1.

論文

論文
久保, 正幸
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.109-116,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4489
概要: 金沢大学大学院医学系研究科環境医科学専攻環境生態医学<br />コンベンショナル環境下でアトピー性皮膚炎(AD)を発症したNC/Ngaマウス(コンベンショナル群)とSPF環境下でADを発症しないNC/Ngaマウス(SPF群)を用い,一酸化窒 素(NO)やNOより生じる活性窒素種(RNS)とAD病態との関係を検討した.コンベンショナル群の皮膚病変部において誘導型NO合成酵素(NOS)および内皮型NOS発現はSPF群より有意に上昇し,神経型NOSの発現は減少傾向を示した.また,コンベンショナル群の血清中の亜硝酸イオンおよび硝酸イオン濃度はSPF群より有意に上昇したが,皮膚中での濃度は有意に低下していた.AD様皮膚病変部ではニトロチロシンやS-ニトロソチオール量が有意に増加し,ニトロチロシンの産生は好酸球に認められた.一方,酸化ストレス指標であるthiobarbituric acid-reactive substancesや8-ヒドロキシデオキシグアノシンの生成は両群間で有意差を認めなかった.NC/NgaマウスではAD皮膚病変部におけるNOSアイソフォームの発現の変化,NOxの減少やRNS産生の増加などNO代謝バランスの変化がAD病態と関連していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
2.

論文

論文
王, 煜
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.98-108,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4490
概要: 金沢大学医学系血管分子生理<br />ウサギ胸部大動脈を用い,ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害薬ワートマンニン(WMN)およびLY294002が,血管平滑筋収縮反応,20KDaミオシン軽鎖(MLC20)リン酸化,Rho活 性化,ミオシンホスファターゼ(MLCP)活性に及ぼす効果を検討し,さらに血管収縮調節にかかわるPI3Kサブタイプを同定した.その結果,PI3K阻害薬は,塩化カリウム脱分極刺激やノルアドレナリン収縮血管において主にMLC20脱リン酸化を促進することによりMLC20リン酸化を低下させ,この作用はRho活性化およびMLCPのMYPT1サブユニットリン酸化の抑制を伴うことが明らかになった.また,PI3K阻害薬の分子標的はクラスII酵素PI3K-C2αであったことからPI3K-C2αは血管トーヌスの調節に関わると考えられた<br />原著論文 続きを見る
3.

論文

論文
多久和, 典子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.93-97,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4491
概要: 金沢大学大学院医学系研究科血管分子生理学<br />総説
4.

論文

論文
佐々木, 素子 ; Sasaki, Motoko
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.61-65,  2004-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4494
概要: 金沢大学医学系研究科形態機能病理学<br />総説
5.

論文

論文
東, 良
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.34-44,  2004-03-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4496
概要: 金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳機能制御学<br />成熟ラットの定位的脳幹内軸索損傷による顔面神経核の逆行性変性モデルを用いて,変性過程における一酸化窒素(NO)と内在性エリスロポエチン(EPO)ならびにEPO受容体(EPO-R) の発現に注目して逆行性変性過程を調べた.さらに遺伝子組み替えヒトエリスロポエチン(rhEPO)の腹腔内投与による神経細胞保護効果を検討した.ラット顔面神経脳幹内軸索損傷モデルに対してrhEPOを外因性に投与することで,顔面神経細胞の逆行性変性,脱落を抑制することが示された.この神経保護効果は,脳幹内損傷顔面神経細胞の逆行性変性,脱落にNOによる酸化ストレスが関与し,外因性rhEPOがこれを抑制したためと推察された<br />原著論文 続きを見る
6.

論文

論文
小林, 忠美
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.13-22,  2004-03-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4498
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />近年,脊椎腫瘍に対する手術術式として脊椎腫瘍全摘術が広く行われてきているが,これまで脊柱短縮が脊髄に及ぼす影響は解明されていない.そこで,脊柱短縮が脊髄に及ぼす影響について成犬3 1頭を用いて検討した.脊柱短縮の安全域は脊髄が直線状の形態を維持している12.5mmまでであると考えられた<br />原著論文 続きを見る
7.

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毛利, 久継
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.120-130,  2003-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4505
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻腫瘍統御学<br />自然発症慢性膵炎モデルであるWBN/Kobラット(WBN/Kobラット),ラット膵腺房由来AR4-21細胞,ヒト慢性膵炎組織を用い,慢性膵炎におけるケモカインの発現とその炎症・線 維化過程における病態生理学的意義を検討した.WBN/Kobラットでは,慢性膵炎は12週齢において組織学的に確認され,炎症のピークは12週齢,線維化のピークは16週齢であった.CINCと単球走化性タンパク質のmRNAは膵炎発症期の12週齢で強く誘導され,その後低下した.マクロファージ炎症蛋白は20週齢で再上昇傾向を示した以外,他のケモカインと同様の推移を示した.WBN/Kobラットに抗炎症薬IS-741を投与したところ,投与群では12週齢,および16週齢でみられたマイナスの所見が有意に抑制された.また,CINCをはじめとするケモカイン発現は,いずれも12週齢にて,非投与群と比較して明らかに低値であった.ラット慢性膵炎において,ケモカインの膵実質細胞における発現が細胞浸潤を助長して慢性膵炎の発症・進展に関与しており,ケモカインの作用を抑制する薬剤の投与が慢性膵炎の治療に有用である可能性が示唆された<br />原著論文 続きを見る
8.

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論文
新屋, 陽一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.131-139,  2003-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4504
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />雑種成犬を用いたRecapping T-saw laminoplastyモデルを作成し,自家骨移植片である還納椎弓の経時的な組織学的変化を検討した.術後4週で接合部に仮骨形成を伴 わない一次骨癒合を生じ,24週で還納椎弓において接合部からの海綿骨のリモデリングが観察された.皮質骨では,海綿骨のリモデリングに伴う海綿骨側からのリモデリングの経路と,外骨膜側からの経路が存在していた.脊柱管部の皮質骨では海綿骨側からのリモデリングのみが起こり,その他の皮質骨では,接合部に近い部分は海綿骨側からのリモデリングの関与が大きく,遠位部になるに従い,外骨膜側からのリモデリングの関与が大きくなっていた.48週では,還納椎弓のリモデリングはすべて完成していた.また,脊柱管に面する皮質骨では海綿骨側からのリモデリングのみが生じていた.この方法は,脊髄神経に対して長期的に安全な術式であると考えられた<br />原著論文 続きを見る
9.

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論文
中谷, 弘光
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.160-168,  2003-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4501
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞浸潤学<br />口腔扁平上皮癌の浸潤増殖における腫瘍血管,および腫瘍リンパ管の変化とその意義を解明するために,ジメチルベンズアントラセンアセトン溶液誘発ハムスター舌癌の血管,およびリンパ管密度を 検討した.正常粘膜から癌化するまでの経時的変化において,血管は増加する傾向であった.一方,リンパ管はほとんど変化がなかった.血管,およびリンパ管密度を浸潤様式別に検討したところ,血管密度では,浸潤傾向が高度になるほど血管密度が低くなった.リンパ管密度では,浸潤様式1,2,3型よりも4C型でリンパ管密度が高くなる傾向がみられた.癌細胞における血管内皮増殖因子(VEGF)-Cの発現を浸潤様式別に検討したところ,浸潤様式が高度になるほどVEGF-Cの発現も高度になった.しかし,VEGF-Cの発現とリンパ管密度との関連性はみられなかった.口腔扁平上皮癌における血管新生,およびリンパ管新生は,癌の浸潤・増殖に影響を受けることが示唆された<br />原著論文 続きを見る
10.

論文

論文
吉見, 雄三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.94-102,  2003-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4508
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞移植学<br />アレルギー性気道反応におけるプロスタグランジンD2(PGD2)の役割を解明するために,PGD2受容体拮抗薬の影響を検討した.能動感作したモルモットに抗原を吸入させると,即時型気道 収縮と24時間後のカプサイシン咳感受性亢進,メサコリン気道過敏性亢進,および気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多がみられた.咳感受性測定,気道過敏性測定のそれぞれ1時間前にPGD2感受性拮抗薬compound20・Na塩を腹腔内投与すると,カプサイシン咳感受性亢進と気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多は影響を受けなかったが,メサコリン気道過敏性亢進は有意に抑制された.compound20・Na塩はDP受容体に対する選択的拮抗薬であり,アレルギー反応による気道過敏性の亢進にDP受容体を介してPGD2が関与することが示された.しかし,アレルギー反応による気道への好酸球浸潤や咳感受性亢進に,DP受容体の関与は明らかではなかった<br />原著論文 続きを見る
11.

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論文
山田, 泰士
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.71-83,  2003-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4510
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />腱付着部症の病態の解明,治療法の確立のために,「繰り返し引っ張り刺激」による腱損傷モデルの修復過程に再刺激を行い,その後の損傷の形態,修復過程について検討した.修復早期(初回刺激 後2週)における腱損傷を生じうる再刺激(12kgf)により,その後の修復は遅延し,腱内部に不可逆的な変化と考えられる変性や石灰化を生じた.しかし,修復後期(初回刺激後6週)に同様の再刺激を行っても,その後の修復は遅延せず,1回刺激後と同様であった.また,靱帯損傷を生じない程度の再刺激(6kgf)であれば,修復初期,後期の何れの時期においても,その後の修復が遅延することはなかった.修復初期であっても適切な負荷は損傷腱の修復を遅延させないことから,早期運動療法の可能性が示唆された<br />原著論文 続きを見る
12.

論文

論文
中村, 立一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.19-27,  2003-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4516
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />大腿四頭筋の遠心性運動と求心性運動が膝蓋腱の微細構造に与える影響を組織学的に比較検討した.手術によって膝蓋腱の内外側1/4ずつを切除して腱幅を半分にし,腱にかかる張力を2倍にした 12週齢の過負荷モデルラットを作製し,これに対して走行負荷を行った.続いて両運動が腱の成熟過程に及ぼす影響を明らかにするために,7週齢の幼若ラットに対して速度15m/分,傾斜15度,30分間の下り坂定と上り坂走を毎日負荷し,膝蓋腱に上じた変化を電子顕微鏡で検討した.遠心性運動は求心性運動に比較して腱の損傷を来たし易い一方で,腱炎の修復過程に必要不可欠な腱の修復強度を増加させる作用を持ち,腱炎の再発率を低下させる有効な運動療法であることが示唆された<br />原著論文 続きを見る
13.

論文

論文
増谷, 剛
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.348-361,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4519
概要: 金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳機能制御学<br />ラット脳幹内顔面神経膝部軸索損傷モデルにおける顔面神経核の逆行性変性機構の抑制に関して検討した.方法は,成熟ラットの顔面神経軸索を茎乳突孔出口で切断した末梢損傷群,同部で引き抜き より中枢側で損傷を加えた引き抜き損傷群,定位脳的に脳幹内顔面神経膝部を切断した脳幹内損傷群群,脳幹内軸索損傷後直ちに自家坐骨神経移植した坐骨神経移植群を作製し,神経細胞の生存率,周辺のグリア細胞の反応を検討した.術後7日,28日目の顔面神経細胞生存率は,末梢損傷群でそれぞれ102.4%,90.2%,引き抜き損傷群で94.6%,49.7%,脳幹内損傷群で30.9%,2.3%,移植群で43.7%,20.4%であり,移植群では逆行性変性は有意に抑制された.グリア線維性酸性蛋白(GFAP)陽性アストロサイトの発現は各群間で差はなく,ED1陽性マイクログリアおよびマクロファージの発現は末梢損傷群に比し他の3群でより顕著であった<br />原著論文 続きを見る
14.

論文

論文
国枝, 武重
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.317-325,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4522
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻がん遺伝子治療学<br />経皮的近赤外線(NIR)照射による再内皮化の促進および新生内膜増殖抑制に関して検討した.方法は,ウィスターラットの頸動脈バルーン傷害モデルを作成し,3日間,10分間づつ経皮 的NIR照射を行い,新生内膜増殖および培養細胞に及ぼす影響を非照射群とで比較した.NIR照射によって内膜/中膜比は非照射群に比し1週間後で25%,2週間後で49%の有意な減少を認めた.1週間目のPCNA染色による陽性細胞率は非照射群に比し25%減少した.TUNEL法によるアポトーシスの検討では両群間に差はなかった.エバンスブルー染色による再内皮化率は非照射群に比し49%の増加を認めた.培養細胞では平滑筋細胞はNIR照射の影響を受けなかったが,血管内皮細胞は10J/cm^2照射で有意な増殖促進を認めた.INR照射は非侵襲的かつ簡便で,新しい再狭窄予防の治療法となる可能性が考えられた<br />原著論文 続きを見る
15.

論文

論文
伊藤, 正明
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.300-316,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4523
概要: 金沢大学大学院医学研究科脳医科学専攻神経分布路形態形成学<br />ラット膝関節の発生学的研究を行った.方法は,Wister系ラット胎仔の膝関節を用い,関節腔および十字靱帯の脛骨付着部の形成過程を観察した.関節腔の形成は2つの骨原基の介在領 域(IZ)の間葉細胞凝集塊の中間層(IMZ)でなされたが,アポトーシスの関与は認めなかった.IMZの扁平な細胞の一部で細胞質の空胞化,核の濃染を認め,数層の配列が伸張・扁平化して紡錘形細胞となり,2層構造となった.残りの細胞はやや扁平な軟骨芽細胞となり,外層に組み込まれた.コラーゲン線維は網目状であったが,IMZでは密度が低く,関節面に平行に配列していた.関節腔はパラフィン切片ではE16.5に扁平化した細胞間で,樹脂切片ではE18に紡錘形細胞間で形成され,いずれもE19で関節腔が完成した.十字靱帯の脛骨付着部では軟骨膜の形成はなく,コラーゲン線維束の軟骨内での発達と円形細胞の柱状配列の段階的変化を認めた<br />原著論文 続きを見る
16.

論文

論文
熊野, 智康
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.290-299,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4524
概要: 金沢大学大学院医学系研究科循環医科学専攻経血管診療学<br />ニワトリDT40細胞を用いたチェックポイント関連遺伝子Rad9の放射線感受性に関して検討した.方法は,ニワトリのBリンパ球由来の細胞株のDT40細胞を用い,Rad9のノックアウ ト細胞(Rad9-/-細胞)を作成した.放射線感受性を調べるため,コロニー形成法を用いて各線量での生存率を求めた.Rad9-/-細胞は野生型に比し,いずれの線量でも生存率が低く高感受性を示したが,X線高感受性のATMのノックアウト細胞に比べると低かった.紫外線やヒドロキシ尿素に対してRad9-/-細胞は著明な高感受性を示した.細胞周期チェックポイントへの関与では,X線照射後の分裂係数の測定でRad9-/-細胞はATM-/-細胞と同様に細胞周期遅延の異常を認めた.Rad9は高等動物細胞においても,DNA損傷やDNA複製阻害に対する感受性および細胞周期チェックポイント機構に重要な役割を果たしていると考えられた<br />原著論文 続きを見る
17.

論文

論文
峰松, 康治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.198-207,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4532
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />日本白色家兎の脛骨に金沢大式創外固定器を用いて1mm/日と2mm/日の速度で骨延長法を行い,延長仮骨内の骨塩量の変化をmineral densitometry法の原法から独自に拡 張したmodified mineral densitometry法を用いて評価した.延長仮骨部の骨塩量を比較すると,2mm/日の延長速度では仮骨部の骨塩量は明らかに少なく,骨形成が傷害された.更に2mm/日の延長速度において20mmの延長終了時に生食(コントロール群),塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)80μg/0.5ml(F80群),bFGF400μg/0.5ml(F400群)を経皮的に延長仮骨内に投与して延長仮骨部の骨塩量を経時的に比較した.その結果,F400群ではコントロール群に比べ3~6週において有意に骨塩量の増加を認めたが,それ以降は差を認めなかった.F80群はコントロール群に比べ全経過を通じて高値を示す傾向はあったが有意差はなかった<br />原著論文 続きを見る
18.

論文

論文
山内, 大輔
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.218-227,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4530
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />家兎の大腿骨に創外固定器を装着し,1日4.0mm(4mm伸張群),2.0mm(2mm伸張群)および0.8mm(0.8mm伸張群)の速度で延長することにより坐骨神経を30mm伸張し た.伸張終了直後,伸張終了後3週および8週の時点で評価して坐骨神経を切断した切断群も同様に評価した.又,免疫組織染色により神経突起先端の成長円錐の構成蛋白である成長関連蛋白43(GAP-43)および神経突起の伸張を促進する神経ペプチドであるニューロペプタイド-Y(NPY)の陽性細胞率を検討した.その結果,末梢神経慢性伸張による軸索障害に対して神経細胞体は伸張速度に応じて再生に必要な蛋白合成を行っていることが判明した<br />原著論文 続きを見る
19.

論文

論文
松田, 正樹
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.228-239,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4529
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />日本白色家兎の大腿骨に脚延長器を装着して,4.0mm/日の速度で延長することにより,坐骨神経を慢性伸張し30%延長した.ヒラメ筋が受ける影響について延長終了直後,4週後,8週後に 電気生理学的検討と神経筋接合部の形態学的観察を行った.その結果,複合筋活動電位においては筋入口部の刺激が正常の3~6倍で波形を得られた.その波形は多相性であり,持続時間の延長を認めた.ヒラメ筋筋質重量は正常の70%にまで減少したが,経時的な進行は認めなかった.延長終了後の神経筋接合部後シナプスの形態はワーラー変性群のような変性を示さず,一次シナプス間隙および二欠シナプス間隙に殆ど変化は生じなかった.延長終了後8週の経過でも一次シナプス間隙および二次シナプス間隙に軽度の変性が生じたのみで形態は保たれていた<br />原著論文 続きを見る
20.

論文

論文
丸川, 浩平
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.240-255,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4528
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞浸潤学<br />日本白色種家兎を使用して下顎骨体部に骨切り,延長装置を装着して1日1mmで10日間,計10mmの延長を行い,骨形成過程における経時的変化を肉眼的,X線学的,組織学的ならびに免疫組 織化学的に観察した.肉眼的に延長部は延長後1日目では母骨と異なる軟らかい組織で満たされていたが,3日目からは両側断端から硬い新生骨が順次伸び,28日目では表面滑沢で母骨に近い状態となった.なお下顎骨体部長測定により全ての群において同程度の実延長量が得られた.X線学的には延長後1日目では延長部の殆どが透過像を示していたが,3日目以降は時間の経過に伴い両側断端から仮骨が伸長,不透過性も亢進していき母骨と近い状態になっていった.組織学的にはHE染色を行い観察したところ,延長後早期では線維組織が主で骨の形成は乏しいが,時間の経過と共に骨増生が進行し延長部は新生骨の骨梁で満たされていき母骨との境界は不明瞭となる傾向にあった<br />原著論文 続きを見る
21.

論文

論文
島田, 真弓
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.256-266,  2002-01-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4527
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞浸潤学<br />雄のddYマウスを用いて各発生段階の下顎頭軟骨における25kDaの熱ショック蛋白質(Hp25)の局在を増殖細胞の指標である増殖細胞核抗原の局在と比較しながら免疫組織化学的に調べ, 更に成長に伴う軟骨細胞の増殖活性の変化との関係や成長に伴う食性の変化により起こる顎関節への荷重負担の変化との関係についても検討した.その結果,下顎頭軟骨の発生と成長において,Hsp25は軟骨細胞の増殖から分化へのスイッチの促進に関わっており,かつ離乳期以降の食性の変化に伴う荷重ストレスの増加に対応してHsp25の発現・局在が変化し,下顎頭の成長を調整していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
22.

論文

論文
木澤, 和夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.162-172,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4534
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻形態機能病理学<br />カロリ病モデル多発嚢胞腎(PCK)ラットから肝内胆管上皮細胞を単離して培養し,細胞増殖活性と遺伝子発現を調査し生物学的特性について検討した.対照はSpargue-Dawley 系ラットである.PCKラットの細胞は,倍加時間が対照ラットより短く増殖活性が高かった.DNAマイクロアレイにより,細胞の増殖シグナルおよび増殖抑制シグナル伝達に影響する遺伝子の発現は,対照ラットよりPCKラットの方が亢進していた.以上より,PCKラットでは,肝内胆管拡張の発生に,遺伝子レベルの細胞増殖制御の不調和による胆管上皮細胞の異常増殖が関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
23.

論文

論文
上原, 健治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.173-182,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4533
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />術前放射線照射による延長仮骨形成障害の機序を解明にする目的で,日本白色家兎15Gy照射後延長モデルを作製し,延長部の単純レントゲン,組織標本,微小血管造影について検討した.その結 果,延長終了時に仮骨形成を全く認めなかった.延長終了後に仮骨形成が出現したが構造に規則性は無く,散在性の骨化巣で内軟骨性骨化であった.血管内皮増殖因子(VEGF)に対する免疫組織染色では,延長終了4週の延長部の血管は少なく,骨芽細胞はVEGFの強い発現を認めた.以上より,術前放射線照射による延長仮骨形成障害は,骨芽細胞や前駆細胞の障害の他に血管新生障害が関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
24.

論文

論文
上山, 恵巳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.54-65,  2002-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4543
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />多局所網膜電図(MERG)の二次核成分の起源を明らかにする為,ネコの視神経乳頭周囲網膜の熱凝固が網膜の組織学的所見とMERGに与える影響を検討した.視神経乳頭周囲網膜熱凝固16ヵ月後,網膜神経節細胞は著しく 減少していた.視神経乳頭全周囲凝固眼は,凝固前,非凝固対照眼に比べ,全周凝固12ヵ月後の37エレメントのMERG応答,加算平均波形の一次核成分に変化はなかったが,二次核成分は減弱した.全周凝固群で,凝固12ヵ月後の37エレメントの応答アレイを同心円状に分割して検討した結果,中心部で二次核成分が最も減弱していた.全周凝固群の一次,二次核成分の頂点潜時は,凝固前に比べて凝固後では有意差のある変化はしていなかった.視神経乳頭半周囲凝固群では,凝固前,非凝固部に比べ,凝固部において二次核成分の減弱が顕著であった.半周凝固群では,非凝固部に比べて凝固部の一次,二次核成分の頂点潜時は延長していた.以上により,二次核成分の起源に節細胞の関与が明らかになった<br />原著論文 続きを見る
25.

論文

論文
紺崎, 友晴
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.74-81,  2002-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4544
概要: 金沢大学医系研究がん医科<br />希釈されたサーファクタントの界面活性に対するデキストランとポリエチレングリコールの影響を検討し,それぞれの至適分子量を調査した.その結果,デキストランやポリエチレングリコールは希釈されたサーファクタントの 界面活性および生理的機能を増強すると推論された.よって,急性呼吸窮迫症候群(ARDS)における呼吸不全の原因には,肺サーファクタントの希釈が関与していると再確認した.デキストランやポリエチレングリコール等の水溶性非イオン性高分子は,希釈されたサーファクタントでも機能を発揮させると結論され,これらの高分子を用いたARDSの対する全く新しい治療法が示唆された<br />原著論文 続きを見る
26.

論文

論文
西田, 宏人
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.82-97,  2002-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4547
概要: 金沢大学医系研究循環医<br />小腸出血に対する安全性の高い経カテーテル的動脈塞栓術を確立するため,塞栓物質の血管内動態と腸管壁に与える影響を,ラットを用いて実験的に検討した.本検討では,従来観察が困難であった蠕動下の生態観察を可能とする デジタルマイクロスコープを用いた.本研究に用いた現在使用されている塞栓物質の中では,粒子径が均一なマイクロスフェアーで直動脈本幹近位側を塞栓する大きさのものが,最適塞栓物質と考えられた.現在臨床で用いられている塞栓物質は,どれも塞栓効果の予測が困難であり,新たな塞栓物質の開発が必要である.しかしポリビニールアルコール粒子で,ヒト直動脈に近い大きさで均一な粒子を作成し,数本の直動脈レベルにマイクロカテーテルを用いて超選択的に塞栓する方法が,現時点では最良と考えられた<br />原著論文 続きを見る
27.

論文

論文
太田, 敏一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.98-104,  2002-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4550
概要: 金沢大学医系研究がん医科<br />ブピバカイン中毒の発現に及ぼすプロポフォールの影響について,ラットを用いてセボフルランとの比較,及び用量反応関係を検討した.その結果,プロポフォールはブピバカイン中毒に対する発現防止作用が認められることが 判明した.不整脈発現防止作用はセボフルランより劣っているが,痙攣発現防止作用は勝っていると判断された.更に900μg/kg/分以上の投与速度になると,不整脈,心停止に対する発現防止作用が消失することが明らかになった<br />原著論文 続きを見る
28.

論文

論文
八木, 俊浩
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.308-314,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4559
概要: 金沢大学医系研究がん医科<br />フェンタニルの脳移行に及ぼすプロポフォールの影響について検討した.実験はラットを用い,フェンタニル単独またはプロポフォールと併用で単回静注した場合と,単独または併用で60分間持続静注した場合の血中濃度と脳 内濃度を測定した.単回静注では,プロポフォール併用によってフェンタニルの血中濃度は変化しなかったが,脳内濃度は約2/3に低下した.脳血流量は単独と併用間に有意差はなかった.持続静注では,プロポフォールないし脂肪乳剤の併用で,血中濃度が単独投与の場合の約1.5倍に上昇したが,脳内濃度はプロポフォール併用で約1/2に低下した.脂肪乳剤のみの併用では,血中濃度は上昇したが脳内濃度は減少傾向を示す程度であった.以上より,プロポフォール併用でフェンタニルの脳移行が抑制され,脳血流量変化および脂肪乳剤の関与は否定的で,プロポフォール自体がBBBの能動輸送低下に関与していると考えられた.また,両剤の併用麻酔法では,血中と脳内濃度に乖離があり,投与量・投与速度には細心の注意が必要と思われた<br />原著論文 続きを見る
29.

論文

論文
田川, 茂樹
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.315-326,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4560
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />ドーパミンによる律動様小波の増大とこれに関与するドーパミン受容体について検討した.実験は白色ウサギを用いた.ノミフェンシンの硝子体内注入が網膜電図におよぼす影響では,100μMの注入で律動様小波の振幅が増大 したが,暗所視系b波の振幅は有意に減弱した.1μMのドーパミンと30μMのノミフェンシン注入では,律動様小波の振幅は増大し,暗所視系b波の振幅は減弱した.50μMのドーパミンの単独注入と,50μのMドーパミンと50μMのスルピリドとの同時注入でも同様結果を認めたが,50μMのドーパミンと20μMのSCH23390の同時注入では,暗所視系b波は減弱したが律動様小波は変化しなかった.また,50μMのSKF38393単独注入では,律動様小波の振幅は増大し暗所視系b波は減弱した.50μMのLY161365単独注入では律動様小波の振幅が減弱し,暗所視系b波も有意に減弱した.以上より,ドーパミンによる律動様小波の振幅の増大はD1受容体を介しており,暗所視系b波にはD1およびD2受容体が共に関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
30.

論文

論文
内山, 佳代
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.339-347,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4542
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />局所投与によるフルコナゾール(FLCZ)の眼内移行と前眼部への影響について検討した.実験には白色ウサギを使用し,0.2%FLCZを5分毎13回(1時間)点眼した群,30分毎25回(12時間)群,0.3mlを 結膜下注射した群に分け,対照眼には生理食塩水を点眼した.1時間点眼群のFLCZ濃度は最終点眼15~30分後に結膜,角膜,前房水,虹彩毛様体,網膜および強膜において最高値となった.12時間点眼群では最終点眼1時間後に結膜,角膜,前房水および水晶体前皮質部にFLCZが検出され,結膜下注射群では前眼部組織,硝子体,網膜,脈絡膜および強膜にFLCZが検出された.角膜上皮および内皮細胞密度,角膜厚,眼圧,涙液内LDH活性および蛋白濃度は点眼前後で明らかな変化はなかった.角膜上皮創治癒速度は,点眼群と対照群間に差はみられなかった.以上より,FLCZは局所投与で前眼部組織内にCandida albicansの99%発育阻止濃度を凌駕して移行し,副作用もなく,眼真菌感染症の治療に有効かつ安全と考えられた<br />原著論文 続きを見る
31.

論文

論文
櫻田, 規全
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.390-403,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4558
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />角膜上皮細胞におけるKチャンネルのアラキドン酸による調節について検討した.対象は,ウシ角膜とヒト角膜で,角膜上皮細胞を単離した.ウシ角膜上皮細胞には,極性に乏しい球状細胞と極性を有する円柱状細胞の2種類と, 2種類のK電流が認められた.一つは,不活性化K電流で,膜電位開口型Kチャンネルのそれに類似し,円柱状細胞に多く発現した.一つは,不活性化しないK電流で,ウサギ角膜上皮の大コンダクタンスK電流に相同の持続型K電流で,このK電流はアラキドン酸により著明に増大した.アラキドン酸代謝の基質にならない脂肪酸も同様に作用し,アラキドン酸は直接Kチャンネルに作用すると考えられた.アラキドン酸や脂肪酸は,不活性化K電流には抑制的に作用した.ヒト角膜上皮細胞では不活性化電流は認めず,アラキドン酸,脂肪酸により増大した電流は+10mVより陽性で強い整流作用を示し,ジルチアゼムには阻害されなかった.100μMアラキドン酸は,ジルチアゼム感受性のK電流を増大させ,ヒト角膜上皮細胞でも持続型K電流が発現すると考えられた<br />原著論文 続きを見る
32.

論文

論文
山田, 陽久
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.418-442,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4556
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />自然発症インスリン非依存型糖尿病ラット(OLETF)の網膜電図(ERG)に関して検討した.実験には,OLETFラットと糖尿病を発病しないLETOラットを用い,自由摂食のOLETF,食事制限のOLETF,LE TOの3群に分け,ERGの経時的変化を比較した.自由摂食群はLETOに比し,糖尿病状態にある35週齢以後でもO2,O3,O4振幅は有意に大きく,網膜ドーパミン,DOPAC含量が有意に高く,高血糖以外のOLETF特有の因子の関与が示唆された.自由摂食群は食事制限群に比し,耐糖能障害をきたし始める15,20週齢でO2頂点潜時は有意に短縮し,35週齢よりO2,O3の頂点潜時延長と振幅低下を認めた.55週齢OLETFでは血清総コレステロール,HDLコレステロール値,血清トリグリセリド値はO1,O2,O3,O4の頂点潜時と正の相関を示した.55週齢のDOPAC,HVAは,自由摂食群が食事制限群に比し有意に低く,O1,O2,O3の頂点潜時と負の相関を示した.以上より,脂質代謝異常ないし網膜内ドーパミン代謝異常が網膜機能失調に関与していることがERGにより確認された<br />原著論文 続きを見る
33.

論文

論文
勝木, 保夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.243-251,  2001-08-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4566
概要: 金沢大学医系研究がん医科<br />外傷性骨萎縮の病態を検索する目的で日本白色家兎の脛骨遠位端を骨折させ,DEXA法を用いて骨塩量を測定し,骨萎縮の定量的評価と骨萎縮の回復過程の観察を行った.家兎下肢骨骨折モデルは骨萎縮作成の動物実験モデル として作成が容易で回収率もよく,外傷性骨萎縮のモデルとして適当であった.DEXA法を用いた小動物の骨塩定量は変動係数1%未満の高い再現性が得られ,変化し難い骨塩量の変動を定量する上で最適であった.骨折による不動性,非荷重性の骨量減少には,一定の下限があり,20%の減少が下限と考えられた.骨折による不動化モデルでは,減少した骨塩量は荷重の再開や運動量の増加と共に一定の経過で回復すると考えられたが,12週以上の長期を要する<br />原著論文 続きを見る
34.

論文

論文
山門, 浩太郎
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.273-282,  2001-08-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4565
概要: 金沢大学医系研究がん医科<br />骨孔内における腱骨移行部再生過程の部位による組織学的な違いを観察し,FEMモデルにより導いた骨孔内の応力分布との比較を行った.骨孔の上側と下側では明らかに異なる組織が形成されており,骨孔内の応力分布に応じ て異なる組織が誘導されていると思われた.骨孔の上側は引張応力が主であり,シャーピー線維を伴う間接結合は骨孔上側に優位に現れ,直接結合が上側にのみ観察されたことから,引張応力が腱骨移行部形成を促す可能性が示唆された.骨孔下側では入口部を中心に旺盛な軟骨・骨形成が観察され,骨孔下側入口部の比較的狭い範囲に限局して圧縮応力が存在し,圧縮応力が骨・軟骨形成を促す可能性が示唆された.せん断応力は骨孔内の比較的広い範囲に上下ほぼ等しく分布していることから,観察された組織学的差異を説明するものではなく,腱骨移行部に関与する可能性は少ないと考えた.6ヵ月時において,骨孔内部では上下両側で腱骨移行部や新生骨層のみならず界面組織自体が消失しており,入口部で移行部形成され生物学的固定が成立した結果,骨孔内部の応力が低下したためと考えた<br />原著論文 続きを見る
35.

論文

論文
深谷, 賢司
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.283-294,  2001-08-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4562
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />末梢神経損傷後における酸化型ガレクチン-1の軸索再生促進効果の機序を明らかにする為に,正常末梢神経におけるgal-1の発現を免疫組織化学,イムノブロットで検討し,ラットを用いて軸索損傷モデルを作成し,再生軸 索,遊走シュワン細胞の動態を検索した.ガレクチン-1はラット坐骨神経内,軸索,シュワン細胞,後根神経節細胞,脊髄前角運動神経細胞に発現していた.rh-gal-lox投与で感覚神経および運動神経の軸索再生が共に促進され,抗ガレクチン-1中和抗体で両者よりの軸索再生が共に抑制された.近位シュワン細胞,遠位シュワン細胞の遊走は共にrh-gal-lox投与で促進され,抗ガレクチン-1中和抗体投与で両者の遊走は抑制された.酸化型ガレクチン-1は,再生軸索との接触に関係なくシュワン細胞の遊走を促進している.末梢神経損傷後,酸化型ガレクチン-1は,シュワン細胞の遊走促進効果を介して感覚神経軸索,運動神経軸索の再生を促進していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
36.

論文

論文
小林, 顕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.136-148,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4570
概要: 金沢大学医眼科<br />晩期発症型錐体桿体ジストロフィーの患者に見られたHRG4変異と同様のアミノ末端側の停止コドンを含むHRG4トランスジーンを作成し,不完全長のHRG4を網膜で発現するトランスジェニックマウスを作成した.このトランスジ ェニックマウスは年齢依存性の網膜変性を呈し,この網膜は電子顕微鏡的に著明なシナプス変性及び経シナプス変性を呈した.網膜電図ではa波,c波は正常にも関わらず,b波は減弱し,視細胞からのシナプス伝達が障害されていると推論された<br />原著論文 続きを見る
37.

論文

論文
池永, 康規
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.149-158,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4572
概要: 金沢大学医整形外科<br />恒常的な部分脱神経筋モデルラットを作成し,部分脱神経をおこした神経の本幹部分を観察した.部分脱神経後の神経本幹部分では,残存した神経束の髄鞘内横断面積は術後4週~6週目にかけて増大することが明らかになった.又, 部分脱神経により筋湿重量は低下するが,残存した正常な筋群の代償的肥大と神経再支配が行われても変化しなかった.発芽による再神経支配を受けたヒラメ筋の筋線維が回復する段階において,タイプII線維の比率が上昇した<br />原著論文 続きを見る
38.

論文

論文
水野, 勝則
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.171-179,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4574
概要: 金沢大学医整形外科<br />ウサギ25羽を用い,硬膜外静脈叢からの出血に対するフィブリン糊硬膜外腔注入法の止血効果及び脊髄に与える影響を検討した.フィブリン糊注入群では非注入群と比較して出血量の有意な減少を認めた.組織学的には,フィブリン 糊は硬膜外腔全体に均等に充満していた.フィブリン糊混合液の注入は,脊髄を傷害することなく硬膜外静脈叢を圧迫し,タンポナーデ止血効果を発揮していた<br />原著論文 続きを見る
39.

論文

論文
石塚, 修一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.199-205,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4571
概要: 金沢大学医麻酔蘇生<br />妊娠29日(満期31日)のウサギを用いて,プロポフォールの薬物動態及び薬力学を調査した.プロポフォール投与終了後,直ちに帝王切開術を行い,胎仔を取り出した.母体の血液と胎仔の血液濃度比は,プロポフォール投与開始 30分で平衡に達した.母体での脳と血液のプロポフォール濃度比も同様であった.一方,胎仔での脳と血液のプロポフォール濃度比は,10分以内に平衡に達していた.薬力学的には50%が重篤な呼吸抑制を呈する胎仔の脳内プロポフォール濃度は0.46μg/gであった<br />原著論文 続きを見る
40.

論文

論文
齋藤, 孝仁
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.16-30,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4587
概要: 金沢大学医第1内科<br />BALB/cマウスおよび機能的Fas欠損マウスC3H/lprマウスの培養肝内胆管上皮およびPBC肝組織を用い,免疫組織化学的および分子生物学的に胆管上皮アポトーシスの発生機序を検討した.BALB/cマウス肝内胆 管上皮培養系にNFκB阻害剤であるラクタシスチンを添加した結果,6~12時間後にアポトーシスの亢進がみられた.同時期にFas/Fas-L発現が亢進し,又,2~6時間でFas-LmRNA発現が亢進した.Fas/Fas-L系がNFκB阻害による胆管上皮アポトーシス機序の一つであることが示唆された.これらの結果マウス培養肝内胆管上皮およびヒト肝組織を用いた検討で,NFκB減少状態,IL1β発現減少状態が,肝内胆管上皮のアポトーシスに関連し,最終的なエフェクタープロセスとしてFas/Fas-L系の関与が示唆された<br />原著論文 続きを見る
41.

論文

論文
北, 勝利
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.31-40,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4577
概要: 金沢大学医眼科<br />ネコにおいてたい色光照射後の暗順応経過中の比較的早期に観察される陰性波とSTRの特徴を比較検討した.90分の暗順応後に刺激光強度を-7.3log~0logまで変化させERGを記録すると,b波の閾値以下の弱刺激光域で は陰性電位のSTRのみが記録された.300cd/cod2の白色褪色光で5分間照射後に暗順応を開始した.又,青色刺激光および赤色刺激光に対する閾値の対数差はSTR及び褪色光照射後に記録される陰性波とではほぼ一致した.これらの結果から,褪色光照射後の暗順応経過中の比較的早期に記録される陰性波はSTRそのものであることが判明した.確立したSTRの記録方法はSTR記録の時間を著しく短縮し,STRの臨床応用を促進する<br />原著論文 続きを見る
42.

論文

論文
加畑, 千春
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.77-86,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4586
概要: 金沢大学医麻酔蘇生<br />MNSを血清または酢酸リンゲル液に分散した試験液につき,表面活性と自己のサーファクタントが欠如しているウサギ未熟胎仔の肺内に注入して人工呼吸を行った際の換気量の変化を測定した.更にMNSをアルブミン溶液およびグ ロブリン溶液に分散した場合についても同様の検討を行い,1)血清はサーファクタントの表面活性を阻害し,PEEPを付加しない場合では,血清は換気量を減少させ,生体内でも肺サーファクタントの機能を阻害する.2)PEEPを付加した場合では,表面活性の所見に反し血清は換気量を増加させるという相反現象をもたらす.3)アルブミン溶液は血清と同様に相反現象をもたらすが,グロブリン溶液はこの現象をもたらさない,との結果を得た.以上よりPEEPを付加した人工呼吸下では,サーファクタントの表面活性と生体内での作用は必ずしも一致しないと判断された<br />原著論文 続きを見る
43.

論文

論文
三田, 絵子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.106-116,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4579
概要: 金沢大学医泌尿器科<br />慢性の核上型脊髄損傷ラットにおけるGABAとオピオイドの排尿に対する影響について検討する為,バクロフェンとU-50488を経静脈的に累積投与し,以下の結果を得た.バクロフェンの投与により,脊髄損傷ラットに排尿効 率の増加と排尿収縮圧の減少がみられたが,膀胱容量には有意な変化は認められなかった.又,U-50488により脊髄損傷ラットにおいて排尿効率の増加と排尿収縮圧の減少が認められ,この効果はnor-BNI前投与により拮抗された.以上の結果より脊髄損傷後のDSDに対するバクロフェンの有効性が示唆され,κ1オピオイド受容体作動薬に関しても排尿効率の改善が認められたことより,投与量を選べばDSDの治療薬としての可能性もあると考えられた<br />原著論文 続きを見る
44.

論文

論文
須釜, 淳子 ; Sugama, Junko
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2010 Fiscal Year Final Research Report.  2008 – 2010  pp.4p.-,  2011-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059429
概要: 金沢大学医薬保健研究域保健学系<br />褥瘡とは一般的には「床ずれ」と表現され、一定の場所に一定以上の圧力が加わることによって、組織の血行が阻害され発生する皮膚潰瘍である。その予防法のひとつである2時間ごとの体位変換について、工学モデルと 栄養状態の低下した動物モデルを用いて検討した。その結果、栄養状態が低下すると治癒が遅れ、皮膚深部組織に影響が強いことがわかった。体位変換時間を考案するには、さらにモデルの改変が今後必要である。<br />Pressure ulcers are localized areas of tissue breakdown in skin and/or underlying tissues. One of the preventative cares is repositioning at least every 2 hours. Researchers investigated the interval for the repositioning using the finite-element model and the animal model with malnutrition. Based on the results, malnutrition delayed the wound healing and deep tissue damage was predominant. Further study is needed to develop the equation for position change interval for the at risk people with weak tissue tolerance.<br />研究課題/領域番号:20592481, 研究期間(年度):2008 – 2010 続きを見る
45.

論文

論文
須釜, 淳子 ; Sugama, Junko
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2010 Fiscal Year Final Research Report.  2008-2010  pp.4p.-,  2011-06-01.  金沢大学新学術創成研究機構
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051148
概要: 褥瘡とは一般的には「床ずれ」と表現され、一定の場所に一定以上の圧力が加わることによって、組織の血行が阻害され発生する皮膚潰瘍である。その予防法のひとつである2時間ごとの体位変換について、工学モデルと栄養状態の低下した動物モデルを用いて検討し た。その結果、栄養状態が低下すると治癒が遅れ、皮膚深部組織に影響が強いことがわかった。体位変換時間を考案するには、さらにモデルの改変が今後必要である。<br />Pressure ulcers are localized areas of tissue breakdown in skin and/or underlying tissues. One of the preventative cares is repositioning at least every 2 hours. Researchers investigated the interval for the repositioning using the finite-element model and the animal model with malnutrition. Based on the results, malnutrition delayed the wound healing and deep tissue damage was predominant. Further study is needed to develop the equation for position change interval for the at risk people with weak tissue tolerance. 続きを見る
46.

論文

論文
中村, 浩二 ; Nakamura, Koji
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2007 Fiscal Year Final Research Report.  2006-2007  pp.55p.-,  2008-03-01.  金沢大学環日本海域環境研究センター
URL: http://hdl.handle.net/2297/48723
概要: 金沢大学角間キャンパス「里山ゾーン」内の25年にわたり放棄されていた棚田跡において,すでに2002年から2007年まで,棚田の復元を段階的に実施しながら,生物多様性の変化を見るために,動植物の種類相,種ごとの個体数,開花植物と訪花昆虫の関係 等を,春から秋まで総合的にモニタリングしてきた.また,キャンパス周辺,珠洲市,能美市等の棚田,水田でも比較調査をおこなった.主成果は以下である. 1.上述の棚田復元地の水田内において,昆虫類,クモ類を中心として,2004年は17目4993個体、2005年は13目2508個体、2006年は12目2171個体が採集され,捕食者ギルドの個体数・割合は3年間で有意に増加した。クモ類は合計75種が確認され優占目であり,2004年は10科38種875個体、2005年は10科42種1078個体、2006年は11科38種700個体が採集された.クモ類の種組成は2004〜2006年まで年ごとに異なっており(DCA解析),水田の広分布種が移入しつつあった. 2.上述の里山ゾーンにおいて無脊椎動物の多様性と群集構造の変化を,特に地表歩行性甲虫類(コウチュウ目:ゴミムシ科)に注目して調査した.棚田復元地のほかに,コナラ林,モウソウチク林,スギ林,等を調査地としてえらび,落とし穴トラップを用いて,月1回採集を繰り返した.また,飛翔性飛翔性の昆虫類を中心とした節足動物相の個体数と多様性に及ぼす環境の異質性(植生,地形等)と保全活動の影響を調査するために,IBOY式ウィンドウ・トラップを用いて,上下2層において月1回採集した. 3.上記2から,ゴミムシ類や飛翔性昆虫類の解析の結果,(1)生息環境による種類構成の差が明瞭に検出された.(2)再生作業により種類構成,個体数にはっきりした差が生じた.(3)棚田の再生活動は,ゴミムシ類や飛翔性昆虫類の種類構成に大きな変化をもたらした.<br />Recently, Satoyama, the traditional rural landscape of Japan, has been paid much attention, because, beside many important roles, it is a key to biodiversity conservation in Japan. Effects of restoration of paddy fields, which had been abandoned for 30 years, on the biodiversity of arthropods associated with the rice plants in the paddies. The paddies were restored gradually year by year, and the change of the biodiversity was monitored from 2004 to 2007. A total of 4993 individuals (17 orders) and 2508 (13 orders), 2171 (12 orders) were collected from the paddies in 2004, 2005 and 2006, respectively. Proportion of the predators such as spiders in the samples increased clearly during the study.Habitat heterogeneity and restoration activities on abundance and diversity of ground arthropods and above-ground arthropod assemblages were studied using pitfall traps and window traps, respectively, in the "satoyama area" within Kanazawa University's Kakuma Campus, Kanazawa, Japan from 2004 and 2006. Monthly samples were taken from nine sites, including forested areas and valley areas with paddies under restoration. For the samples obtained by the two sampling methods, an order level analysis with DCA ordination revealed a clear separation of arthropod order compositions among different habitat types and the changes in the faunal composition over the restoration of the paddies were confirmed.<br />研究課題/領域番号:18580328, 研究期間(年度):2006–2007<br />出典:「長期間放置されていた棚田の復元にともなう生物多様性の変化」研究成果報告書 課題番号18580328 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
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山崎, 俊明 ; Yamazaki, Toshiaki
出版情報: 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2006 Fiscal Year Final Research Report.  2005-2006  pp.75p.-,  2007-03-01.  金沢大学医学系研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/48226
概要: リハビリテーション領域における重要な課題である廃用性筋萎縮の進行予防に焦点を絞り、筋萎縮進行中のストレッチ効果、および筋肥大効果が報告されているアドレナリン受容体作用薬(clenbuterol ; Cb)投与との併用効果を調べた。 廃用性筋 萎縮は、後肢懸垂法により作成し、2週間の実験期間を設定した。実験動物としてWistar系ラットを使い5群に分け、通常飼育群(CON)の他4群を実験群とした。実験群には後肢懸垂処置を行い、後肢懸垂群(HU)、1日1時間ストレッチ実施群(STR)、Cb投与群(Cb)およびストレッチとCb投与の併用群(STR+Cb)とした。 分析は、形態評価および機能的評価を行った。タイプI線維断面積は、HU群はCON群の42%に減少したが、Cb群は81%、STR群は58%、STR+Cb群は74%であった。ストレッチ効果を認めたが、併用効果は認められなかった。筋線維タイプ構成比率は、Cb群で有意なタイプII線維比率の増加を認めたが、STR+Cb群では変化なく併用の有用性が示唆された。Cb群およびSTR+Cb群の筋収縮時間はCON群より有意に短縮し、HU群およびSTR群の収縮時間はCON群と差がないことから、Cb投与による悪影響として速筋化傾向が示唆された。単位断面積あたりの単収縮張力はSTR群がCON群と差がなく、しかもCb群より有意に大きい結果から筋伸張の効果が示唆された。実験群の筋原線維タンパク量(MP)は、CON群に比し有意に減少した。実験群間では、Cb群およびSTR+Cb群のMPがHU群およびSTR群より有意に大きく、Cb投与の効果が示唆された。 以上の結果から、廃用性筋萎縮進行中のラットヒラメ筋に対する予防的介入方法として、Cb投与による断面積減少の抑制と、筋ストレッチによる伸張刺激の併用効果の有用性が示唆された。<br />INTRODUCTION: Prevention or suppression of disuse muscle atrophy is an important task of physical therapy. For patients lying on bed for prolonged periods of time, it is difficult to accommodate the excessive loads borne on their body. Intermittent weight bearing (IWB) is found to be a safe means of intervention to maintain the leg muscles of such patients. However, since complete prevention of atrophy is difficult to achieve with IWB alone, the authors have previously reported on treatment using a combination of IWB and clenbuterol (Cb). The present study was aimed at evaluating the effects of a combination of intermittent stretching (IST) and Cb. METHODS: Male Wistar rats were divided into five groups: control (CON), hindlimb unweighting (HU), Cb treatment during HU (Cb), IST during HU (IST), and combined Cb+IST during HU (Cb+IST) group.ANALYSIS: The soleus muscle was removed 14 days after the start of treatment to measure cross-sectional area (CSA) of muscle fibers, percentage of each fiber type, and contractile properties. RESULTS: The CSA of type 1 fiber, relative to CON group (=100%), was 81.0% in Cb group, 58:3% in IST group and 74.2% in Cb+IST group. Twitch tension, relative to CON group, was 33.9% in Cb group, 50.3% in IST group and 45.9% in Cb+IST group. DISCUSSION and CONCLUSION: IWB involves exercising the patient by means of stretching the soleus muscle and inducing the appropriate muscle work needed to bear the body weight. IST involves only muscular stretching and isometric resistant exercise, which do not provide adequate stimulus to reinforce the efficacy of Cb. However, since IST is a technique of physical therapy useful for inducing muscular tension, it may be possible to elevate the effectiveness of combined Cb+IST by modifying the method of applying this combined therapy.<br />研究課題/領域番号:17500351, 研究期間(年度):2005–2006<br />出典:「骨格筋萎縮の進行抑制に及ぼすストレッチとアドレナリン受容体作用薬の併用効果」研究成果報告書 課題番号17500351 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
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中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成21(2009)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2009 Fiscal Year Final Research Report.  2007-2009  pp.5p.-,  2010-05-14.  金沢大学附属病院
URL: http://hdl.handle.net/2297/00057035
概要: 慢性肝炎から肝がんに至るがん化のイニシエーション過程に作用するマイクロRNA分子[oncogenic micro RNA ; oncomiR(s)]を同定することを目的とした。これまで確立したB型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニックマウ スを用いた炎症性発がんモデルにおいて、経時的な遺伝子発現および酸化ストレスと相関する8個のoncomiR分子を明らかにした。これらの分子は、肝臓における前がん状態で悪性転化を制御する標的となる可能性が示唆された。<br />研究課題/領域番号:19390198, 研究期間(年度):2007-2009 続きを見る
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西山, 正章 ; Nishiyama, Masaaki
出版情報: 平成23(2011)年度 科学研究費補助金 若手研究(A) 研究成果報告書 = 2011 Fiscal Year Final Research Report.  2010-2011  pp.5p.-,  2012-05-18.  金沢大学医薬保健研究域医学系 / 九州大学
URL: http://hdl.handle.net/2297/00056715
概要: 最近われわれは、クロマチンリモデリング因子CHD8がクロマチン上にリンカーヒストンH1を呼び込むことによってp53機能を抑制することを見出したが、CHD8/ヒストンH1複合体は細胞老化におけるクロマチンリモデリングに重要な役割を果たしている ことが予想された。そこでまず正常細胞でCHD8を過剰発現し、細胞老化に及ぼす効果について検討したところ、CHD8の強制発現はp53誘導性の細胞老化を抑制することが明らかとなった。次に発現誘導型CHD8トランスジェニックマウスを作製することによって、CHD8が強力なトランスフォーメーション活性を示すことを明らかにした。また正常老化マウスや老化モデルマウスでは、CHD8/ヒストンH1の発現レベルが著明に低下していることが判明しており、さらに正常細胞でヒストンH1をノックダウンすると細胞老化が誘導され、CHD8ノックアウトマウス由来の細胞も同様に細胞老化を来すことが明らかとなった。つまり、CHD8は抗老化作用をもつことが予想されるだけでなく、がん遺伝子として機能する可能性が高いものと考えられた。<br />We recently have found that a chromatin remodeling factor CHD8 suppresses p53 function by recruiting the linker histone H1 on chromatin, and expected that a CHD8/histone H1 complex may play an important role in chromatin remodeling in cellular senescence. First, we investigated the effect of CHD8 overexpression on cellular senescence in normal cells, and revealed that forced expression of CHD8 inhibits p53-induced cellular senescence. We next generated CHD8-inducible transgenic mice, and revealed that CHD8 has a potent transformating activity. In normal aging or premature aging mice, we found that the expression level of CHD8/histone H1 is markedly decreased. Furthermore, we found that cellular senescence is induced in histone H1-knockdown cells or the cells derived from CHD8-knockout mice. Taken together, it is expected that CHD8 not only has anti-aging effect, but also functions as an oncogene.<br />研究課題/領域番号:22680061, 研究期間(年度):2010-2011 続きを見る