1.

論文

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田中, 憲次
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.684-692,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9243
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)野生型アネキシンVのN末端アミノ酸を6個伸長させ(Met-Ala-Cys-Asp-His-Ser),更にCys316をSerに置換させたアネキシンV変異体を大腸菌で発現させた. 2)ウロキナーゼ分子のA B鎖をつなぐジスルフィド結合を限定的に還元してウロキナーゼB鎖を得た. 3)アネキシンV変異体とウロキナーゼB鎖をジスルフィド結合で架橋後精製し,化学量論的に両蛋白質が1:1で結合した複合体を得た.最終精製品収率は32%であった. 4)本複合体は合成基質水解活性及びプラスミノゲン活性化作用共にウロキナーゼと同等の活性を示した.更に本複合体は細胞膜に対してアネキシンVと同様の結合能を示した. 5)複合体の線溶活性をウロキナーゼと比較した結果,両者で差はなかった.ラット肺塞栓溶解試験で両者の線溶活性を比較した結果,血中半減期には差がないにもかかわらず,線溶活性は複合体の方がウロキナーゼの3倍~4倍強かった 続きを見る
2.

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服部, 和伸
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.845-854,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9258
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />腹水肝癌AH130を移植した担癌ラットに対して,メチオニンとシスチンを欠乏させたKKM-1及び更にアルギニンを増量したKKM-2のアミノ酸インバランス輸液と抗癌剤の併用療法を行った. 1)KKM-1及びKK M-2とテガフール併用群では経口摂取群に比較して有意に腫瘍重量の減少を認めた. 2)KKM-2とテガフール併用群とKKM-2単独投与群は有意にメチオニン濃度の低下とアルギニン濃度の高値を認めた. 3)5-FU濃度は腫瘍内で著明に高く,アミノ酸インバランス輸液併用群では総合アミノ酸製剤併用群より高い傾向にあった. 4)KKM-2とテガフール併用群では有意にG0G1期細胞数の増加とG2M期細胞数の減少を認めた. 5)KKM-2とテガフール併用群では総合アミノ酸製剤とテガフール併用群,KKM-1とテガフール併用群,経口摂取群に比較して,有意にPCNA標識率の低下を認めた 続きを見る
3.

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土井, 建朗
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.580-586,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9233
概要: 金沢大学 医 神経内科<br />1)遺伝子直接導入法により,骨格筋のDNA取り込み機構に対する阻害因子の研究を行った.多価陰イオン,多価陽イオン両者に外来遺伝子導入阻害作用を認めた.ヘパリンとプラスミドDNAは共に多価陰イオンの巨大分子で あり,高濃度のヘパリンがDNAの細胞内取り込み系や輸送系において競合している可能性が考えられた. 2)ポリ-L-リジン及び高濃度ヒストンをはじめ陽性荷電を有する脂質においても導入が阻害されることより,DNAの骨格筋への導入には,その陰性荷電が重要と考えられた. 3)蛋白分解酵素のトリプシン及びDNA分解酵素の混入のないプロテナーゼKに強い導入阻害が認められたことより,遺伝子導入の阻害は蛋白分解酵素に混入するDNA分解酵素によるDNAの分解がその主因とは考えられず,筋のDNA取り込みに筋膜,又は細胞外の蛋白質が重要な役割を果たしていることが予想された 続きを見る
4.

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田代, 勝己
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.587-595,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9234
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />1)60mg/kgのエンドトキシンを気管内に注入した場合,ZEEP下では急激に呼吸不全が発生する.この呼吸不全は,120分後にPEEPを付加しても改善し難い.一方,予防的にPEEPを付加しておくと,好中球の 肺への集積を防止できないが,肺水腫液の量が減少して呼吸不全の進行が抑制され,生存率が改善する. 2)53±19mg/kgのエンドトキシンを気管内注入し低酸素血症が出現した時点でPEEPを段階的に増加させた場合,肺水腫液を伴う呼吸不全が出現する.この状態も,PEEPを付加した人工呼吸のみでは改善が困難である. 3)エンドトキシンの気管内注入後に発症する呼吸不全の機序には,肺水腫液によるサーファクタントの希釈と不活性化が関与していると考えられる. 4)エンドトキシンの気管内注入後による呼吸不全に対して,サーファクタント補充療法を行うと,血液ガス所見,肺コンプライアンス,胸部レントゲン所見及び肺組織所見が改善する 続きを見る
5.

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坂本, 浩也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.596-602,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9235
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />小腸移植後の免疫抑制剤投与時の移植腸管の粘膜に対するGln添加成分栄養剤の効果を,ラットを用いて実験的に検討した. 1)Gln投与群では,Gln非投与群に比べ血中のGlnの濃度は有意に高かった. 2)Gln 投与群では,Gln非投与群に比べ血中のエンドトキシン濃度は有意に低かった. 3)Gln投与群では,Gln非投与群に比べ血中及び粘膜組織のヘルパーT細胞の割合は有意に高かった. 4)Gln投与群ではGln非投与群に比べ小腸粘膜のALP活性とBrdU標識率は有意に高かった.したがって,Gln無添加成分栄養剤の投与は小腸移植後の免疫抑制剤投与時の粘膜の再生と分化能を低下させるが,Gln添加成分栄養剤の投与は腸管の局所免疫機能を保持し,粘膜の再生と分化能の低下を抑制すると考えられた 続きを見る
6.

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仲井, 培雄
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.648-657,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9239
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />体重270g前後のWistar系雄性ラットを用い,十二指腸液が全て幽門輪を経て胃内へ逆流する手術を行った.TPROを0.5%含有した飼料を与えるTPRO群(n=13)と,標準飼料を与える対照群(n=14)の 2群に分け,術後40週で動物を犠牲死させた.腫瘤,胃癌及び胃腺腫の発生率は,TPRO群でそれぞれ1/13, 0/13, 1/13に対し,対照群で7/14, 5/14, 7/14と,TPRO群で低率であった.腫瘤は,幽門前庭部及び胃空腸吻合部に発生し,組織学的に癌及び腺腫,或いは両病変の併存であった.胃癌の組織型は管状腺癌又は粘液癌で,このうち1個に肝への浸潤がみられた.尿中硝酸排泄量の中央値は,TPRO群で4.9μmol/日,対照群で5.7μmol/日であったが,尿中NTPRO排泄量の中央値は,TPRO群で2.0μg/日に対し,対照群では0.05μg/日の検出限界を下回り,TPRO群が有意に高かった 続きを見る
7.

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安川, 善博
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.400-405,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9216
概要: 金沢大学 医 神経内科<br />1)培養ラット骨格筋細胞には,erbA, src, raf, sis, fos, myc,H-ras, K-rasと今回検討したものだけでも8種類のプロトオンコジーンが発現しており,これらは筋細胞の増殖分裂 ,分化,機能維持に関与している可能性が考えられた. 2)プロトオンコジーンの中でK-rasのみがCGRP添加の影響を受けその発現量は約2倍に増強していた.CGRP添加後の経時的変化は,AChR α-サブユニットのそれと類似しており,両者の発現が共通の機序により調節されている可能性が示唆された. 3)上記以外の筋特異的遺伝子,即ちミオジェニン,MLCl, MHC, cDMD4-5aは発現が確認されたが,CGRPの修飾は認められなかった. 4)CGRPを添加する時期は,殆どの培養筋芽細胞が筋管細胞へと分化している頃であることから,CGRPが生体の分化した筋細胞の維持に栄養因子として働いている可能性が考えられた 続きを見る
8.

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井上, 哲也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.420-426,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9218
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)脾臓において,3日目には赤脾髄へのリンパ球浸潤とIL-2受容体陽性細胞の増加が明らかとなり,7日目には全リンパ球に対するT細胞の比率が上昇した. 2)脾臓内のリンパ球分画では,W3/25陽性細胞のOX8 陽性細胞に対する比率は3日目に一旦上昇し,7日目には低下した. 3)宿主腸間膜リンパ節内のリンパ球分画では,W3/25陽性細胞とOX8陽性細胞の絶対数は共に移植後増加したが,W3/25陽性細胞のOX8陽性細胞に対する比率の推移は脾臓におけるそれと同様に3日目に一旦上昇し,7日目には低下した. 4)移植片の腸間膜リンパ節内のリンパ球分画では,W3/25陽性細胞は3日目に一旦減少し,7日目以降増加した.OX8陽性細胞は7日目以降増加したが,W3/25陽性細胞のOX8陽性細胞に対する比率は3日目に一旦減少し,7日目には上昇した 続きを見る
9.

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木南, 伸一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.203-214,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9197
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ラットの腺胃幽門側2/3を切除し,Billroth II法で再建し,発癌剤を投与せずに50週間観察するモデルにおいて,低脂肪食(脂肪含有量0.5%)を与えるLF群と,高脂肪食(脂肪15%)を与えるHF群を作 製し,脂肪摂取量の多寡が,残胃癌の発生と進展に及ぼす影響を,実験的に検討した. 1)発癌率は,LF群14.8%, HF群41.4%で,LF群で有意に低率となった.組織型はmuc或いはtub,深達度は全てmp以深で,LF群では,浸潤はssまでに留まっているのに対し,HF群では,seが3例,siが2例認められ,HF群でより深部へと浸達していた. 2)腺腫の発生率は,LF群14.8%, HF群37.9%で,LF群で有意に少なかった.GCPは,LF群の74.1%, HF群の93.1%に認められ,LF群に少ない傾向が認められた.以上より,脂肪摂取の多寡が残胃発癌に影響することが実験的に示された 続きを見る
10.

論文

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韓, 文華
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.239-248,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9201
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />麻酔下の雄性Sprague-Dawley系ラットにアデノシンA1受容体拮抗薬,FK838を投与した. 1)FK838を持続静注すると,投与初期に軽度のGFRの増加を認めた以外,MBPならびに腎血行動態は不変 であった.UV, UNaV, FENaは著しく増加し,水・Na利尿がみられた. 2)FK838の持続静注により,係蹄灌流によるEPFRの変化率は小となり,これにより評価したTGF機構の反応性は抑制された. 3)10-7~10-5MのFK838でヘンレ係蹄を微小灌流したところ,TGF機構は濃度依存性に抑制された. 4)プロベネシドを持続静注すると,FK838の水・Na利尿作用は増強したが,TGF機構はFK838単独静注時と同程度に抑制された.プロベネシドの併用により,FK838の血漿中濃度は上昇したが,尿中排泄量は影響を受けなかった.以上より,FK838は,血管内及び尿細管腔内投与のいずれによってもTGF機構を抑制する 続きを見る
11.

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小泉, 博志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.363-381,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9211
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />総胆管結紮ラットモデル,3'-MDABラットモデルを用いて,細胆管増生及びオバール細胞増生の,病理組織像と細胞動態を,神経分布との関連性より検討した. 1)細胆管増生域,オバール細胞増生域は経過と共に,拡大 し,42日目には,肝小葉を分断し肝硬変様の形態をとった. 2)PGP 9.5陽性神経線維は,総胆管結紮群では経過と共に減少した.3'-MDAB投与群では減少,消失はなく,28~35日目以降には,オバール細胞増生域に神経線維が分布する像がみられた. 3)NSE陽性神経線維は,総胆管結紮群では28日目以降に細胆管増生域に神経線維の分布する像がみられた.3'-MDAB投与群ではオバール細胞増生域に神経線維の分布は全経過を通じてなかった. 4)NPY陽性神経線維は,総胆管結紮群では経過と共に減少した.3'-MDAB投与群では減少,消失はなかった.オバール細胞増生域には全経過を通じて神経線維の分布はなかった 続きを見る
12.

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伊藤, 博徳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.154-161,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9192
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />臭化ロクロニウム(RB)による神経筋遮断の程度と四連反応比(TOFR)の関係をラットの生体内実験(坐骨神経前脛骨筋標本)と非生体内実験(横隔膜神経筋標本)で検索し,その結果を臭化ベクロニウム(VB)及び臭化 パンクロニウム(PB)による所見と比較した. 1)生体内実験で観測されたRBのTOFRは,VBとほぼ等しいものであった.筋弛緩の程度が同じであってもPBのTOFRより有意に大きい値を示した. 2)RBの回復指数は,VBとほぼ同じであったが,PBの回復指数よりも有意に短縮していた. 3)非生体内実験では,神経筋遮断の程度とTOFRの関係に筋弛緩薬の違いによる差はなかった. 4)RBとPBの間で,筋弛緩の程度が同じでもTOFRに差が出た機序は,筋組織内で薬剤の分布速度に差のあることが関係していると考えられた.以上より,臨床でRBを使用する場合,PBで観測される%T1とTOFRの関係を適応することはできない 続きを見る
13.

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山崎, 俊明
出版情報: 理学療法学.  23  pp.417-420,  1996-11-30.  日本理学療法士協会
URL: http://hdl.handle.net/2297/7327
概要: 金沢大学大学院医学系研究科活動能力回復学