1.

論文

論文
李, 慶
出版情報: 言語文化論叢.  3  pp.251-273,  1999-03-01.  金沢大学外国語教育研究センター
URL: http://hdl.handle.net/2297/844
概要: 金沢大学外国語教育研究センター<br />王道は明の嘉靖時期の学者である。しかし「明史」の中に彼の伝記はなく,彼の生涯についてはまだ不明の点が多い。彼の「老子億」は明代の「老子」研究の代表的な作品であるにもかかわらず,今世紀30年代にいたる まで,長いあいだほどんど注意されなかった。明の嘉靖時期に刊刻された「老子億」という本は,今世紀30年代に日本で発見,影印されたが,そのについての研究論文は,筆者の寡見によると,まだ少ないと言わざる得ない。本論は王道の生涯についていくつかの問題を考証し,その上で「老子億」という本の流伝,その内容,特色を検討する。さらに「老子億」を焦点として明代嘉靖時期の中央政府内部の党派闘争,及び当時の社会思潮変化の一側面を究明しようとするものである。本論は筆者の一連の「明代の老子研究」の第二篇である。 続きを見る
2.

論文

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李, 慶
出版情報: 言語文化論叢.  2  pp.159-172,  1998-03-01.  金沢大学外国語教育研究センター
URL: http://hdl.handle.net/2297/828
概要: 金沢大学外国語教育研究センター<br />『老子』は中国文化の中に重要な地位を占めるが,その第一章をもって綱要とする。しかしそれは,二千年来の各種の抄本,刻本,景龍碑のような石刻によってさまざまな異同があり,解釈も大きく別れている。本論では ,先学の整理と研究の上に立って,『老子』第一章,特にその第二段「口恒無欲也以観其砂恒有欲也以其所激」(馬王堆出土畠書『老子』甲種本)の句読について検討する。宋代以前の重要な版本については,版本学,言語学,思想史の角度から分析し,宋代以降,特に近代の易順鼎,前極,梁啓超,劉師培,馬叙倫,干省吾,陳柱,高亨,馮友蘭,朱謙之,厳霊峰,陳鼓慮,葉程義などの主張する説(「有」「無」の断句)の主要な三つの理由(1,古くからの句読〔畢〓『老子道徳経考異』〕2,文法・語法上の理由3,文脈からの理由〔厳霊峰『馬王堆帛書老子試探』〕)を検討して,「有欲」「無欲」と断句するべきを述べる。従って,『老子』第一章は伝統的に言われてきた「形而上」の問題ではなく,有無の問題と形而下の「欲」の問題も兼ねているのである。『老子』第一章の解釈は,専ら「有」「無」の観点からなされてきたが,これは後世の闡釈の結果である。このような解釈も,もとより偶然ではなく,そこには時代思潮が反映されている。 続きを見る