1.

論文

論文
本多, 政夫 ; Honda, Masao
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1998 – 1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060809
概要: 金沢大学附属病院<br />C型肝炎ウイルス(以下HCV)は一本鎖のプラス鎖RNAウイルスであり、その5'末端非翻訳領域(5'NTR)にはウイルス蛋白翻訳機能を有するInternal ribosomal entry site(IRES)が存 在する。このIRES依存性蛋白翻訳機能を生理的条件下で検討するため、我々はまず、真核生物の発現プロモーターとして汎用されているサイトメガロウイルス(CMV)のプロモーターの下流にRenilla luciferase(R-luci),HCVの5'NTR,Firefly lucifersase(F-luci)の順で遺伝子を組み込んだベクターを作成し、この遺伝子をHuh-7細胞に導入し、安定に発現している細胞(RCF-1、RCF-26)を樹立した。この樹立細胞を用いて、通常の真核生物の蛋白翻訳機能(キャップ依存性)とHCVのIRESによる蛋白翻訳機能(IRES依存性)を比較した。サイクロヘキサミド処理では、それぞれの蛋白翻訳機能は同様に低下した。ポリオウイスル感染では、キャップ依存性の蛋白翻訳能は低下し、IRES非依存性の蛋白翻訳の上昇が認められた。細胞周期を同期させ蛋白翻訳能を検討すると、HCVのIRES非依存性蛋白翻訳能は細胞の分裂期(M)で高く、休止期で(G0)低く制御され、細胞周期依存性の変化が認められた。以上よりHCVの蛋白翻訳能は細胞周期と密接に関わっており、ウイルス複製と肝炎における細胞死、再生との関連が示唆された。<br />研究課題/領域番号:10770226, 研究期間(年度):1998 – 1999<br />出典:「C型肝炎ウイルスの蛋白翻訳開始機構に関する検討」研究成果報告書 課題番号10770226(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10770226/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

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仲, 一仁 ; Naka, Kazuhito
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061060
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />C型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染におけるTLR3シグナル経路の活性化機構,及び慢性肝炎発症から肝細胞癌発症に至るメカニズムは明らかではない.そこで.ヒト非癌不死化肝細胞株を用いてHCV蛋白質の細胞周 期進行に及ぼす影響を解析した.ヒト非癌不死化肝細胞株PH5CH8,並びにNKNT-3細胞を用いてHCV構造蛋白質コアと非構造蛋白質NS3,NS4A,NS4B,NS5A,及びNS5Bの発現系を構築して細胞周期の進行を解析した結果,NS5B発現細胞においてS期の進行が遅延していることが明らかになった.このS期進行阻害はNS5B発現細胞におけるIFN-βの発現誘導に起因していた.IFN-βの誘導やS期の進行阻害は,NS5B発現細胞にTLR3に対するsiRNAを処理してTLR3の発現を抑制すると解消されることから,TLR3依存的にIRF-3シグナル経路を活性化され,IFN-βの産生が誘導されたと考えられる.ゲノムDNAの損傷時におけるDNA修復は遺伝情報を正確に伝達する上で極めて重要であり,その異常は発がんの原因になると考えられている.そこでNS5B発現による細胞周期の進行阻害がDNA修復異常を引き起こす可能性を検証した.NS5B発現細胞をDNAアルキル化剤(MMS),過酸化水素,DNA一本鎖切断を引き起こすUV-B,DNA二本鎖切断を引き起こすAdriamycinやNeocarzinostatinで処理し,その後のDNA修復能をコロニー形成を解析した結果,DNA二本鎖切断を引き起こす処理をした場合NS5B発現細胞のコロニー形成数が著しく減少することが明らかになった.以上の結果,NS5B発現細胞において細胞周期のS期の進行が遅延してDNA損傷に対する感受性が増強することが明らかとなり,NS5B蛋白質が肝発がんに関与する可能性が示唆された.<br />研究課題/領域番号:16790273, 研究期間(年度):2004 – 2005<br />出典:「C型肝炎ウイルス蛋白質NS5BによるIRF3活性化機構の解析」研究成果報告書 課題番号16790273(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16790273/)を加工して作成 続きを見る