1.

論文

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赤池, 秀一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.259-269,  1995-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9130
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)虚血刺激によって,海馬CA-1~4の全ての領域においてCa2+濃度の上昇がみられ,CA-1の反応が最も著明であった. 2)上記のCa2+濃度の上昇反応には,温度依存性がみとめられた. 3)50mMKC l刺激では,温度依存性はみられず,29℃でもCa2+濃度の上昇がみられた. 4)細胞外からのCa2+流入を除いた条件下でも,虚血によって細胞内のCa2+濃度が上昇した. 5)海馬切片の免疫組織化学的検索で,虚血後のCA-1錐体細胞の胞体においてPIP2の染色性が有意に増加していた. 6)電顕的に粗面小胞体の著明な拡大とミトコンドリアの腫大がみられた.以上より,一過性脳虚血後に海馬CA-1に生ずる遅発性神経細胞死には,粗面小胞体やミトコンドリアからの細胞内貯蔵Ca2+の動員が重要な役割をなすものと推定された 続きを見る
2.

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久田, 幸正
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.36-45,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9111
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />1)抗Thy1.1腎炎の経過中,糸球体ECM増生部位のメサンギウム領域にMMP-2蛋白の発現が確認された.第60病日では,軽度のメサンギウム基質増生部にはその発現を認めたが,中等度以上に残存している硬化糸球 体には発現はなかった. 2)抗Thy1.1腎炎から精製された糸球体の培養上清中にはMMP-2が第7病日から持続的に分泌されており,これはすでに一部は活性化されていた. 3)MMP-2の遺伝子発現は抗Thy1.1腎炎の経過中,特に第14病日で対照に比し4.2倍,第28病日に5.0倍,第60病日に2.0倍の亢進が認められた. 4)糸球体におけるMMP-2の分泌量および遺伝子発現は,ECM増生時期に一致して亢進しており,ECMの減少とともにその発現も低下した.以上の結果より,硬化糸球体におけるMMP-2の発現が硬化病変の修復機序に大きな役割を演じていると考えられた 続きを見る
3.

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服部, 和伸
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.845-854,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9258
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />腹水肝癌AH130を移植した担癌ラットに対して,メチオニンとシスチンを欠乏させたKKM-1及び更にアルギニンを増量したKKM-2のアミノ酸インバランス輸液と抗癌剤の併用療法を行った. 1)KKM-1及びKK M-2とテガフール併用群では経口摂取群に比較して有意に腫瘍重量の減少を認めた. 2)KKM-2とテガフール併用群とKKM-2単独投与群は有意にメチオニン濃度の低下とアルギニン濃度の高値を認めた. 3)5-FU濃度は腫瘍内で著明に高く,アミノ酸インバランス輸液併用群では総合アミノ酸製剤併用群より高い傾向にあった. 4)KKM-2とテガフール併用群では有意にG0G1期細胞数の増加とG2M期細胞数の減少を認めた. 5)KKM-2とテガフール併用群では総合アミノ酸製剤とテガフール併用群,KKM-1とテガフール併用群,経口摂取群に比較して,有意にPCNA標識率の低下を認めた 続きを見る
4.

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高村, 博之
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.719-731,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9172
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)無治療群の移植小腸片の平均生着日数が5.7±0.2日であったのに対し,ゲニステイン投与群のグラフト小腸の平均生着日数は14.7±0.3日と有意に長く,ゲニステイン投与により拒絶反応の発現が抑制された. 2)移植7日後のグラフト小腸のIL-2及びIL-2Rβ鎖のmRNA発現量は,ゲニステイン投与群では無治療群に比べて明らかに低かった. 3)移植後7日目のラットの脾細胞を用いたリンパ球混合培養及び細胞障害性試験(クロム遊離試験)では,ゲニステイン投与群は無治療群に比べて細胞障害活性が有意に低かった.リンパ球混合培養上清中のIL-2蛋白産生量は,ゲニステイン投与群では無治療群に比べて有意に低かった.リンパ球混合培養細胞のIL-2及びIL-2Rβ鎖のmRNA発現量もまた,ゲニステイン投与群では無治療群に比べて明らかに低かった 続きを見る
5.

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野村, 将春
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.29-38,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9181
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />マウスBLM肺線維症モデルに対する,AAMの拮抗剤及び類似物質投与の影響を検討した. 1)TXA2受容体拮抗剤S-1452は,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 2)pLT受容体拮抗剤A S-35は,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 3)PGE1の誘導体であるPGE1αCDは,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 4)PGI2の誘導体であるOP-41483αCDは,BLMによる肺臓炎の形成を用量依存的に有意に抑制した. 以上より,本モデルにおける肺の線維化形成過程においては,TXA2及びpLTは線維化促進に,PGE2及びPGI2は線維化抑制に関与していることが示唆された 続きを見る
6.

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木南, 伸一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.203-214,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9197
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ラットの腺胃幽門側2/3を切除し,Billroth II法で再建し,発癌剤を投与せずに50週間観察するモデルにおいて,低脂肪食(脂肪含有量0.5%)を与えるLF群と,高脂肪食(脂肪15%)を与えるHF群を作 製し,脂肪摂取量の多寡が,残胃癌の発生と進展に及ぼす影響を,実験的に検討した. 1)発癌率は,LF群14.8%, HF群41.4%で,LF群で有意に低率となった.組織型はmuc或いはtub,深達度は全てmp以深で,LF群では,浸潤はssまでに留まっているのに対し,HF群では,seが3例,siが2例認められ,HF群でより深部へと浸達していた. 2)腺腫の発生率は,LF群14.8%, HF群37.9%で,LF群で有意に少なかった.GCPは,LF群の74.1%, HF群の93.1%に認められ,LF群に少ない傾向が認められた.以上より,脂肪摂取の多寡が残胃発癌に影響することが実験的に示された 続きを見る
7.

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森, 一朗
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.590-599,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9161
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />雑種の成熟イヌ24頭を用い,神経機能障害を残さない全脳虚血時間として5分間群を,機能障害を確実に残す虚血時間として15分間群を設定し,2群の脳波及び脳循環・代謝の回復過程を比較検討した. 1)再循環10~2 0分後における15分間群のCBFは,5分間群より有意に高値を示し,虚血前値の2倍近くであった. 2)15分間群は5分間群より,脳波の再出現が47分遅かった. 3)15分間群で脳波の再出現はCMRO2の回復時期より29.7分前後遅れて認められたが,5分間群で両者はほぼ同時期に認められた. 4)再循環10分後における15分間群のCCIは,5分間群より有意に高値を示し,虚血前値の3倍近くまで増加し,その持続時間も再循環30分後まで続いた. 5)15分間群は5分間群より,再循環後30分以内のSSS血の血糖値,ピルビン酸値及び乳酸値が高値であった 続きを見る
8.

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八尾, 直志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.745-754,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9249
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ヒト大網と高度腹膜転移を起こす,ヒト胃低分化腺癌細胞株を用いた. 1)癌細胞と共に培養された大網の中皮は,時間の経過と共に半球状に収縮し,互いに離れ,脱落し,次第に中皮細胞下の基底膜が露出するようになった. 癌細胞は中皮細胞上ではなく,選択的に露出した基底膜上に,長い義足様の突起を出して接着していた 2)腹腔内継代前の癌細胞に比べて,高度腹膜転移株では有意に多く大網に接着し,抗インテグリン・サブユニットβ1抗体により,癌細胞の大網への接着は有意に阻害された. 3)腹腔内で継代する前に比較して4代,12代と継代が進むにしたがい,インテグリン・サブユニットα2,α3のの発現量が増加した.腹膜播種の最初の段階で最も重要な役割を有するVLA-2,VLA-3を発現する癌細胞が,腹腔内継代により選択され,より強い腹膜播種能を有する高度腹膜転移株となると推察された 続きを見る
9.

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瀬戸, 俊夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.465-475,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9149
概要: 金沢大学 医 第1生理<br />妊娠ラット及び処女ラットに周波数2,450MHz,強度10mW/cm2のマイクロ波を90分間,全身曝露した. 1)妊娠ラットのTcolは曝露中常に処女ラットより低く,曝露終了時にその差は2.6℃に達した. 2)マイクロ波曝露は妊娠及び処女ラットの前頭葉皮質,側坐核,扁桃体のDA代謝率を亢進した.前頭葉皮質でのDA代謝率の増加程度は処女ラットに比し妊娠ラットで有意に大きかった.視床下部のDA代謝率は妊娠及びマイクロ波曝露により変化なかった. 3)妊娠・処女ラットともマイクロ波曝露により側坐核のCCK濃度が減少した.CCKレベルは妊娠により有意に影響された.前頭葉皮質,視床下部のCCKレベルは妊娠及びマイクロ波曝露により変化しなかった. 4)前頭葉皮質,側坐核,扁桃体,視床下部についてSS, CRHの変動から妊娠による体温調節機構の変化を説明できなかった 続きを見る
10.

論文

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仲井, 培雄
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.648-657,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9239
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />体重270g前後のWistar系雄性ラットを用い,十二指腸液が全て幽門輪を経て胃内へ逆流する手術を行った.TPROを0.5%含有した飼料を与えるTPRO群(n=13)と,標準飼料を与える対照群(n=14)の 2群に分け,術後40週で動物を犠牲死させた.腫瘤,胃癌及び胃腺腫の発生率は,TPRO群でそれぞれ1/13, 0/13, 1/13に対し,対照群で7/14, 5/14, 7/14と,TPRO群で低率であった.腫瘤は,幽門前庭部及び胃空腸吻合部に発生し,組織学的に癌及び腺腫,或いは両病変の併存であった.胃癌の組織型は管状腺癌又は粘液癌で,このうち1個に肝への浸潤がみられた.尿中硝酸排泄量の中央値は,TPRO群で4.9μmol/日,対照群で5.7μmol/日であったが,尿中NTPRO排泄量の中央値は,TPRO群で2.0μg/日に対し,対照群では0.05μg/日の検出限界を下回り,TPRO群が有意に高かった 続きを見る