1.

論文

論文
藤井, 雅寛 ; Fujii, Masahiro
出版情報: 平成5(1993)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1993 Research Project Summary.  1993  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060286
概要: 金沢大学がん研究所<br />1、CArG box配列を介したc-fos,egr-1,egr-2遺伝子の発現誘導機構:TaxはCArG box結合因子SRF(serum response factor)と直接結合することによって、これら遺伝 子群の転写活性を増強する。今回我々はTaxが酵母の転写因子GAL4とSRFとのキメラ蛋白(GALSRF)をGAL4結合配列特異的に活性化することを指標として、SRF(508アミノ酸から構成されている)C端のアミノ酸397番から435番の領域をTax活性化領域(Tax responsible region of SRF,TRRS)として同定した。Taxが存在しない場合、GALSRFのGAL4結合配列に対する活性はTRRSによってむしろ抑制された。c-fos遺伝子の転写能はCArG box配列を介して抑制的に調節され、この抑制制御はc-fos遺伝子の一過性発現制御に関与すると考えられている。今後この一過性c-fos遺伝子発現におけるTRRSの役割特に細胞性TRRS結合因子の検索およびその機能の解析を試みる。2、Taxによる細胞性初期遺伝子fra-1遺伝子の発現誘導機構:Taxによるfra-1遺伝子の発現誘導機構を解析するために、ヒトfra-1遺伝子プロモーター領域をクローニングした。CAT(chloramphenicol acetyltransferase)アッセイにより、3つの独立したTax応答性領域を同定した。これらの領域中にはCArGbox配列は存在せず、Taxによるfra-1遺伝子の発現誘導機構はc-fosの場合とは異なっていることが明らかになった。これらの領域中のRCE(Retinoblastoma Control Element)様配列および2つのFAP(c-fos AP-1)様配列がそれぞれTax応答性に関与することが示された。今後、RCE様配列を中心として、Tax活性化に関与する結合因子の同定および活性化機構の解析を試みる。<br />研究課題/領域番号:05152050, 研究期間(年度):1993<br />出典:「細胞性初期遺伝子群の転写制御因子p67^<SRF>のHTLV-1Taxによる活性化機構」研究成果報告書 課題番号05152050(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05152050/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

論文
藤井, 雅寛 ; Fujii, Masahiro
出版情報: 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1991 Research Project Summary.  1991  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060294
概要: 金沢大学がん研究所<br />1,Taxによる初期応答遺伝子群(Immediate early genes,IE genes)の発現誘導HTLVー1 Tax蛋白はcーfos遺伝子の発現を転写レベルで誘導する。cーFosはcーJunとヘテロ複 合体を形成してTREに結合し転写を活性化する事から、ウイルス感染に伴うTRE結合活性の変化を検討した。ウイルス感染、非感染細胞の核抽出液を用いたゲルシフト法により、ウイルス感染細胞特異的なTRE結合活性の増強が検出された。このTRE結合活性の増強はAPー1familyをコ-ドする複数の遺伝子の活性化による事が明らかになつた。即ち,cーjun,junB,junD,cーfos及びfraー1 mRNAがウイルス感染細胞特異的に昂進していた。これらAPー1familyの中でjunBを除く、cーjun,junD,cーfos及びfraー1の発現はTax依存性を示した。APー1familyは細胞増殖の制御に関わる事が知られており,以上の結果はウイルス発がんにおけるAPー1の関与を示唆する.2、TaxによるCArG boxを介したIE genesのトランス活性化cーfos遺伝子上流領域内のCArG boxがTax応答性の最小配列として同定された。他のTax応答遺伝子群について検索したところ、egrー1及びegrー2のプロモ-タ-領域内にもCArG boxが存在し、実際にTaxによって活性化された。即ち、CArG boxはこれら3種類のIE genesに共通なTax応答性エンハンサ-である。ゲルシフト法を用いて、これら3種類のCArG boxに共通に結合する2種類の細胞性因子が検出された。1つは、SRF(serum response factor)、もう1つはSRFとp62のヘテロ複合体と推定された。HTLVー1感染・非感染細胞間でこれらCArG box結合因子の質問・量的な変化は認められなかつた。以上の結果は,TaxがCArG boxに直接結合せず,細胞性転写因子(SRF,p62)を介して転写を活性化する事が示唆する.<br />研究課題/領域番号:03152049, 研究期間(年度):1991<br />出典:「HTLVー1 Tax蛋白によるcーfos発現誘導の分子機構」研究成果報告書 課題番号03152049(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03152049/)を加工して作成 続きを見る