1.

論文

論文
鈴木, 正樹 ; Suzuki, Masatatsu
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究成果報告書概要 = 2007 Research Project Summary.  2004 – 2007  pp.3p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060503
概要: 金沢大学理工研究域<br />本研究では,金属中心の合目的配位空間と反応空間の多重構造化により,酸素活性化二核金属酵素の機能モデルとなる二核銅及び二核鉄ペルオキソ錯体の合成に成功した。1.二核銅(II)ペルオキソ錯体によるC-H結合の酸化反 応:これまでにない多様な酸化反応性を持つ(μ-η^2;η^2-peroxo)Cu_2(II)錯体の合成に成功した。(μ-η^2:η^2-peroxo)Cu(II)_2錯体,[Cu_2(O_2)(H-L)]^<2+>(oxy-1,H-L=1,3-bis[bis(6-methyl-2pyridylmethyl)aminomethyl] benzene)は配位子のキシリル基を水酸化することが明らかとなった。また,このoxy-1は,スチレンをもエポキシ化することがわかった。このエポキシ化反応は銅酸素錯体による初めての例である。さらに,様々なC-H結合解離エネルギーを持つ脂肪族化合物のC-H結合を酸化することができ,これまでにない多様な酸化反応性を持つ(μ-η^2:η^2-peroxo)Cu(II)_2錯体の合成に成功した。2.二核鉄(III)ペルオキソ錯体によるアレーンの水酸化反応:生体系にあるToluene monooxygenase (TMO) は,二つの鉄イオンが酸素分子と反応して(μ-1,2-peroxo)Fe_2(III)種を生成し,このペルオキソ種が水酸化反応の活性種として働いていることが最近報告された。本研究では二核鉄(III)ペルオキソ錯体[Fe_2(LPh4)(Ph_3CCO_2)(O_2)]^<2+>(oxy-2,LPh4=N,N,N',N'-tetrakis[(1-methyl-2-phenyl-4-imidazolyl)methyl]-1,3-diamino-2-propanolate)により配位子に組込んだフェニル基の高収率かつ位置選択的な水酸化に成功した。この水酸化反応はTMOの機能モデル反応の初めての例である。<br />研究課題/領域番号:16074206, 研究期間(年度):2004-2007<br />出典:「合目的反応場の構築による酸素活性種を含む金属錯体の協奏的機能制御」研究成果報告書 課題番号16074206(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16074206/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

論文
真田, 茂 ; Sanada, Shigeru
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060512
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />現在,各種関節を対象としたX線画像検査では,その簡便性と被検者への低侵襲性のために,ほとんど正面像,側面像などの静止画像を撮像して評価している.しかし,多くの関節疾患は当該関節の運動機能を阻害するため ,その動態情報を得ることが極めて重要である.我々は,動画対応のフラットパネルX線ディテクタ(FPD)システムを用いて,各種関節の短時間時系列X画像を取得し,それらの動態機能を定量的に解析する方法を開発している.この動態解析の結果を従来の画像検査法から得られる解析結果と比較し,この新しいX線動態検査法が正しい診断情報を提供できるかどうかを検証した.本研究では,開閉口運動における顎関節動態と掌背屈運動における手関節動態を対象として,MRIによる準動態解析の結果と比較検討した.その結果,我々の開発した新X線動態検査法は簡便に運動機能を評価できる有望なスクリーニング画像検査法であることが明らかとなった.たとえば,顎関節について,クリック(顎関節異常の一種)の症状を持つ対象では,MRI検査法でその前方転位が観察されることを推測していた.しかしMR画像上,視覚的な画像所見でも下顎頭の定量的な動態解析結果でも,特にクリックを示唆するような兆候は見られなかった.すなわち,むしろ,関節円板に明らかな異常が認められないような軽微な機能障害は,我々が開発したX線動態検査法の方が検出感度において優れていることが示唆された.<br />研究課題/領域番号:16035206, 研究期間(年度):2004<br />出典:「フラットパネルX線ディテクターを用いた関節動態機能診断支援システムの開発」研究成果報告書 課題番号16035206(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16035206/)を加工して作成 続きを見る
3.

論文

論文
磯辺, 清 ; Isobe, Kiyoshi
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060513
概要: 金沢大学理工研究域<br />本研究の目的は、可逆な光応答機能をもつ新規ジチオナイト錯体[(Cp^*Rh)_2(μ-CH_2)_2(μ-O_2SSO_2)](Cp^*=η^5-C_5Me_5, M=Rh:1a)と[(Cp^*Rh)_2(μ- CH_2)_2(μ-OSOSO_2)](2a)との間の特異な結晶相フォトクロミズムの反応ダイナミクスの解明を通して、次世代記録媒体開発のための基礎科学を確立することである。この結晶相光反応における速度および選択的酸素移動反応と・-O_2SSO_2周りの空間の形状・大きさあるいはCp^*配位子のダイナミックスとの関連性を調べた。その結果、結晶中で1aの2つのCp^*配位子がお互い異なるジャンピング運動エネルギー障壁もち、違う速度で回転運動していること分かった。そして2aに異性化する際に、1a中の4つの酸素うち、最もCp^*の回転運動を阻害していると考えられる特定の1つの酸素のみが移動することが分かった。なお特定の1つの酸素は,6つのCp^*配位子で構成される空間との間で,最も混み合った位置にある酸素である。このように選択的酸素移動反応は,結晶空間の動的要因と静的要因とが同時に絡んで進行していると考えられる。そこで、1aと2aのCp^*回転運動の変化の様子を明らかにするとともにキネティックコントロールで生成した2aの安定異性体への結晶相移行反応も明らかにした。安定異性体への移行は,光反応によるフォトクロミズムを経由して進行するものと熱的に直接移行する2つのパスがあることを見出した。<br />研究課題/領域番号:16033223, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「活性S-S結合による結晶相光応答錯体分子の構築と光機能の解明」研究成果報告書 課題番号16033223(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16033223/)を加工して作成 続きを見る
4.

論文

論文
鈴木, 正樹 ; Suzuki, Masatatsu
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060514
概要: 金沢大学理工研究域<br />本研究では,生体系での酸素活性化金属タンパクや合成化学的に重要な酸化触媒の機能発現機i構の解明を目的として,三脚型4座配位子(Me_2-tpa=tris(6-methyl-2-pyridylmethyl)ami ne)を含むbis(μ-hydroxo)dinickel(II)錯体([Ni_2(OH)_2(Me_2-tpa)_2]^<2+>(1))と過酸化水素との反応により配位子に組み込んだ6-メチル基がカルボン酸およびアルコールへと酸化される動的過程を調べた。低温での反応により酸素活性種を含む一連の反応中間体の単離,構造解析及び反応性の研究に成功し以下の結果が明らかとなった。すなわち錯体1と過酸化水素との反応でbis(μ-oxo)dinickel(III)錯体([Ni_2(O)_2(Me_2-tpa)_2]^<2+>(2))が生成する。この錯体2は,配位子Me_2-tpaの6-メチル基の水素原子を引抜きラジカル(Me-tpa-CH_2・)を生成し,このラジカルは酸素分子と反応して配位子のペルオキシルラジカル(Me-tpa-CH_2OO・)を生成する。このペルオキシラジカルは,錯体2と過酸化水素との反応で生成したbis(μ-superoxo)dinickel(II)錯体([Ni_2(O_2)_2(Me_2-tpa)_2]^<2+>(3))と反応して,(μ-hydroxo)(μ-alkylperoxo)dinickel(II)錯体([Ni_2(OH)(Me_2-tpa)-(Me-tpa-CH_2OO^-]^<2+>)を生成する。このペルオキソ基(Me-tpa-CH_2OO^-)の酸素-酸素開裂により配位子のアルデヒド(Me-tpa-CHO)が生成し,Cannizzaro反応によるアルデヒドの不均化反応によりカルボン酸とアルコールが生成することが明らかとなった(Inorg.Chem. in press)。<br />研究課題/領域番号:16033222, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「金属錯体による酸素: 酸素結合の開裂と生成の動的制御」研究成果報告書 課題番号16033222(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16033222/)を加工して作成 続きを見る
5.

論文

論文
長尾, 秀実 ; Nagao, Hidemi
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060515
概要: 金沢大学理工研究域数物科学系<br />本研究ではスピン状態のレーザー制御シミュレーションおよび二原子分子の多光子吸収過程に関する理論的研究を展開した。(1)スピン状態のレーザー制御シミュレーションCl_2分子とO_2分子のスピン状態一重項 -三重項遷移の光制御に関する理論的研究を行った。スピン-軌道相互作用を考慮にいれたスピン混合状態のab initio計算を行い、核の運動をあらわに取り込んだ光誘起ポテンシャル断熱通過(APLIP)法を適用した。Cl_2分子では三重項励起状態に一度は遷移するが、中間状態、目的状態ともに解離状態であるため解離することが分かった。O_2分子では最終的な目的状態のポピュレーションは99.5%となり、ほぼ完全に三重項基底状態から一重項励起状態へのスピン状態の制御を実現したが、遷移双極子モーメントの値は非常に小さいため適切な電場強度にするにはパルス幅を広くとる必要が分かった。(2)二原子分子の多光子吸収過程の理論的研究OH分子の電子状態計算によりポテンシャル曲線、遷移双極子モーメントの行列要素を計算しモースポテンシャルパラメータを決定した。基底状態からの1光子から4光子吸収過程までのシミュレーションに成功した。次に多光子吸収過程を利用した状態制御として2光子吸収を用いた誘導ラマン断熱通過法(STIRAP)のシミュレーションに成功した。核の運動をあらわに取り込んだ光誘起ポテンシャル断熱通過(APLIP)法を用いて多光子吸収過程のシミュレーションにより2光子吸収を用いた誘導ラマン断熱通過法(STRAP)による状態制御の可能性が示すことができた。<br />研究課題/領域番号:16032204, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「レーザー照射による結晶の物性発現と制御に関する理論的研究」研究成果報告書 課題番号16032204(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16032204/)を加工して作成 続きを見る
6.

論文

論文
隅田, 育郎 ; Sumita, Ikuro
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2003 – 2004  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060530
概要: 金沢大学理工研究域<br />火山の噴火様式を決定する一つの主要な要因は、マグマからの揮発性物質の脱ガス効率である。マグマは結晶を含むと、速い変形速度程、柔らかく振舞うという、非ニュートン粘性を持つが、そのような流体からの気泡の脱ガスについ ては十分に分かっていない。そこで本研究では、このような脱ガス過程を理解するために室内アナログ実験を用いた。アナログ物質としては、キサンタンガム水溶液を用いた。まず、単一気泡の上昇速度の気泡体積依存性を調べた。その結果、気泡の上昇速度は、ニュートン粘性流体に比べて強い体積依存性を持ち、また界面張力が利く体積より小さい体積では、異なる体積依存性があることが分かった。次に気泡の注入間隔を変えた時の上昇速度について調べる実験を3つの気泡サイズについて行った。このような気泡の注入間隔の依存性はニュートン流体では見られないものである。その結果、上昇速度は気泡の注入間隔が長くなるにつれて、遅くなることが分かった。さらに、上昇速度と気泡注入間隔の間には、冪乗則の関係があり、大きな気泡程、注入間隔が遅くなるのに時間がかかることが分かった。この結果は、気泡が通過した後に通り道ができて、それが時間とともになくなる過程を反映していると解釈された。最後に、以上の実験結果を踏まえて、多数の気泡を発生させた場合の実験を行った。その結果、ニュートン粘性流体では気泡サイズにばらつきがあり、それが合体することにより間欠的に気泡が抜けていくことが分かった。また、気泡が下降流に伴って下方に運ばれる現象も見られた。一方、非ニュートン流体については、気泡が2,3の通り道を作り、そこを選択的に通って抜ける現象が見られ、下降流は生じなかった。気泡の上昇速度は、単一気泡が上昇する時に比べ数倍速く、気泡が抜ける通り道が出来ていることと整合的であった。マグマが結晶を含むと粘性が上がり、脱ガスが困難になると考えられているが、一方で本実験が示すように、通路を作る可能性もあり、その場合は脱ガスが効率的になることが示唆される。<br />研究課題/領域番号:15038209, 研究期間(年度):2003-2004<br />出典:「室内実験によるマグマ溜りのダイナミクスと地震波観測の対応」研究成果報告書 課題番号15038209(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15038209/)を加工して作成 続きを見る
7.

論文

論文
鈴木, 正樹 ; Suzuki, Masatatsu
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2003  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060531
概要: 金沢大学理工研究域<br />本研究では、金属イオンの基本的性質である酸化還元能を、配位環境の電子的・立体的効果により分子レベルで制御し、生体系で酸化触媒として作用している金属蛋白質や酵素を手本とした酸素活性種を含む金属錯体の創製を目的とし ,下記の成果が得られた。(1)銅錯体による酸素分子の可逆的4電子酸化還元と配位子の水酸化反応:一連の立体的にかさ高い三脚型四座配位子を含む銅(I)錯体([Cu(L)]^+)と酸素分子と反応によりbis(μ-oxo)Cu(III)_2錯体([Cu_2(O)_2(L)_2]^<2+>)の合成に成功した。このbis(μ-oxo)Cu(III)_2錯体は,窒素ガスを吹き込むことにより酸素-酸素結合を再生して銅(I)錯体を生成し,酸素分子の可逆的4電子酸化還元能を持つことを見出した。また,bis(μ-oxo)Cu(III)_2錯体は配位子のメチレン基を水酸化する能力をも持つことが明らかとなった。(2)(μ-1,1-hydroperoxo)基を含む銅錯体の合成と反応性:立体的にかさ高い三脚型配位子を用いて,(μ-1,1-hydroperoxo)(μ-hyroxo)Cu_2(II)錯体の合成,単離および構造解析に成功した。また,この錯体は配位子に組込んだメチレン基を水酸化することを明らかとした。(3)様々な酸素活性種を含むニッケル錯体の創製と反応性:bis(μ-hydroxo)Ni(II)_2錯体と過酸化水素との反応による配位子に組込んだメチル基のアルコール及びカルボン酸イオンへの酸化反応で,一連の酸素活性種を含む反応中間体の合成に成功した。即ち,bis(μ-oxo)Ni(III)_2,bis(μ-superoxo)Ni(II)_2及びbis(μ-alkylperoxo)Ni(II)_2錯体の検出及び単離に成功し,メチル基の酸化反応機構を明らかにした。<br />研究課題/領域番号:15036224, 研究期間(年度):2003<br />出典:「酸素活性種を含む金属錯体の合成と機能制御」研究成果報告書 課題番号15036224(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15036224/)を加工して作成 続きを見る
8.

論文

論文
長尾, 秀実 ; Nagao, Hidemi
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2003  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060532
概要: 金沢大学理工研究域数物科学系<br />本研究ではレーザー照射による酸化物高温超伝導体における電子移動および酸素原子再配列に関する理論的研究を行った。(1)銅酸化物高温超伝導においてCu-O鎖の再配列銅酸化物高温超伝導においてCu-O鎖の再 配列に対するクラスターモデルを用いて量子化学計算を行った結果、酸素イオンが直線上に再配列した場合は準安定状態になることが分かった。この酸素イオンの再配列に伴いCuO_2平面の電子(セル当たり0.3電子)がCuO鎖面に遷移して、CuO_2平面のホールが増加したことになる。以上の結果から酸素イオンの準安定状態への再配列に伴い、CuO_2平面中の電子の減少が起り、超伝導転移温度の上昇が起るという機構の可能性を示すことに成功した。(2)Cu-O鎖の再配列のレーザ制御シミュレーション前述の酸素イオン再配列に対する準安定状態計算で得られたポテンシャルを用いて酸素イオン再配列のレーザー制御の可能性を示した。誘導ラマン断熱通過法(STIRAP)を用いた酸素イオン再配列のレーザー制御のためのパルス列を求めた。このレーザー制御シミュレーションから100nmの結晶薄膜を仮定すると約10^9W/cm^2のオーダーのパルスレーザーが必要であることがわかった。また従来の実験方法とは異なるCu-O鎖再配列制御の新しい可能性を示すことができた。本研究によって銅酸化物高温超伝導体における光誘起超伝導発現機構の一つである、酸素イオン再配列によるCuO_2平面のホール増加機構の可能性がはじめて示された。また酸素イオン再配列のレーザー制御の可能性が示された。今後の課題としてさらに強いレーザー照射による考察があげられる。<br />研究課題/領域番号:15035205, 研究期間(年度):2003<br />出典:「結晶におけるレーザー照射による物性発現と制御に関する理論的研究」研究成果報告書 課題番号15035205(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15035205/)を加工して作成 続きを見る
9.

論文

論文
中垣, 良一 ; Nakagaki, Ryoichi
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2003 – 2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060533
概要: 金沢大学理工研究域<br />光触媒の固液界面では、熱反応や均一系の光反応で分解が困難とされる難分解性有機物をマイルドな条件下で反応させることが可能であり、反応制御の観点から興味が持たれる。本研究では、難分解性のポリフッ化物であるヘキサフル オロベンゼン(HFB)及び多環芳香族炭化水素類(PAH)に対して、可視光応答性を示す様々な光触媒を用いた可視光下での分解を行った。これらの反応機構は、重水素(D)や重酸素(^<18>O)などの同位体を含む反応試薬を用いて解析を行った。また、銀担持型BiVO_4光触媒(Ag-BiVO_4)のp-アルキルフェノールに対する特異な吸着能と光分解特性についても、メカニズムの詳細を明らかにすることができた。(1)ニッケル、鉛、銅の金属をドープしたZnS光触媒は、トリエチルアミンを還元剤としてHFBをペンタフルオロベンゼン(PFB)へと可視光下で還元できることを明らかにした。重水素化したトリエチルアミンを用いて反応機構を検討したところ、ZnSにドープされた金属の種類によって光酸化還元反応のメカニズムが異なることを明らかにした。(2)含浸法でAg-BiVO_4光触媒を調製し、酸化分解の活性向上を図った。その結果、p-長鎖アルキルフェノールに対する吸着量、可視光による分解速度、およびCO_2無機化率が増大することを見出した。この原因は、Ag-BiVO_4の銀表面の一部が酸化銀(Ag_2OまたはAgO)に覆われているためであり、ルミノールを用いた化学発光プローブ法により、これら酸化銀が活性点となって活性酸素の一つであるスーパーオキシドアニオンラジカル(・O_2^-)の発生量が大きく増加することを明らかにした。また、アントラセンとベンズ[a]アントラセンの酸化反応では、Ag-BiVO_4上で発生したOHラジカルがこれらPAHの光酸化反応において重要な役割を果たすことを明らかにした。<br />研究課題/領域番号:15033230, 研究期間(年度):2003-2004<br />出典:「難分解性有機物の固液界面における光反応とその制御」研究成果報告書 課題番号15033230(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15033230/)を加工して作成 続きを見る
10.

論文

論文
高須, 昌子 ; Takasu, Masako
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2002 – 2003  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060549
概要: 金沢大学理工研究域<br />障害物のある環境での粒子やポリマーの拡散は、生体内での物質伝達やガンの転移とも関係していて、重要な問題である。我々は、ヒアルロン酸溶液中の拡散に関するMasudaらの実験に着目する。ヒアルロン酸中の等方的粒子お よびポリマーの拡散を、ブラウニアンダイナミクスの手法で研究した。長距離拡散が短距離拡散に比べて、拡散定数が小さくなるという実験結果をシミュレーションで再現することができた。さらに、拡散定数は温度上昇に伴い増加するが、一定温度で反転することがわかった。ヒアルロン酸を固定した場合は、この拡散定数の反転は見られない。拡散定数の反転は、ヒアルロン酸が高温で運動が活発になり、拡散粒子の運動を阻害するためである。実験ではヒアルロン酸の存在により拡散定数は30%程度減少する。一方、シミュレーションでは90%の減少である。これは2つの要因が考えられる。第1に、実際のヒアルロン酸よりも太い鎖のモデルを使っている。これはヒアルロン酸の影響が大きい領域を意図的に選んでいるためである。第2に、実際の系では網目がランダムに分布しているが、シミュレーションでは規則的な構造の場合を扱っている。ランダムな場合は、網目のスケールにゆらぎがあり、大きくあいた所を拡散していくので、拡散定数は大きめになる。ランダムな場合の計算は今後の課題である。ポリマーの拡散の場合は、慣性半径により運動に違いが見られる。即ち、慣性半径が大きい場合は軸方向に運動しやすいが、慣性半径が小さく丸まった傾向にある時は、ヒアルロン酸の網目にひっかかり、拡散しにくい。さらに、流れがある場合の拡散はゲル電気泳動とも関連していて興味深い。ポリマーが形状を変えながら動いていく様子を現在計算中である。<br />研究課題/領域番号:14045268, 研究期間(年度):2002 – 2003<br />出典:「障害物のある環境でのポリマー系のシミュレーションと生体への応用」研究成果報告書 課題番号14045268(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14045268/)を加工して作成 続きを見る