1.

論文

論文
二上, 文夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.717-724,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9246
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />分化度の異なる5種類のヒト膵癌培養細胞を用いて検討した. 1)mRNAレベル及び蛋白レベルにおいて,u-PAは分化度とは関係なく全種類に発現が認められたのに対し,膵トリプシノーゲンは分化型であるCapan- 1,BxPC-3及びAsPC-1の3種類にのみ発現がみられた. 2)ヌードマウスの脾内移植法による肝転移発生率はCapan-1では56%,BxPC-3では50%,AsPC-1では89%と,分化型の癌で高率であったのに対し,Panc-1ならびにMIAPaCa-2の分化度の低い癌では転移が全くみられなかった.即ち,膵癌細胞の肝転移発生率は分化度ならびに膵トリプシノーゲンの発現とよく相関した. 3)インベージョンアッセイにおけるCapan-1細胞の浸潤細胞数はFOY-305により0.1μM以上で濃度依存性に減少した. 4)Capan-1細胞の脾内移植法による肝転移発生率は,FOY-305非投与群の62%に対し投与群では14%と,FOY-305投与により有意に低下した 続きを見る
2.

論文

論文
野尻, 孝司
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.725-735,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9247
概要: 金沢大学 医 微生物<br />C.difficileの発酵糖は即時発酵糖と遅延発酵糖に分けられ,遅延発酵糖存在下における菌の代謝は即時発酵糖の場合と異なる事を示唆している.更に,表現形質上の毒素原性とソルビトール発酵性状にみられた関係は, 同時に遺伝子レベルでの毒素原性においても成立することを示している 続きを見る
3.

論文

論文
松田, 英三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.736-744,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9248
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)HT-1080から,4つの,種々のPAI-1活性を持ったクローンを分離した.各クローンのPAI-1の発現とTFの発現との間に正の関連が見られた. 2)ヌードマウスの尾静脈へ腫瘍細胞を接種後の肺転移能は各 クローン間において有意差を認めた.そして肺転移能はPAI-1活性及びTF活性と強く相関していた. 3)各クローン細胞の有する接着能及び浸潤能と肺転移能の間には相関関係はなかった. 4)殆どの腫瘍細胞が,静注後数分で肺内へと移行した.高転移能を持つクローン26-6は,低転移能を持つクローン1-3Cに比べより長い時間,肺内に停留した. 5)各クローン細胞間に認められる転移能の差は血管内皮細胞に接着後,基底膜に浸潤するまでの間,着床部位に停留し続ける能力によることがわかった. 6)PAI-1活性と凝固活性の両因子共にこの細胞系の肺転移形成能を決定する因子になることが明らかになった 続きを見る
4.

論文

論文
八尾, 直志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.745-754,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9249
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ヒト大網と高度腹膜転移を起こす,ヒト胃低分化腺癌細胞株を用いた. 1)癌細胞と共に培養された大網の中皮は,時間の経過と共に半球状に収縮し,互いに離れ,脱落し,次第に中皮細胞下の基底膜が露出するようになった. 癌細胞は中皮細胞上ではなく,選択的に露出した基底膜上に,長い義足様の突起を出して接着していた 2)腹腔内継代前の癌細胞に比べて,高度腹膜転移株では有意に多く大網に接着し,抗インテグリン・サブユニットβ1抗体により,癌細胞の大網への接着は有意に阻害された. 3)腹腔内で継代する前に比較して4代,12代と継代が進むにしたがい,インテグリン・サブユニットα2,α3のの発現量が増加した.腹膜播種の最初の段階で最も重要な役割を有するVLA-2,VLA-3を発現する癌細胞が,腹腔内継代により選択され,より強い腹膜播種能を有する高度腹膜転移株となると推察された 続きを見る
5.

論文

論文
小林, 忠博
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.796-806,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9254
概要: 金沢大学 医 泌尿器科<br />1)ヒト前立腺癌培養株PC-3細胞を孵卵10日目の鶏卵漿尿膜上の血管内に移植した鶏卵胎児肝と大腿骨で経時的に増幅DNA断片の増強が認められた. 2)組織学的には,肝で腫瘍細胞の同定は容易であり,経時的に腫瘍 細胞が浸潤,増殖する像が観察された.一方,大腿骨においては形態学的に腫瘍細胞の同定は困難であったが,抗ヒトサイトケラチン抗体及び抗ヒトKi-67抗原抗体を用いた免疫組織化学染色により,微小転移巣の存在が移植後7日目に初めて確認された. 3)PC-3細胞移植後1日目にスラミンを50μg/卵投与した場合,肝及び骨転移形成に対する抑制効果は認められなかった.移植後3日目にスラミンを500μg/卵投与した場合の肝及び骨の転移巣に対する増殖抑制率はそれぞれ60.6及び6.7%であり,スラミンの抗腫瘍効果は被転移臓器における環境要因によって影響されることが示唆された 続きを見る
6.

論文

論文
菅原, 浩之
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.819-833,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9256
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />1)正常肝の肝内胆管上皮で軽度ではあるがIL-6の発現が見られた. 2)PBCやEBOでの障害胆管上皮で,IL-6の発現が亢進しておりIL-6 mRNAシグナルもみられ,更に,IL-6レセプターの発現もみら れた. 3)ヒト胆管細胞癌の癌細胞でIL-6の発現が見られ,分化度の高いものでは,発現が強くまた広汎に発現し,分化度の低下と共にIL-6の発現の分布と強度が低下した. 4)IL-6陽性癌細胞では同陰性癌細胞より増殖活性は低く,IL-6発現は胆管細胞癌細胞増殖とは逆の関連性を示すことが示された. 5)肝内結石を合併した胆管細胞癌では,IL-6は胆管上皮ディスプラジアに発現し,胆管細胞癌の発生初期に関連する因子の1つと考えられた. 6)初代ヒト正常肝内胆管培養細胞と胆管細胞癌培養細胞でIL-6,IL-6レセプター,IL-6mRNAの発現を認めた.特に,胆管細胞癌で発現が著しく亢進していた 続きを見る
7.

論文

論文
野島, 直巳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.834-844,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9257
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)第1の転移経路として大網に多数存在した乳斑を介するものが認められた.大網では1日目からヒトβ-グロビンの強いシグナルが認められ,日をおって増強した.活性炭の腹腔内投与にて大網の乳斑は肉眼的に黒い点として 認められ,その内部にMKN-45-P細胞を認めた. 2)第2の転移経路として,横隔膜及び壁側腹膜の後上部に存在するストマータを介するものが認められた.横隔膜ではヒトβ-グロビンのシグナルは7日目より増強を示した.腹膜下リンパ管はMKN-45-P細胞接種により拡張して腹膜面に隆起として観察された.7日目には癌細胞は腹膜下リンパ管へ侵入した. 3)第3の転移経路として腹膜中皮細胞の収縮後に露出した基底膜に癌細胞が接着するものが認められた.MKN-45-P細胞接種12時間後より各々が分離するようになり,3日目には癌細胞はその基底膜の露出した部分に接着していた 続きを見る
8.

論文

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片柳, 和義
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.54-70,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9183
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />Slc/ICRマウスを用いて,胆嚢,総胆管,肝門部胆管,末梢部胆管の解剖学的区分からの胆道系上皮細胞の長期培養を行うことに成功した. 1)胆道系上皮細胞の初代培養をコラーゲンゲル培地上で行い,間葉系細胞の混 入のない上皮成分からなる部分を切り取り,継代することにより胆道系上皮細胞の純粋培養に成功した.3週間毎に継代し,胆嚢,総胆管,肝門部胆管は10代目まで,末梢部胆管は6代目まで観察し得た. 2)培養細胞はコラーゲンゲル上を単層性に敷石状に増殖進展し,コロニーの中心部では立方状~円柱状の形態を示し,辺縁部では扁平な形態を示した.粘液の産生は殆どみられなかった.各胆道系培養細胞はγ-GTP染色がび漫性に陽性であった.電顕による観察では管腔側には微絨毛が密生し,細胞間には接着装置や嵌合ヒダがみられ,生体内の胆道系上皮としての特徴を備えていた 続きを見る
9.

論文

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山本, 靖彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.162-169,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9193
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />糖尿病状態で促進的に形成される後期糖化反応生成物(AGE)が培養膵癌細胞の増殖にどのように影響するかを検討した. 1)培養膵癌細胞Mia PaCa-2細胞の増殖はAGEの濃度に依存して促進された. 2)AG EはMia PaCa-2細胞のPDGF-B mRNAレベルを増大させ,抗ヒトPDGF-BB抗体はAGEによるMia PaCa-2細胞のDNA合成をほぼ完全に抑制した. 3)RAGE mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド投与により,AGEのMia PaCa-2細胞のDNA合成促進及びPDGF-B遺伝子発現誘導効果はほぼ完全に抑制された.以上の結果より,AGEは培養膵癌細胞Mia PaCa-2細胞の増殖を誘導し,この増殖誘導にはPAGEを介するオートクリンPDGF-Bの産生亢進を介するものと結論された 続きを見る