンパ球分画では,W3/25陽性細胞とOX8陽性細胞の絶対数は共に移植後増加したが,W3/25陽性細胞のOX8陽性細胞に対する比率の推移は脾臓におけるそれと同様に3日目に一旦上昇し,7日目には低下した. 4)移植片の腸間膜リンパ節内のリンパ球分画では,W3/25陽性細胞は3日目に一旦減少し,7日目以降増加した.OX8陽性細胞は7日目以降増加したが,W3/25陽性細胞のOX8陽性細胞に対する比率は3日目に一旦減少し,7日目には上昇した 続きを見る
22.

論文

論文
坪川, 恒久
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.102-111,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9187
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />ウサギにプロポフォールを持続静注し,動脈血酸素分圧がプロポフォールの薬物動態とその基剤である脂肪の代謝に与える影響を検討した. 1)高酸素環境ではプロポフォールのクリアランスは空気吸入時と差がなかった.しか し,プロポフォールの基剤として用いられる脂肪のケトン体生成系で処理される比率が高まり,動脈血中のケトン体濃度が大きく上昇する. 2)低酸素環境では,肝でのプロポフォールの除去率の低下と肝血流量の低下の相乗作用により,プロポフォールのクリアランスは約2分の1に減少し,血中濃度は平均で約2倍に上昇した.肝のミトコンドリアは酸素の供給不足により還元状態となり,プロポフォールと脂肪の代謝は抑制されていると考えられた. 3)空気吸入下ではプロポフォールのクリアランスは十分に大きく代謝は早かった.したがって,鎮静度の調節は容易であり,投与中止後の覚醒も迅速であると考えられた 続きを見る
23.

論文

論文
松本, 成雄
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.689-702,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9170
概要: 金沢大学 医 歯口腔外科<br />下顎骨側方拡大装置を考案しハムスター下顎骨に装着した. 1)装着部を中心とした下顎頭の内側への回転がみられたが,術後1週目にほぼ正常位に復位していた. 2)下顎頭の形状については関節部にのみ両群間での有意 差が認められ,拡大群では術後2週目迄は平坦化していき,4週目以降はその形態が回復していくことが示された. 3)下顎頭上面観の肉眼的観察で,術後3日目では両群とも長楕円型が70~80%,他は楕円型であった.拡大群では2週目以降は殆どが水滴型であった. 4)下顎骨外側偏位早期には下顎頭軟骨層の非薄化が観察された.術後8週目には軟骨基質の消失及び軟骨細胞の消失が観察され,基底軟骨のみが観察された. 5)圧迫側の筋組織が壊死に陥り,術後4週目には同部位に骨膜反応が観察された. 以上の結果より,下顎骨外側偏位後には早期に下顎頭の位置が復位され,外力に対しては下顎頭軟骨細胞が下顎頭の再構成に重要な役割を果たしていることが示唆された 続きを見る
24.

論文

論文
西村, 彰
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.563-589,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9160
概要: 金沢大学 医 眼科<br />フルオロシリコンオイル(FSiO)及びパーフルオロトリブチラミン(PFTA)の主に神経網膜及び網膜色素上皮に対する毒性をイヌ及びネコにおいて調べた. 1)FSiOの硝子体腔内短期(6週間)留置はイヌではERG各 波と高浸透圧応答及び網膜光顕像に不可逆的な影響を与えず,ネコではERGのa波,b波,c波,明上昇と網膜光顕像に不可逆的な影響を与えなかったが,律動様小波(O2)頂点潜時をFSiO留置前に比べ留置6週後で変化させず,FSiO留置前に比べ抜去9週後では有意に延長させた.ネコでのO2頂点潜時延長には,FSiO自体よりもその抜去操作による影響の関与が疑われた. 2)粘度300csのFSiOと粘度1000csのFSiOでは眼内からの抜去の難易度に大差はなく,何れのFSiOも明らかな乳化を示さなかった 続きを見る
25.

論文

論文
Seto, Hikaru ; Kageyama, Masanari ; Maeda, Masatoshi ; Toyoshima, Shinichiro ; Tomizawa, Gakuto
出版情報: 核医学画像診断.  12  pp.2-5,  1997-09-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4221
概要: 富山医科薬科大学 医 放射線<br />原著論文
26.

論文

論文
山内, 大輔
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.218-227,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4530
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />家兎の大腿骨に創外固定器を装着し,1日4.0mm(4mm伸張群),2.0mm(2mm伸張群)および0.8mm(0.8mm伸張群)の速度で延長することにより坐骨神経を30mm伸張し た.伸張終了直後,伸張終了後3週および8週の時点で評価して坐骨神経を切断した切断群も同様に評価した.又,免疫組織染色により神経突起先端の成長円錐の構成蛋白である成長関連蛋白43(GAP-43)および神経突起の伸張を促進する神経ペプチドであるニューロペプタイド-Y(NPY)の陽性細胞率を検討した.その結果,末梢神経慢性伸張による軸索障害に対して神経細胞体は伸張速度に応じて再生に必要な蛋白合成を行っていることが判明した<br />原著論文 続きを見る
27.

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論文
坂本, 浩也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.596-602,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9235
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />小腸移植後の免疫抑制剤投与時の移植腸管の粘膜に対するGln添加成分栄養剤の効果を,ラットを用いて実験的に検討した. 1)Gln投与群では,Gln非投与群に比べ血中のGlnの濃度は有意に高かった. 2)Gln 投与群では,Gln非投与群に比べ血中のエンドトキシン濃度は有意に低かった. 3)Gln投与群では,Gln非投与群に比べ血中及び粘膜組織のヘルパーT細胞の割合は有意に高かった. 4)Gln投与群ではGln非投与群に比べ小腸粘膜のALP活性とBrdU標識率は有意に高かった.したがって,Gln無添加成分栄養剤の投与は小腸移植後の免疫抑制剤投与時の粘膜の再生と分化能を低下させるが,Gln添加成分栄養剤の投与は腸管の局所免疫機能を保持し,粘膜の再生と分化能の低下を抑制すると考えられた 続きを見る
28.

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論文
田尻, 和八
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.215-221,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9198
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />根性坐骨神経痛の発現における病変部位より末梢を流れるインパルスの関与を調べる為に,臨床的及び実験的検討を行った. 1)臨床的検討として,根性坐骨神経痛の19例に病変部位より離れた腓骨頭部で総腓骨神経ブロック を行い,リドカイン群がプラセボ群に比し有意に有効であった. 2)実験的検討として,坐骨神経の中枢を電気刺激し坐骨神経末梢で記録すると,皮膚での反射波と考えられる波形が得られた. 3)以上より,根性坐骨神経痛の発現には,病変部位より末梢を通過するC線維のインパルスが皮膚で反転して大脳まで伝導される経路が関与していると考えられた 続きを見る
29.

論文

論文
片柳, 和義
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.54-70,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9183
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />Slc/ICRマウスを用いて,胆嚢,総胆管,肝門部胆管,末梢部胆管の解剖学的区分からの胆道系上皮細胞の長期培養を行うことに成功した. 1)胆道系上皮細胞の初代培養をコラーゲンゲル培地上で行い,間葉系細胞の混 入のない上皮成分からなる部分を切り取り,継代することにより胆道系上皮細胞の純粋培養に成功した.3週間毎に継代し,胆嚢,総胆管,肝門部胆管は10代目まで,末梢部胆管は6代目まで観察し得た. 2)培養細胞はコラーゲンゲル上を単層性に敷石状に増殖進展し,コロニーの中心部では立方状~円柱状の形態を示し,辺縁部では扁平な形態を示した.粘液の産生は殆どみられなかった.各胆道系培養細胞はγ-GTP染色がび漫性に陽性であった.電顕による観察では管腔側には微絨毛が密生し,細胞間には接着装置や嵌合ヒダがみられ,生体内の胆道系上皮としての特徴を備えていた 続きを見る
30.

論文

論文
米田, 高宏
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.112-120,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9188
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />イヌを対象に,硬膜外麻酔中の高二酸化炭素症が,循環動態に与える影響を心エコー及び肺動脈カテーテル所見より検討した. 1)硬膜外麻酔を施行しなかったイヌでは,高二酸化炭素症は,心拍出量を前負荷依存性に上昇させ た. 2)PaCO2が正常な場合,硬膜外麻酔は,駆出分画に影響を及ぼさなかった. 3)硬膜外麻酔を施行したイヌでは,高二酸化炭素症は,前負荷や後負荷を変化させることなく,心拍出量及び駆出分画を低下させた.以上から,硬膜外麻酔中の高二酸化炭素症は,心拍出量を減少させると結論された.又,その減少には左室収縮機能の低下が強く関与していると考えられた 続きを見る
31.

論文

論文
青山, 和裕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.668-679,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9168
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)家兎脛骨に骨欠損を作成し,圧縮荷重及び引張荷重を与え,骨欠損部に生じた骨形成量を定量的に評価した. 2)圧縮荷重だけでなく引張荷重でも骨形成が促進する. 3)圧縮荷重及び引張荷重のいずれを与えた場合にも 低い有効応力(初期に生じた有効応力の大きさが0.0~4.1MPa,ひずみに換算すると0.0~347.5μstrain)を示す領域よりも高い有効応力(初期に生じた有効応力の大きさが2.7~10.8MPa,ひずみに換算すると228.8~915.3μstrain)を示す領域に骨形成が多くみられ,力学的刺激量と骨形成量は相関する. 4)力学的骨再構築理論式を用い,骨欠損部での骨形成過程をシミュレーション計算により求めた.その結果は動物実験の結果と骨形成の全体的な傾向での満足のいく一致が得られたことより,この新しい力学的骨再構築理論式は様々な骨代謝動態を表現する上で有用であると考えられた 続きを見る
32.

論文

論文
福島, 亘
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.732-741,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9173
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />5-リポキシゲナーゼ代謝阻害剤(AA861)の移植後急性拒絶における免疫抑制機序を,アラキドン酸代謝産物の変動から検討し,更にFK506の作用機序と比較することを目的に,ラット異系肝移植モデルを用いて研究し た.AA861の免疫抑制効果はFK506に比べて不十分であるが,AA861の免疫抑制機序としてはLTB4の産生抑制とこれに伴うPGE2の上昇によるT細胞増殖の抑制が推測され,FK506とは免疫抑制機序が異なることが示された.このことより移植後の急性拒絶反応においてFK506とAA861を併用投与することによってFK506の投与量を減量し,FK506の副作用を軽減できる可能性が示唆された 続きを見る
33.

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論文
久保田, 鉄也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.506-516,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9154
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)SAH後のクモ膜下腔においては,まずマクロファージが出現し,それに続いてT細胞亜群の特徴的な経時的変化が見られた.これらの一連の反応は,遅延型過敏反応に類似していた. 2)SAH後のクモ膜下腔では,遅 延型過敏反応に類似した細胞性免疫反応が起こり,そのピークはSAHから2~3日後であり,脳血管攣縮の経時的変化と相関した. 3)脳血管攣縮の病態は,マクロファージによる抗原認識と情報提示,T細胞による遅延型過敏反応の惹起,及び細胞性免疫反応と液性免疫反応の相互作用により引き起こされる血管壁での局所の免疫反応と考えられた 続きを見る
34.

論文

論文
佐々木, 次壽
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.529-540,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9156
概要: 金沢大学 医 眼科<br />L-グルタミン酸に対する電流応答をパッチクランプ法を用いて研究した. 1)1196個の双極細胞のうち119個が膜電位を-46mVに保持した場合にグルタミン酸に対して内向きの電流応答を生じ,応答を生じた細胞はOF F型双極細胞の形態学的特徴を持っていた. 2)OFF型双極細胞のグルタミン酸に対する応答はグルタミン酸の濃度に依存して増大し,100μMのグルタミン酸で応答は飽和し,それ以上の濃度では脱感作を示した. 3)OFF型双極細胞のグルタミン酸に対する感受性は細胞の各部位のうち樹状突起部で最も高かった. 4)20μMのカイニン酸と100μMのAMPAはグルタミン酸を投与した場合に類似した作用を示した. 5)グルタミン酸が活性化するチャネルはアルカリ金属イオンに対し低い選択性を示し,Na+, K+, Cs+及びCa2+に対し透過性を示した 続きを見る
35.

論文

論文
中山, 博文
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.483-491,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9151
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />家兎の大腿骨を延長することにより,坐骨神経を間接的に伸張した.2.0mm/日延長群(I群)及び4.0mm/日延長群(II群)を作成した. 1)電気生理学的検討でI群は延長直後に伝導障害を認めたが,8週後には 回復傾向を示した.II群では延長直後に,波形の痕跡化・消失を認め,8週後にも回復をみなかった. 2)I, II群共に8週経過しても,ワーラー変性・慢性炎症細胞の浸潤・神経内膜の線維化・神経周膜の肥厚等の所見はなかった. 3)電子顕微鏡的観察ではI群の延長直後には,ランビエ絞輪部の軸索の延長・髄鞘層板一軸索角の鋭角化及び軸索膜の軽度の不整が認められた.8週後にはそれらの組織変化の修復像が認められた.II群の延長直後では同様の組織変化がより顕著に認められ,8週後には,軸索膜の不整の増悪・基底膜の不鮮明化・軸索内細胞骨格の希薄化が認められた 続きを見る
36.

論文

論文
須釜, 淳子 ; Sugama, Junko
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2010 Fiscal Year Final Research Report.  2008 – 2010  pp.4p.-,  2011-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059429
概要: 金沢大学医薬保健研究域保健学系<br />褥瘡とは一般的には「床ずれ」と表現され、一定の場所に一定以上の圧力が加わることによって、組織の血行が阻害され発生する皮膚潰瘍である。その予防法のひとつである2時間ごとの体位変換について、工学モデルと 栄養状態の低下した動物モデルを用いて検討した。その結果、栄養状態が低下すると治癒が遅れ、皮膚深部組織に影響が強いことがわかった。体位変換時間を考案するには、さらにモデルの改変が今後必要である。<br />Pressure ulcers are localized areas of tissue breakdown in skin and/or underlying tissues. One of the preventative cares is repositioning at least every 2 hours. Researchers investigated the interval for the repositioning using the finite-element model and the animal model with malnutrition. Based on the results, malnutrition delayed the wound healing and deep tissue damage was predominant. Further study is needed to develop the equation for position change interval for the at risk people with weak tissue tolerance.<br />研究課題/領域番号:20592481, 研究期間(年度):2008 – 2010 続きを見る
37.

論文

論文
須釜, 淳子 ; Sugama, Junko
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2010 Fiscal Year Final Research Report.  2008-2010  pp.4p.-,  2011-06-01.  金沢大学新学術創成研究機構
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051148
概要: 褥瘡とは一般的には「床ずれ」と表現され、一定の場所に一定以上の圧力が加わることによって、組織の血行が阻害され発生する皮膚潰瘍である。その予防法のひとつである2時間ごとの体位変換について、工学モデルと栄養状態の低下した動物モデルを用いて検討し た。その結果、栄養状態が低下すると治癒が遅れ、皮膚深部組織に影響が強いことがわかった。体位変換時間を考案するには、さらにモデルの改変が今後必要である。<br />Pressure ulcers are localized areas of tissue breakdown in skin and/or underlying tissues. One of the preventative cares is repositioning at least every 2 hours. Researchers investigated the interval for the repositioning using the finite-element model and the animal model with malnutrition. Based on the results, malnutrition delayed the wound healing and deep tissue damage was predominant. Further study is needed to develop the equation for position change interval for the at risk people with weak tissue tolerance. 続きを見る
38.

論文

論文
中谷, 弘光
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.160-168,  2003-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4501
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞浸潤学<br />口腔扁平上皮癌の浸潤増殖における腫瘍血管,および腫瘍リンパ管の変化とその意義を解明するために,ジメチルベンズアントラセンアセトン溶液誘発ハムスター舌癌の血管,およびリンパ管密度を 検討した.正常粘膜から癌化するまでの経時的変化において,血管は増加する傾向であった.一方,リンパ管はほとんど変化がなかった.血管,およびリンパ管密度を浸潤様式別に検討したところ,血管密度では,浸潤傾向が高度になるほど血管密度が低くなった.リンパ管密度では,浸潤様式1,2,3型よりも4C型でリンパ管密度が高くなる傾向がみられた.癌細胞における血管内皮増殖因子(VEGF)-Cの発現を浸潤様式別に検討したところ,浸潤様式が高度になるほどVEGF-Cの発現も高度になった.しかし,VEGF-Cの発現とリンパ管密度との関連性はみられなかった.口腔扁平上皮癌における血管新生,およびリンパ管新生は,癌の浸潤・増殖に影響を受けることが示唆された<br />原著論文 続きを見る
39.

論文

論文
佐々木, 素子 ; Sasaki, Motoko
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.61-65,  2004-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4494
概要: 金沢大学医学系研究科形態機能病理学<br />総説
40.

論文

論文
中村, 浩二 ; Nakamura, Koji
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2007 Fiscal Year Final Research Report.  2006-2007  pp.55p.-,  2008-03-01.  金沢大学環日本海域環境研究センター
URL: http://hdl.handle.net/2297/48723
概要: 金沢大学角間キャンパス「里山ゾーン」内の25年にわたり放棄されていた棚田跡において,すでに2002年から2007年まで,棚田の復元を段階的に実施しながら,生物多様性の変化を見るために,動植物の種類相,種ごとの個体数,開花植物と訪花昆虫の関係 等を,春から秋まで総合的にモニタリングしてきた.また,キャンパス周辺,珠洲市,能美市等の棚田,水田でも比較調査をおこなった.主成果は以下である. 1.上述の棚田復元地の水田内において,昆虫類,クモ類を中心として,2004年は17目4993個体、2005年は13目2508個体、2006年は12目2171個体が採集され,捕食者ギルドの個体数・割合は3年間で有意に増加した。クモ類は合計75種が確認され優占目であり,2004年は10科38種875個体、2005年は10科42種1078個体、2006年は11科38種700個体が採集された.クモ類の種組成は2004〜2006年まで年ごとに異なっており(DCA解析),水田の広分布種が移入しつつあった. 2.上述の里山ゾーンにおいて無脊椎動物の多様性と群集構造の変化を,特に地表歩行性甲虫類(コウチュウ目:ゴミムシ科)に注目して調査した.棚田復元地のほかに,コナラ林,モウソウチク林,スギ林,等を調査地としてえらび,落とし穴トラップを用いて,月1回採集を繰り返した.また,飛翔性飛翔性の昆虫類を中心とした節足動物相の個体数と多様性に及ぼす環境の異質性(植生,地形等)と保全活動の影響を調査するために,IBOY式ウィンドウ・トラップを用いて,上下2層において月1回採集した. 3.上記2から,ゴミムシ類や飛翔性昆虫類の解析の結果,(1)生息環境による種類構成の差が明瞭に検出された.(2)再生作業により種類構成,個体数にはっきりした差が生じた.(3)棚田の再生活動は,ゴミムシ類や飛翔性昆虫類の種類構成に大きな変化をもたらした.<br />Recently, Satoyama, the traditional rural landscape of Japan, has been paid much attention, because, beside many important roles, it is a key to biodiversity conservation in Japan. Effects of restoration of paddy fields, which had been abandoned for 30 years, on the biodiversity of arthropods associated with the rice plants in the paddies. The paddies were restored gradually year by year, and the change of the biodiversity was monitored from 2004 to 2007. A total of 4993 individuals (17 orders) and 2508 (13 orders), 2171 (12 orders) were collected from the paddies in 2004, 2005 and 2006, respectively. Proportion of the predators such as spiders in the samples increased clearly during the study.Habitat heterogeneity and restoration activities on abundance and diversity of ground arthropods and above-ground arthropod assemblages were studied using pitfall traps and window traps, respectively, in the "satoyama area" within Kanazawa University's Kakuma Campus, Kanazawa, Japan from 2004 and 2006. Monthly samples were taken from nine sites, including forested areas and valley areas with paddies under restoration. For the samples obtained by the two sampling methods, an order level analysis with DCA ordination revealed a clear separation of arthropod order compositions among different habitat types and the changes in the faunal composition over the restoration of the paddies were confirmed.<br />研究課題/領域番号:18580328, 研究期間(年度):2006–2007<br />出典:「長期間放置されていた棚田の復元にともなう生物多様性の変化」研究成果報告書 課題番号18580328 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
41.

論文

論文
王, 煜
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.98-108,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4490
概要: 金沢大学医学系血管分子生理<br />ウサギ胸部大動脈を用い,ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害薬ワートマンニン(WMN)およびLY294002が,血管平滑筋収縮反応,20KDaミオシン軽鎖(MLC20)リン酸化,Rho活 性化,ミオシンホスファターゼ(MLCP)活性に及ぼす効果を検討し,さらに血管収縮調節にかかわるPI3Kサブタイプを同定した.その結果,PI3K阻害薬は,塩化カリウム脱分極刺激やノルアドレナリン収縮血管において主にMLC20脱リン酸化を促進することによりMLC20リン酸化を低下させ,この作用はRho活性化およびMLCPのMYPT1サブユニットリン酸化の抑制を伴うことが明らかになった.また,PI3K阻害薬の分子標的はクラスII酵素PI3K-C2αであったことからPI3K-C2αは血管トーヌスの調節に関わると考えられた<br />原著論文 続きを見る
42.

論文

論文
山田, 泰士
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.71-83,  2003-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4510
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />腱付着部症の病態の解明,治療法の確立のために,「繰り返し引っ張り刺激」による腱損傷モデルの修復過程に再刺激を行い,その後の損傷の形態,修復過程について検討した.修復早期(初回刺激 後2週)における腱損傷を生じうる再刺激(12kgf)により,その後の修復は遅延し,腱内部に不可逆的な変化と考えられる変性や石灰化を生じた.しかし,修復後期(初回刺激後6週)に同様の再刺激を行っても,その後の修復は遅延せず,1回刺激後と同様であった.また,靱帯損傷を生じない程度の再刺激(6kgf)であれば,修復初期,後期の何れの時期においても,その後の修復が遅延することはなかった.修復初期であっても適切な負荷は損傷腱の修復を遅延させないことから,早期運動療法の可能性が示唆された<br />原著論文 続きを見る
43.

論文

論文
国枝, 武重
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.317-325,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4522
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻がん遺伝子治療学<br />経皮的近赤外線(NIR)照射による再内皮化の促進および新生内膜増殖抑制に関して検討した.方法は,ウィスターラットの頸動脈バルーン傷害モデルを作成し,3日間,10分間づつ経皮 的NIR照射を行い,新生内膜増殖および培養細胞に及ぼす影響を非照射群とで比較した.NIR照射によって内膜/中膜比は非照射群に比し1週間後で25%,2週間後で49%の有意な減少を認めた.1週間目のPCNA染色による陽性細胞率は非照射群に比し25%減少した.TUNEL法によるアポトーシスの検討では両群間に差はなかった.エバンスブルー染色による再内皮化率は非照射群に比し49%の増加を認めた.培養細胞では平滑筋細胞はNIR照射の影響を受けなかったが,血管内皮細胞は10J/cm^2照射で有意な増殖促進を認めた.INR照射は非侵襲的かつ簡便で,新しい再狭窄予防の治療法となる可能性が考えられた<br />原著論文 続きを見る
44.

論文

論文
八木, 俊浩
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.308-314,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4559
概要: 金沢大学医系研究がん医科<br />フェンタニルの脳移行に及ぼすプロポフォールの影響について検討した.実験はラットを用い,フェンタニル単独またはプロポフォールと併用で単回静注した場合と,単独または併用で60分間持続静注した場合の血中濃度と脳 内濃度を測定した.単回静注では,プロポフォール併用によってフェンタニルの血中濃度は変化しなかったが,脳内濃度は約2/3に低下した.脳血流量は単独と併用間に有意差はなかった.持続静注では,プロポフォールないし脂肪乳剤の併用で,血中濃度が単独投与の場合の約1.5倍に上昇したが,脳内濃度はプロポフォール併用で約1/2に低下した.脂肪乳剤のみの併用では,血中濃度は上昇したが脳内濃度は減少傾向を示す程度であった.以上より,プロポフォール併用でフェンタニルの脳移行が抑制され,脳血流量変化および脂肪乳剤の関与は否定的で,プロポフォール自体がBBBの能動輸送低下に関与していると考えられた.また,両剤の併用麻酔法では,血中と脳内濃度に乖離があり,投与量・投与速度には細心の注意が必要と思われた<br />原著論文 続きを見る
45.

論文

論文
櫻田, 規全
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.390-403,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4558
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />角膜上皮細胞におけるKチャンネルのアラキドン酸による調節について検討した.対象は,ウシ角膜とヒト角膜で,角膜上皮細胞を単離した.ウシ角膜上皮細胞には,極性に乏しい球状細胞と極性を有する円柱状細胞の2種類と, 2種類のK電流が認められた.一つは,不活性化K電流で,膜電位開口型Kチャンネルのそれに類似し,円柱状細胞に多く発現した.一つは,不活性化しないK電流で,ウサギ角膜上皮の大コンダクタンスK電流に相同の持続型K電流で,このK電流はアラキドン酸により著明に増大した.アラキドン酸代謝の基質にならない脂肪酸も同様に作用し,アラキドン酸は直接Kチャンネルに作用すると考えられた.アラキドン酸や脂肪酸は,不活性化K電流には抑制的に作用した.ヒト角膜上皮細胞では不活性化電流は認めず,アラキドン酸,脂肪酸により増大した電流は+10mVより陽性で強い整流作用を示し,ジルチアゼムには阻害されなかった.100μMアラキドン酸は,ジルチアゼム感受性のK電流を増大させ,ヒト角膜上皮細胞でも持続型K電流が発現すると考えられた<br />原著論文 続きを見る
46.

論文

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常山, 幸一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.538-550,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9230
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />最近,我が国で開発された免疫不全マウスALY系のホモ接合体であるaly/alyマウスを対象に,新生児,8週齢,10週齢,12週齢における肝,胆道系の変化をヘテロ接合体であるaly/+マウスと病理学的に比較し た. 1)8週齢以降,aly/+マウスの肝,胆管系には著変がみられないのに比べ,aly/alyマウスは門脈域内にリンパ濾胞形成を伴う軽~中等度のリンパ球浸潤がみられ,胆管上皮に種々の変性像,偽幽門腺化生,胆管破壊像,胆管を中心とする炎症所見がみられた. 2)aly/alyマウスでは8週齢以降の全個体で,大型胆管上皮の胞体内に均一な好酸性物質を蓄積した,好酸性の上皮細胞の出現を認めた.好酸性細胞で構成される胆管腔内には長方形~多角形の好酸性結晶の出現がみられた. 3)電顕的検索の結果,aly/alyマウス胆管上皮の好酸性物質は拡張した粗面小胞体内に蓄積していた.胆管腔内の好酸性結晶は電顕的にも無構造な結晶であった 続きを見る
47.

論文

論文
安川, 善博
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.400-405,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9216
概要: 金沢大学 医 神経内科<br />1)培養ラット骨格筋細胞には,erbA, src, raf, sis, fos, myc,H-ras, K-rasと今回検討したものだけでも8種類のプロトオンコジーンが発現しており,これらは筋細胞の増殖分裂 ,分化,機能維持に関与している可能性が考えられた. 2)プロトオンコジーンの中でK-rasのみがCGRP添加の影響を受けその発現量は約2倍に増強していた.CGRP添加後の経時的変化は,AChR α-サブユニットのそれと類似しており,両者の発現が共通の機序により調節されている可能性が示唆された. 3)上記以外の筋特異的遺伝子,即ちミオジェニン,MLCl, MHC, cDMD4-5aは発現が確認されたが,CGRPの修飾は認められなかった. 4)CGRPを添加する時期は,殆どの培養筋芽細胞が筋管細胞へと分化している頃であることから,CGRPが生体の分化した筋細胞の維持に栄養因子として働いている可能性が考えられた 続きを見る
48.

論文

論文
韓, 文華
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.239-248,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9201
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />麻酔下の雄性Sprague-Dawley系ラットにアデノシンA1受容体拮抗薬,FK838を投与した. 1)FK838を持続静注すると,投与初期に軽度のGFRの増加を認めた以外,MBPならびに腎血行動態は不変 であった.UV, UNaV, FENaは著しく増加し,水・Na利尿がみられた. 2)FK838の持続静注により,係蹄灌流によるEPFRの変化率は小となり,これにより評価したTGF機構の反応性は抑制された. 3)10-7~10-5MのFK838でヘンレ係蹄を微小灌流したところ,TGF機構は濃度依存性に抑制された. 4)プロベネシドを持続静注すると,FK838の水・Na利尿作用は増強したが,TGF機構はFK838単独静注時と同程度に抑制された.プロベネシドの併用により,FK838の血漿中濃度は上昇したが,尿中排泄量は影響を受けなかった.以上より,FK838は,血管内及び尿細管腔内投与のいずれによってもTGF機構を抑制する 続きを見る
49.

論文

論文
小泉, 博志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.363-381,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9211
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />総胆管結紮ラットモデル,3'-MDABラットモデルを用いて,細胆管増生及びオバール細胞増生の,病理組織像と細胞動態を,神経分布との関連性より検討した. 1)細胆管増生域,オバール細胞増生域は経過と共に,拡大 し,42日目には,肝小葉を分断し肝硬変様の形態をとった. 2)PGP 9.5陽性神経線維は,総胆管結紮群では経過と共に減少した.3'-MDAB投与群では減少,消失はなく,28~35日目以降には,オバール細胞増生域に神経線維が分布する像がみられた. 3)NSE陽性神経線維は,総胆管結紮群では28日目以降に細胆管増生域に神経線維の分布する像がみられた.3'-MDAB投与群ではオバール細胞増生域に神経線維の分布は全経過を通じてなかった. 4)NPY陽性神経線維は,総胆管結紮群では経過と共に減少した.3'-MDAB投与群では減少,消失はなかった.オバール細胞増生域には全経過を通じて神経線維の分布はなかった 続きを見る
50.

論文

論文
浜田, 秀剛
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.611-621,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9163
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)エストロゲン 2.5mgを週1回投与することにより,ラットの下垂体重量及び血清PRL値は増加した.計6回投与した時点で下垂体前葉細胞の殆どがPRL産生細胞となっており,ラットPRL産生下垂体腫瘍のモデ ルが誘発されたものと推定された. 2)ブロモクリプチンは下垂体重量,PRL濃度共に著明に低下せしめた.電顕的には細胞内分泌顆粒が著明に増加しており,ブロモクリプチンがPRLの放出を抑制した結果分泌顆粒が細胞内に貯留したと考えられた. 3)タモキシフェンは下垂体重量,PRL濃度共に低下させたが,ブロモクリプチンに比してPRL濃度を低下させる効果よりも,下垂体重量を低下させる効果の方が強かった 続きを見る
51.

論文

論文
勝木, 達夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.324-334,  1995-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9137
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />雑種成熟イヌ23頭を用い,高周波カテーテル焼灼による完全房室ブロック作成後に,Cs0.5~1.0mM/kgの反復静注を行い,Tdpを誘発し,Tdp中のEp-map,3D-map,MAPについて検討した. 1 )TdpはCs投与による解析対象例17頭中12頭に誘発された. 2)Cs静注によりMAPDは延長し,EADが71.4%に誘発された. 3)EADがTdp開始の立ち上がり電位と一致する例はなかったが,単発性心室性期外収縮や2ないし3連発の多形性心室期外収縮の立ち上がり電位と一致した. 4)Tdp開始における電気軸変動時には,Ep-mapでは最早期興奮部位は1ヶ所であり,1心拍毎の移動がみられた. 5)3D-mapにおいても最早期興奮部位の1心拍毎の移動がみられたが,伝導ブロックや興奮旋回の連続性はみられなかった 続きを見る
52.

論文

論文
阪上, 学
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.383-396,  1995-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9143
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />イヌの30分冠動脈閉塞再灌流モデルを用い左室心筋3層同時マッピング法を行い,再灌流不整脈の発生とVFへの移行機序について検討した. 1)実験を行った25頭中,再灌流数秒以内に4頭に単発または2連発のPVCを ,5頭にNSVTを,3頭にSVT,9頭にVFを認めた. 2)PVC,NSVTでは,その開始心拍とそれに続く心拍のいずれも心内膜面に不整脈の発生を認め,いずれもリエントリー機序の関与はみられなかった. 3)SVTは,心内膜面から生じる心拍のみから頻拍が形成されリエントリー機序の関与はなかった. 4)VFでは,開始数心拍はリエントリーの関与のない心内膜面から生ずる心拍により形成された. 5)再灌流不整脈は,心内膜面からの非リエントリー性の機序により生じ,VFへの移行に心外膜面での伝導遅延によるリエントリーの形成が関与していると推測された 続きを見る
53.

論文

論文
又野, 禎也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.270-282,  1995-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9131
概要: 金沢大学 医 第3内<br />1)親株であるras/myc-SFME細胞と比べて,r/mHM-SFME-1細胞は,肺への高い転移能を持った. 2)制限酵素Hind III処理DNAを用いてPCR法により作成した検量線では,マウス1匹の肺に 腫瘍細胞が104個以上あれば検出可能であった.これは制限酵素EcoR I 処理したDNAを用いた場合でも同様な結果であった.各々の制限酵素処理DNAで作成した検量線は,ほぼ同一の曲線を示し,再現性が確認された. 3)本法を用いて腫瘍移植マウス肺への遠隔転移を経時的に調べた.腫瘍移植7日目より腫瘍由来のPCR産物の検出が可能であった.1群のマウス匹数を増やして行った実験でも,経時的に肺での腫瘍由来PCR産物が増加した.以上の結果より,本細胞の肺への遠隔転移の検出ならびに転移腫瘍細胞数の推定にPCR法は有用であった.また,PCR法を組み込んだ本実験系は,転移腫瘍細胞数の評価を行ううえで極めて有用である 続きを見る
54.

論文

論文
高山, 嘉宏
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.162-174,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9122
概要: 金沢大学 医 第2内科<br />1)正常ラット群では,インスリン 4U/kg投与後,正常血糖域内の血糖降下によって大内臓神経活動は生食投与群に対し有意の増加を示し,低血糖成立後も更に増加を続けた.軽度の低血糖誘発下にグルコース投与を行うと ,一過性血糖上昇に一致する一過性の大内臓神経活動の減少を認めた. 2)インスリン 4U/kg投与10分後の門脈血IRG濃度は生食投与群に対し明らかに有意の高値であった.この時のインスリン投与群の血糖値は平均16mg/dlの低下をみたのみで正常血糖域であった. 3)血糖コントロールを行わなかったSTZ-糖尿病ラット群ではインスリン 8U/kg投与後,血糖の急峻な降下にも拘わらず,大内臓神経の応答は減弱し,門脈血IRG濃度も最も低値を示した.即ち,インスリン低血糖誘発時における正常血糖域内の相対的血糖降下が迅速に交感神経系を賦活し,これが迅速なIRG分泌を促し,又,高血糖状態の持続がこの反応性を低下させることを示した 続きを見る
55.

論文

論文
久保, 正幸
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.109-116,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4489
概要: 金沢大学大学院医学系研究科環境医科学専攻環境生態医学<br />コンベンショナル環境下でアトピー性皮膚炎(AD)を発症したNC/Ngaマウス(コンベンショナル群)とSPF環境下でADを発症しないNC/Ngaマウス(SPF群)を用い,一酸化窒 素(NO)やNOより生じる活性窒素種(RNS)とAD病態との関係を検討した.コンベンショナル群の皮膚病変部において誘導型NO合成酵素(NOS)および内皮型NOS発現はSPF群より有意に上昇し,神経型NOSの発現は減少傾向を示した.また,コンベンショナル群の血清中の亜硝酸イオンおよび硝酸イオン濃度はSPF群より有意に上昇したが,皮膚中での濃度は有意に低下していた.AD様皮膚病変部ではニトロチロシンやS-ニトロソチオール量が有意に増加し,ニトロチロシンの産生は好酸球に認められた.一方,酸化ストレス指標であるthiobarbituric acid-reactive substancesや8-ヒドロキシデオキシグアノシンの生成は両群間で有意差を認めなかった.NC/NgaマウスではAD皮膚病変部におけるNOSアイソフォームの発現の変化,NOxの減少やRNS産生の増加などNO代謝バランスの変化がAD病態と関連していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
56.

論文

論文
増谷, 剛
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.348-361,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4519
概要: 金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳機能制御学<br />ラット脳幹内顔面神経膝部軸索損傷モデルにおける顔面神経核の逆行性変性機構の抑制に関して検討した.方法は,成熟ラットの顔面神経軸索を茎乳突孔出口で切断した末梢損傷群,同部で引き抜き より中枢側で損傷を加えた引き抜き損傷群,定位脳的に脳幹内顔面神経膝部を切断した脳幹内損傷群群,脳幹内軸索損傷後直ちに自家坐骨神経移植した坐骨神経移植群を作製し,神経細胞の生存率,周辺のグリア細胞の反応を検討した.術後7日,28日目の顔面神経細胞生存率は,末梢損傷群でそれぞれ102.4%,90.2%,引き抜き損傷群で94.6%,49.7%,脳幹内損傷群で30.9%,2.3%,移植群で43.7%,20.4%であり,移植群では逆行性変性は有意に抑制された.グリア線維性酸性蛋白(GFAP)陽性アストロサイトの発現は各群間で差はなく,ED1陽性マイクログリアおよびマクロファージの発現は末梢損傷群に比し他の3群でより顕著であった<br />原著論文 続きを見る
57.

論文

論文
伊藤, 正明
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.300-316,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4523
概要: 金沢大学大学院医学研究科脳医科学専攻神経分布路形態形成学<br />ラット膝関節の発生学的研究を行った.方法は,Wister系ラット胎仔の膝関節を用い,関節腔および十字靱帯の脛骨付着部の形成過程を観察した.関節腔の形成は2つの骨原基の介在領 域(IZ)の間葉細胞凝集塊の中間層(IMZ)でなされたが,アポトーシスの関与は認めなかった.IMZの扁平な細胞の一部で細胞質の空胞化,核の濃染を認め,数層の配列が伸張・扁平化して紡錘形細胞となり,2層構造となった.残りの細胞はやや扁平な軟骨芽細胞となり,外層に組み込まれた.コラーゲン線維は網目状であったが,IMZでは密度が低く,関節面に平行に配列していた.関節腔はパラフィン切片ではE16.5に扁平化した細胞間で,樹脂切片ではE18に紡錘形細胞間で形成され,いずれもE19で関節腔が完成した.十字靱帯の脛骨付着部では軟骨膜の形成はなく,コラーゲン線維束の軟骨内での発達と円形細胞の柱状配列の段階的変化を認めた<br />原著論文 続きを見る
58.

論文

論文
中村, 立一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.19-27,  2003-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4516
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />大腿四頭筋の遠心性運動と求心性運動が膝蓋腱の微細構造に与える影響を組織学的に比較検討した.手術によって膝蓋腱の内外側1/4ずつを切除して腱幅を半分にし,腱にかかる張力を2倍にした 12週齢の過負荷モデルラットを作製し,これに対して走行負荷を行った.続いて両運動が腱の成熟過程に及ぼす影響を明らかにするために,7週齢の幼若ラットに対して速度15m/分,傾斜15度,30分間の下り坂定と上り坂走を毎日負荷し,膝蓋腱に上じた変化を電子顕微鏡で検討した.遠心性運動は求心性運動に比較して腱の損傷を来たし易い一方で,腱炎の修復過程に必要不可欠な腱の修復強度を増加させる作用を持ち,腱炎の再発率を低下させる有効な運動療法であることが示唆された<br />原著論文 続きを見る
59.

論文

論文
上原, 健治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.173-182,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4533
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />術前放射線照射による延長仮骨形成障害の機序を解明にする目的で,日本白色家兎15Gy照射後延長モデルを作製し,延長部の単純レントゲン,組織標本,微小血管造影について検討した.その結 果,延長終了時に仮骨形成を全く認めなかった.延長終了後に仮骨形成が出現したが構造に規則性は無く,散在性の骨化巣で内軟骨性骨化であった.血管内皮増殖因子(VEGF)に対する免疫組織染色では,延長終了4週の延長部の血管は少なく,骨芽細胞はVEGFの強い発現を認めた.以上より,術前放射線照射による延長仮骨形成障害は,骨芽細胞や前駆細胞の障害の他に血管新生障害が関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
60.

論文

論文
小林, 顕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.136-148,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4570
概要: 金沢大学医眼科<br />晩期発症型錐体桿体ジストロフィーの患者に見られたHRG4変異と同様のアミノ末端側の停止コドンを含むHRG4トランスジーンを作成し,不完全長のHRG4を網膜で発現するトランスジェニックマウスを作成した.このトランスジ ェニックマウスは年齢依存性の網膜変性を呈し,この網膜は電子顕微鏡的に著明なシナプス変性及び経シナプス変性を呈した.網膜電図ではa波,c波は正常にも関わらず,b波は減弱し,視細胞からのシナプス伝達が障害されていると推論された<br />原著論文 続きを見る
61.

論文

論文
池永, 康規
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.149-158,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4572
概要: 金沢大学医整形外科<br />恒常的な部分脱神経筋モデルラットを作成し,部分脱神経をおこした神経の本幹部分を観察した.部分脱神経後の神経本幹部分では,残存した神経束の髄鞘内横断面積は術後4週~6週目にかけて増大することが明らかになった.又, 部分脱神経により筋湿重量は低下するが,残存した正常な筋群の代償的肥大と神経再支配が行われても変化しなかった.発芽による再神経支配を受けたヒラメ筋の筋線維が回復する段階において,タイプII線維の比率が上昇した<br />原著論文 続きを見る
62.

論文

論文
水野, 勝則
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.171-179,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4574
概要: 金沢大学医整形外科<br />ウサギ25羽を用い,硬膜外静脈叢からの出血に対するフィブリン糊硬膜外腔注入法の止血効果及び脊髄に与える影響を検討した.フィブリン糊注入群では非注入群と比較して出血量の有意な減少を認めた.組織学的には,フィブリン 糊は硬膜外腔全体に均等に充満していた.フィブリン糊混合液の注入は,脊髄を傷害することなく硬膜外静脈叢を圧迫し,タンポナーデ止血効果を発揮していた<br />原著論文 続きを見る
63.

論文

論文
石塚, 修一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.199-205,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4571
概要: 金沢大学医麻酔蘇生<br />妊娠29日(満期31日)のウサギを用いて,プロポフォールの薬物動態及び薬力学を調査した.プロポフォール投与終了後,直ちに帝王切開術を行い,胎仔を取り出した.母体の血液と胎仔の血液濃度比は,プロポフォール投与開始 30分で平衡に達した.母体での脳と血液のプロポフォール濃度比も同様であった.一方,胎仔での脳と血液のプロポフォール濃度比は,10分以内に平衡に達していた.薬力学的には50%が重篤な呼吸抑制を呈する胎仔の脳内プロポフォール濃度は0.46μg/gであった<br />原著論文 続きを見る
64.

論文

論文
北, 勝利
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.31-40,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4577
概要: 金沢大学医眼科<br />ネコにおいてたい色光照射後の暗順応経過中の比較的早期に観察される陰性波とSTRの特徴を比較検討した.90分の暗順応後に刺激光強度を-7.3log~0logまで変化させERGを記録すると,b波の閾値以下の弱刺激光域で は陰性電位のSTRのみが記録された.300cd/cod2の白色褪色光で5分間照射後に暗順応を開始した.又,青色刺激光および赤色刺激光に対する閾値の対数差はSTR及び褪色光照射後に記録される陰性波とではほぼ一致した.これらの結果から,褪色光照射後の暗順応経過中の比較的早期に記録される陰性波はSTRそのものであることが判明した.確立したSTRの記録方法はSTR記録の時間を著しく短縮し,STRの臨床応用を促進する<br />原著論文 続きを見る
65.

論文

論文
清川, 裕明
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.658-672,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9240
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />家兎摘出大腿動脈を用い,5HT, NE, 高Kの血管収縮反応に及ぼすインスリンの影響を内皮の有無により比較し,更に,内皮温存標本においてアスピリン及びL-NAMEのインスリン作用への影響及びAchとSPによ る内皮依存性拡張反応に対するインスリンの作用を検討した. 1)インスリンは,内皮剥離標本において濃度依存性に,5HT, NE, 高Kの収縮を抑制した. 2)インスリンにより内皮温存標本でも収縮物質に関わらず,非特異的な収縮抑制を示したが,内皮剥離標本に比べ血管収縮抑制の程度は大きかった. 3)内皮温存標本での,インスリンの血管拡張作用はアスピリン投与により変化しなかった. 4)内皮温存標本での,インスリンの血管拡張作用はL-NAME投与により収縮物質に関わらず,非特異的に抑制された. 5)インスリンによりAch及びSPの内皮依存性血管拡張反応が増強した 続きを見る
66.

論文

論文
高橋, 麗子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.71-80,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9184
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />サーファクタントの作成に必要な脂質の種類と割合を検討する為,種々の合成リン脂質の組合わせと蛋白質からなる再構築サーファクタントを作成して,生物学的及び物理学的活性を調べた. 1)疎水性蛋白質であるSP-Bと SP-Cはサーファクタントの活性に不可欠な因子である. 2)サーファクタントの脂質として,飽和脂肪鎖を持つDPPCだけでは不十分である. 3)酸性リン脂質であるPGはサーファクタントの活性発現に必要な脂質である.サーファクタントの全脂質に対するPGの割合としては15~20%が適当であると考えられる. 4)不飽和脂肪鎖をもつu-PCはサーファクタントの動的条件下における性能を高め,換気量を増加させる為に必要な物質である.DPPC, PG,及びu-PC(重量比,60:20:20)を混合して作成したサーファクタントは,天然肺サーファクタントとほぼ同様の活性を示した 続きを見る
67.

論文

論文
莫, 如然
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.136-143,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9190
概要: 金沢大学がん研究所<br />マウスFM系統のC4遺伝子の-107~-94までにある核因子-1(nuclear factor 1, NF1)の結合のコンセンサス配列を見出し,ゲルシフト法とメチレーション阻害実験により,この配列にHepG2核 因子が特異的に結合することを検出した.Slpプロモーターはこのコンセンサス配列中,一塩基置換をもち,NF1類似因子と結合しなかった.試験管内変異法で,C4プロモーターの対応する配列中の1ヶ所をSlp型に置き換えると,chloramphenicol acetyltransferaseアッセイで調べた転写活性はSlpと同レベルまでに低下した.Slpプロモーターの対応する配列中の1ヶ所をC4型に置き換えると,転写活性は一部上昇した.これらの結果から,男性ホルモンのない場合の,C4とSlpプロモーター転写活性の差はNF1類似因子との結合の有無によって規定されていると結論された 続きを見る
68.

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論文
伊藤, 博徳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.154-161,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9192
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />臭化ロクロニウム(RB)による神経筋遮断の程度と四連反応比(TOFR)の関係をラットの生体内実験(坐骨神経前脛骨筋標本)と非生体内実験(横隔膜神経筋標本)で検索し,その結果を臭化ベクロニウム(VB)及び臭化 パンクロニウム(PB)による所見と比較した. 1)生体内実験で観測されたRBのTOFRは,VBとほぼ等しいものであった.筋弛緩の程度が同じであってもPBのTOFRより有意に大きい値を示した. 2)RBの回復指数は,VBとほぼ同じであったが,PBの回復指数よりも有意に短縮していた. 3)非生体内実験では,神経筋遮断の程度とTOFRの関係に筋弛緩薬の違いによる差はなかった. 4)RBとPBの間で,筋弛緩の程度が同じでもTOFRに差が出た機序は,筋組織内で薬剤の分布速度に差のあることが関係していると考えられた.以上より,臨床でRBを使用する場合,PBで観測される%T1とTOFRの関係を適応することはできない 続きを見る
69.

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中村, 真人
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.680-688,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9169
概要: 金沢大学 医 小児科<br />MCTによるラット肺高血圧症に対する経口PGI2剤BPSの肺高血圧抑制効果を検討した.非投与群に比べ有意に右室圧上昇,右室心筋重量増加,肺細小動脈中膜肥厚を抑え,肺高血圧症抑制効果を認めた.動物実験の段階であ るが,BPSは肺高血圧症の治療薬の一つとして今後の臨床応用が期待される 続きを見る
70.

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得田, 和彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.517-528,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9155
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />急性頭蓋内圧亢進を繰り返すことにより脳循環障害モデルを作製し,CBF低下によるICPampの影響を検討した. 1)加温人工髄液の側脳室注入負荷を繰り返すと,脳血流自動調節能が正常でかつCBFも正常な脳血流 保持群(A群,n=22),脳血流自動調節能が正常でCBFのみが低下した脳血流低下群(B群,n=31),脳血流自動調節能破壊群と順次変化した. 2)A群,B群共にICP亢進に伴いICPampは増大し,ICPWは単峰化した. 3)mICPが120mmHg以下の全範囲において,B群のICPampはA群に比べ低下し,特にmICPが30~120mmHgでは,両群間に有意差を認めた. 4)mICPが30~80mmHg及び100, 110mmHgの範囲では,CBFとICPampの間に正の相関関係が認められた 続きを見る
71.

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佐々木, 次壽
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.541-548,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9157
概要: 金沢大学 医 眼科<br />L-グルタミン酸に対する電流応答をパッチクランプ法を用いて検討した. 1)調べた25個の水平細胞全てが膜電位を-46mVに保持した場合にグルタミン酸に対して内向きの電流応答を生じた. 2)カイニン酸とAMPAは グルタミン酸を投与した場合に類似した作用を示した.100μMのAsp及びNMDAも,灌流液にグリシンを加えMgイオンを除去した場合にグルタミン酸投与に類似した作用を示した.100μMのAPB及びIS, 3R, -ACPDは電流応答を惹起しなかった.5μMのCNQXはグルタミン酸の作用に拮抗した. 3)水平細胞のグルタミン酸に対する応答はグルタミン酸の濃度に依存して増大し,100μMのグルタミン酸で応答は飽和した. 4)300μMのグルタミン酸に対する脱感作はOFF型双極細胞では認められたが,水平細胞では認めなかった 続きを見る
72.

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論文
加藤, 要
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.428-453,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9147
概要: 金沢大学 医 眼科<br />1)カエルにおいて10~100μMドーパミンは暗所視系応答と考えられるb波後峰を減弱させ,薄明視系ないし明所視系応答と考えられる律動様小波,d波及びオフ小波を増大させる作用を有することが判明した. 2)ウサギに おいてドーパミン硝子体内注入(50μM)は弱刺激光によるbs波を減弱させ,その頂点潜時を短縮させたが,反復強刺激光による律動様小波を増大させた. 3)ドーパミンはウサギ網膜においても暗所視系応答を抑制し,明所視系応答を増大させた.以上の結果よりカエル及びウサギ網膜においてドーパミンは暗時に作用していた杆体系一錐体系抑制作用を解除することによって明所視機能を促進する可能性が指摘された. 4)ウサギにおいてドーパミン硝子体内注入(50μM)は光刺激開始直後の30Hzフリッカー網膜電図の振幅を増大させ,漸増現象の程度を減弱させ,ドーパミンが暗所視系から明所視系への抑制の解除に関与すると推論された 続きを見る
73.

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櫛田, 康彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.78-87,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9115
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />15分間の全脳虚血を行ったイヌを用い,虚血前または再灌流後に静注したケタミンが,循環再開後の神経機能の回復に及ぼす影響を脳波およびABRより検討した. 1)再灌流後90分における脳波の再出現率は,虚血前にケ タミンを投与しておくと有意に高かった. 2)ABRに関しては,虚血前にケタミンを投与するとIII~V波の出現率が有意に高い値を示した.循環再開後にケタミンを投与してもIV,V波の出現率が有意に高かった.以上より,ケタミンの投与は,全脳虚血後の脳機能回復を促進することが確かめられた 続きを見る
74.

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小林, 宣泰 ; 染矢, 富士子 ; 鳥越, 甲順 ; 中村, 俊雄
出版情報: 金沢大学医学部保健学科紀要.  20  pp.55-59,  1996-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/6210
概要: 金沢大学 医 保健<br />Caイオンの組織化学的検出法の改良と,神経筋接合部に作用する数種の薬物投与実験,ならびに支配神経刺激実験を行った.マウス前脛骨筋を用い,薬物は停止腱に沿って,筋のほぼ中央部まで挿入した注射針を通じて0.2ml投 与した.筋は採取後,凍結切片を作成,Caイオンの拡散防止を目的として改良した低温によるalizarin red法によってCaイオンを検出した.神経筋接合部におけるCaイオン集積は,acetylcholineやcarbamylcholineの筋注及び,坐骨神経の電気刺激によっても認められた.acetylcholine receptorに不可逆的に結合するα-bungarotoxin筋注後,上記の薬物を筋注しても,Caイオン集積が見られなかった.このことは,Caイオンの集積現象にacetylcholine receptorの関与が示唆される<br />原著論文 続きを見る
75.

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山崎, 俊明 ; Yamazaki, Toshiaki
出版情報: 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2006 Fiscal Year Final Research Report.  2005-2006  pp.75p.-,  2007-03-01.  金沢大学医学系研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/48226
概要: リハビリテーション領域における重要な課題である廃用性筋萎縮の進行予防に焦点を絞り、筋萎縮進行中のストレッチ効果、および筋肥大効果が報告されているアドレナリン受容体作用薬(clenbuterol ; Cb)投与との併用効果を調べた。 廃用性筋 萎縮は、後肢懸垂法により作成し、2週間の実験期間を設定した。実験動物としてWistar系ラットを使い5群に分け、通常飼育群(CON)の他4群を実験群とした。実験群には後肢懸垂処置を行い、後肢懸垂群(HU)、1日1時間ストレッチ実施群(STR)、Cb投与群(Cb)およびストレッチとCb投与の併用群(STR+Cb)とした。 分析は、形態評価および機能的評価を行った。タイプI線維断面積は、HU群はCON群の42%に減少したが、Cb群は81%、STR群は58%、STR+Cb群は74%であった。ストレッチ効果を認めたが、併用効果は認められなかった。筋線維タイプ構成比率は、Cb群で有意なタイプII線維比率の増加を認めたが、STR+Cb群では変化なく併用の有用性が示唆された。Cb群およびSTR+Cb群の筋収縮時間はCON群より有意に短縮し、HU群およびSTR群の収縮時間はCON群と差がないことから、Cb投与による悪影響として速筋化傾向が示唆された。単位断面積あたりの単収縮張力はSTR群がCON群と差がなく、しかもCb群より有意に大きい結果から筋伸張の効果が示唆された。実験群の筋原線維タンパク量(MP)は、CON群に比し有意に減少した。実験群間では、Cb群およびSTR+Cb群のMPがHU群およびSTR群より有意に大きく、Cb投与の効果が示唆された。 以上の結果から、廃用性筋萎縮進行中のラットヒラメ筋に対する予防的介入方法として、Cb投与による断面積減少の抑制と、筋ストレッチによる伸張刺激の併用効果の有用性が示唆された。<br />INTRODUCTION: Prevention or suppression of disuse muscle atrophy is an important task of physical therapy. For patients lying on bed for prolonged periods of time, it is difficult to accommodate the excessive loads borne on their body. Intermittent weight bearing (IWB) is found to be a safe means of intervention to maintain the leg muscles of such patients. However, since complete prevention of atrophy is difficult to achieve with IWB alone, the authors have previously reported on treatment using a combination of IWB and clenbuterol (Cb). The present study was aimed at evaluating the effects of a combination of intermittent stretching (IST) and Cb. METHODS: Male Wistar rats were divided into five groups: control (CON), hindlimb unweighting (HU), Cb treatment during HU (Cb), IST during HU (IST), and combined Cb+IST during HU (Cb+IST) group.ANALYSIS: The soleus muscle was removed 14 days after the start of treatment to measure cross-sectional area (CSA) of muscle fibers, percentage of each fiber type, and contractile properties. RESULTS: The CSA of type 1 fiber, relative to CON group (=100%), was 81.0% in Cb group, 58:3% in IST group and 74.2% in Cb+IST group. Twitch tension, relative to CON group, was 33.9% in Cb group, 50.3% in IST group and 45.9% in Cb+IST group. DISCUSSION and CONCLUSION: IWB involves exercising the patient by means of stretching the soleus muscle and inducing the appropriate muscle work needed to bear the body weight. IST involves only muscular stretching and isometric resistant exercise, which do not provide adequate stimulus to reinforce the efficacy of Cb. However, since IST is a technique of physical therapy useful for inducing muscular tension, it may be possible to elevate the effectiveness of combined Cb+IST by modifying the method of applying this combined therapy.<br />研究課題/領域番号:17500351, 研究期間(年度):2005–2006<br />出典:「骨格筋萎縮の進行抑制に及ぼすストレッチとアドレナリン受容体作用薬の併用効果」研究成果報告書 課題番号17500351 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
76.

論文

論文
木澤, 和夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.162-172,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4534
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻形態機能病理学<br />カロリ病モデル多発嚢胞腎(PCK)ラットから肝内胆管上皮細胞を単離して培養し,細胞増殖活性と遺伝子発現を調査し生物学的特性について検討した.対照はSpargue-Dawley 系ラットである.PCKラットの細胞は,倍加時間が対照ラットより短く増殖活性が高かった.DNAマイクロアレイにより,細胞の増殖シグナルおよび増殖抑制シグナル伝達に影響する遺伝子の発現は,対照ラットよりPCKラットの方が亢進していた.以上より,PCKラットでは,肝内胆管拡張の発生に,遺伝子レベルの細胞増殖制御の不調和による胆管上皮細胞の異常増殖が関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
77.

論文

論文
田川, 茂樹
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.315-326,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4560
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />ドーパミンによる律動様小波の増大とこれに関与するドーパミン受容体について検討した.実験は白色ウサギを用いた.ノミフェンシンの硝子体内注入が網膜電図におよぼす影響では,100μMの注入で律動様小波の振幅が増大 したが,暗所視系b波の振幅は有意に減弱した.1μMのドーパミンと30μMのノミフェンシン注入では,律動様小波の振幅は増大し,暗所視系b波の振幅は減弱した.50μMのドーパミンの単独注入と,50μのMドーパミンと50μMのスルピリドとの同時注入でも同様結果を認めたが,50μMのドーパミンと20μMのSCH23390の同時注入では,暗所視系b波は減弱したが律動様小波は変化しなかった.また,50μMのSKF38393単独注入では,律動様小波の振幅は増大し暗所視系b波は減弱した.50μMのLY161365単独注入では律動様小波の振幅が減弱し,暗所視系b波も有意に減弱した.以上より,ドーパミンによる律動様小波の振幅の増大はD1受容体を介しており,暗所視系b波にはD1およびD2受容体が共に関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
78.

論文

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内山, 佳代
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.339-347,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4542
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />局所投与によるフルコナゾール(FLCZ)の眼内移行と前眼部への影響について検討した.実験には白色ウサギを使用し,0.2%FLCZを5分毎13回(1時間)点眼した群,30分毎25回(12時間)群,0.3mlを 結膜下注射した群に分け,対照眼には生理食塩水を点眼した.1時間点眼群のFLCZ濃度は最終点眼15~30分後に結膜,角膜,前房水,虹彩毛様体,網膜および強膜において最高値となった.12時間点眼群では最終点眼1時間後に結膜,角膜,前房水および水晶体前皮質部にFLCZが検出され,結膜下注射群では前眼部組織,硝子体,網膜,脈絡膜および強膜にFLCZが検出された.角膜上皮および内皮細胞密度,角膜厚,眼圧,涙液内LDH活性および蛋白濃度は点眼前後で明らかな変化はなかった.角膜上皮創治癒速度は,点眼群と対照群間に差はみられなかった.以上より,FLCZは局所投与で前眼部組織内にCandida albicansの99%発育阻止濃度を凌駕して移行し,副作用もなく,眼真菌感染症の治療に有効かつ安全と考えられた<br />原著論文 続きを見る
79.

論文

論文
齋藤, 孝仁
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.16-30,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4587
概要: 金沢大学医第1内科<br />BALB/cマウスおよび機能的Fas欠損マウスC3H/lprマウスの培養肝内胆管上皮およびPBC肝組織を用い,免疫組織化学的および分子生物学的に胆管上皮アポトーシスの発生機序を検討した.BALB/cマウス肝内胆 管上皮培養系にNFκB阻害剤であるラクタシスチンを添加した結果,6~12時間後にアポトーシスの亢進がみられた.同時期にFas/Fas-L発現が亢進し,又,2~6時間でFas-LmRNA発現が亢進した.Fas/Fas-L系がNFκB阻害による胆管上皮アポトーシス機序の一つであることが示唆された.これらの結果マウス培養肝内胆管上皮およびヒト肝組織を用いた検討で,NFκB減少状態,IL1β発現減少状態が,肝内胆管上皮のアポトーシスに関連し,最終的なエフェクタープロセスとしてFas/Fas-L系の関与が示唆された<br />原著論文 続きを見る
80.

論文

論文
加畑, 千春
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.77-86,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4586
概要: 金沢大学医麻酔蘇生<br />MNSを血清または酢酸リンゲル液に分散した試験液につき,表面活性と自己のサーファクタントが欠如しているウサギ未熟胎仔の肺内に注入して人工呼吸を行った際の換気量の変化を測定した.更にMNSをアルブミン溶液およびグ ロブリン溶液に分散した場合についても同様の検討を行い,1)血清はサーファクタントの表面活性を阻害し,PEEPを付加しない場合では,血清は換気量を減少させ,生体内でも肺サーファクタントの機能を阻害する.2)PEEPを付加した場合では,表面活性の所見に反し血清は換気量を増加させるという相反現象をもたらす.3)アルブミン溶液は血清と同様に相反現象をもたらすが,グロブリン溶液はこの現象をもたらさない,との結果を得た.以上よりPEEPを付加した人工呼吸下では,サーファクタントの表面活性と生体内での作用は必ずしも一致しないと判断された<br />原著論文 続きを見る
81.

論文

論文
田中, 憲次
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.684-692,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9243
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)野生型アネキシンVのN末端アミノ酸を6個伸長させ(Met-Ala-Cys-Asp-His-Ser),更にCys316をSerに置換させたアネキシンV変異体を大腸菌で発現させた. 2)ウロキナーゼ分子のA B鎖をつなぐジスルフィド結合を限定的に還元してウロキナーゼB鎖を得た. 3)アネキシンV変異体とウロキナーゼB鎖をジスルフィド結合で架橋後精製し,化学量論的に両蛋白質が1:1で結合した複合体を得た.最終精製品収率は32%であった. 4)本複合体は合成基質水解活性及びプラスミノゲン活性化作用共にウロキナーゼと同等の活性を示した.更に本複合体は細胞膜に対してアネキシンVと同様の結合能を示した. 5)複合体の線溶活性をウロキナーゼと比較した結果,両者で差はなかった.ラット肺塞栓溶解試験で両者の線溶活性を比較した結果,血中半減期には差がないにもかかわらず,線溶活性は複合体の方がウロキナーゼの3倍~4倍強かった 続きを見る
82.

論文

論文
金子, 敏行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.693-705,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9244
概要: 金沢大学 医 眼科<br />1)フィブリン糊硝子体内注入眼のERG各波の正常僚眼に対する振幅比,頂点潜時比及び高浸透圧応答の正常僚眼に対する振幅比には注入前と注入9週後で差はなかった.注入後74日目の網脈絡膜組織像に異常はなかった. 2) 後部硝子体剥離作成後にフィブリン糊を網膜上に滴下した眼ではa波頂点潜時が短縮した以外には有意な変化はなかった.フィブリン糊消失112日後には網脈絡膜に異常はみられなかった. 3)後部硝子体剥離及び網膜裂孔を作成し網膜を剥離させた後に3種の裂孔閉鎖術を行った.網膜光凝固のみ施行では手術操作の最後に眼内を灌流液に置き換えると同時に網膜は再剥離した.フィブリン糊滴下のみ施行では手術終了時には網膜は復位したが,1週間後に網膜は再剥離した.両者の施行では網膜復位が得られ少なくとも16週に至るまで網膜は再剥離しなかった.併用による裂孔閉鎖術では手術後112日で網脈絡膜に異常はなかった 続きを見る
83.

論文

論文
松田, 英三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.736-744,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9248
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)HT-1080から,4つの,種々のPAI-1活性を持ったクローンを分離した.各クローンのPAI-1の発現とTFの発現との間に正の関連が見られた. 2)ヌードマウスの尾静脈へ腫瘍細胞を接種後の肺転移能は各 クローン間において有意差を認めた.そして肺転移能はPAI-1活性及びTF活性と強く相関していた. 3)各クローン細胞の有する接着能及び浸潤能と肺転移能の間には相関関係はなかった. 4)殆どの腫瘍細胞が,静注後数分で肺内へと移行した.高転移能を持つクローン26-6は,低転移能を持つクローン1-3Cに比べより長い時間,肺内に停留した. 5)各クローン細胞間に認められる転移能の差は血管内皮細胞に接着後,基底膜に浸潤するまでの間,着床部位に停留し続ける能力によることがわかった. 6)PAI-1活性と凝固活性の両因子共にこの細胞系の肺転移形成能を決定する因子になることが明らかになった 続きを見る
84.

論文

論文
小林, 忠博
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.796-806,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9254
概要: 金沢大学 医 泌尿器科<br />1)ヒト前立腺癌培養株PC-3細胞を孵卵10日目の鶏卵漿尿膜上の血管内に移植した鶏卵胎児肝と大腿骨で経時的に増幅DNA断片の増強が認められた. 2)組織学的には,肝で腫瘍細胞の同定は容易であり,経時的に腫瘍 細胞が浸潤,増殖する像が観察された.一方,大腿骨においては形態学的に腫瘍細胞の同定は困難であったが,抗ヒトサイトケラチン抗体及び抗ヒトKi-67抗原抗体を用いた免疫組織化学染色により,微小転移巣の存在が移植後7日目に初めて確認された. 3)PC-3細胞移植後1日目にスラミンを50μg/卵投与した場合,肝及び骨転移形成に対する抑制効果は認められなかった.移植後3日目にスラミンを500μg/卵投与した場合の肝及び骨の転移巣に対する増殖抑制率はそれぞれ60.6及び6.7%であり,スラミンの抗腫瘍効果は被転移臓器における環境要因によって影響されることが示唆された 続きを見る
85.

論文

論文
雨宮, 徳直
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.855-864,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9259
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)抗卵白アルブミン同種血清による受動感作モルモットに抗原を吸入して即時型気管支収縮を起こし,抗原吸入20分後に超音波ネブライザーによって蒸留水を吸入することにより,UNDW-IBモデルの作製に成功した. 2)メサコリン吸入気道収縮時に蒸留水を吸入しても気管支収縮は生じなかった.気道のアレルギー反応や炎症がUNDW-IBの発現に関与していると考えられた. 3)アトロピン(10mg/kg)の静脈内投与によってUNDW-IBは抑制されなかった.迷走神経系の関与は少ないと考えられた. 4)サルブタモールの静脈内投与によってUNDW-IBは完全に抑制された.本モデルにおけるPaoの増加は気管支収縮によるところが大きいと考えられた. 5)古典的抗ヒスタミン薬であるDH及びCPの静脈内投与によって,UNDW-IBは用量依存的に部分的に抑制された. 6)FK224及びFK888の静脈内投与によって,UNDW-IBは用量依存的に抑制された 続きを見る
86.

論文

論文
土井, 建朗
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.580-586,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9233
概要: 金沢大学 医 神経内科<br />1)遺伝子直接導入法により,骨格筋のDNA取り込み機構に対する阻害因子の研究を行った.多価陰イオン,多価陽イオン両者に外来遺伝子導入阻害作用を認めた.ヘパリンとプラスミドDNAは共に多価陰イオンの巨大分子で あり,高濃度のヘパリンがDNAの細胞内取り込み系や輸送系において競合している可能性が考えられた. 2)ポリ-L-リジン及び高濃度ヒストンをはじめ陽性荷電を有する脂質においても導入が阻害されることより,DNAの骨格筋への導入には,その陰性荷電が重要と考えられた. 3)蛋白分解酵素のトリプシン及びDNA分解酵素の混入のないプロテナーゼKに強い導入阻害が認められたことより,遺伝子導入の阻害は蛋白分解酵素に混入するDNA分解酵素によるDNAの分解がその主因とは考えられず,筋のDNA取り込みに筋膜,又は細胞外の蛋白質が重要な役割を果たしていることが予想された 続きを見る
87.

論文

論文
田代, 勝己
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.587-595,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9234
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />1)60mg/kgのエンドトキシンを気管内に注入した場合,ZEEP下では急激に呼吸不全が発生する.この呼吸不全は,120分後にPEEPを付加しても改善し難い.一方,予防的にPEEPを付加しておくと,好中球の 肺への集積を防止できないが,肺水腫液の量が減少して呼吸不全の進行が抑制され,生存率が改善する. 2)53±19mg/kgのエンドトキシンを気管内注入し低酸素血症が出現した時点でPEEPを段階的に増加させた場合,肺水腫液を伴う呼吸不全が出現する.この状態も,PEEPを付加した人工呼吸のみでは改善が困難である. 3)エンドトキシンの気管内注入後に発症する呼吸不全の機序には,肺水腫液によるサーファクタントの希釈と不活性化が関与していると考えられる. 4)エンドトキシンの気管内注入後による呼吸不全に対して,サーファクタント補充療法を行うと,血液ガス所見,肺コンプライアンス,胸部レントゲン所見及び肺組織所見が改善する 続きを見る
88.

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菊地, 尚久
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.518-529,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9228
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />トレッドミル上の上り坂と下り坂を走らせることで求心性運動と遠心性運動を行い,生化学的側面,収縮力学的側面,筋形質膜透過性の変化を評価した. 1)上り坂群では運動終了直後のみに軽度のCK値の上昇を認め,下り坂 群では運動終了直後に高度のCK値の上昇を認めて運動終了3日後まで高値が持続した. 2)ヒラメ筋の収縮特性に関しては,張力については単収縮力,強縮力,単収縮時間とも上り坂群,下り坂群で運動終了直後に低下し,筋線維の微細損傷による影響と考えた. 3)FDXによる筋細胞内染色では,下り坂群において運動終了直後に大腿四頭筋,ヒラメ筋とも淡い筋細胞内染色が認められ,筋形質膜は運動終了後早期から損傷を受けていることが示された.運動終了3日後には,下り坂群で大腿四頭筋,ヒラメ筋ともオパーク細胞と壊死細胞で明瞭な細胞内染色が認められ,筋形質膜が大規模な破壊を受けていることが示された 続きを見る
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瀧, 康則
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.384-391,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9214
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />全身麻酔下で人工呼吸を行っているイヌを用い検討した. 1)硬膜外麻酔は,交感神経をブロックし,低酸素症による血漿エピネフリンやノルエピネフリンの濃度の上昇を抑制した. 2)硬膜外麻酔は,低酸素症による循環動 態の変動を抑制し,収縮期血圧,心拍数,体血管抵抗,及び左室心仕事量係数を低く維持した.又,血圧上昇の抑制は,主に体血管低抗の減少によるものと考えた. 3)硬膜外麻酔は,低酸素症によるアシドーシスを抑制したが,死亡率を低下させなかった. 4)上記の作用は,胸部から腰部に及ぶ広範囲な硬膜外麻酔を行った動物のみでなく,臨床上多用される胸部硬膜外麻酔を行った動物においても認められた. 5)硬膜外麻酔が循環動態の変動を抑制する現象は,低酸素状態の発見を遅らせる恐れがあると考えられた.硬膜外麻酔や脊椎麻酔を施行する際は,パルスオキシメータを使用すべきである 続きを見る
90.

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小又, 美樹
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.703-718,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9171
概要: 金沢大学 医 眼科<br />ネコで視神経乳頭周囲網膜の眼内熱凝固による網膜神経節細胞(RGC)の軸索障害がパターン刺激網膜電図(PERG),パターン刺激視覚誘発電位(PVEP),閃光刺激網膜電図(FERG),閃光刺激視覚誘発電位(FVEP )ならびに網膜の組織学的所見に及ぼす影響を調べた. 1)PERG振幅比(凝固後/凝固前)は,用いた全ての空間周波数(0.08~1.25cpd)で凝固後1週迄に急激に減少した.それ以後1.25cpdの刺激によるPERG振幅比は凝固後12週まで比較的保存されたが,24週には0となった. 2)凝固後28週以降のアクリジンオレンジによる生体染色では,対照眼と比べ凝固眼で染色された細胞数が著明に少なく,稀にみられる大型の染色された細胞では形態異常がみられた. 3)PERGはPVEPの混入によるのではなくFERGとは異なる起源を有しRGCに由来すると推論された.高空間周波数刺激によるPERGはβ細胞系,低空間周波数によるPERGはα細胞系のRGCに由来すると推論された 続きを見る
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谷口, 昌史
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.549-555,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9158
概要: 金沢大学 医 小児科<br />ラットを用いて右室圧負荷,右室容量負荷,左室圧負荷,左室容量負荷及び両室容量負荷モデルを作成し,コントロール群と共に血行動態諸値,心筋重量比及び心筋201Tl摂取比を測定した. 1)201Tl摂取比と左右心室 圧比は圧負荷モデル群では良好な相関を示したが容量負荷モデル群での相関は不良であった. 2)心負荷の種類によらず201Tl摂取比と左右心筋重量比とは強い正の相関を示した.以上より,少なくとも右室負荷のある慢性心疾患に対象を限れば201Tl心筋シンチグラフィを用いて左右心室心筋重量比の推定が可能で,他の非侵襲的画像検査を用いた左室心筋重量値を組み合わせれば右室心筋重量を推定し得る可能性を示した.圧負荷疾患における左右心室圧比の正確な推定が201Tl心筋シンチグラフィを用いて行い得る可能性も示唆された 続きを見る
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篠原, 豪秀
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.556-562,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9159
概要: 金沢大学 医 第2内科<br />心筋症ハムスターの4代継代培養心筋線維芽細胞を3H-プロリンで標識してコラーゲン合成能を量的,質的に検討した.心筋症ハムスターとしてBio14.6,対照として正常ハムスター(F1b)を用いた.Bio14.6 培養心筋線維芽細胞の総コラーゲン合成量とコラーゲン合成比は13週齢から25週齢にかけて増加し,25週齢のそれは13週齢のBio14.6及び25週齢のF1bより有意に大であった.質的には,Bio14.6では13週齢,25週齢共にF1bと比べてIII型,V型合成比率が大きく,13週齢より25週齢にかけてI型が減少し,III型,V型コラーゲンが増加した.カプトプリル添加により25週齢のBio14.6の総コラーゲン合成量は有意に減少した.以上より,Bio14.6培養心筋線維芽細胞におけるコラーゲン代謝異常が認められ,カプトプリルがそのコラーゲン代謝を改善することが証明された 続きを見る
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高橋, 政夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.454-464,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9148
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />雑種成熟イヌ15匹を使用し,電気刺激した骨格筋の収縮力を利用した右心又は左心機能補助の実験的検討を行った. 1)側副血行を温存し骨格筋の収縮力を最大限に利用でる新型の直線牽引式駆動装置を考案・作成した.これ を右心室自由壁また左心室心尖部に置換したダイナミックパッチの駆動源とすることで,骨格筋の電気刺激により有効な心補助効果が得られた. 2)動物7匹を用いた骨格筋駆動右室ダイナミックパッチの実験にて,右室収縮期圧は41.0mmHgから55.6mmHgへ有意に上昇し,平均右房圧は14.3mmHgから9.57mmHgへ有意に低下し,有効な右心機能補助効果が得られた.大動脈収縮期圧は78.1mmHgから91.3mmHgへ,AoFは0.73l/minから0.97l/minへと有意に上昇し,心機能全体としての補助も有効であった. 3)動物8匹を用いた骨格筋駆動左室ダイナミックパッチの実験にても有効な左心機能補助効果が得られた 続きを見る
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本荘, 茂
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.492-504,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9152
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)マウスのテレピン油刺激により急性期炎症蛋白の一つであるハプトグロビンが誘導,産生された.それに先駆けてIL-1αとIL-6の産生が認められ,これらにより急性期炎症蛋白が誘導されることが明らかとなった.遅 れてIL-1raの産生も認められ,急性炎症の進展に影響を与えていると考えられた.以上から急性炎症における炎症性サイトカインと急性期炎症蛋白との関わり,及びIL-1raによる炎症の制御が示唆された. 2)大腸菌から遺伝子組み換え型IL-1raが発現,精製された.マイトゲン刺激胸腺細胞を用いたIL-1測定法において遺伝子組み換え型IL-1raはIL-1のもつ生物学的活性を抑制したが,マウスにおいてテレピン油によるハプトグロビンの産生は抑制しなかった.すなわちIL-1のみをブロックしてもハプトグロビンの産生は抑制されず,IL-6など他の介在物質の関与が示唆された 続きを見る
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高塚, 茂行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.335-343,  1995-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9138
概要: 金沢大学 医 歯口腔外科<br />関節円板の切除が必要な重症型の顎関節症に対する至適な再建方法と考えて,耳介軟骨を関節円板切除後の顎関節に中間挿入物として使用する術式の検討を行った.家兎の顎関節より関節円板を切除し,同側耳介より採取した軟 骨片を中間挿入物として使用し,関節円板切除のみの家兎の顎関節,正常顎関節と形態の変化ならびに移植片の動態を比較した. 1)関節円板切除を行った家兎の顎関節では,術後4週までは急性炎症症状を伴う関節軟骨の完全吸収,軟骨下骨の露出が観察され関節面は平坦になっていた. 2)関節円板切除を行った家兎の顎関節では,術後6週より関節軟骨の増殖が観察され,術後8週頃よりほぼ正常な軟骨層の再生がみられたが,関節面は著しく平坦であった. 3)関節円板切除後に耳介軟骨を移植した家兎では,関節形態はほぼ正常に保存されていた 続きを見る
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松, 智彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.351-362,  1995-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9140
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />1)アルギニン・オルニチン・インバランス輸液投与群(KAO-1)と総合アミノ酸投与群に宿主体重の有意差を認めなかった. 2)KAO-1投与群およびN-(phosphonacetyl)-L-aspartate (PALA)併用群において有意に腫瘍増殖の抑制を認めた. 3)窒素平衡の変動では,全群輸液期間中終始正の窒素平衡を示した. 4)KAO-1投与群およびPALA併用群では血清尿素窒素の上昇および血清尿酸値の低下を認めた. 5)KAO-1投与群およびPALA併用群では尿中にシトルリンが著明に排泄されており,体内での尿素回路の賦活化が示唆された. 6)細胞周期の検討ではKAO-1投与群およびPALA併用群でS期細胞の増加を認め,アルギニン・オルニチン・インバランス療法の細胞周期への影響が示唆された 続きを見る
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山田, 圭輔
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.26-35,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9110
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />1)エンドトキシンの経気道的注入後に発症する急性呼吸不全の機序には,肺水腫液によるサーファクタントの希釈と不活性化が関与していると考えられる. 2)エンドトキシンの経気道的注入後に発症する急性呼吸不全に対し て,サーファクタント噴霧吸入療法を行うと,血液ガス所見,胸部レントゲン所見及び肺組織所見が改善した.特に,噴霧吸入を120分間行った群では,30分及び60分間しか行なわなかった群に比べ改善効果が大きかった.これは,噴霧吸入療法を120分間行うと,呼吸不全を改善するのに十分なサーファクタントが肺内に到達する為と考えられた. 3)超音波ネブライザーを用いてサーファクタントを吸入させた場合,肺内に到達するサーファクタントの量は,最大でも使用した全量の3.3%であり,到達量を増加させる工夫が必要であると結論された 続きを見る
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西村, 立也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.121-131,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9118
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />ステロイド性大腿骨頭壊死症の病因病態を検索する目的で,ステロイド投与家兎における静脈の変化を病理組織学的および免疫組織学的に検討した. 1)ステロイドを8週間投与した家兎の静脈では,内膜における泡沫様細胞の 増殖や中膜の空胞化が認められた.免疫組織染色により,この泡沫様細胞は主に平滑筋細胞由来であることが明らかになった. 2)ステロイド投与家兎の静脈では,内膜におけるV型コラーゲンの増加が認められた. 3)ステロイド投与家兎の静脈を電子顕微鏡により検討したところ,走査電顕では内皮細胞の表面不整が認められ,透過電顕では平滑筋細胞内の筋原線維の変性および内皮細胞内に空胞が認められた.以上の結果より,ステロイドは静脈にも障害をもたらし,これによる還流障害が血流のうっ滞,および骨頭内圧の上昇をまねいて大腿骨頭壊死発生の要因の一つになっている可能性が示唆された 続きを見る
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岡本, 禎一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.143-153,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9120
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)脳内ではマイクログリア,血管周囲細胞,マクロファージがMHCクラスIIを発現し,抗原提示細胞として働いている可能性が示唆された. 2)脳腫瘍移植後に頸部リンパ節,脾臓および腸間膜リンパ節においてMHC クラスIIが発現し,脳内の免疫情報が全身のリンパ組織に伝達されることが示された. 3)脳腫瘍移植後のTリンパ球の増加は脳腫瘍内と頸部リンパ節でのみ認められ,その経時的動態は相関した. 4)腫瘍を頭蓋外に移植した群では,頸部リンパ節でのCD4陽性Tリンパ球の増加は遅延した. 5)頸部リンパ節摘出群では,脳腫瘍内へのCD4陽性Tリンパ球の浸潤は遅延し,代償性に脾臓および腸間膜リンパ節においてCD4陽性Tリンパ球の増加を認めた.以上の結果から,ラット脳腫瘍において頸部リンパ節は中枢神経系の局所リンパ節としての役割を果たしていると結論された 続きを見る
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山野, 潤
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.154-161,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9121
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />ニホンザルを用いて全身麻酔下で腕頭動脈と無名動脈を一過性に遮断することにより脳虚血モデルを作製した. 1)非活性型のカルパインは正常海馬では海馬の全領域に同程度に存在していたが,虚血後には僅かながらも減少 を示した. 2)活性型のカルパインはウェスタンブロットではCA1に有意に多く発現が見られ,虚血前に比べてCA1ニューロン,特にその核周囲の胞体に強い発現を示した. 3)カルパインの基質であるフォドリンの分解産物の発現は虚血後の海馬では有意な増加を示したものの,海馬の各領域による差異は見られなかった. 4)虚血後に活性化されたカルパインは,CA1ニューロンにおいて,プロテインキナーゼCなどフォドリン以外の蛋白を基質としていることが示唆された.以上より,脳虚血後に生じるカルパインの活性化は,海馬CA1における遅発性神経細胞死の発生に重要な役割を果たしていると考えられた 続きを見る