1.

論文

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中村, 慎一 ; Nakamura, Shinichi
出版情報: 平成26(2014)年度 科学研究費補助金 基盤研究(A) 研究成果報告書 = 2014 Fiscal Year Final Research Report.  2010-04-01 - 2015-03-31  pp.4p.-,  2015-05-25. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051877
概要: 金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系<br />良渚囲壁は東西南北の4面にそれぞれ2門が開く構造であることが判明した。内外両側に環濠を配しており、いわゆる水城の様相を呈している。囲壁内部のほぼ中央に位置する莫角山土台の基底部に積まれた「土 嚢」の年代測定から、莫角山の建造が紀元前2900年前後にまでさかのぼることが確認された。遺跡群西方では崗公嶺地点を初め何か所かでダム状遺構が検出されており、これまた紀元前3000年頃に位置づけられる。塘山土塁とともに複雑な水利施設群を構成していたことが明らかとなった。<br />Liangzhu enclosure is rectangular in shape and each side has two gates. The wall is accompanied by inner and outer moats, so it may have seemed like a ‘floating city’. Mojiaoshan platform, which is located at the center of the enclosure, is dated back to around 2900BC from the carbon-14 dating of the sandbags of vegetable matter piled near the bottom of the platform. To the west of Liangzhu site groups, some dam-like earthen structures have been found such as Ganggongling site and they are also dated back to 3000BC. It is clear they consisted complicated hydraulic facilities together with Tnagshan rampart. 続きを見る
2.

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中村, 慎一 ; Nakamura, Shinichi
出版情報: 平成21(2009)年度 科学研究費補助金 基盤研究(A) 研究成果報告書 = 2009 Fiscal Year Final Research Report.  2006-2009  pp.4p.-,  2010-05-21.  金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051878
概要: 田螺山遺跡の各種自然遺物を対象としてさまざまな分析を実施した。その結果、この遺跡は紀元前5000年-3500年頃の遺跡であり、最終的には海水面の上昇により水没したことが明らかとなった。その住民は、狩猟・漁撈・採集により淡水域周辺の資源を中心 とする多様な食料を獲得すると同時に、稲作にも従事しており、漆や茶の利用が始まっていたことも判明した。一方、海産資源の利用は低調で、イノシシ(ブタ)もまだ完全には家畜化されていないことがわかった。<br />研究課題/領域番号:18251009, 研究期間(年度):2006-2009 続きを見る
3.

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中村, 慎一 ; Nakamura, Shinichi
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2002 Fiscal Year Final Research Report.  2000-2002  pp.208p.-,  2002-03-30.  金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051880
概要: 平成12年度から14年度にかけて計5回の実地調査を実施した。調査日数は延べ115日間に及ぶ。その内容は、石器の観察(金属顕微鏡を用いた使用痕観察を含む)と記録(写真・実測図・文字記録)といった考古学的調査と、石材鑑定ならびに石材産地踏査とい った岩石・鉱物学的調査からなる。その結果得られた主な学術的成果は以下のとおりである。1)穿孔器、切割器、石犂側板など、従来良渚文化石器の器種として認定されていなかったものを独立器種として確定することができた。2)ほとんどすべての石器器種につき器種と石材との間に明確な対応関係が存在することが判明した。例を挙げれば、鎌はホルンフェルス、犂は粘板岩、片刃石斧は流紋岩、鏃は凝灰岩といった具合である。また、鉞と一括される穿孔石斧類の中でも、形態と用材とがほぼ一対一で対応することが確認された。こうした現象と岩石産地踏査から知られる石材産地の限定性とを併せ考える時、器種ごとの石器専業生産地の存在が強く示唆された。3)金属顕微鏡観察の結果、これまで中耕・除草具と考えられていた耘田器が実は収穫具であること、また、溝切り具とされていた破土器が何らかのイネ科植物の伐採具であることが判明した。4)石材産地の踏査結果から、杭州市半山=砂岩、余杭市瓶窯=流紋岩・凝灰岩、呉県光福=ホルンフェルス等々の石材産地の候補地をピックアップすることができた。<br />We have carried out thorough investigations into stone tools of Liangzhu Culture from the summer of 2000 through to the winter of 2002. The investigations consist of archaeological recording and petrological identification. The major results of the project can be summed up as follows.1) Some new types like drill, cutter and mold-board of plow have been established.2) Clear correspondence between tool types and stone materials has been elucidated. For example, sickles or scythes are made of hornfels, plows are of slate, chisels are of rhyolite and arrow-heads are of tuff. Yue axes are also divided into many sub-types according to their shapes and materials. As the result of petrological explorations suggests, each of stone materials are distributed in patches and apart from one another, so we can speculate that specialized lithic production occurred during Liangzhu period.3) We have examined many specimens with a high-powered metal microscope and shed light on the function of some tool types through micro-wear analysis. Yuntianqi knives are recognized as harvesters for rice and potuqi knives may be cutters for other Gramineae plants.4) Petrological explorations have elucidated some possible localities of lithic production.<br />研究課題/領域番号:12571030, 研究期間(年度):2000-2002<br />出典:「良渚文化における石器の生産と流通に関する研究」研究成果報告書 課題番号12571030 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
4.

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中村, 慎一 ; Nakamura, Shinichi
出版情報: 令和1(2019)年度 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型) 研究実績の概要 = 2019 Research Project Summary.  2015-06-29 – 2020-03-31  pp.7p.-,  2019-12-27. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060277
概要: 金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系<br />本年度も例年通り、夏季と冬季の2回の全体調査を中心に研究を進めた。土器や玉器、石器の分析については、主に田螺山遺跡と良渚遺跡群で活動した。特に良渚遺跡群では、鐘家港出土の最新資料を実見する機 会を得て、石器や玉器などに未成品が多く存在することを改めて確認することができた。漆器についても、同地点の出土遺物を調査し、数点の漆製品の製作に関わる遺物が存在することを確認した。これらのことからも、鐘家港には様々なモノを製作する工房群が存在したことが明らかとなった。良渚遺跡群ではこれまでに囲壁やダム状遺構、大型墓などが確認されてきたが、工房群の発見は良渚遺跡群の都市的様相と中心性を示す新たな一要素となった。研究成果の発信については、2018年度も積極的に進めることができた。特に6月に南京で開催された国際学会「SEAA Conference Nanjing 2018」ではメンバー間で密に連絡を取りながら充実した内容のセッションを開催することに成功した。本セッションには世界各地の研究者が参加し、研究内容について高い評価を得ることができた。研究交流としては、総括班・国際活動支援班と連携し、10月に北京大学の専門家を日本に招聘した。本計画研究の大きな目的の一つである物質文化の変遷について、これまで良渚文化の編年や絶対年代についてやや曖昧な部分を残していた。しかし、良渚遺跡群の年代を専門の一つとする中国の研究者との議論を経て、最新の年代観、研究の詳細や問題の所在を明らかにすることができた。<br />これまで行ってきた河姆渡文化期の田螺山遺跡の調査は、土器・石器・玉器ともにほぼ分析が完了した。したがって、2018年度には、良渚文化へと至る社会の複雑化の過程で、それらがいかに変化するのかを明らかにしてきた。この目的を達成するため、良渚遺跡群での調査が中心となった。特に各種の遺物を豊富に出土した鐘家港での調査は重要であり、良渚文化の物質文化の特徴を一定程度、確認することができた。また、北京大学や南京博物院考古研究所の専門家を日本に招聘し、研究交流を行った。それにより、良渚文化の中心地区だけではなく、蒋荘遺跡をはじめとする周辺地区の状況についても、詳細な情報を得ることができた。これらの成果は個人による学会発表や論文執筆だけではなく、「SEAA Conference Nanjing 2018」や領域企画展を通して、計画研究全体として成果を発信している。<br />研究課題/領域番号:15H05965, 研究期間(年度):2018-04-01 – 2020-03-31<br />出典:研究課題「物質文化の変遷と社会の複雑化」課題番号15H05965(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PLANNED-15H05965/)を加工して作成 続きを見る
5.

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中村, 慎一 ; Nakamura, Shinichi
出版情報: 令和2(2020)年度 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型) 研究成果報告書 兼 事後評価報告書 = 2020 Fiscal Year Final Research Report, 2020 Fiscal Year Ex-post Assessment Report.  2015-06-29 – 2020-03-31  pp.27p.-,  2020-06. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060278
概要: 金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系<br />本年度も、例年通り、領域全体の方向性を決定し、研究面におけるメンバーのサポートをいかに進めるかを打ち合わせるため、5・8・12月に計3回の総括班会議を開催した。総括班会議では、現地調査、シン ポジウムの開催、学会への参加のほか、領域企画展の開催などについて、その内容や時期について話し合った。また、9月の現地調査の際に開催する本領域の目玉企画である「田螺山キャンプ」については、参加メンバーの選定やカリキュラムなどが話し合われた。さらに、研究交流のための外国人研究者の招聘についても国際活動支援班と連絡を取りながら検討した。2018年度は最終年度の前年度ということもあり、領域として研究成果をどのような形にまとめていくのか、その最終的な方向性を決定するのに重要な一年であった。これについては、日本側だけではなく、総括班・国際活動支援班が密に連絡を取りながら中国側のカウンターパートとも検討を重ねた。そして、最終的に総括班会議の場において、領域メンバーが稲作文明という共通のテーマのもとでそれぞれの成果を文章化し、図書を出版するという構想を打ち出すことができた。すでに図書の構成も決定しており、これは総括班が果たした最も重要な役割の一つとなった。その他、毎年夏季に行っている現地調査について、2018年度は調査対象遺跡の一つである良渚遺跡群の世界遺産申請作業により、調査を実現することができなかった。そのため、例年とは異なる時期に各メンバーが現地調査に赴くことになったが、その際にもそれぞれ総括班メンバーが調査の日程や内容の調整を現地と行った。また、領域ウェブサイトの更新、研究成果の共有、事務連絡などの細々とした業務についても総括班が一手に役割を担った。<br />当初予定した良渚遺跡群における夏季現地調査が、世界遺産申請に係る作業と日程的に重複したため、実現しなかった。しかし、総括班が現地研究所と連絡を取ることで、時期をずらした調査を行い、各メンバーの計画に沿った調査を実現した。また、「田螺山キャンプ」は、昨年同様、好循環を生み出している。2016・2017年度に田螺山キャンプに参加したハーバード大学や北京大学のメンバーが、2018年度に本領域で開催したシンポジウム「Faunal Utilization During the Prehistoric Age in the Pan-East China Sea Region」で発表を行い、さらに同シンポジウムに参加した別のメンバーが2018年度の田螺山キャンプに参加している。このように、各年度のメンバーが研究交流を行い、新たな研究成果を創出するという循環が生まれている。これは、当初、総括班を中心に進めた田螺山キャンプの理想的な形であり、それが実現したといえる。総括班が国際活動支援班と共に主導した国際シンポジウム・講演会としては、上記および「SEAA Conference Nanjing 2018」、「稲作と中国文明 講演会」がある。また、領域企画展として、本年度は金沢大学資料館にて成果展示を開催した。<br />研究課題/領域番号:15H05964, 研究期間 (年度):2015-06-29 – 2020-03-31<br />出典:研究課題「稲作と中国文明: 総合稲作文明学の新構築」課題番号15H05964(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-ORGANIZER-15H05964/, https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-AREA-1701/)を加工して作成 続きを見る