1.

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永長, 一茂 ; Nagaosa , Kazushige
出版情報: 平成27(2015)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2015 Fiscal Year Final Research Report.  2013-04-01 – 2016-03-31  pp.4p.-,  2016-06-13. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059463
概要: 弘前大学 / 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />生体内の不要な細胞は細胞死が誘導され、食細胞により速やかに貪食される。貪食受容体のDraperとintegrin βνを欠いたショウジョウバエでは成長が遅れることから、貪食受容体を介した 死細胞貪食が個体の成長期間を調節すると仮定し、その仕組みを検証した。食細胞を用いた実験により、死細胞貪食後の細胞では成長促進に関係する遺伝子Bの発現が増加すること、Bの転写抑制因子Cの発現が低下すること、およびCの転写抑制因子Aが活性化することがわかった。よって、貪食後の細胞ではAが活性化してCの発現量が低下することで、Cに発現を抑えられていたBの発現量が増加し、個体の成長が促される仕組みが予想された。<br />Unwanted cells are induced cell death, then phagocytes recognize them using phagocytosis receptor(s) and engulfed. Our previous experiments showed that a Drosophila lacking phagocytosis receptors, Draper and integrin beta-nu, took longer time to develop into adults. This results hypothesized that phagocytosis receptor-mediated phagocytosis controlled ontogenetic growth. To be clear that, phagocytosing phagocyte was subjected to DNA microarray analysis and gel-shift assay. I found; 1) expression level of growth-related gene B was up-regulated, 2) amount of a repressor C which suppresses transcription of the gene B was decreased, and 3) another repressor A which suppresses transcription of the gene C was activated. These findings support the hypothesis.<br />研究課題/領域番号:25440044, 研究期間(年度):2013-04-01 – 2016-03-31 続きを見る
2.

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井上, 啓 ; Inoue, Hiroshi
出版情報: 平成28(2016)年度 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型) 研究実績の概要 = 2016 Research Project Summary.  2015-04-01 – 2017-03-31  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059958
概要: 金沢大学新学術創成研究機構<br />脂肪肝における再生障害は、脂肪肝での術後合併症や非アルコール性脂肪肝炎の発症と密接に関与している。脂肪肝再生障害は、再生過程における肝細胞死の亢進により引き起こされることが知られ、軽度脂肪肝ではアポトー シス、高度脂肪肝ではネクローシスが増強する。様々なストレスに対し共通する生体応答として、eIF2αリン酸化を介した統合的ストレス応答が知られている。代表者は、肝臓の再生・代謝の制御メカニズムの解明に取り組み、その過程で、統合的ストレス応答の増大に応じ、脂肪肝再生過程で、肝小葉内に散在する細胞死の増加とともに、広範な壊死巣が出現することを明らかにしている。また、統合的ストレス応答増強による肝細胞死の増加が転写因子CHOP依存的である事、肝再生過程で壊死巣の出現と肝臓TNFα・RIP3発現と相関する事を見出している。そこで、本研究では、統合的ストレス応答に伴う脂肪肝再生過程での細胞死制御メカニズムの解明を目的としている。本年度には、脂肪肝において、統合的ストレス応答を引き起こす肝臓炎症が、迷走神経制御異常により誘導されることを報告している。迷走神経切除モデルでは切除後肝再生障害が起こることが知られているが、脂肪肝マウスモデルでは、迷走神経活動の変動が消失し、慢性的な活性抑制状態である可能性を見出している。また、統合的ストレス応答において活性化される転写因子が、RIP3発現誘導に重要な役割を担うことも明らかにしている。当該転写因子のノックアウトモデルでは脂肪肝において、肝再生障害が軽減し、再生過程のアポトーシスは残存するものの、RIP3依存性のネクローシスが消失する。これらの知見は、統合的ストレス応答に伴い、RIP3依存性細胞死が、CHOP依存性アポトーシスとは異なるメカニズムで誘導される可能性を示唆している。<br />研究課題/領域番号:15H01373, 研究期間(年度):2015-04-01 – 2017-03-31 続きを見る
3.

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成21(2009)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2009 Research Project Summary.  2008 – 2009  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060154
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ASCを標的とした細胞死を誘導する薬剤を探索する目的で、昨年度に引き続き対照細胞株(HEK293細胞)と比較してASC遺伝子導入細胞株MAIL8細胞を選択的に傷害する天然物や化合物の探索を行った。本特定 領域の化学療法基盤情報支援班より約300種類の化合物の提供を受け、スクリーニングを行ったところ、2種類の化合物が比較的選択的にMAIL8細胞に細胞死を誘導した。一方、昨年度海洋微生物抽出液の分画中にMAIL8に比較的選択的に細胞死を誘導する活性を見出し、HPLCによる精製を試みた。MAIL8細胞に対する細胞死誘導活性を有する物質を精製し、NMRで構造決定したところ、malforminの一種であることが判明した。しかしこの物質の細胞死誘導活性はMAIL8細胞に選択性を示さなかった。MAIL8選択的な細胞死を誘導する活性のピークは微量で構造決定に至っていない。また、昨年度作成したASC遺伝子とその上流5kbを含むヒトゲノム領域のASCコード領域の3'端にGFP cDNAを挿入したコンストラクトをASC陽性メラノーマ細胞株G361とASC陰性メラノーマ細胞株C32TGに導入したところ、前者でのみASC-GFP融合蛋白の発現が検出された。後者の細胞株をインジケーター細胞として、ASCの発現を誘導しうる化合物、天然物の探索を行ったが、ASCの発現を有意に誘導できる物質は発見できなかった。我々はこれまで、種々のがん細胞のASCを活性化するとアポトーシスが誘導されることを示してきたが、本研究の過程で、ヒト大腸腺癌細胞株COLO205ではASCの活性化によりネクローシスが誘導されることを発見した。この細胞死はカテプシンBやV-ATPaseに対する阻害剤で抑制されることから、リソゾームが関与することが示唆された。<br />研究課題/領域番号:20013015, 研究期間(年度):2008 – 2009 続きを見る
4.

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2007 Research Project Summary.  2006 – 2007  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060195
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ASCはCARD12等と結合してアポトーシスと炎症のシグナルを伝達する細胞質アダプター蛋白である。我々は、CARD12とmuramy1 dipeptide(MDP)刺激で活性化するNod2の融合蛋白(C 12N2)を用い、MDPでASCを特異的に活性化する実験系を開発し、ASCはがん細胞にアポトーシスとIL-8産生を誘導すること、後者の応答にNF-KBとAP-1の活性化が寄与していることを示してきた。昨年度はAP-1活性化の分子機構を解明し、ヒト胃癌細胞株NUGC4にC12N2とASCを安定導入した細胞株(NUC12N2)の腫瘍をヌードマウスに形成させ、MDPを投与すると腫瘍が完全に退縮することを示した。,本年度は、以下の点を明らかにした。1)ASCの活性化により転写因子 STAT1,ISGF3,STAT3,NFATの内STAT3のみが活性化されること、STAT3の活性化はAP-1とNF-kBに依存した2次的な応答であることを示した。2)DNAマイクロアレー解析でASCの活性化により誘導される遺伝子を網羅的に解析し、転写関連(24%)、炎症関連(21%)、細胞死関連(16%)を含む75種類の遺伝子が有意に誘導されることを示した。3)NUC12N2またはNUGC4の腫瘍を形成させたヌードマウスにMDPを投与し、24時間後の腫瘍組織のアポトーシス細胞をTUNEL法で染色したところ、NUC12N2腫瘍組織でのみ、著しいアポトーシスが検出された。また、NUC12N2にNUGC4を5%以上混入させた場合には、MDP投与で腫瘍が拒絶されなかったことから、このがん治療モデルにおける腫瘍退縮はがん細胞のアポトーシスによるもので、炎症反応による周囲のがん細胞の巻き込み排除はほとんど寄与していないことが示された。<br />研究課題/領域番号:18013022, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「ASC依存性AP-1活性化機構の解明とASCのがん分子標的としての可能性の検討」研究成果報告書 課題番号18013022(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18013022/)を加工して作成 続きを見る
5.

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2005  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060220
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ASCはCARD12等と結合してアポトーシス等を誘導する細胞質蛋白質で、その遺伝子は様々ながん組織で発現が抑制されている。しかし、ASCのアポトーシス誘導機構は明確になっていない。我々は、CARD12と Nod2の融合蛋白(C12N2)を発現させ、MDP(Nod2のリガンド)でASC依存性アポトーシスを誘導する実験系を開発した。本研究では、この実験系を用いASC依存性アポトーシスの分子機構を検討した。さらに、我々が最近発見した新規ASC阻害蛋白PYNODについて、がん細胞における発現とASC誘導アポトーシスに対する効果を検討した。結果は以下の通りである。1)種々のがん細胞にC12N2とASCを発現させ、MDPで刺激したところ、調べた全ての細胞株でアポトーシスが誘導された。2)種々のドミナントネガティブ(DN)変異体やsiRNA、カスパーゼ阻害剤などを用いた検討から、ASCはFADD非依存性にカスパーゼ8を介してアポトーシスを誘導し、さらにタイプ2細胞においてはカスパーゼ8で切断されるBid依存性に、ミトコンドリア経路のアポトーシスを誘導することが判明した。3)ASCとカスパーゼ8は細胞内でスペックと呼ばれる凝集塊に共局在した。一方、FADD, Bax, Nod2などとの共局在は認められなかった。4)組替ヒトPYNOD蛋白を特異的に検出する単クローン抗体の樹立に成功した。5)この抗体を用い、PYNOD mRNAの発現が確認された10種類のヒトがん細胞株についてPYNOD蛋白の検出を試みたが、検出できなかった。内在性PYNODの検出にはより高親和性の抗体が必要と思われる。6)PYNODを細胞に一過性に発現させるとASC依存性アポトーシスを阻害した。以上、ASCは種々のがん細胞にカスパーゼ8依存性のアポトーシスを誘導し、PYNODはこのアポトーシスを抑制しうることが判明した。<br />研究課題/領域番号:17014035, 研究期間(年度):2005<br />出典:「ASC依存性アポトーシスの分子機構とPYNODの抑制効果の検討」研究成果報告書 課題番号17014035(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17014035/)を加工して作成 続きを見る
6.

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向田, 直史 ; Mukaida, Naofumi
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2007 Research Project Summary.  2006-2007  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060370
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />肝臓の前がんからがん病変ならびに膵臓がんにおいて発現が亢進している,セリン/スレオニン・キナーぜ・Pim-3が,Badの112番目のセリン残基のリン酸化によってBadの不活化を起こすとともに,Bcl-X Lの発現を誘導し,アポトーシスを抑制することでがん化に関与している可能性を我々は昨年度までに報告した。本年度,以下の結果を得た。(1)肝臓、膵臓以外の内胚葉由来臓器である大腸、胃のヒトの前がんならびにがん病変でのPim-3の発現を免疫染色法にて検討した結果,大腸では腺がんの存在しない正常粘膜ではPim-3が検出されないのに対して,腺がん病変周囲の正常粘膜の約20%,アデノーマの約90%,腺がん病変の約55%で,Pim-3タンパクが検出された。同様の結果が,胃のアデノーマならびに腺がん組織の検討によっても得られた。(2)Pim-3がBadの112番目のセリン残基を選択的にリン酸化することに基づく,Pim-3の試験管内での活性測定法を確立した。Pim-3の立体構造予測から推測された候補阻害剤14種を検討し,4種がPim-3活性を阻害し,そのうち2種が膵がん細胞株の試験管内での増殖を抑制することを認めた。(3)ヒト膵がん細胞株でのPim-3遺伝子の恒常的発現機構を検討し,膵がん細胞株で発現が亢進している転写因子Ets-1が,Pim-3遺伝子プロモーター上のEts-1結合領域に結合し,転写を誘導していることを明らかにした。<br />研究課題/領域番号:18659067, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「膵癌選択的に発現しているキナーゼPim-3を分子標的とした新たな治療法の開発」研究成果報告書 課題番号18659067(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18659067/)を加工して作成 続きを見る
7.

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清水, 宣明 ; Shimizu, Nobuaki
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2007 Research Project Summary.  2006-2007  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060379
概要: 金沢大学環日本海域環境研究センター<br />我々は光触媒(二酸化チタン)に超音波を照射すると極めて酸化力の強いOHラジカルが高濃度に生成する現象を報告した。この「二酸化チタン、超音波触媒法」にてラジカルを発生させれば,皮膚組織などの表層部 位だけでなく臓器深部の腫瘍組織においても有効な治療が可能となり,非侵襲的な新規がん治療法を開発できる。この非侵襲的かつ臓器機能温存型の「新規がん治療法」を開発するための基盤技術として,「腫瘍細胞を特異的に認識する機能性光触媒ナノ粒子」を作製することが本研究の目的である。二酸化チタンはその等電点が中性付近にあり,表面処理を行わずに体内に投与した場合,ナノ粒子が容易に凝集する可能性がある。特に血中投与では様々なタンパク質との相互作用など,不確定な要素も数多く存在する。このため本研究では粒子表面をポリアクリル酸で修飾し,静電的相互作用でナノ粒子を水溶液中で安定に分散させた。これを用いて二酸化チタン濃度変化によるがん細胞膜損傷効果を検討した。超音波を照射しない場合,二酸化チタン添加による乳酸脱水素酵素活性のわずかな増大が認められた。これと比較して,二酸化チタシを添加後に超音波照射を行うと,二酸化チタン濃度に比例して細胞からの乳酸脱水素酵素漏出が有意に増大した。この結果は,二酸化チタン、超音波触媒法による細胞膜損傷が二酸化チタンから生成するOHラジカルに起因する可能性を示唆する。さらに培養液中に二酸化チタン粒子を添加後,生細胞数の経時変化に対する超音波照射の影響を調べた。二酸化チタン粒子添加のみでは細胞は正常に増殖するのに対し,二酸化チタン粒子添加後に超音波を照射すると生細胞数が約50%にまで減少し,その後の増殖も完全に抑制された。またナノ粒子表面のカルボキシル基を用いて各種抗体やGFPなどのタンパク質の修飾も行えることを確認し,がん細胞を認識する二酸化チタンナノ粒子作製の基礎を確立できた。<br />研究課題/領域番号:18650143, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「機能性生体分子を配向した光触媒ナノ粒子の創製とその医療応用」研究成果報告書 課題番号18650143(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18650143/)を加工して作成 続きを見る
8.

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2016-02-19. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060445
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />PYPAF1/Cryopyrinは寒冷刺激で皮膚炎や関節炎など全身性に炎症を起こす遺伝性疾患FCASの原因遺伝子である。また、アダプター分子ASCを介して、NF-κB活性化およびcaspase-1依存性 IL-1β活性化を誘導する分子である。我々はPYPAF1によるNF-κBの活性化を阻害する分子IPN-2を見いだし、その機能を検討した。IPN-2は構造的特徴からPYNODと改名した。PYNODはPYPAF1やCARD12をASCと共発現させた場合やASCを過剰発現させた場合に誘導されるNF-κBの活性化を阻害したが、MEKK1やMyD88の発現やTNFα刺激によるNF-κBの活性化は阻害しなかった。また、PYNODはASCの過剰発現によるアポトーシスも抑制したが、BidやFasの発現によるアポトーシスは抑制しなかった。このことからPYNODはASCを介したNF-κB活性化やアポトーシスを選択的に阻害する分子であることが示唆された。一方、PYNODはPYPAF1とASCを介したcaspase-1依存性のIL-1β分泌を阻害した。さらに、caspase-1の過剰発現によるIL-1βの活性型への転換と分泌も阻害したことから、PYNODはcaspase-1によるIL-1βの切断(による活性化)を阻害するものと考えられる。PYNODの蛋白間相互作用を検討したところ、PYNOD自身、ASC, caspase-1, IL-1βと結合し、RIP、TRADD、IKKγ、Bidとは結合しなかった。以上の結果から、PYNODのPYPAF1に対する阻害作用は、ASCやcaspase-1の活性を阻害することにより発揮されることが示唆された。<br />研究課題/領域番号:16659081, 研究期間(年度):2004<br />出典:「PYPAF1/CryopyrinによるNF-κB活性化の制御機構の解明」研究成果報告書 課題番号16659081(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16659081/)を加工して作成 続きを見る
9.

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林, 泰寛 ; Hayashi, Hironori
出版情報: 平成27(2015)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究成果報告書 = 2015 Fiscal Year Final Research Report.  2014-04-01 - 2016-03-31  pp.4p.-,  2016-05-16. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051565
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />肝胆膵・移植外科領域で頻発する門脈うっ血の影響とその軽減につき,ラットモデルにて研究を行った.門脈うっ血により,小腸粘膜を中心とした障害を受けるが,うっ血による前処置(congestive preco nditioning; CPC)を行うことにより,障害は軽減,かつ生存率も有意に改善し,その有用性が示された.また, CPCによる抗アポトーシス経路の誘導が示唆された.<br />In clinical settings of hepato-pancreato-biliary and liver transplant surgery, portal venous congestion (PVC) is common pathophysiology. Therefore, effect and therapeutic approach for PVC was investigated by rat model. Intestinal mucosa was injured by PVC via apoptosis. By the induction of congestive preconditioning (CPC), intestinal mucosal injury and survival rate were significantly improved. The anti-apoptotic pathways was suspected to be involved in this availability, based on the result from immunohistochemical analysis.<br />研究課題/領域番号:26861064, 研究期間(年度):2014-04-01 - 2016-03-31 続きを見る
10.

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加藤, 公禄 ; Kato, Koroku
出版情報: 平成25(2013)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究成果報告書 = 2013 Fiscal Year Final Research Report.  2012-04-01 - 2014-03-31  pp.5p.-,  2014-05-20.  金沢大学附属病院歯科口腔外科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051607
概要: AMPK活性化薬剤のアポトーシス誘導を検討した結果、投与24時間後には顕著にアポトーシスが起こっていた。この薬剤の細胞増殖因子の経時的なmRNA発現を確認した結果、mTOR ならびにAkt1、Akt3の発現減弱を認めた。また、p53ならびに p21の発現が増加していた。タンパク質発現の変動を検討した結果、Phospho-mTORは経時的に発現量が減少し、p53ならびにp21の発現増加を認めた。浸潤に対する薬剤の効果を検討した結果、投与群では有意に浸潤抑制効果が確認できた。MMPsの発現を検討した結果、pro-MMP-2の発現減弱を認めた。さらにARK5の経時的mRNA発現減弱を認めた。<br />Apoptosis induction with AMPK activating agents was examined using an apoptosis detection kit, demonstrating marked apoptosis induction at 24 hours after administration.The mRNA expressions of cell growth factors were examined with AMPK activating agents, demonstrating the decreased expressions of mTOR and Akt1, Akt3 and the increased expressions of p53 and p21. Their protein expressions were also examined, demonstrating the decreased expression of phospho-mTOR over time and the increased expressions of p53 and p21.The effects of AMPK activating agents on invasion were examined, demonstrating significant inhibitory effects on invasion in treated groups. The expressions of MMPs were examined, demonstrating the decreased expression of pro-MMP-2. Furthermore, the mRNA expression of ARK5 decreased over time.<br />研究課題/領域番号:24792193, 研究期間(年度):2012-04-01 - 2014-03-31 続きを見る
11.

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加藤, 公禄 ; Kato, Koroku
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究成果報告書 = 2010 Fiscal Year Final Research Report.  2008-2010  pp.5p.-,  2011-05-17.  金沢大学附属病院歯科口腔外科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051608
概要: MTS assayならびにWestern blotにてAMPK活性化薬剤であるAICARの口腔扁平上皮癌細胞の増殖抑制効果とアポトーシス関連蛋白の変動について検討を行った。その結果、AICARの濃度依存的、時間依存的な細胞増殖抑制効果が確認 された。また、それに伴いAMPKα、Phospho-AMPKα、bax、p53の経時的な発現増加ならびにbcl-2、PCNAの経時的な発現減弱を認めた。<br />The suppressant effect of progression and the time-dependent change of the apoptotic related protein in oral squamous cell carcinoma cell by AICAR, as AMPK activated reagent were examined using a MTS assay and western blotting. As a result, dose-dependent and time-dependent suppressant effect of progression by AICAR was confirmed. Furthermore, time-dependent increase of AMPKα, Phospho-AMPKα, bax and p53 and time-dependent decrease of bcl-2 and PCNA were confirmed by western blotting. 続きを見る
12.

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華山, 力成 ; Hanayama, Rikinari
出版情報: 平成24(2012)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究成果報告書 = 2012 Fiscal Year Final Research Report.  2010-2012  pp.4p.-,  2013-06-01.  金沢大学新学術創成研究機構ナノ生命科学研究所 / 大阪大学
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051760
概要: アポトーシス細胞は、ホスファチジルセリン(PS)を細胞膜の外側に提示し、これをマクロファージなどの食細胞が認識して貪食する。私たちは、マクロファージ上の蛋白質TIM4がこのPSと結合することによりアポトーシス細胞をマクロファージに繋ぎ止める 一方、マクロファージから分泌されるMFG-E8がPSと結合し、マクロファージ上のインテグリンと橋渡しをすることにより、アポトーシス細胞を取り込むことを見出した。<br />Apoptotic cells are engulfed by macrophages by recognizing phosphatidylserine (PS). We found that Tim4 receptor on macrophages tethers apoptotic cells to macrophages by binding PS, and MFG-E8 secreted from macrophages binds to PS and stimulates the engulfment by binding to integrin on macrophages.<br />研究課題/領域番号:13555218, 研究期間(年度):2010-2012 続きを見る
13.

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山本, 博
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2010 Fiscal Year Final Research Report.  2007-2010  pp.6p.-,  2010-05-19.  金沢大学医学系
URL: http://hdl.handle.net/2297/47363
概要: (1)分泌型RAGE(receptor for AGE)の生成に関わると推定されるシスエレメントとトランス因子候補が同定された。(2)分泌型RAGEを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し、RAGEがアミロイドβの脳への移行に関わるこ とを証明した。(3)RAGEと、リポポリサッカライド誘発炎症、およびホスファチヂルセリンによって仲介されるアポトーシス細胞除去との関わりも明らかにされた。<br />First, we identified cis-acting regulatory elements and a putative trans-acting factor that may participate in the production of secretory RAGE. Second, we created a secretory RAGE-overexpressing transgenic mouse model, and demonstrated with it that RAGE accounts for the transition of amyloid・into the brain. Further, we also found that RAGE is involved in lipopolysaccharide-induced inflammation and in phosphatidyl serine-mediated apoptosis.<br />研究課題/領域番号:19390085, 研究期間(年度):2007–2010 続きを見る
14.

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清水, 宣明 ; Shimizu, Nobuaki
出版情報: 平成24(2012)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2009 Fiscal Year Final Research Report.  2007-2009  pp.6p.-,  2010-05-20.  金沢大学環日本海域環境研究センター
URL: http://hdl.handle.net/2297/47121
概要: 肝細胞特異認識タンパク質preS1/S2固定化TiO_2ナノ粒子を用いて、培養がん細胞に対する細胞損傷効果および担がんマウスに対する抗腫瘍効果を解析した。その結果がん細胞がOHラジカルなどの化学種の酸化作用により損傷を受け、アポトーシスを誘 導し細胞死に至ること、周波数1MHz,照射強度1W/cm^2,照射時間1minという条件で週3回担がんマウスに超音波照射を行い、有意な腫瘍の成長抑制を確認した。<br />研究課題/領域番号:19300182, 研究期間(年度):2007–2009 続きを見る
15.

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竹内, 伸司 ; Takeuchi, Shinji
出版情報: 平成26(2014)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究成果報告書 = 2014 Fiscal Year Final Research Report.  2013-04-01 - 2015-03-31  pp.4p.-,  2015-05-26.  金沢大学附属病院がんセンター
URL: http://hdl.handle.net/2297/00055475
概要: BIM遺伝子多型に起因するEGFR-TKI耐性を克服する治療としてHDAC阻害薬の有効性について検証した。BIM多型を有するEGFR変異肺癌細胞株PC-3はゲフィチニブによるアポトーシス誘導に抵抗性を示した。PC-3にボリノスタットを添加す ると活性型BIM蛋白の発現が上昇し、ゲフィチニブとの併用によってアポトーシスが誘導された。マウスモデルにおいて、ゲフィチニブ単剤ではPC-3皮下腫瘍は縮小しなかったが、ボリノスタット併用によってアポトーシスが誘導され著明な腫瘍縮小効果を示した。以上より、HDAC阻害薬併用治療がBIM遺伝子多型に起因するEGFR-TKI耐性克服に有効であることが示唆された。<br />We investigated whether vorinostat, a histone deacetylase (HDAC) inhibitor, could circumvent EGFR-TKI resistance in the EGFR mutant lung cancer cell lines, which harbor the BIM polymorphism. We found that PC-3 cells with BIM polymorphism were much less sensitive to gefitinib-induced apoptosis than the EGFR mutant cell lines, which do not harbor this polymorphism. Vorinostat dose-dependently increased the expression of BIM with a pro-apoptotic BH3 domain and, together with gefitinib, induced apoptosis in cells with BIM polymorphism in vitro. In xenograft models, gefitinib did not induce regression of PC-3 subcutaneous tumors, whereas the combination of vorinostat and gefitinib induced marked regression of tumors, accompanied by tumor-cell apoptosis. These results indicate that the combination of HDAC inhibitor and EGFR-TKI may circumvent the resistance due to the BIM polymorphism in EGFR mutant lung cancer.<br />研究課題/領域番号:25860640, 研究期間(年度):2013-04-01 - 2015-03-31 続きを見る
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中西, 義信 ; Nakanishi, Yoshinobu
出版情報: 平成27(2015)年度 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究成果報告書 = 2015 Fiscal Year Final Research Report.  2014-04-01 – 2016-03-31  pp.4p.-,  2016-04-23. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049471
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />細胞周期のチェックポイントに検知されて修復過程に入った異常細胞のうち、完全修復に至らなかった細胞はアポトーシス依存的に貪食除去されると考えられる。しかし、貪食の必要性は示されていない。研究代表者は、チ ェックポイントとアポトーシスを同時に阻害して発癌を起こさせるショウジョウバエ実験系において、アポトーシスではなく貪食を阻害した時の発癌の有無を調べることにした。発癌が起これば、癌細胞予備軍の除去にアポトーシスだけでなく貪食も必要と結論される。最初の1年半をかけて発癌モデルが完成し、貪食の必要性をみる動物の作成に入った。しかし、研究期間内に完成せず、当初の目的を達成することができなかった。<br />During cell division cycle, the check point system scrutinizes cells if they possess defects. Cells found to bear defects get off the cycle for repair, and those not repaired completely undergo apoptosis-dependent phagocytosis. Although the requirement of apoptosis has been shown, that of phagocytosis remains to be known. In a model system using fruit fly Drosophila, cancer develops when both check point and apoptosis are inhibited. We aimed at examining the occurrence of cancer when phagocytosis, not apoptosis, is inhibited together with check point. We succeeded in establishing a cancer model spending first 1 and half years and started to generate animals with defects in check point and phagocytosis. However, we were unable to achieve it before the period of time for this research ended. Therefore, we could not accomplish the purpose.<br />研究課題/領域番号:26650030, 研究期間(年度):2014-04-01 – 2016-03-31 続きを見る
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中西, 義信 ; Nakanishi, Yoshinobu
出版情報: 平成23(2011)年度 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究成果報告書 = 2011 Fiscal Year Final Research Report.  2010-2011  pp.6p.-,  2012-05-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049473
概要: 金沢大学薬学系<br />まず、アポトーシス細胞の貪食を担う受容体を欠損させたショウジョウバエを作成した。その動物では幼虫の期間が長くなり、アポトーシス細胞除去が動物個体の成長に必要とされることがわかった。続いて、貪食不全により残存する負け 組細胞の性質を調べるため、貪食受容体欠損動物にCell Competitionをモザイク状に起こす変異を導入した。しかし、本研究の期間内にその個体の解析を完了させるに至らなかった。<br />We generated a Drosophila line that lacks receptors responsible for the phagocytic removal of apoptotic cells. These flies had prolonged larval stage, indicating the importance of apoptotic cell clearance in growth. To determine the characteristic of' loser cells', which remain in animals due to a defect in phagocytosis, a mosaic mutation for artificial cell competition was introduced into a phagocytosis-deficient fly line. However, we could not complete the examination of these flies within the allocated research period.<br />研究課題/領域番号:22657033, 研究期間(年度):2010-2011 続きを見る
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中西, 義信 ; Nakanishi, Yoshinobu
出版情報: 平成24(2012)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2012 Fiscal Year Final Research Report.  2010-2012  pp.4p.-,  2013-04-26. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049474
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />本研究では、アポトーシス細胞除去に働くショウジョウバエの貪食受容体Draperの働き方が調べられ、以下の成果が得られた。まず、Draperの働きには細胞内領域にあるNPxYモチーフ中のチロシン残基が必 要であり、これがリン酸化を受けて貪食誘導性の情報が伝達されると示唆された。次に、Draperのリガンドとして小胞体タンパク質CaBP1とホスファチジルセリンが新たに見いだされた。さらに、Draperとは別経路で働く第二の受容体としてインテグリンαPS3-βνが同定された。<br />The modes of action of Draper, an engulfment receptor responsible for the phagocytosis of apoptotic cells in Drosophila, were investigated. Draper underwent tyrosine phosphorylation at the motif NPxY when phagocytes recognized apoptotic cells. This tyrosine residue was required for Draper to transmit signals for the induction of phagocytosis. The endoplasmic reticulum protein CaBP1 and the membrane phospholipid phosphatidylserine were found to serve as ligands for Draper. In addition, integrin αPS3-βν was identified as another engulfment receptor that functions independent of Draper.<br />研究課題/領域番号:22370049, 研究期間(年度):2010-2012 続きを見る
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中西, 義信 ; Nakanishi, Yoshinobu
出版情報: 平成21(2009)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2009 Fiscal Year Final Research Report.  2007-2009  pp.6p.-,  2010-04-09. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049475
概要: 金沢大学薬学系<br />線虫の貪食受容体CED-1に相当するショウジョウバエのDraperは、血球細胞及びグリア細胞によるアポトーシス細胞の貪食除去に必要とされる。本研究では、Draperが認識するアポトーシス細胞側の目印分子が探索され、 研究代表者らがPretaporterと名付けた小胞体タンパク質が見いだされた。Pretaporterはアポトーシス時に小胞体から細胞表層に移動してDraperに認識されるようになると考えられた。また、Pretaporterの結合によりDraperのチロシンリン酸化が促され、それを契機にして細胞内に貪食誘導性の情報が伝達されると示唆された。<br />研究課題/領域番号:19370051, 研究期間(年度):2007-2009 続きを見る
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戸田, 聡 ; Toda, Satoshi
出版情報: 平成26(2014)年度 科学研究費補助金 研究活動スタート支援 研究成果報告書 = 2014 Fiscal Year Final Research Report.  2014-08-29 - 2015-03-31  pp.4p.-,  2015-09-25.  金沢大学新学術創成研究機構ナノ生命科学研究所 / 京都大学
URL: http://hdl.handle.net/2297/00056705
概要: マクロファージは、死細胞や赤血球が排出した核の表面に露出されるホスファチジルセリンを認識し、それらを貪食する。本研究は、貪食を促進する因子を同定するため、次世代シーケンスを用いた貪食能の機能スクリーニング法を樹立することを目的とした。死細胞 の貪食能のない浮遊系細胞株Ba/F3に、腹腔の常在マクロファージから調製したcDNAライブラリーを導入し、死細胞を貪食したBa/F3細胞をソーティングすることを繰り返した。その結果、貪食能を獲得したBa/F3細胞が濃縮され、次世代シーケンスを使ってその細胞集団に導入されたcDNAを網羅的に調べたところ、貪食に関与する因子が複数検出された。<br />Macrophages recognize phosphatidylserine exposed on apoptotic cells and nuclei expelled from erythroblasts to engulf them. To identify factors that promote the engulfment, I aim to establish a functional screening system for engulfment of apoptotic cells with next generation sequence. I introduced cDNA library of resident peritoneal macrophages into a suspension cell line, Ba/F3, which has no ability to engulf apoptotic cells. Then I sorted Ba/F3 cells which engulfed apoptotic cells. Ba/F3 cells which acquired engulfment ability were enriched and I read cDNA sequences integrated in the cells with next generation sequence. As a result, several genes which have an ability to promote engulfment of apoptotic cells were detected.<br />研究課題/領域番号:26893120, 研究期間(年度):2014-08-29 - 2015-03-31 続きを見る
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白土, 明子 ; Shiratsuchi, Akiko
出版情報: 平成12(2000)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary.  1999 – 2000  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060708
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />アポトーシス細胞表層には貪食目印分子が出現し、食細胞はこれに対する特異的受容体を使ってアポトーシス細胞を貪食する。今年度は、目印分子ホスファチジルセリン(PS)とその受容体SR-BIを介した貪食反応機 構と、新規貪食関連分子の解析を行った。1)ラット精巣セルトリ細胞に発現するSR-BIは、アポトーシス精子形成細胞表層のPSを認識して貪食反応を誘起する。様々な領域を欠いたSR-BI発現CHO細胞の貪食能解析より、SR-BIの509アミノ酸残基のうち、予想細胞外領域に位置する105-144番目、155-191番目を含む両領域がアポトーシス細胞結合に必要であること、また後者はPSとの結合に関与することを示す結果を得た。さらに、卵胞刺激ホルモン添加により培養セルトリ細胞のSR-BI発現が促進したことから、貪食反応が下垂体ホルモンの制御下にあることが示唆された。2)インフルエンザウイルス感染細胞はアポトーシスを起こし、PSを介してマクロファージに貪食される。ウイルスの出芽に際して感染細胞表層に出現するウイルスコートタンパク質の貪食反応への影響を解析した。インフルエンザウイルスタンパク質のノイラミニダーゼ(NA)活性を欠く変異ウイルスを用いた解析により、NAが感染細胞のマクロファージによる貧食を促進することが示された。現在、NAが目印分子として働くのかその活性が貪食促進に必要であるのかについて解析中である。3)アポトーシス後期細胞は初期細胞に比べて効率よくマクロファージに貪食される。新規貪食目印分子を解析するため、アポトーシス細胞を抗原とするモノクローナル抗体を作成した。マクロファージの貪食阻害効果を指標に樹立したモノクローナル抗体PH2は、アポトーシス後期およびネクローシス細胞の貪食反応を選択的に阻害し、その抗原は新規貪食目印分子であると考えられた。<br />研究課題/領域番号:11780441, 研究期間(年度):2001-2005<br />出典:「貪食による不要細胞の除去機構」研究成果報告書 課題番号11780441(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11780441/ )を加工して作成 続きを見る
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小林, 顕 ; Kobayashi, Akira
出版情報: 平成12(2000)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary.  1999 – 2000  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060717
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />研究代表者は、眼科領域におけるアポトーシス研究の第一人者であるマイアミ大学のAndrew Huang博士(マイアミ大学バスコンパルマー眼研究所、眼科助教授)の協力を得て、マウスの角膜輪部においてbcl -2のみならず、bcl-xが特異的に発現していることを免疫染色法によって明らかにし、角膜輪部幹細胞のマーカーとしての可能性を見出した。また、bcl-2のトランスジェニックマウスとノックアウトマウスを用いて、アポトーシス関連遺伝子(bcl-2、bcl-x、bax)の角結膜における発現を調べ、成果を1999年ARVOmeeting(The Association for Research and Vision in Ophthalmology, Fort Lauderdale, USA)において報告した。また、再発翼状片においてのアポトーシス関連遺伝子(bcl-2、bcl-x、bax、p53)などにつき、免疫染色法を用いて調べ、その局在について明らかにした。さらに、色素性乾皮症に生じた難治性の翼状片についてもアポトーシス関連遺伝子をしらべ、現在その結果について解析中である。<br />研究課題/領域番号:11771042, 研究期間(年度):1999 – 2000<br />出典:「角膜、結膜、眼瞼におけるアポトーシス関連遺伝子の局在解明-眼表面疾患の治療に向けて-」研究成果報告書 課題番号11771042, (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11771042/ )を加工して作成 続きを見る
23.

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塚谷, 才明 ; Tukatani, Tosiaki
出版情報: 平成12(2000)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary.  1999 – 2000  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060719
概要: 金沢大学附属病院<br />副鼻腔炎による嗅覚障害の発症機序を明らかにするためラットで実験的副鼻腔炎モデルを作成し、嗅上皮ならびに嗅球の組織学的検討をおこなった。ラットの一側鼻腔にブドウ球菌を塗布した異物を挿入、3、7、14、21、28日後 に上顎洞を組織学的に観察した。各々の群で6〜7割の確率で副鼻腔炎の発症が確認された。これまでウサギでしか報告されていなかった副鼻腔炎モデルのラットでの作製に成功した。次にこのモデルを用い、副鼻腔炎発症例において経時的に嗅上皮、嗅球の変化を観察した。嗅上皮には3日後には炎症所見を認め、嗅上皮の厚さ、嗅細胞層数、嗅上皮単位面積あたりの嗅細胞数は21日目まで有意差をもって減少しつづけた。抗単鎖DNA抗体を用いて嗅細胞のアポトーシスを観察したところ3日、7日で多くのアポトーシスにおちいった嗅細胞が観察されその後減少、21、28日後にはほとんど観察されなかった。PCNA抗体を用いた嗅細胞の新生の検討では7日後まで嗅細胞の新生は著明に低下しつづけ、21、28日後にはほとんど新生を認めなかった。副鼻腔炎による嗅細胞の減少はその早期にはアポトーシスにより、その後は新生が抑制されることにより起きることが明らかとなった。次に嗅上皮における誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の産生について検討した。正常嗅上皮ではiNOSの発現を認めなかったが副鼻腔炎発症例では基底細胞を中心にiNOSの発現を認めた。嗅球では傍糸球体細胞のドーパミンの発現の減少が7日後より認められ、21、28日後では著明に減少していた。<br />研究課題/領域番号:11770982, 研究期間(年度):1999-2000<br />出典:「副鼻腔炎モデルにおける嗅球嗅上皮の組織学的検討と培養嗅細胞移植による治療」研究成果報告書 課題番号11770982(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11770982/ )を加工して作成 続きを見る
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大熊, 勝治 ; Ohkuma, Shoji
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060765
概要: 金沢大学理工研究域<br />本研究では、V-ATPaseの選択的阻害剤であるバフィロマイシンと比較しつつ、H^+/Cl^-シンポーターであるプロジギオシン類のプロトン輸送阻害機構と細胞増殖阻害・細胞死誘導機構、癌抑制機構を明らかにし、ひい ては理想的制癌剤の開発を目指した。その結果、(1)プロジギオシン類(タンビャミン類を含む)は、そのH^+/C1^-シンポート活性により各種プロトンポンプを脱共役するが、その活性発現には最低2個のピロール環の存在が必須であることが明らかになった。しかし、プロジギオシンより強力な新たなH^+/Cl^-シンポーターは見い出されなかった。(2)H^+/Cl^-シンポーターはリソソームのpHを上昇させ、細胞質のpHを低下させた。(3)しかし、細胞質pHの低下が細胞増殖抑制・細胞死の原因である可能性は、その作用が弱塩基で阻害されないことから否定的である。(4)バフィロマイシン同様、ブロジギオシン類も神経突起伸展(NOG)・アポトーシスを誘導するが、NOG誘導とアポトーシス誘導の情報伝達経路は両反応で異なっていることが判明した。即ち、両反応とも新たなRNA及び蛋白質合成を必要とし、K-252aやA-キナーゼ非依存性、MAPキナーゼ依存性であるが、セリン-スレオニンホスファターゼ、チロシンキナーゼ、チロシンホスファターゼに非依存性である点で、アポトーシス誘導はNOG誘導と異なっている。(5)細胞死は、カスパーゼ3/9の支配下にあり、ミトコンドリアからのシトクロームc放出を伴うことが明らかとなった。(6)バフィロマイシン結合蛋白質同定用のアフィニティープローブは作成の基本条件が確立され、ジアジリン誘導体の作成をするばかりとなった。(7)プロジギオシン類やそれ以外のH^+/Cl^-シンポーター類もヌードマウスに移植した膵癌細胞の増殖を抑制しアポトーシスを誘導した。(8)高度好熱菌V-ATPaseの再構成に成功し、ATP加水分解・プロトン輸送とATP合成との関係を明らかにした。<br />研究課題/領域番号:11140226, 研究期間(年度):1999<br />出典:「V-ATPase阻害剤による新規制癌機構と治療戦略」研究成果報告書 課題番号11140226(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11140226/)を加工して作成 続きを見る
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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060767
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />我々は昨年度の公募研究でFasリガンド導入したがん細胞を同系マウスの腹腔に移植すると、著名な好中球の浸潤を誘導すること、Fasリガンドは炎症細胞(主に好中球)にアポトーシス誘導すると同時に、IL-1βの 活性化と放出を引き起こし、in vivoではこのIL-1βが炎症を増強しているらしいことを示した。さらに、Fasリガンド刺激により不活性化型のIL-1βが活性型に転換される際に、よく知られるIL-1β converting enzym (ICE)は必要でないことが示された。そこで本研究では、まず、FasリガンドによりIL-1βが活性化される際に働く蛋白分解酵素を同定するため、種々の阻害剤を用いてその特性を検討した。その結果、FasリガンドによるIL-1βの活性化にはカスペース以外にキモトリプシン様のセリンプロテアーゼが関与していると考えられ、異なるグループに属する蛋白分解酵素のカスケード反応の結果、IL-1βの転換が起こることが示唆された。一方、Fasリガンドには膜型と、それがメタロプロテアーゼによって分解されて生じる可溶型が存在するが、Fasリガンドの延症誘導活性、腫瘍拒絶促進活性にはどちらの型のFasリガンドが働いているかを検討した。その結果、これらの活性には主に膜型が働いていることが明らかになった。in vitroの実験から示唆されているような可溶型Fasリガンドの好中球に対する直接的な走化因子活性は、in vivoでは検出されなかった。<br />研究課題/領域番号:11140224, 研究期間(年度):1999<br />出典:「Fasリガンドの炎症誘導作用の分子機構の解析」研究成果報告書 課題番号11140224(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11140224/)を加工して作成 続きを見る
26.

論文

論文
西村, 俊郎 ; Nishimura, Toshiro
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1998 – 1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060794
概要: 金沢大学附属病院<br />遊離脂肪移植は耳鼻咽喉科領域では、喉頭麻痺に対する形成術の材料としてまた整容的な移植の材料として注目されている。それは材料が豊富に得られ、移植後の組織反応も小さいためである。しかしながら移植後に体積、重量の減少が おこり効果が一定しない。本研究は遊離脂肪組織の移植後の生着機構を解明し、よりよい臨床応用の基礎的知見をえるために計画された。対象と方法:ラットにおいて遊離脂肪移植モデルを作成し、移植後の重量の減少と、組織所見、血管内皮増殖因子(VEGF)の発現とアポトーシスの発現状況を検討した。組織学的検討とTUNEL法とVEGFについてはRT-PCR法によってmRNAの発現も検討した。結果:移植脂肪組織は180日後にはもとの重量の32%まで減少した。組織学的には脂肪細胞の減少と結合組織の増生が特徴的であった。VGEFの発現は移植後7日目から30日目までみられ90日目で消失した。これはRT-PCR法でも確認された。アポトーシス細胞も7日目から30日目まで観察された。考察:この検討により移植脂肪細胞はVEGFにより移植後7日目までには血行が再開し生着するものの、アポトーシスが持続して体積、重量が減少するものと考えられた。脂肪細胞は非常に繊細な細胞で移植時の低酸素状態や低栄養状態がアポトーシスのひきがねになるものと推察された。将来的にVEGFの投与やアポトーシスを抑制する手段の開発により、遊離脂肪移植はさらに安定した成績が期待できる方法になるものと考えられた。<br />研究課題/領域番号:10770878, 研究期間(年度):1998 – 1999<br />出典:「遊離脂肪移植の耳鼻咽喉科領域への応用のための基礎研究」研究成果報告書 課題番号10770878(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10770878/)を加工して作成 続きを見る
27.

論文

論文
笠原, 寿郎 ; Kasahara, Kazuo
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1998 – 1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060808
概要: 金沢大学附属病院<br />1、肺癌細胞株におけるアポトーシスの検討肺癌細胞株PC-9及びそのシスプラチン耐性細胞株PC-9/CDDPを用い実験を行った。それぞれの細胞株をシスプラチンに2時間接触させて後、24時間培養し、細胞を回収した。シ スプラチンにより誘導されるアポトーシスはPC-9において有意に多く、さらに脂質メディエーターであるトロンポキサンA2(TXA2)拮抗薬、合成酵素阻害薬を併用したところ、シスプラチンにより誘導されるアポトーシスは有意に増強した。即ち、TXA2の機能を阻害する事でシスプラチン誘導細胞死が増加した。血小板活性化因子(PAF)拮抗薬についても同様の結果を得た。2、細胞死に関するプロテアーゼの解析TXA2拮抗薬の併用により、シスプラチン誘導アポトーシスの増強が確認されたので、細胞死に関わるシステインプロテアーゼであるカズパーゼについて検討した。ウェスタンブロット法を用い、蛋白量を検討したところ、TXA2拮抗薬の処理によってカスパーゼ2が誘導された。PAF拮抗薬ではカスパーゼ1が誘導された。3、Mitogen-activated proteinキナーゼ(MAPK)の検討TXA2拮抗薬、PAF拮抗薬のシスプラチン誘導細胞死の増強機序を解析するために脂質メディエーターと深く関わりを持つMAPKが果たす役割を検討した。活性化状態のMAPKを確認する抗リン酸化抗体を用いウェスタンブロット法で検討したが、TXA2拮抗薬、PAF拮抗薬、共に影響を与えなかった。以上の結果から、脂質メディエーターであるTXA2、PAFを阻害する事によりシスプラチン誘導アポトーシスが増強し、これはカズパーゼ蛋白を誘導する事に起因すると考えられた。<br />研究課題/領域番号:10770264, 研究期間(年度):1998 – 1999<br />出典:「肺癌細胞のアポトーシスにおける脂質メディエーターの役割」研究成果報告書 課題番号10770264(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10770264/)を加工して作成 続きを見る
28.

論文

論文
近藤, 稔和 ; Kondo, Toshikazu
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1998 – 1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060810
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />皮膚の創傷治癒過程におけるアポトーシス関連因子の動態について検索して,以下のような成果を得た.1.マウス皮膚損傷とFas抗原(Fas)及びFasリガンド(Fas L)Fas及びFas Lは,両者とも好 中球には局在せず,マクロファージや線維芽細胞の細胞膜や細胞質にFas及びFas L陽性所見が認められた.特に,マクロファージや線維芽細胞では,Fas又はFas L単独で陽性を示すものと,両者ともに陽性を示すものとが混在していた.また,Fas及びFas Lの発現量は,受傷後6日目で最大となることから,Fas-Fas L系を介したアポトーシスが,創傷治癒過程の増殖期に重要な役割を果たしている可能性が示唆された.2.ヒト皮膚損傷とc-Jun及びc-Fosヒト皮膚損傷を試料として,c-Jun及びc-Fosの組織・細胞レベルでの局在を免疫組織化学的に検討した.受傷後1日未満では,一部の好中球の核にc-Jun及びc-Fos陽性所見が認められた.受傷後1日以上では,マクロファージや線維芽細胞の核に陽性所見が認められた.c-Jun及びc-Fos陽性率は受傷後1日未満の損傷では低く,受傷後1日から顕著に増加し,受傷7日で最高に達した.これらの結果はc-Jun及びc-Fosが皮膚創傷治癒,特に細胞増殖と密接な関係のあることを示唆している.3.ヒト皮膚損傷とPCNA及びLewis-Y抗原(Le^y)ヒト皮膚損傷を試料としてPCNA及びLeyの組織・細胞レベルでの局在を免疫組織化学的に検討した.PCNAについてはc-Jun及びc-Fosと同様の結果を得た.Le^yについては,好中球の細胞表面に陽性所見が認められ,マクロファージや線維芽細胞に明らかな陽性所見は認められなかった.<br />研究課題/領域番号:10770187, 研究期間(年度):1998 – 1999<br />出典:「皮膚損傷治癒過程におけるアポトーシス関連因子の動態解析」研究成果報告書 課題番号10770187(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10770187/)を加工して作成 続きを見る
29.

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中西, 義信 ; Nakanishi, Yoshinobu
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060839
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />哺乳動物精子形成の全過程を通じて、精子形成細胞は精巣内体細胞のセルトリ細胞と密に接触している..この細胞接着が,精子形成細胞に精子分化を促し,さらにアポトーシスを起こした精子形成細胞のセルトリ細胞によ る貧食に重要だと考えられる。本研究では,上記ふたつの現象に関与する分子の機能と発現を解析した。Tpx-1の機能と発現筆者らは両細胞の接着に関わるタンパク質Tpx-1を発現法によりクローニングした。ラット精巣細胞の初代培養に抗Tpx-1抗体を添加したところ,両細胞の接着が阻害されると同時に精子形成細胞における精巣特異的な遺伝子発現誘導が低下した。Tpx-1はアミノ末端付近の疎水性アミノ酸のクラスターに依存して分泌された。構造活性相関の解析により,アミノ末端側101個のアミノ酸の領域で十分な細胞接着活性が得られることが判明した。Tpx-1のmRNAはパキテン期精母細胞でタンパクはそれよりやや遅れて生産が始まることがわかった。以上より、Tpx-1は精母細胞以降の精子形成細胞で生産されて分泌され,精子形成細胞をセルトリ細胞へ接着させて分化誘導信号を精子形成細胞へ伝える分子であると考えられた。SR-BIの機能と発現これまでの筆者らの研究により,クラスBスカベンジャーレセプタータイプI(SR-BI)はセルトリ細胞が精子形成細胞を貧食する際の受容体だと予想される。貧食反応に抗SR-BI抗体あるいはSR-BIの特異リガンドのひとつである高密度リポタンパクを添加すると,いずれの場合も貧食が阻害された。また,抗体を利用してラット精巣におけるSR-BIの発現を解析したところ,生後間もない時期からセルトリ細胞にのみ存在することがわかった。これらの結果を昨年度までの成果と合わせて考察し,SR-BIはセルトリ細胞の貧食受容体だと結論された。<br />研究課題/領域番号:10160208, 研究期間(年度):1998<br />出典:「哺乳動物精子形成細胞の分化と死の調節機構の解析」研究成果報告書 課題番号10160208(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10160208/)を加工して作成 続きを見る
30.

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060841
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />マウス膜型FasLは限定分解を受け不活化される。分解されない組換え膜型FasL(CD40LFL)のcDNAをMethA細胞に導入し、細胞株MAFLを得た。40x10^6個のMAFLを同系マウスの腹腔に移 植したところ、著明な好中球の浸出を認めた。また、MAFL移植群でのみ、腹腔洗浄液中にELISAでIL-1βが検出された。FasL刺激がcaspasesを活性化すること、caspase1/ICEがIL-1βの活性化と分泌を誘導することから、FasLはIL-1βを介して炎症を誘導していると考えた。そこで、thioglycolate誘導(4時間)腹腔浸出細胞(PEC)をFasLで処理したところ、アポトーシスの誘導と同時に、培養上清中への活性型IL-1βの分泌を認めた。このFasLによるIL-1β分泌は種々のcaspase阻害剤で抑制された。LPS刺激によるIL-1β分泌はcaspase1/ICEノックアウトマウス由来のPECでは著しく低下したが、FasLによるIL-1β分泌は野生型と同様に認めれた。また、IL-1α/βノックアウトマウスの腹腔にMAFLを投与したところ、野生型マウスに比べ好中球の浸潤は著明に減少していた。以上の結果より、Fasリガンドを発現した癌細胞は、浸潤してきた炎症細胞にアポトーシスを誘導するが、このことがアポトーシスを引き起こした炎症細胞から活性型IL-1βの遊離を誘導し、さらに強い炎症細胞の浸潤を引き起こすらしいことが示された。また、FasLはcaspase 1以外のcaspasesの活性化を介してIL-1βの活性化と放出を誘導しうることが示された。またこの結果は、FasLの病理的作用に新しい観点を提供するとともに、FasLを免疫制御に利用しようとする最近の試みにも問題点とその解決策の鍵を与えると期待される。<br />研究課題/領域番号:10153268, 研究期間(年度):1998<br />出典:「がん細胞が発現するFasリガンドの意義」研究成果報告書 課題番号10153268(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10153268/)を加工して作成 続きを見る
31.

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川村, 哲朗 ; Kawamura, Tetsuro
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1997 – 1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060877
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />悪性グリオーマ細胞にはさまざまなタイプの膜電位依存性K^+チャネルが発現しているが、その電気生理学的性質および機能に明確な結論が得られていない。最近になり膜電位依存性K^+チャネルのアポトーシスへの関 与が指摘されており、悪性グリオーマ細胞におけるK^+チャネルの解析は重要であると考えられる。そこでまずグリオーマの研究において広く用いられるラットグリオーマC6細胞に対して実験を行った。whole-cell recordingにおいて膜電位を-60mVに固定したC6細胞の外向き電流は-30mVで出現した。この電流は膜電位依存性であった。細胞外K^+濃度が変化した時の反転電位は正方向に移動し、K^+濃度が10倍に変化した際の反転電位の変化は約50mVであった。また、この外向き電流は4-aminopyridine(4-AP)によって抑制された。これらの結果はC6細胞における外向き電流は膜電位依存性K^+チャネルが担っていることを示唆する。single-channel recordingによると、このK^+チャネルの単一チャネルコンダクタンスは11pSであり、チャネルの開時間は脱分極刺激の増大により延長した。さらに4-APによりチャネルのコンダクタンスは変化せず、チャネルの開確率が低下することが判明した。以上の結果は,C6細胞に発現するK^+チャネルは国際分類上rKv2.1であることを強く示唆する。現在、ヒトグリオーマ細胞に発現するK^+チャネルの解析を行っている。今後、アポトーシスとこのK^+チャネルとの関係を追求する。<br />研究課題/領域番号:09771037, 研究期間(年度):1997 – 1998<br />出典:「悪性グリオーマ細胞のアポトーシス誘発におけるカリウムチャネルの制御に関する研究」研究成果報告書 課題番号09771037(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-09771037/)を加工して作成 続きを見る
32.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成13(2001)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(C) 研究概要 = 2001 Research Project Summary.  2001  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060912
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />アポトーシスと選択的スプライシング制御機構との関連を検索するために、アポトーシス誘導に応じたアポトーシス関連遺伝子のアイソフォーム発現パターンの変化、及びそれに附随したスプライシング制御システムの変化、 とりわけRNAポリメラーゼII(PolII)最大サブユニットC-末端領域(CTD)のリン酸化状態の変化を解析した。HeLa及び293Tヒト培養細胞に、アポトーシス誘導刺激としてエトポシド添加またはUV照射処理を行い、それに附随した複数のスプライシングバリアントを持つことが知られているアポトーシス関連遺伝子(Bcl-x、Caspase 2、Caspase 9、Mcl-1、Apaf-1)のアイソフォーム発現パターンの変化をRT-PCRにより経時的に解析した。同時に、CTDのリン酸化状態の変動を、部位特異的なリン酸化を認識するモノクローナル抗体を用いウエスタンブロットによって検出した。更にスプライシング因子及びCTDをリン酸化することが報告されているMAPKの発現の変化をウエスタンブロットによって検討した。調べたアポトーシス関連遺伝子のアイソフォーム発現パターンは、今回検討したアポトーシス誘導刺激によっては大きな変動を示さなかった。一方ある線量以上の紫外線照射によってCTDリン酸化の量的・質的変動が観察され、更にPolII最大サブユニットの選択的な分解が観察された。一方エトポシド処理によってはPolIIの特異的分解は観察されなかった。現在、アポトーシス誘導時にApaf-1遺伝子のプロモーター近傍及び選択的スプライシングを受けるエクソン近傍で転写/プロセシングに関与している因子及びCTDのリン酸化状態の変化を、クロマチン免疫沈降法(ChIP)によって検索している。<br />研究課題/領域番号:13216041, 研究期間(年度):2001<br />出典:「アポトーシスにおけるスプライシング制御」研究成果報告書 課題番号13216041(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13216041/)を加工して作成 続きを見る
33.

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小川, 数馬 ; Ogawa, Kazuma
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2007 Research Project Summary.  2006 – 2007  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060943
概要: 金沢大学学際科学実験センター<br />アポトーシスは生体のホメオスタシスの維持に重要な役割を果たしていることが知られており、アポトーシスを体外から非侵襲的にイメージングすることが可能であれば、これら疾患の臨床診断、病態解明に非常に有用であ る。昨年度の研究にて、生体内で安定であり、かつ代謝物が代謝臓器から速やかにクリアランスされることが予想されるbis(benzohydroxamamide)誘導体の^<99m>Tc錯体[^<99m>Tc-C_3(Bham)_2]とAnnexin A5とをリンカーを介して結合した^<99m>Tc-C_3(Bham)_2-Annexin A5を作製し、Annexin A5の生理活性を調べたところ、既存の化合物である^<99m>Tc-HYNIC-Annexin A5とほぼ同程度の生理活性を示した。今年度の研究にて、この標識体のノーマルマウスにおける体内放射能分布を調べた結果、^<99m>Tc-C_3(Bham)_2-Annexin A5の血液クリアランスは^<99m>Tc-HYNIC-Annexin A5よりも遅く、^<99m>Tc-HYNIC-Annexin A5が非常に高い放射能集積を示す臓器である腎臓において、大きく放射能集積を低減させた。また、肝臓においては、投与早期においては、^<99m>Tc-C_3(Bham)_2-Annexin A5は、^<99m>Tc-HYNIC-Annexin A5よりも高い放射能集積は示したが、^<99m>Tc-HYNIC-Annexin A5の放射能が滞留を示すのに対し、^<99m>Tc-C_3(Bham)_2-Annexin A5の放射能は時間経過とともに低減し、投与後6時間後における放射能は同程度であった。以上の結果より、^<99m>Tc-C_3(Bham)_2-Annexin A5はアポトーシスイメージング剤として有用である可能性が示された。今後、担癌動物に抗癌剤を投与した時のアポトーシスのイメージングを行う予定である。<br />研究課題/領域番号:18790879, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「新規アポトーシスイメージング剤による癌・虚血再灌流障害治療効果超早期診断法の確立」研究成果報告書 課題番号18790879(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18790879/)を加工して作成 続きを見る
34.

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田熊, 一浩 ; Takuma, Kazuhiro
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2003 – 2005  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061086
概要: 金沢大学理工研究域<br />代表者の所属する研究グループは,グリア細胞の機能解明を通して脳機能を追究する目的で,脳内の主要グリア細胞であるアストロサイトの病態的意義に関して一連の研究を行ってきた.その過程において,インビトロ虚血-再灌流モ デルの一つであるCa^<2+>再灌流において,Na^+-Ca^<2+>交換系を介したCa^<2+>過流入より遅発性グリア細胞死が発現することを見いだした(Eur.J.Neurosci.,1996).また,本障害のシグナルカスケードについて,活性酸素産生ならびにカスパーゼ3の活性化が関与するアポトーシスにより進行することを明らかとし(Eur.J.Neurosci.,1999),制御機構について,cGMP-Gキナーゼ系の活性化がミトコンドリアのPTP制御を介して抗アポトーシス作用を発現することを明らかとした(Br.J.Pharmacol.,2001 ; J.Biol.Chem.,2001).さらに,熱ショック蛋白がアポトーシスを抑制すること(Brain Res.,2002),カテプシンDが促進シグナルとして,一方,カテプシンBが抑制シグナルとして機能していることを見いだした(Neurochem,Int.,2003).平成15年度は,神経細胞死発現過程におけるアストロサイトの役割を追求する目的で,アミロイドβ(Aβ)神経毒性モデルを用いて解析を行い,アストロサイトが液性因子を介して神経細胞をサポートすることを明らかとし,さらに,脳機能改善薬T-588が本作用の維持・改善により神経細胞保護作用を発現することを明らかとした(Neurochem.Res.,2004).また平成16年度は,神経脱落疾患におけるミトコンドリアシグナルならびにアポトーシスの役割について追求する目的で,まず,神経細胞におけるAβ毒性の作用機序を検討し,Aβ結合アルコール脱水素酵素および変異型アミロイド前駆蛋白(mAPP)を導入したマウス由来の神経細胞において,ミトコンドリアの機能低下と脆弱性の増大を明らかとした.このミトコンドリア機能の低下は呼吸鎖複合体IVの活性低下と密接に関連しており,ATP産生の低下,活性酸素産生の増加,ミトコンドリアからのシトクロムc遊離およびカスパーゼ3活性増加といった一連のアポトーシスシグナルの活性化をもたらすことを見いだした.さらに,ABADとAβの相互作用を阻害する蛋白質がこれらの障害を抑制することを示した.平成17年度は,ABADによる神経細胞死増強作用に対するグリア細胞の役割ならびにABAD発現に伴うグリア細胞のミトコンドリア機能変化についての検討を計画したが,遺伝子改変マウス個々より培養グリア細胞を調製することが非常に困難であり,本計画については期間内に完了することができなかった.一方,前年度より継続して神経細胞におけるAβ毒性発現機序についての解析を実施し,ミトコンドリア内でのABADとAβの相互作用がアポトーシス発現に重要であることをABADデコイペプチドを用いて示すとともに,その発現機序にPTP形成が関与することを薬理学的に明らかとした.<br />研究課題/領域番号:15790140, 研究期間(年度):2003 – 2005<br />出典:「グリア細胞アポトーシス発現におけるミトコンドリア蛋白の機能的役割」研究成果報告書 課題番号15790140(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15790140/)を加工して作成 続きを見る
35.

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大野, 智 ; Ohno, Satoshi
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2003 – 2004  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061107
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />本研究の目的は、子宮体癌原発巣組織を用いて腫瘍関連マクロファージ(TAM)に対して免疫組織化学染色(CD68)を行い、その相対的発現量を組織学的局在(腫瘍細胞巣に浸潤または接触;nest TAM、中心 壊死部に集簇;hot-spot TAM、腫瘍間質に浸潤:stroma TAM、腫瘍浸潤先進部と正常組織との境界部に集積・散在;margin TAM)に基づき臨床病理学背景との関連および予後への影響を検討し、さらに腫瘍組織内TAMの機能を明らかにすることで、がん免疫療法への応用をはかるものである。本年度は70例の子宮体癌症例を用いて、上記の組織学的局在によるTAMの臨床病理学的背景・予後との関連性の違いについて検討し報告した(Anticancer Res 24;3335-42,2004)。さらに上記の組織学的局在に従って検討したTAMのうち予後良好因子であったnest TAMの機能解析のため、腫瘍細胞のアポトーシス誘導との関連性を検討したところnest TAMと腫瘍細胞アポトーシスとの間に相関関係が認められた(p<0.0001)。また、その作用機序として腫瘍壊死因子(TNF-α)が関与している可能性を免疫組織化学染色にて明らかにした。一方、予後不良因子となったhot-spot TAMの機能解析のため、血管新生(CD31)との関連性を検討したところhot-spot TAMと腫瘍組織内微小血管密度との間に相関関係が認められた(p<0.001)。その作用機序として血管内皮増殖因子(VEGF)が関与している可能性を免疫組織化学染色にて明らかにした。これらの結果より、TAMは、その組織学的局在によって機能が異なり、抗腫瘍活性を有するnest TAMを誘導することで、がん免疫療法応用への可能性が示唆されたともに、血管新生に寄与するhot-spot TAMの浸潤を如何に抑制するかも今後の課題として明らかとなった。<br />研究課題/領域番号:15790880, 研究期間(年度):2003 – 2004<br />出典:「子宮癌治療における抗腫瘍活性マクロファージの誘導」研究成果報告書 課題番号15790880(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15790880/)を加工して作成 続きを見る
36.

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原田, 憲一
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2002 – 2003  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061179
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />原発性胆汁性肝硬変(PBC)の肝内胆管破壊の分子機構として、菌体成分に対する胆管細胞の反応性(自然免疫機構)について検討し、以下の成果を得た。1.ヒト胆管細胞の樹立:PBC(4例)の他、対照疾患3例の 肝組織からヒト胆管細胞株を樹立した。2.ミトコンドリア抗体(AMA)と菌体成分との交差反応性:ウシ心筋ミトコンドリアおよび菌株(P.acnes, E.coli)を抗原としてウエスタン法を行い、血清中AMAの対応抗原を検出した。その結果、ウシ心筋ミトコンドリアおよび菌体を抗原としたパターンとは一致せず、菌体のミトコンドリア成分の他、多数の蛋白成分と反応性を示し、AMAは菌体成分に対する自然抗体の一部であることが明らかとなったが、菌種特異的な抗体でないことが示唆された。3.胆管細胞における自然免疫機構の解明:上記培養胆管細胞株を用いて、胆管細胞は細菌成分認識受容体であるToll-like receptor (TLR)2,3,4,5および関連分子であるMD-2、TLRの下流に存在する細胞内シグナル分子(MyD88,IRAK-1)を発現しており、さらにTLRリガンド(菌体の主要細胞壁成分であるリポポリサッカライド,ペプチドグリカン)の刺激でNF-κBの活性化およびTNF-αの産生を示した。また、胆管細胞はIFN-γ(Th1型サイトカイン)存在下でTLR発現が亢進し、さらにTLRリガンドに対する反応性も亢進した。以上より、胆管細胞はリポポリサッカライドなどの菌体成分を認識することにより炎症性サイトカインを産生し、またPBCの胆管周囲の環境であるTh1型サイトカイン優位な状態では菌体成分に対する感受性も亢進していることが示唆された。4.以上の結果より、胆管細胞は独自の自然免疫機構を有しており、また菌体に対する自然免疫現象がPBCの胆管病態形成に加担していると推測され、自然免疫の制御がPBCの新たな治療法となることが示唆された。<br />研究課題/領域番号:14770071, 研究期間(年度):2002-2003<br />出典:「原発性胆汁性肝硬変における肝内胆管破壊の分子機構」研究成果報告書 課題番号14770071(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14770071/)を加工して作成 続きを見る
37.

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白土, 明子 ; Shiratsuchi, Akiko
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2001 – 2002  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061194
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />アポトーシス細胞表面には貪食目印分子が出現し、これが食細胞の受容体に認識されることによりアポトーシス細胞選択的な貪食が規定される。平成14年度は、前年度の成果をふまえて精巣セルトリ細胞の貪食誘導機構を 解析した。また、新規課題としてマクロファージ遊走の分子機構を検討した。1)SR-BIとPSを介した貪食反応の情報伝達機構と生理学的意義セルトリ細胞は貪食受容体SR-BIを使ってアポトーシス精子形成細胞表層のホスファチジルセリン(PS)を認識し、両者の直接結合により貪食誘導する。本研究により、膜貫通タンパク質であるSR-BIは既知貪食誘導アダプター分子CED-6とセルトリ細胞内で結合することがわかった。しかし、SR-BIの細胞内領域にはCED-6結合領域は存在せず、両者は間接的に結合して情報伝達すると考えられた。一方、PS結合タンパク質アネキシンVまたはSR-BIのPS結合領域を精巣精細管に注入すると、組織中のアポトーシス精子形成細胞数の増加と産生される精子数の減少とが認められた。したがって、アポトーシス細胞貪食反応は精子形成の進行に必要であると考えられた。2)マクロファージ遊走因子産生と貪食機構哺乳類卵巣では退縮時黄体に黄体細胞のアポトーシスとマクロファージ浸潤とが観察され、マクロファージ遊走因子macrophage chemoattractant protein-1(MCP-1)の発現誘導も認められる。今回の解析により、発情期ラットで非アポトーシス黄体細胞がMCP-1を発現するとわかった。また、アポトーシスとMCP-1発現とはいずれも酸化ストレスが原因となって誘導されることが判明した。これより、マクロファージは性周期に伴って黄体内で産生されるMCP-1濃度変化を感知して、アポトーシス細胞周辺に移動すると考えられ、これによりアポトーシス黄体細胞が貪食除去されると予想された。<br />研究課題/領域番号:13780500, 研究期間(年度):2001-2002<br />出典:「貪食による要除去細胞排除の分子機構」研究成果報告書 課題番号13780500(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13780500/)を加工して作成 続きを見る
38.

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木下, 健 ; Kinoshita, Takeshi
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2001 – 2002  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061217
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />昨年度単離したBid結合因子(clone-2)の機能解析を進めた。1,clone-2遺伝子の発現分布をNorthern Blotで解析した。正常組織(CLONTECH社のMultiple Tissue Northern Blotを利用した)ではBrain、Liverで強いmRNAの発現を検出した。培養細胞(Cos7,Hela, HEK293,HepG2,Jurkat K562,THP1)ではHepG2細胞でやや強く、Cos7,HEK293で弱いmRNA発現を検出した。RT-PCR解析では全てのcell lineで発現が確認された。2,clone-2の安定発現細胞株の樹立を試みた。Jurkat細胞にのcDNAを組み込んだpIRES2-EGFP(CLONTECH社)ベクターを導入し、G418耐性、GFP発現を指標にclone-2の安定発現クローンを4種類得た。4クローン中2クローンがレコンビナントFasリガンドで誘導されるアポトーシスに耐性を示した。3,clone-2の細胞内局在を調べた。clone-2に対するポリクローナル抗体を作製し、HepG2細胞を免疫染色したところ、ミトコンドリアに強い染色像が見られた。HepG2細胞を分画し、western blot解析したところ、ミトコンドリアを含むheavy membrane画分にclone-2のカルボキシ末端側とみられる14kDaのバンドを検出した。clone-2の全長に相当する蛋白のバンドは確認できなかった。4,アンチセンスRNA発現ベクター導入による内在性clone-2の発現阻害を試みたが、14kDaのバンドの消失は認められなかった。以上の結果より、過剰発現系においてはclone-2がBidで誘導されるアポトーシスに対して抑制的に働く可能性が示唆された。<br />研究課題/領域番号:13770106, 研究期間(年度):2001-2002<br />出典:「アポトーシス促進因子Bidの制御機構」研究成果報告書 課題番号13770106(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13770106/ )を加工して作成 続きを見る
39.

論文

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高安, 達典 ; Takayasu, Tatsunori
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書概要 = 2007 Fiscal Year Final Research Report Summary.  2006 – 2007  pp.1p.-,  2010-02-03. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061793
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />マウスにおけるコカイン誘導肝障害時の障害機序の解析を行った。フェノバルビタールで前処理後コカインは腹腔内投与された。肝障害の指標として血清ALT値を測定したところ,コカイン投与直前67.4,コカイン投 与6時間後11300,同10時間後13600,同24時間後10600,同48時間後3920であった。肝障害は門脈領域を中心とする白血球の浸潤と,著明な肝細胞壊死像が観察された。肝臓mRNAの発現を観察したところ,iNOSが増強されていることから,iNOSによる酸化ストレス関与が示唆された。さらに,N-アセチルシステインおよびcarboxyPTIOを投与したところ,10時間後で血清ALT値は各々40%と80%に減少した。N^G-モノメチルアルギニンで31%に減少した。これらの結果は過酸化物がコカイン誘導肝障害と密接に関係し,その一端としてNOの関与した酸化ストレスも強く示唆された。次に,コカイン誘導肝障害時において,TNF-αおよびTNFレセプターp55(TNFRI)の役割を明らかにする目的で,TNFRIを欠損するマウス(KO)を用いて,その役割を解析した。その結果,ALTおよびAST値において,野生型(WT)およびKOマウスの間にコカイン投与後6および10時間で有意差が見られ,明らかにKOマウスの障害は強かった。肝臓組織のHE染色像でもALTの指標と同様の傾向が示された。更に,肝臓組織の抗MPO抗体及び抗F4/80抗体を用いた免疫染色像の結果は肝臓組織において両者とも,KOマウスの方がWTマウスよりも有意に強く染色され,何れも,ALTの指標と類似した傾向が見られた。以上の結果から,コカインによる肝障害においてTNFα-TNF receptorI系はコカインによる肝障害時に防御的に作用していることが示された。この研究はコカイン誘導肝障害時の障害機構を解析する一端を開いた。<br />Mechanism of cocaine-induced liver injury in mice has been analyzed. After pre-injection of phenobarbital for 5 days cocaine was administered to mice. Serum ALT values were measured at pre-phenobarbital injection (control), oh, 6h, 10h, 24h and 48h after cocaine injection. The ALT value showed peak top at 10h and/or 24h, and cocaine dose-dependent. The liver injury mainly observed marked necrosis of the cells in periportal region with infiltration of leukocytes. mRNA expression of iNOS in the liver enhanced at 10h and 24h than that of control or oh. N-acetylcysteine, carboxy PTIO and NG-monomethylarginine were post-injected 20-30 min after cocaine-administration. Serum ALT values at 10h were reduced to about 40%, 80% and 30% than those of saline injection, respectively. These results showed that cause of cocaine-induced liver injury was reactive-oxygen-species (ROS) including NO. iNOS was also suggested to relate with the oxidation mechanism. Next, the role of TNFα-TNFRI system was analyzed using TNFRI(-/-) (KO) mice in cocaine-induced liver injury. Serum ALT and AST values of KO mice were significantly higher than those of wild-type (WT) mice. H.-E., anti-MPO and anti-F4/80 staining of the liver in KO and WT mice showed the same tendency as the ALT values. From these results, it was suggested that TNFα-TNFRI system defensively acted in cocaine-induced liver injury of mouse.<br />研究課題/領域番号:18590630, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「乱用薬物コカイン肝障害時の分子毒性解析-ノックアウトマウスを用いた研究」研究成果報告書 課題番号18590630(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-18590630/185906302007kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成 続きを見る
40.

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白土, 明子 ; Shiratsuchi, Akiko
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書概要 = 2007 Fiscal Year Final Research Report Summary.  2006 – 2007  pp.3p.-,  2010-02-03. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061810
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />生体内で生じた除去すべき細胞にはアポトーシスが誘導され,食細胞による食食により生体から排除される。また,細菌やウイルス,およびこれらに感染細胞も食細胞の攻撃で排除される。本研究は,1)精巣セルトリ細胞 による精子形成貪食が導く精子形成支持機構,2)Toll様受容体の病原微生物排除への役割の解明,そして3)インフルエンザウイルス感染細胞のマクロファージによる貪食の意義の解明を目的として行われ,以下の成果を得た。1)貪食を行ったセルトリ細胞が産生する精子形成支持因子の解析:ラットセルトリ細胞のプロテオーム解析より精子形成支持因子候補タンパク質を同定した。この分子が貪食依存に遺伝子転写レベルで発現誘導されることを見いだすとともに,セルトリ細胞で選択的に遺伝子欠損させたノックアウトマウスを作成中であり,精子形成進行への役割が解明される。2)Toll様受容体を介する細菌感染時の細胞性自然免疫調節:マクロファージに貪食された黄色ブドウ球菌は,TLR2-JNK経路の活性化を介して活性酸素産生を抑制し,宿主免疫を逃れて生き延びることを見いだした。これは,宿主免疫系を利用した微生物の生き残り戦略と考えられる。3)インフルエンザウイルス感染細胞によるマクロファージ活性化因子の産生:ヒトインフルエンザウイルス感染細胞は,アポトーシスに依存して,マクロファージの貪食能を活性化する因子を産生することを見いだした。この因子はタンパク質性であるが,新たなタンパク質合成を必要とせずに作り出されるとわかった。<br />1) Mechanism and role of SR-BI-mediated apoptotic spermatogenic cells by Sertoli cells in the testis. After phagocytosis of apoptotic spermatogenic cells, testicular somatic Sertoli cells produced unknown factor(s) by which spermatogenic cells could differentiate into spermatozoa. To identify the factor, we selected one candidate protein by proteome analysis of Sertoli cells and identified its primary structure. We found that the expression of the factor was stimulated in transcriptional level during phagocytosis. We have been generating knockout mice of the factor, and we are going to examine the role of the factor on spermatogenesis in mice.2) Role of TLR-JNK pathway on bacterial survival in macrophages Staphylococcus aureus induced JNK phosphorylation in mouse peritoneal macrophages depending on toll-like receptor TLR2. This activation of INK pathway caused inhibition of superoxide production in the macrophages, and this allowed engulfed S. aureus to survive in the macrophages.3) Role of phagocytosis of influenza virus-infected cells by macrophages Influenza virus-infected cells produced macrophage-activating factor that enhance macrophage phagocytosis of virus-infected cells depending on both virus infection and apoptosis. This factor would be heat-labile material since it lost the activity after heat-treatment.<br />研究課題/領域番号:18570123, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「食細胞による死細胞および微生物の貪食機構と意義」研究成果報告書 課題番号18570123(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-18570123/185701232007kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成 続きを見る
41.

論文

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谷口, 巧 ; Taniguchi, Takumi
出版情報: 平成13(2001)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2001 Research Project Summary.  2000 – 2001  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00064424
概要: 金沢大学附属病院<br />敗血症と体温の関係に注目し,敗血症時の低体温による症状の悪化を防止する対策として,静脈麻酔薬(ケタミン,プロポフォール)の応用を検討する目的で,循環・呼吸動態に及ぼす,低体温と感染に対する静脈麻酔薬の影響について ラットを用いて検討した.前年度,プロポフォールを用いて鎮静させた後,エンドトキシンを静脈内投与し,30℃の低体温における影響を検討したが,結局プロポフォールの抗炎症効果を証明することができなかった.今年度は34℃におけるプロポフォールの抗炎症効果とケタミンにおける効果を検討した.その結果,プロポフォールの34度でもプロポフォールの抗炎症効果は証明できず,低体温におけるプロポフォールの抗炎症効果は無いように思われた.しかしながら,ケタミン投与による低体温では,30℃,34℃とも循環動態は安定し,サイトカインの抑制も認められ,ケタミンの場合は低体温状況下でもその抗炎症効果があることが確認できた.結論として,エンドトキシン+低体温が生体内に悪影響を及ぼす事は周知の事実であるが,それを静脈麻酔薬であるプロポフォールは,抑制できないが,ケタミンでは抑制できることが示された.<br />研究課題/領域番号:12770814, 研究期間(年度):2000-2001<br />出典:「低体温と敗血症におけるアポトーシス、サイトカインの変動に対する静脈麻酔薬の効果」研究成果報告書 課題番号 12770814(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12770814/)を加工して作成 続きを見る