1.

論文

論文
松島, 綱治 ; Matsushima, Kouji
出版情報: 平成4(1992)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1992 Research Project Summary.  1992  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060290
概要: 金沢大学がん研究所<br />近年、生体防御反応、癌免疫において重要な役割を有すると考えられているインターロイキン1(IL1)にたいするナチュラルアンタゴニスト(IL1Ra)の在存が明らかになった。本研究では、IL1Raの作用機序の解明、担 癌状態におけるIL1Ra産生の証明ならびに担癌にともなう免疫不全症、悪疫質における内因性IL1Raの病態生理作用を明らかにすることを目的とする。本年度の主な成果として1)マウスIL1Raを遺伝子組み替え法にて大腸菌にて大量発現し、完全精製することに成功した。精製IL1Raはマウス/ヒトIL1RにIL1と同等の親和性を有し、IL1の生物活性を特異的に抑制することが確認された。2)精製IL1Raをウサギに免疫することによりIL1Raにたいする特異抗体を作製した。この抗体を用いてマウスIL1RaにたいするELISAによる測定法を確立した。3)癌悪疫質発生マウス大腸癌細胞株colon26(clone-20)のinvivoにおけるサイトカイン、サイトカインナチュナルアンタゴニスト産生をnorthemblotting法にて検索した結果、癌組織浸織マクロファージ由来IL1により刺激を受けた癌細胞によりIL6が過剰に且つ持続的に産生され癌悪疫質をもたりしていることが判明した。一方、癌悪疫質非発生colon26(clone-5)においては、癌組織においてIL1の他、同時に大量のIL1Raが産生されており、結果的にIL6が全く新生されないことが判明した。colon26の実験結果は、IL1Raが癌組織において実際に産生されていることを証明し、さらに、IL1Raがサイトカインネットワークを調節する重要な内因性制御分子であることを示した世界で最初の仕事である。今後、種々の実験腫瘍、ヒト癌組織におけるIL1Ra、サイトカインの発現検索をするとともに担癌宿主におけるサイトカインネットワーク分子機構を生体工学、遺伝子導入法、単クローン性抗体等を駆使して解明する。<br />研究課題/領域番号:04152050, 研究期間(年度):1992<br />出典:「インターロイキン1受容体アンタゴニストの担がん状態における病態生理学的意義」研究成果報告書 課題番号04152050(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04152050/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

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清木, 元治 ; Seiki, Motoharu
出版情報: 平成4(1992)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1992 Research Project Summary.  1992  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060291
概要: 金沢大学がん研究所<br />清木班員はヒト胃癌細胞株を用いて実験的にマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の活性発現が必須であることを特異的インヒビターであるTIMP-1遺伝子導入実験により示した.同時に、TIMP-1発現の低下が悪性形 質発現の一因となることも示された.岡田班員はヒト骨肉腫OST細胞、ヒト単球様細胞U937を用いて細胞の浸潤能および転移能の発現とIV型コラーゲナーゼ(MMP-9)の発現との相関が高いことを示した.中島班員は腎臓癌細胞KG12がヌードマウスへの正所移植では転移するが異所である皮下からは転移しないことを示した.組織由来の線維芽細胞が産生するTGFbがKG12細胞のIB型コラーゲナーゼおよびウロキナーゼ産生と浸潤能発現の制御因子であることを明らかにした.浸潤・転移能に関連して重要性が示されたMMP-9遺伝子発現制御機構を解析することにより、佐藤班員はTPA、TNFaとc-Srcを介するシグナルがそれぞれ独立にMMP-9の伝写を制御していることを明らかにした.MMP以外の浸潤能に関する細胞外マトリックス分解酵素として宮崎班員は胃癌細胞株からトリプシン1を精製し、同定した.早川班員はもう一つのMMPインヒビターであるTIMP-2に対する単クローン抗体を作成し、サンドイッチELISA法による測定系を確立した.木村班員は転移抑制遺伝子として報告されたNKPキナーゼ(NM23)遺伝子の二つのアイソフォームをラットからcDNAと対応する染色体遺伝子として単離し、その構落を明らかにした.また、ラット高転移性乳癌細胞での発現低下を確認した.谷口班員はbmアクチンの転移の抑制活性が細胞運動の抑制と相関しすることを明らかにした.若い研究者伊藤君は大腸癌でMMP-7の発現が特異的に見られること丹田君は血管作動薬による腫瘍組織血流量の増加が化学療法剤の効果を増強することを見いだした.<br />研究課題/領域番号:04151024, 研究期間(年度):1992<br />出典:「がん細胞の浸潤性獲得の分子機構」研究成果報告書 課題番号04151024(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04151024/)を加工して作成 続きを見る
3.

論文

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多久和, 陽 ; Takuwa, Yoh
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060521
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />活性化血小板から放出される生理活性リゾリン脂質、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)は、マウスB16メラノーマ細胞において内因性に発現するG蛋白共役型S1P受容体、S1P2/Edg5サブタイプを介し、 in vitroにおいて細胞遊走と細胞外マトリックス浸潤を抑制する。本研究では、B16細胞のC57BL/6マウス皮下接種によるメラノーマ腫瘤形成が、S1Pの連日局所投与により用量依存性に著明に抑制されることを見出した。病理組織学的検討ではS1P投与群においてがん組織の線維性被膜による隔絶と周辺組織への浸潤の欠如が認められた。In vitroにおいてS1PはB16細胞の増殖を抑制しなかった。S1P2/Edg5ノックアウトマウスを用いた検討から、S1Pの抑制効果は宿主側間質細胞ではなくB16細胞の発現するS1P2/Edg5を介し発揮されるものと考えられた。B16細胞にS1P2/Edg5受容体を強発現させ皮下接種するとS1Pの抑制効果に対しより感受性となった。一方、B16細胞にS1P1/Edg1受容体(in vitroにおいてGiを介し細胞遊走・浸潤を促進する)を強発現させると、メラノーマ腫瘤形成がS1P依存性に増強された。これらの知見からin vivoにおいてS1Pはがん細胞が発現する受容体サブタイプ特異的にがんの浸潤、腫瘤形成を促進あるいは抑制することが明らかとなった。さらに、培養血管内皮細胞へのB16細胞の接着・伸展がS1Pにより抑制され、これはS1P_2/Edg5選択的阻害剤により解除されることを見出した。これはS1P_2/Edg5を介する血行性肺転移抑制の分子機構の一端を担うと考えられる。<br />研究課題/領域番号:16022225, 研究期間(年度):2004<br />出典:「G蛋白共役型受容体による癌の浸潤・転移の制御とその分子メカニズム」研究成果報告書 課題番号16022225(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16022225/)を加工して作成 続きを見る