1.

論文

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佐藤, 博 ; Sato, Hiroshi
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060520
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ヒトがん組織に広く発現し、悪性度・浸潤性との相関性が高く、がんの浸潤・転移に重要な役割を果たす膜型マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MT1-MMP)の活性制御分子・新規基質を検索し、それらの浸潤・転移 に果たす役割を解析することにより、MT1-MMPを分子標的とした診断・治療法の開発へと発展させることが本研究の目的である。MT1-MMPの活性制御分子・新規基質を発現クローニング法により検索し、新規基質として細胞外マトリックス成分でありがん抑制遺伝子産物とされるルミカン及びデコリンを同定した。ルミカン及びデコリンは共にMT1-MMPにより切断されることを見出し、ルミカンの4箇所の切断点を同定した。またルミカン、デコリンは細胞にp21/Waf-1の発現を誘導し、細胞の軟寒天中でのコロニー形成を抑制するが、がん細胞の発現するMT1-MMPによるルミカン及びデコリンの切断はコロニー形成能を回復させることを明らかにした。また、がん細胞のコラーゲン培養によりExtracellular Signal-Regulated Kinase (ERK)が活性化され、活性化されたERKによりMT1-MMPの発現が誘導され、誘導されたMT1-MMPがさらにERKの持続的な活性化を引き起こすという正のフィードバック機構を見出した。そして、その結果として細胞運動が著しく亢進することを示した。以上の結果よりMT1-MMPは様々な細胞外マトリックス成分および関連分子を分解することにより腫瘍原性、運動、浸潤・転移に深くかかわっていることが強く示唆された。<br />研究課題/領域番号:16022226, 研究期間(年度):2004<br />出典:「がん浸潤・転移における膜型マトリックスメタロプロテアーゼ新規機能の解析」研究成果報告書 課題番号16022226(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16022226/)を加工して作成 続きを見る
2.

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佐藤, 博 ; Sato, Hiroshi
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  1999 – 2003  pp.4p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060746
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、特に膜型MMP(MT1-MMP)は組織形態形成および癌の浸潤・転移、炎症性疾患などの病態と密接に関係している。本研究では発現クローニング法によりMT1-MMP活 性制御因子及び新規基質を同定し、その生理的意義の解明を行った。1)我々はこれまでにMT-MMP阻害因子としてTestican-3のスプライシングバリアントであるN-Tesを同定した(Cancer Res.,61,8896-8902,2001)。今回、Testicanファミリー間の相互作用を発見し、特にグリオーマの浸潤に果たす意義を明らかにした(Cancer Res.,2003,63,3364-3369)。2)発現クローニングによりMT-MMPの新規基質としてシンデカン-1を同定しその生理的意義を解明した。シンデカン-1はコラーゲン上での細胞運動を負に制御するが、MT1-MMPによるシンデカン-1の切断はがん細胞の運動性を亢進することを見い出した(J.Biol.Chem.278,40764-40770,2003)。3)発現クローニングによりMT-MMPの新規基質としてがん転移抑制因子であるKiSS-1/metastinを同定し、MT-MMPによるMetastin分解はがん細胞の運動性を亢進することを明らかにした(Oncogene,22,4617-4626,2003)。4)発現クローニングによりMT-MMPの新規基質として細胞外マトリックス成分であるルミカンを同定した。ルミカンは、細胞にがん抑制遺伝子産物のひとつであるp21/Waf-1の発現を誘導するが、MT-MMPによるルミカンの切断はがん細胞の腫瘍原性を亢進することを見い出した。以上のことなどからMT1-MMPはその多機能性によりがん細胞の浸潤・転移のみならず腫瘍原性をも亢進することが明かとなった。<br />研究課題/領域番号:11240203, 研究期間(年度):1999-2003<br />出典:「形態形成過程におけるMT1-MMPの機能発現制御機構の解析」研究成果報告書 課題番号11240203(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11240203/)を加工して作成 続きを見る
3.

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佐藤, 博 ; Sato, Hiroshi
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060761
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />腎尿細管上皮由来MDCK細胞はHGF存在下コラーゲンゲル3次元培養により枝分かれした管腔を形成する。この管腔形成はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤により完全に抑制されるが、ノーザンプロテ ィングにより膜型MMP(MT1-MMP)の発現が誘導されることを見い出した。Tissue Inhibitor of MMP-1(TIMP-1)はMT1-MMP以外の全てのMMPの酵素活性を阻害するが、管腔形成は抑制しなかったことからMT1-MMPが重要な役割を果たすことが示唆された。実際にMT1-MMのアンチセンスRNAを発現させたところ管腔形成を有意に阻害した。一方、MDCK細胞のオンコジーンによるトランスフォーメイションにおいてもMT1-MMPの発現が誘導され、トランスフォーム細胞のコラーゲンゲル内での浸潤性の増殖はTIMP-1以外のMMP阻害物質で抑制されたことからMT1-MMPの重要性が示唆された。MT1-MMPと協調して浸潤性増殖に関与する遺伝子を検索する目的でMDCK細胞のトランスフォーメイション、管腔形成にともない発現誘導される遺伝子をmRNA Differential Display法にて検索したところmts1/S100A4遺伝子が同定された。mts1 anti-sense RNAの発現により細胞浸潤、管腔形成がともに抑制されたことからmts1はMT1-MMPと協調して癌浸潤のみならず形態形成にともなう浸潤性の増殖にも関与することが示唆された。<br />研究課題/領域番号:11144218, 研究期間(年度):1999<br />出典:「細胞浸潤に関わる細胞外マトリックス分解酵素の機能解析」研究成果報告書 課題番号11144218(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11144218/)を加工して作成 続きを見る
4.

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佐藤, 博 ; Sato, Hiroshi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060836
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT-MMP)はヒト癌組織に高頻度に発現し、その発現レベルは癌の浸潤性、悪性度などと相関する。現在までに4種類のMT-MMPが同定されているがなかでも最初に申請者らに より同定されたMT1-MMPが最も高頻度にヒト癌組織に発現することから癌細胞の浸潤に密接に関わっていると考えられる。MT1-MMPの酵素機能としてはゼラチナーゼA活性化能と自身の細胞外基質分解活性の2つが知られている。細胞表面におけるゼラチナーゼA活性化機構をリコンビナントMT1-MMPを用いて解析したところ、ゼラチナーゼAの細胞表面への結合は細胞表面への結合は細胞表面のMT1-MMPとTIMP-2の複合体を介して起こり、このゼラチナーゼA/MT1-MMP/TIMP-2の3者複合体中のゼラチナーゼAがフリーのMT1-MMPによりプロセスされされることを見い出した。一方、MT1-MMP発現細胞による細胞外基質分解および細胞浸潤活性を検討したところ、MT1-MMPが両活性を発揮するためには細胞表面に局在することが必須であった。したがって細胞膜貫通領域を欠失したMT1-MMP発現細胞では細胞浸潤は認められなかった。また阻害物質を用いた検討の結果、細胞浸潤にはMT1-MMPにより活性化されたゼラチナーゼAよりもむしろMT1-MMP自身の細胞外基質分解活性が重要であることが示唆された。他のMT-MMPファミリーであるMT2-MMP,MT3-MMP発現細胞では効率のよい細胞外基質分解、細胞浸潤は起こらなかった。<br />研究課題/領域番号:10163217, 研究期間(年度):1998<br />出典:「細胞浸潤に関わる細胞外マトリックス分解酵素の機能解析」研究成果報告書 課題番号10163217(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10163217/)を加工して作成 続きを見る
5.

論文

論文
佐藤, 博 ; Sato, Hiroshi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060842
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />癌組織にはきわめて特徴的に活性化型ゼラチナーゼAが存在しその発現量は癌の悪性度と相関すると報告されてきた。我々は癌組織に発現するゼラチナーゼA活性化因子として膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1- MMP)を同定し癌組織における発現を検討することによりMT1-MMPは肺癌、乳癌、胃癌、大腸癌などの癌組織に特異的に高発現することを見い出した。今回さらに舌癌、腎癌、グリオーマについてその発現レベル、浸潤性、悪性度、予後等との相関性を統計的に検討した。その結果、いずれの場合にもMT1-MMPは癌組織のほぼ全例に発現が認められその発現レベルは浸潤性、悪性度、予後と有意に相関した。舌癌においてはMT1-MMP、ゼラチナーゼA、血管新生のレベルは5年生存率、浸潤性と相関したがTIMP-2には相関関係が認められなかった。MT1-MMPの酵素活性として上述のゼラチナーゼA活性化とMT1-MMP自身の細胞外基質分解活性があるが、阻害物質を用いたin vitroの浸潤実験においてはMT1-MMP自身の分解活性が細胞浸潤には重要であることが明らかとなった。したがって現在進行中のMT1-MMPリコンビナントタンパクを用いた薬剤スクリーニングの有用性が示唆された。一方グリオーマ組織及び細胞株を用いた解析により、これらの組織および細胞ではいくつかのMMPの転写調節に関与するEts-1の高発現が認められた。またEts-1のドミナントネガティブ変異体の発現は細胞の浸潤性増殖を著しく抑制したことから今後Ets-1は癌細胞浸潤抑制の有望な標的であることが示唆された。<br />研究課題/領域番号:10153220, 研究期間(年度):1998<br />出典:「膜型マトリックスメタロプロテアーゼを標的とした癌浸潤の診断・制御技術の開発」研究成果報告書 課題番号10153220(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10153220/)を加工して作成 続きを見る