1.

論文

論文
北野, 慎治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  112  pp.41-49,  2003-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4514
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />生検時に採取した骨肉腫組織20例に対して,免疫組織化学及びTUNEL法により,骨肉腫組織におけるFasL発現強度,発現率及び組織内のCD8陽性細胞数.アポトーシス細胞数を調査し, これらの因子と臨床治療成績との関連について検討した.骨肉腫細胞の大多数はFasLを発現し,骨肉腫組織に浸潤してきたFas陽性細胞障害性Tリンパ球(CTL)が骨肉腫細胞と直接接触した際に,腫瘍表面のFasLがFas陽性CTLをアポトーシスに導く攻撃を行うことにより,腫瘍免疫監視機構から回避している可能性が示された.骨肉腫細胞におけるFasLの発現は,臨床治療成績とは相関しなかったが,FasL発現形質の獲得は骨肉腫発生早期に生じる現象で,骨肉腫のごく初期の発生段階及び転移形成において重要な役割を果たしていると考えられた<br />原著論文 続きを見る
2.

論文

論文
宮田, 就弘
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.114-120,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4539
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻細胞浸潤学<br />自己分泌型運動促進因子(AMF)によって促進される癌細胞の運動能と,ヒト口腔扁平上皮癌の浸潤の関連について検討した.対象は口腔扁平上皮癌一次症例の治療前組織65症例で,AMFに対 する免疫組織化学的染色を行った.その結果,AMFは癌細胞にのみ発現を認め,発現強度は強陽性14例,弱陽性21例,陰性30例であった.AMFの発現は,stage分類,T分類,癌浸潤様式,所属リンパ節転移の有無と有意に相関していた.Kaplan-Meier法による累積生存率は,AMF陰性例の5年生存率は陽性例より有意に高かった.以上よりAMFは口腔扁平上皮癌の浸潤,転移,予後と密接に関連していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
3.

論文

論文
岳, 麗杰
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.142-151,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4536
概要: 金沢大学大学院医学系研究科循環医科学専攻血管発生発達病態学<br />急性リンパ性白血病(ALL)37名,急性骨髄性白血病(AML)10名,非ホジキンリンパ腫(HHL)5名と正常対照169名からのヒトのシチジンデアミナーゼ(HCDA)cDN Aを,直接シークエンスして一塩基変異多型(SNP)を同定し,機能を検討した.SNPの機能は酵母遺伝子発現システムを用い,酵母の増殖抑制法により,原型HCDAと変異HCDA導入酵母株シトシンアラビノシド(ara-C)に対する感受性を測定した.HCDA遺伝子の翻訳領域に同定されたSNPはA79C,G208A,T435Cで,疾患との関連は認めなかった.SNP G208は,HCDAの酵素活性領域に存在し種属間で良く保存されているAlaを,Thrに置換(A70T)した.変異導入酵母株HCDA-70Tの脱アミノ活性は,酵母への変異HCDA-208A遺伝子導入により有意に低下し,ara-Cへの感受性が高まった<br />原著論文 続きを見る
4.

論文

論文
田川, 考作
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.381-389,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4553
概要: 金沢大学医系研究脳医科<br />ヒト網膜電図(ERG)における暗所閾値電位(STR)について検討した.対象は,健康な男性4名(22~32歳)で,明順応後の暗順応経過中の早期の陰性波とSTRの特徴を比較した.60分間の暗順応後では,-5.8 logの刺激光強度でSTRが出現し,-4.1logから暗所視系b(bs)波が出現した.5分間の明順応後に暗順応を開始し,一定の刺激光強度下では,暗順応開始後10分程で陰性波が出現し,それはSTRに酷似していた.暗順応開始10分後から刺激光強度を変化させると,-4.4logで陰性波が出現し,-3.4logでbs波が現れた.陰性波の閾値はbs波の閾値より低く,陰性波とbs波の閾値の関係はSTRとbs波の閾値の関係と類似していた.青色と赤色刺激光に対する閾値の対数の差と,明順応後の陰性波の青色と赤色刺激光に対する閾値の対数の差は近似していた.STRは杆体系応答であり,明順応後の陰性波も杆体系応答であった.以上より,陰性波はSTRであり,本STR記録方法によりSTRの臨床応用が可能と考えられた<br />原著論文 続きを見る
5.

論文

論文
小林, 顕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.136-148,  2001-04-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4570
概要: 金沢大学医眼科<br />晩期発症型錐体桿体ジストロフィーの患者に見られたHRG4変異と同様のアミノ末端側の停止コドンを含むHRG4トランスジーンを作成し,不完全長のHRG4を網膜で発現するトランスジェニックマウスを作成した.このトランスジ ェニックマウスは年齢依存性の網膜変性を呈し,この網膜は電子顕微鏡的に著明なシナプス変性及び経シナプス変性を呈した.網膜電図ではa波,c波は正常にも関わらず,b波は減弱し,視細胞からのシナプス伝達が障害されていると推論された<br />原著論文 続きを見る
6.

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論文
明, さおり
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.87-95,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4578
概要: 金沢大学医第3内科<br />髓膜腫の腫瘍化における酸化ストレスの役割を解明する為に,腫瘍抑制蛋白質マーリンとカルパインの相関についてU251MG細胞と髓膜腫細胞を用いて検索した.その結果,両細胞において酸化ストレスによるμ-カルパインの活 性化とマーリンの分解を認めた.又,両者において酸化ストレス後にカルパインの内在性阻害蛋白質であるカルパスタチンの分解がみられ,Z-LLal処理により,マーリン及びカルパスタチンの分解抑制がみられた.又,蛍光免疫細胞化学染色により,正常マーリンと酸化ストレス後のμ-カルパインは共に形式膜で強く発現,ストレス後,マーリンは形質質から細胞質や核膜へ移動していた.これらのことから腫瘍発生の一因としてマーリンの過剰分解を推察した<br />原著論文 続きを見る
7.

論文

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金子, 敏行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.706-716,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9245
概要: 金沢大学 医 眼科<br />1)特発性黄斑円孔の15例16眼のうち,初回手術にフィブリン糊を使用した11眼中6眼において,再手術に使用した5眼全てで円孔の閉鎖が得られた. 2)9眼のERGで術後6ヵ月ではO1頂点潜時の平均値のみが術前に比 べ有意に延長していた. 3)強度近視に伴う黄斑円孔網膜剥離の20例20眼にフィブリン糊を用いた硝子体切除術を行い,13眼で初回手術で,網膜復位を得た.再剥離7眼中2眼ではフィブリン糊を使用した硝子体手術による再手術で網膜復位を得た. 4)前部増殖性硝子体網膜症を併発した裂孔原性網膜剥離に対して大きな網膜切開とフィブリン糊を使用した硝子体手術を行い,網膜復位を得た. 5)硝子体切除術により復位を得られなかった朝顔症候群に合併した網膜剥離に対し乳頭部陥凹内の白色組織を除去し,乳頭部陥凹内へフィブリン糊を滴下して網膜復位を得た. 6)全ての症例で新生血管,出血などの異常所見はみられなかった 続きを見る
8.

論文

論文
二上, 文夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.717-724,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9246
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />分化度の異なる5種類のヒト膵癌培養細胞を用いて検討した. 1)mRNAレベル及び蛋白レベルにおいて,u-PAは分化度とは関係なく全種類に発現が認められたのに対し,膵トリプシノーゲンは分化型であるCapan- 1,BxPC-3及びAsPC-1の3種類にのみ発現がみられた. 2)ヌードマウスの脾内移植法による肝転移発生率はCapan-1では56%,BxPC-3では50%,AsPC-1では89%と,分化型の癌で高率であったのに対し,Panc-1ならびにMIAPaCa-2の分化度の低い癌では転移が全くみられなかった.即ち,膵癌細胞の肝転移発生率は分化度ならびに膵トリプシノーゲンの発現とよく相関した. 3)インベージョンアッセイにおけるCapan-1細胞の浸潤細胞数はFOY-305により0.1μM以上で濃度依存性に減少した. 4)Capan-1細胞の脾内移植法による肝転移発生率は,FOY-305非投与群の62%に対し投与群では14%と,FOY-305投与により有意に低下した 続きを見る
9.

論文

論文
松田, 英三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.736-744,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9248
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)HT-1080から,4つの,種々のPAI-1活性を持ったクローンを分離した.各クローンのPAI-1の発現とTFの発現との間に正の関連が見られた. 2)ヌードマウスの尾静脈へ腫瘍細胞を接種後の肺転移能は各 クローン間において有意差を認めた.そして肺転移能はPAI-1活性及びTF活性と強く相関していた. 3)各クローン細胞の有する接着能及び浸潤能と肺転移能の間には相関関係はなかった. 4)殆どの腫瘍細胞が,静注後数分で肺内へと移行した.高転移能を持つクローン26-6は,低転移能を持つクローン1-3Cに比べより長い時間,肺内に停留した. 5)各クローン細胞間に認められる転移能の差は血管内皮細胞に接着後,基底膜に浸潤するまでの間,着床部位に停留し続ける能力によることがわかった. 6)PAI-1活性と凝固活性の両因子共にこの細胞系の肺転移形成能を決定する因子になることが明らかになった 続きを見る
10.

論文

論文
八尾, 直志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.745-754,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9249
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />ヒト大網と高度腹膜転移を起こす,ヒト胃低分化腺癌細胞株を用いた. 1)癌細胞と共に培養された大網の中皮は,時間の経過と共に半球状に収縮し,互いに離れ,脱落し,次第に中皮細胞下の基底膜が露出するようになった. 癌細胞は中皮細胞上ではなく,選択的に露出した基底膜上に,長い義足様の突起を出して接着していた 2)腹腔内継代前の癌細胞に比べて,高度腹膜転移株では有意に多く大網に接着し,抗インテグリン・サブユニットβ1抗体により,癌細胞の大網への接着は有意に阻害された. 3)腹腔内で継代する前に比較して4代,12代と継代が進むにしたがい,インテグリン・サブユニットα2,α3のの発現量が増加した.腹膜播種の最初の段階で最も重要な役割を有するVLA-2,VLA-3を発現する癌細胞が,腹腔内継代により選択され,より強い腹膜播種能を有する高度腹膜転移株となると推察された 続きを見る
11.

論文

論文
蒋, 正言
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.755-765,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9250
概要: 金沢大学 医 神経精神医<br />初老期アルツハイマー型痴呆(AD)と診断された9例の安静時及び光刺激中脳波を高速フーリエ変換法によりパワースペクトル解析し,定量分析と大脳半球間コヒーレンスについて年齢・性をマッチさせた正常対照群9例と比 較し検討した.AD患者が安静時脳波に加えて光刺激中脳波においても異常を示すことが明らかとなり,ADにおける視覚系の機能障害を反映する所見と考えられた.また今回のAD患者の多くは軽度痴呆であったことより,これらの脳波異常が発症早期の段階から出現する可能性が示唆された 続きを見る
12.

論文

論文
瀬川, 知香子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.766-775,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9251
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />1)P-セレクチンは正常コントロール群の糸球体には認められず,間質の細静脈の一部に発現を認めた.尿中可溶性P-セレクチンは全例で測定感度以下であった. 2)増殖性糸球体腎炎例では,糸球体及び間質におけるP- セレクチン発現の増強が認められ,血清可溶性P-セレクチン値も有意な高値を示した. 3)糸球体内P-セレクチン発現は滲出性病変,メサンギウム増殖ならびに管内性病変と正の相関を示し,とくに管内性病変との間に強い相関を示した.一方,間質内P-セレクチン発現も間質病変との間に弱い相関を示した. 4)血清可溶性P-セレクチン値は,P-セレクチン発現陽性群では陰性群に比して高い傾向が認められ,糸球体の管内性病変ならびに滲出性病変と正の相関を示した. 5)P-セレクチンmRNAの発現は間質の毛細血管及び細静脈内皮細胞に認められ糸球体では陰性であった.糸球体内P-セレクチン発現に一致して活性化血小板由来のCD41b発現が認められた 続きを見る
13.

論文

論文
和田, 泰三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.776-787,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9252
概要: 金沢大学 医 小児科<br />1)家系1-症例1(8ヵ月女児),2(2歳9ヵ月男児,症例1の兄)では母由来の変異対立遺伝子において点突然変異があり,このため変異対立遺伝子由来のmRNAではエキソン7と8の間にGCAGの4塩基の挿入が認めら れた.変異由来のFasレセプターは細胞内部分がなく異常な3量体を形成するため,ドミナントネガティブ効果により細胞死に至るシグナルが伝達されないと考えた. 2)家系2-症例3(1歳女児)ではイントロン3に点突然変異があるためエキソン4のスキップが認められた.両親がいとこ婚で変異対立遺伝子のホモ接合体となっていたためFasレセプターそのものの発現が全く欠如し細胞死に至るシグナルが伝達されないと考えた. 5)患児ではT細胞のFas誘導性アポトーシスが欠如しているほかAICDも減弱しているため,自己反応性T細胞が排除されず,自己寛容が破綻し様々な自己免疫状態が生じているものと考えた 続きを見る
14.

論文

論文
作田, 和茂
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.788-795,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9253
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)脈絡叢,くも膜組織,及び髄膜腫の全例において,PGDSのmRNAと蛋白の発現がみられた. 2)脈絡叢では上皮に分泌顆粒様にPGDSの発現がみられ,くも膜ではくも膜上皮(barrier cell lay er)に発現がみられた.したがって,これらの組織から脳脊髄液中にPGDSが産生分泌されていることが推定された. 3)髄膜腫では合胞体型と移行型ではPGDSの強い発現が認められたが,線維型ではその発現は少なかった. 4)髄膜腫では,特に合胞体型と移行型において,渦状紋と砂粒体の周囲の腫瘍細胞にPGDSの発現が強く,砂粒体の形成におけるPGDSの関与が推定された 続きを見る
15.

論文

論文
小林, 忠博
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.796-806,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9254
概要: 金沢大学 医 泌尿器科<br />1)ヒト前立腺癌培養株PC-3細胞を孵卵10日目の鶏卵漿尿膜上の血管内に移植した鶏卵胎児肝と大腿骨で経時的に増幅DNA断片の増強が認められた. 2)組織学的には,肝で腫瘍細胞の同定は容易であり,経時的に腫瘍 細胞が浸潤,増殖する像が観察された.一方,大腿骨においては形態学的に腫瘍細胞の同定は困難であったが,抗ヒトサイトケラチン抗体及び抗ヒトKi-67抗原抗体を用いた免疫組織化学染色により,微小転移巣の存在が移植後7日目に初めて確認された. 3)PC-3細胞移植後1日目にスラミンを50μg/卵投与した場合,肝及び骨転移形成に対する抑制効果は認められなかった.移植後3日目にスラミンを500μg/卵投与した場合の肝及び骨の転移巣に対する増殖抑制率はそれぞれ60.6及び6.7%であり,スラミンの抗腫瘍効果は被転移臓器における環境要因によって影響されることが示唆された 続きを見る
16.

論文

論文
山田, 素宏
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.807-818,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9255
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />1)安静時収縮期血圧,拡張期血圧,心拍数,下腿血流量,下腿血管抵抗,筋交感神経活動は家族歴のある群とない群との間で有意差はなかった. 2)空腹時血糖,空腹時血漿インスリン濃度には両群間で差はなかったが,家族 歴のある群ではクランプ時のM値は有意な低下がみられ,インスリン抵抗性を示した. 3)クランプにて両群とも心拍数の増加がみられたが,収縮期血圧と拡張期血圧は両群とも増加しなかった. 4)クランプにて両群とも下腿血流量の増加と下腿血管抵抗の低下がみられたが,下腿血管抵抗の減少の程度は家族歴のある群でない群より有意に低下していた. 5)クランプにて両群とも筋交感神経活動の亢進がみられたが,筋交感神経活動の増加率は家族歴のある群がない群より有意に大であった.以上より高血圧の家族歴を有する若年健常者では家族歴のない若年健常者に比べ,インスリンの交感神経作用は亢進し,インスリンによる血管拡張作用は障害された 続きを見る
17.

論文

論文
菅原, 浩之
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.819-833,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9256
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />1)正常肝の肝内胆管上皮で軽度ではあるがIL-6の発現が見られた. 2)PBCやEBOでの障害胆管上皮で,IL-6の発現が亢進しておりIL-6 mRNAシグナルもみられ,更に,IL-6レセプターの発現もみら れた. 3)ヒト胆管細胞癌の癌細胞でIL-6の発現が見られ,分化度の高いものでは,発現が強くまた広汎に発現し,分化度の低下と共にIL-6の発現の分布と強度が低下した. 4)IL-6陽性癌細胞では同陰性癌細胞より増殖活性は低く,IL-6発現は胆管細胞癌細胞増殖とは逆の関連性を示すことが示された. 5)肝内結石を合併した胆管細胞癌では,IL-6は胆管上皮ディスプラジアに発現し,胆管細胞癌の発生初期に関連する因子の1つと考えられた. 6)初代ヒト正常肝内胆管培養細胞と胆管細胞癌培養細胞でIL-6,IL-6レセプター,IL-6mRNAの発現を認めた.特に,胆管細胞癌で発現が著しく亢進していた 続きを見る
18.

論文

論文
野島, 直巳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.834-844,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9257
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)第1の転移経路として大網に多数存在した乳斑を介するものが認められた.大網では1日目からヒトβ-グロビンの強いシグナルが認められ,日をおって増強した.活性炭の腹腔内投与にて大網の乳斑は肉眼的に黒い点として 認められ,その内部にMKN-45-P細胞を認めた. 2)第2の転移経路として,横隔膜及び壁側腹膜の後上部に存在するストマータを介するものが認められた.横隔膜ではヒトβ-グロビンのシグナルは7日目より増強を示した.腹膜下リンパ管はMKN-45-P細胞接種により拡張して腹膜面に隆起として観察された.7日目には癌細胞は腹膜下リンパ管へ侵入した. 3)第3の転移経路として腹膜中皮細胞の収縮後に露出した基底膜に癌細胞が接着するものが認められた.MKN-45-P細胞接種12時間後より各々が分離するようになり,3日目には癌細胞はその基底膜の露出した部分に接着していた 続きを見る
19.

論文

論文
泉, キヨ子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.603-616,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9236
概要: 金沢大学 医 公衆衛<br />1)転倒者は非転倒者に比べて重心動揺面積が大きく,特に静止開眼時,0.3Hzの左右振動及び前後振動の面積,0.7Hzの前後振動の面積に差が認められた. 2)転倒者においてX軸方向は,0.025-1.0Hzを中 心に0.7Hzの周波数の振動時に,Y軸方向は,0.025-1.0Hzの静止開眼時や振動時に大きくなり,共に1Hz以下の低い周波数帯域に注目する必要があることが認められた. 3)トータルスペクトラム値の比較では,静止開眼時は,Y軸方向の動揺に差がみられ,左右に振動した場合は,0.3HzはY軸方向の動揺に,0.7HzではX軸方向の動揺に差がみられた.前後の振動の場合では,0.3Hzと0.7Hz共にX軸方向の動揺に差がみられた. 4)三次元動作分析による歩行角度の比較では,転倒者の方が体幹の平均前屈角度と最小前屈角度及び最大前屈角度は有意に大きいことにより,体幹の角度が転倒予測因子として抽出された 続きを見る
20.

論文

論文
岡部, 洋子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.617-626,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9237
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)DMSO添加培養により,分化を誘導したHL60細胞では増殖能は低下し,ヌクレオリンの発現量は減少し,又,AgNORsの数も大きさも減少し,小型になった. 2)NHL患者リンパ節細胞のヌクレオリン陽性率は 様々で,陽性率は2.4~79.4%で平均値とその標準偏差は27.7%±22.5とばらつきがあった. 3)NHL患者リンパ節細胞の一個の核当たりの平均AgNORs数の20例全例の平均値とその標準偏差は2.83±0.77で1.64~4.40迄の値であった. 4)NHL患者リンパ節細胞においてヌクレオリン陽性率とAgNORsの数は正の相関関係が認められた. 5)AgNORsの数とヌクレオリンの陽性率により,増殖活性が低い型,増殖準備状態の型,盛んな増殖があった後の状態の型,連続して増殖が盛んな型の4つに分類できた. 6)連続して増殖の盛んな型と増殖活性の低い型で治療後の無病生存例が多く,予後が良好であった 続きを見る
21.

論文

論文
高松, 秀行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.673-682,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9241
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)輸血歴があるCyA依存性のAAの患者IVでは,複数のTCRVβ増幅産物中に多数のバンドが検出された. 2)輸血歴のないCyA依存性のAAの患者IとCyAが無効であった患者IIIの骨髄中に,それぞれVβ1 5+とVβ19+T細胞の単クローン性増殖が示唆された.患者Iの骨髄から単離したCD4+T細胞クローンの一つのKN15はVβ15+であり,このKN15のVβ15cDNA増幅産物のSSCPゲル上の泳動度は,骨髄で優位に増殖しているT細胞クローンの泳動度と一致していた. 3)骨髄T細胞由来のVβ15+cDNAを増幅・サブクローニング後,CDR3領域の塩基配列を決定したところ,無作為に抽出した20クローン中18クローンがKN15と同一の塩基配列を示した. 4)免疫学的な抑制機序が発症に関与していると考えられるAA患者の骨髄では,何らかの抗原に反応して単クローン性に増殖するCD4+T細胞が存在していることが明らかになった 続きを見る
22.

論文

論文
松村, 孝司
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.478-495,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9225
概要: 金沢大学 医 眼科<br />従来の静的コントラスト感度測定法に「動き」の要素を加味した新しい装置[動体検知コントラスト閾値(CTMP)測定装置]を試作し,本装置(試作機)を使用して糖尿病群と対照群とで矩形波空間変調格子模様の動きを検出でき るコントラストの最低値(CTMP)を測定した.CTMPの平均値は試作機・小型機共に対照群に比して糖尿病群で有意に高かった.糖尿病群のCTMPは,試作機では100眼中45眼で,小型機では194眼中166眼で,更に糖尿病網膜症を呈しない時期においても試作機では86眼中31眼で,小型機では162眼中135眼で対照群でのCTMPの最大値を越えていた.CTMPと静的コントラスト閾値との間には相関は認められなかったが,CTMPは律動様小波(O1~O4)振幅の総和,O1頂点潜時及びO2頂点潜時と相関した 続きを見る
23.

論文

論文
郭, 文治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.496-505,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9226
概要: 金沢大学 医 第2内科<br />1)心臓カテーテル検査を受けた17,731例中56例(0.32%)に冠動脈起始異常症が認められた. 2)成人例においては,右冠動脈が左バルサルバ洞より起始するタイプの異常が78.6%と最も高頻度であった. 3)冠動脈起始異常症では冠動脈に器質的狭窄を有さなくても,運動負荷試験中に血圧の低下や心室頻拍の発生等の重篤な合併症を33例中5例に認めた.又,失神の既往を56例中8例に認め,うち1例で,失神の原因が心室頻拍であることが確認された. 4)冠動脈起始異常症では,大動脈弁閉鎖不全症の合併が56例中12例と高頻度に認められた. 5)冠動脈に器質的狭窄を有さない冠動脈起始異常症の長期予後は,外科治療なしでも比較的良好であると思われた 続きを見る
24.

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彼谷, 裕康
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.506-517,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9227
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)MTTアッセイについての基礎的検討では,分離した単核球のうち腫瘍細胞が80%以上を占める検体が試験に適し,培養期間はリンパ系細胞では2日間,骨髄系細胞では4日間,感受性の有無の閾値は阻害率70%とするの が最も適当と考えられた. 2)成人ANLLの未治療例,成人NHLの難治療例及び再発例において,MTTアッセイの結果と臨床効果が良く相関した. 3)ANLLの難治療例及び再発例でMTTアッセイでの偽陽性例が多く,MDRの関与も考えられたが,今回の未治療例での検討では偽陽性例にMDR発現が多いということはなかった. 4)MDRの発現と寛解率及び生存率との間には有意な相関は認められなかった.又,生体外でアントラサイクリン系抗腫瘍剤に対する感受性の有無とMDR発現との関係について検討したところ,同様に有意な関連は認められなかった 続きを見る
25.

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佐藤, 保則 ; 近藤, 稔和 ; 大島, 徹
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.530-537,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9229
概要: 金沢大学 医 法医), 近藤稔和, 大島徹<br />自殺者総数は1,374例(男841例,女533例)であり,年次別にみると177~221例の間を推移しており,年間平均は196例であった.季節では春と秋に多発する傾向がみられ,曜日別では月 曜に最も多く土・日曜には少なかった.又,自殺の最も多い年齢層は男女とも50歳代であり,60歳代迄の全年齢層で男の自殺者数が女を上回っていたが,70歳代以降では女の方が多かった.自殺手段は男女とも縊頸が過半数(男59.9%,女54.0%)を占め,次いで男ではガス(10.9%),女では入水(21.0%)が多かった.自殺の場所は屋内,特に自宅屋内が多く,発見者の多くは自殺者の同居家族であり,自殺者の58.2%は無職者であった.自殺の動機は病苦,精神疾患の順に多く,最近の不況を反映して経済的理由が漸増する傾向がみられた.又,10.2%の自殺者が過去に自殺企図歴を有していた 続きを見る
26.

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疋島, 一徳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.551-568,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9231
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />原発性肺癌215例を対象に,術前化学療法の投与法別に3治療群に分け,抗Fasモノクローナル抗体を用い,Fas抗原の発現率を検討した. 1)術前無治療群のFas抗原発現率は46.3%, BAI群61.1%, IT群70%と術前化学療法群が有意に高率であった.Fas抗原発現量を表すCYTOADに関しても,術前無治療群0.259±0.051, BAI群0.280±0.059, IT群0.300±0.052と有意差で術前化学療法群が高値を示した. 2)Fas抗原はBAI群において,制癌剤の投与薬剤数が増すごとに発現率が高くなる傾向を示し,CYTOADは1剤群0.251±0.042, 2剤(及び3剤)群0.296±0.056, 4剤群0.304±0.073で多剤投与が有意に高値を示した.IT群では,投与回数に比例し,Fas抗原の高率,CYTOADが高値となる傾向を認めた. 3)術前無治療群と異なり,術前化学療法群(BAI群とIT群)のFas抗原陽性例はFas抗原陰性例より有意に予後が良好であった 続きを見る
27.

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月岡, 雄治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.392-399,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9215
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />BxPC-3, AsPC-1, Capan-1の3種類の細胞は,混合培養,培養上清のいずれにおいてもPC12の神経突起伸長を促した.Panc-1, MIA PaCa-2の2種類の細胞は,培養上清によってのみ 有意な神経細胞PC12の突起伸長を促した.これらの結果から,ヒト膵癌培養細胞は,神経細胞の突起伸長,臨床的には神経線維の増加を促す作用を有することが示唆された.又,ヒト膵癌細胞ではb-FGFとNT-3の発現を認め,特にNT-3が神経細胞と突起伸長,神経線維の増加に強い影響を持つと考えられた 続きを見る
28.

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高畠, 一郎
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.406-419,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9217
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />1)N2肺癌182例の縦隔リンパ節転移は,単一レベル転移77例,複数レベル転移は105例で,のべ345レベルの転移を認めた. 2)縦隔リンパ節SHの頻度は原発性非小細胞肺癌384例中1度,24例;2度,79 例;3度,196例;4度,85例であった.リンパ節転移陽性例でSHの反応が低下していた. 3)縦隔リンパ節FHの頻度は0度,55例;1度,60例;2度,105例;3度,164例であった.FHは男性,T因子,N因子高値,扁平上皮癌,リンパ管侵襲陽性例,静脈侵襲陽性例で高い反応を示していた. 4)SH高反応群の方が低反応群よりも有意に,N1-2全体,N1-2扁平上皮癌症例,全腺癌症例でFH低反応群の方が高反応群よりも有意に予後良好であった. 5)原発巣リンパ管侵襲は132例中65例で陰性,67例で陽性であり,T因子,N因子の高値と共に陽性例が増加していた 続きを見る
29.

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東出, 朋巳
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.427-439,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9219
概要: 金沢大学 医 眼科<br />1)新しいcDNAクローンHRG4はノーザンブロット法において約1.4k塩基の位置で網膜特異的な発現を示し,240個のアミノ酸からなる既知のタンパクと類似しない酸性・親水性のタンパクを規定していた. 2)ラット におけるHRG4の相同遺伝子であるRRG4のcDNAは約1.3kbpからなり,240個のアミノ酸を規定していた. 3)HRG4とRRG4のカルボキシ末端側3/4は100%同一であるのに対して,アミノ末端側1/4は68%と低い相同性を示した.アミノ酸配列から推定される分子量はHRG4及びRRG4共に約27kDaであったが,試験管内転写・翻訳の結果ではそれぞれ35及び33kDaであり,推定値との差はプロリンに富むアミノ末端側1/4の存在によると考えられる. 4)HRG4及びRRG4の網膜内での発現部位は視細胞である. 5)RRG4のmRNAの発現は,視細胞の分化・成熟に伴って急激に増加し,分化完了後は高いレベルを保っていたが,明らかな日内変動を示さなかった 続きを見る
30.

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大田, 聡
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.440-449,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9220
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />1)HCV抗体陽性100例中8例に蛋白尿を認め,うち3例はIFN投与による一過性蛋白尿であり,2例にHCV関連腎症を認めた. 2)生検953例中16例(1.7%)にHCV抗体陽性を認め,うちMPGNでは12 例中4例と有意に高率であった. 3)HCV陽性29例の腎組織学的検討より,メサンギウム増殖性糸球体腎炎を5例(17%)に,MPGNを4例(14%)に,肝性糸球体硬化症を10例(34%)に認めた.更にIgA腎症,糖尿病性腎症の合併が認められた. 4)糸球体係蹄に沿って上皮下を主体とする免疫複合体沈着部位に一致したHCVコア抗原ならびにIgGの沈着及び内皮下へのクリオグロブリンと考えられる細線維沈着を認めた.HCV関連腎症はわが国においては希な病変であり,肝疾患の進行に伴って生じる肝性糸球体硬化症及び一次性糸球体疾患の合併と治療上からも厳密に区別する必要がある 続きを見る
31.

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室野, 重之
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.187-202,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9196
概要: 金沢大学 医 耳鼻科<br />上咽頭癌症例の原発巣56例,頸部転移リンパ節18例において,免疫組織化学的にEBV遺伝子産物,p53蛋白,bcl-2蛋白の検出を行い,PCR法によりEBV-DNAの検出を行った. 1)EBERs陽性例は,56 例中46例に認めた.組織別にはWHO分類の2型(分化型非角化癌)では32例中30例,3型(未分化癌)では17例中16例に陽性であったが,1型(扁平上皮癌)では5例全てが陰性であった. 2)EBV-DNAは,検討した42例中35例で検出された.EBERsと同様にWHO分類1型の3例では検出されなかった. 3)p53蛋白陽性例は56例中31例に認めたがEBERsの発現と相関しており(p<0.05), p53蛋白の発現におけるEBVの関与が示唆された. 4)bcl-2蛋白陽性例は56例中50例に認めたが,bcl-2蛋白の発現はEBERsの発現及びLMP1との発現と相関がなく,EBV感染に依存するものではない 続きを見る
32.

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田尻, 和八
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.215-221,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9198
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />根性坐骨神経痛の発現における病変部位より末梢を流れるインパルスの関与を調べる為に,臨床的及び実験的検討を行った. 1)臨床的検討として,根性坐骨神経痛の19例に病変部位より離れた腓骨頭部で総腓骨神経ブロック を行い,リドカイン群がプラセボ群に比し有意に有効であった. 2)実験的検討として,坐骨神経の中枢を電気刺激し坐骨神経末梢で記録すると,皮膚での反射波と考えられる波形が得られた. 3)以上より,根性坐骨神経痛の発現には,病変部位より末梢を通過するC線維のインパルスが皮膚で反転して大脳まで伝導される経路が関与していると考えられた 続きを見る
33.

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藤田, 拓也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.295-308,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9206
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />椎骨内存在範囲,椎骨内及び椎骨外進展様式の検討結果から,転移性脊椎腫瘍の局所進展様式は以下のように考えることができた.転移腫瘍細胞は,椎体後方部に着床し,椎体内骨髄を増殖進展する.垂直方向ではバリアー組織で ある軟骨板,線維輪に達し,水平方向では,後縦靱帯に達し,肋椎関節,椎体側面骨膜,前縦靱帯へと到達する.椎弓根を通り椎骨後方要素へも進展しその骨膜に達する.後縦靱帯は弱いバリアー組織であり,脈管貫通部周囲より次第に破壊されるが,多くは薄い膜様線維性組織が表面を覆う.しかし,後縦靱帯側方部分から硬膜外腔に浸潤することもある.又,椎体側面骨膜,椎弓骨膜も破壊され,同様に薄い膜様疎性線維性組織が表面を覆うが,時に傍脊椎部,傍脊柱筋に進展する.腫瘍細胞は椎体偶角部より隣接椎体に,又,傍脊柱筋より隣接椎弓にも進展する 続きを見る
34.

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寺崎, 修一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.333-349,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9209
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />肝腺腫様過形成の細胞増殖活性,肝硬変剖検例におけるサーベイ,組織学的予後因子について臨床病理学的に検討した. 1)AgNOR染色とPCNA免疫染色を用いて増殖活性を検討したところ,AAHの増殖活性は,肝硬変 とHCCの中間であった.OAHの増殖活性は肝硬変と同等であった.AAH内部にみられたHCC巣の増殖活性はHCCと同等であった. 2)全肝硬変剖検例のうちAHは257例中55例に140結節みられ,AAHは15例に44結節,OAHは44例に98結節みられた.AAH 44結節のうち18結節はMF(+)AAHであった. 3)OAHの合併率はHCCの有無と関連はなかったが,AAHはHCCを合併した肝硬変に高率に合併しており,HCCを合併していない肝硬変にはみられなかった. 4)HCCへの進展と関連していたのは核密度の増加,脂肪化,小細胞性ディスプラジアであった.特に小細胞性ディスプラジアと脂肪化の両所見がみられた3結節は全てがHCCへ進展した 続きを見る
35.

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永里, 敦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.350-362,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9210
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />甲状腺分化癌非再発例40例,再発例19例を対象に免疫組織学的にpRB発現とPCNA染色率及びLM, FN発現量を測定した. 1)pRB染色率は,再発例で有意に低値であった. 2)PCNA染色率は,再発例で有 意に高値であった. 3)20mm以下の腫瘍径で再発をきたしているものはpRB染色率が有意に低値であり,PCNA染色率も高値であった. 4)t4症例で再発していない症例はPCNA染色率が有意に低値であった. 5)LMの発現量は,再発例で有意に低値であった. 6)リンパ節再発例で1年以内に再発した例では,再発腫瘍のPCNA染色率は原発腫瘍に比べて有意に高率であった. 7)無再発率との関係では,pRB低値群及びPCNA高値群で有意に再発の危険性が高かった.以上の結果から,甲状腺分化癌においてpRB及びPCNA染色率とLMの発現量は再発の予測因子となりうることが示唆された 続きを見る
36.

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加藤, 直子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.17-28,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9180
概要: 金沢大学 医 眼科<br />本研究では偽落屑症候群における虹彩の微細構造的変化を研究し,本症候群において臨床的に観察される虹彩等の異常所見の原因の形態学的説明を試みた. 1)前境界層の細胞と虹彩色素上皮細胞における細胞内小器官の変性,細胞 内及び細胞外空胞の形成,細胞の脱落は臨床的に虹彩萎縮として観察され,虹彩色素上皮細胞内のメラニン色素顆粒の遊離は散瞳後の前房内メラニン色素飛散として観察される. 2)瞳孔散大筋及び瞳孔括約筋の筋細胞における細胞内小器官の変性や細胞内空胞の出現等の非特異的変性,筋組織の菲薄化及び筋組織内の落屑物質の沈着は臨床的に観察される散瞳不良の所見と関連する. 3)血管内皮細胞,血管周囲細胞の変性と内皮細胞基底膜の断裂は血液房水柵の破綻をきたし臨床的には前眼部蛍光血管造影の異常として観察され,更に虹彩各部の血流障害を惹起し各組織の非特異的変性を惹起し得る 続きを見る
37.

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論文
原田, 憲一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.39-53,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9182
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />1)定型的細胆管は,全ての肝胆道型疾患で種々の程度に増生していた.非定型的細胆管は,PBCやPSC等の原発性胆道系疾患及び肝外閉塞性黄疸,アルコール性肝線維症,亜広汎性肝壊死,肝硬変,慢性活動性肝炎例で種々 の程度と頻度でみられた. 2)定型的細胆管は胆管上皮固有の表現型を有し,増殖活性の亢進も認めた.小葉間胆管での胆管上皮細胞の増殖活性も亢進していた.つまり,定型的細胆管増生は既存の胆管上皮細胞からの増生による. 3)細胞増殖活性の弱い非定型的細胆管はPBCやPSC等の慢性胆汁うっ滞例でみられ,主として肝細胞の化生による見かけ上の増生である. 4)増殖活性の高い非定型的細胆管は肝外閉塞性黄疸,亜広汎性肝壊死,肝硬変や慢性活動性肝炎例でみられ,不完全な表現型の発現を示す胆管細胞の増殖と考えられ,これら疾患での肝細胞消失に関連する一つの現象と考えられた 続きを見る
38.

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塚, 正彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.81-93,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9185
概要: 金沢大学 医 第1病理<br />動脈硬化を有する大動脈壁におけるMMP-1(間質性コラゲナーゼ), MMP-2(72kDa ゼラチナーゼ,ゼラチナーゼA), MMP-3(ストロムライシン-1), MMP-9(92kDa ゼラチナーゼ,ゼラ チナーゼB)及びTIMP-1, -2の免疫組織化学的局在を検討すると共に,各分子種について動脈壁組織からの分泌量を定量し,培養上清のゼラチン,コラーゲン或いはエラスチンに対する分解活性を測定した.MMPsとTIMPsが動脈の生理的及び動脈硬化に伴う内膜マトリックスの改築に深く関与し,特に動脈硬化症の進展に平滑筋細胞とマクロファージの産生するMMP-1とMMP-9が重要な役割を果たしていることが示唆された 続きを見る
39.

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岡田, 由恵
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.94-101,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9186
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />1)DNAメチルトランスフェラーゼmRNAの発現量は星状細胞腫(grade II)では正常脳の20倍から50倍,退形成性星状細胞腫(grade III)では200倍から4,500倍,膠芽腫(grade I V)では800倍から2,000倍と特に悪性度の高いもので過剰発現が認められた.星状細胞腫を良性,退形成性星状細胞腫及び膠芽腫を悪性として比べると,DNA メチルトランスフェラーゼmRNAの発現量に有意差を認めた. 2)DNA メチルトランスフェラーゼ mRNAに対するRNAプローブを用いた組織内ハイブリダイゼーションの結果,定量結果に一致して悪性のグリオーマで強陽性のシグナルを認めた.以上の結果から,グリオーマではDNA メチルトランスフェラーゼ mRNAは良性のものでも発現しており,悪性のもので過剰発現していることが示された 続きを見る
40.

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新井田, 要
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.121-135,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9189
概要: 金沢大学 医 小児科<br />XLA2家系に対しBtk遺伝子異常の解析を行った. 1)家系1においてはBtk遺伝子の翻訳領域,一部のプロモーター領域を含む5'非翻訳領域,3'非翻訳領域,イントロン10内の調節領域のいずれにも変異は認められ なかった.しかし,CRT-PCRの結果Btk遺伝子の発現量は正常の1/8に低下しておりBtk遺伝子の転写に障害があるものと考えられた.この結果はBtk遺伝子の未知の調節領域の変異の可能性を示唆する. 2)家系2においてはエクソン16のスプライスドナーに1塩基置換があり,このため,mRNAのスプライス異常をきたし60bpの挿入が生じていた.この変異の為,エクソン16以降にフレームシフトを生じBtkタンパクの早期翻訳終結が生じた.CRT-PCRの結果Btk遺伝子の発現量は正常の1/32に低下していたが,これはスプライス異常をきたしたmRNAが不安定である為と解釈された 続きを見る
41.

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広野, 靖夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.144-153,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9191
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />細胞運動に関係するAMF受容体の発現が胃癌の進展にどのような役割を果たしているかについて,原発性胃癌切除標本と胃癌培養細胞株を用いて検討した. 1)抗gp78モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学染色の結果 ,AMF受容体の発現は胃癌の浸潤や転移と関係する病理学的因子と高く相関し,発現群は非発現群より有意に予後不良であった. 2)全ての胃癌培養細胞株でAMF受容体mRNAが検出され,オルタナティブポリアデニル化によると考えられる新しいAMF受容体mRNA分子種も見出された.AMF受容体mRNAをコードする遺伝子には増幅や大きな構造変化は認められなかった.AMF受容体mRNAは正常粘膜にも低レベルで存在していた. 3)AMF受容体mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド投与によりTMK-1胃癌細胞株の浸潤が抑制された.細胞増殖は大きな影響を受けなかった 続きを見る
42.

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山本, 靖彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.162-169,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9193
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />糖尿病状態で促進的に形成される後期糖化反応生成物(AGE)が培養膵癌細胞の増殖にどのように影響するかを検討した. 1)培養膵癌細胞Mia PaCa-2細胞の増殖はAGEの濃度に依存して促進された. 2)AG EはMia PaCa-2細胞のPDGF-B mRNAレベルを増大させ,抗ヒトPDGF-BB抗体はAGEによるMia PaCa-2細胞のDNA合成をほぼ完全に抑制した. 3)RAGE mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド投与により,AGEのMia PaCa-2細胞のDNA合成促進及びPDGF-B遺伝子発現誘導効果はほぼ完全に抑制された.以上の結果より,AGEは培養膵癌細胞Mia PaCa-2細胞の増殖を誘導し,この増殖誘導にはPAGEを介するオートクリンPDGF-Bの産生亢進を介するものと結論された 続きを見る
43.

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村瀬, 真一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.648-654,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9166
概要: 金沢大学医学部附属神経情報研究施設<br />ナイアシンアミド拮抗剤である3-APは,培養下のヒト ニューロブラストーマIMR-32細胞に選択的に細胞死を誘導した.この細胞死は,形態学的にはアポトーシスの特徴を有し,又,蛋白質やRNA阻害剤 により細胞死の進行が阻止された.ヌクレオゾーム単位のDNA断片化はみられなかったが,この細胞死はアポトーシスに属すると考えられた.この3-AP誘導IMR-32細胞死は,神経細胞死の分子機序の解析に有用なモデルとなると考える 続きを見る
44.

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瀬野, 晶子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.742-749,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9174
概要: 金沢大学 医 小児科<br />1)サンドイッチELISA法による尿中IL-6濃度の測定は,生物学的IL-6活性値と良好な相関を示した.又,腎尿路系疾患における炎症の程度をよく反映し,非糸球体性疾患との鑑別も可能であり,検体量や測定法の簡便 さの点でも非常に有用と思われた. 2)学校検尿において,尿中IL-6高値例の占める割合は三次検査対象者では,一次検尿,二次検尿受診者よりも有意に高く,又,三次検査対象者のうち医療機関で異常なし,無症候性血尿,無症候性蛋白尿体位性蛋白尿と診断されていた症例や,全く受診していなかった症例の中に少なからずIL-6高値例が認められた.学校検尿に尿中IL-6測定を加えることにより,三次検診対象者のうち,腎尿路系に炎症性病変を有する可能性のある症例を選別することができると思われた 続きを見る
45.

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坂東, 琢麿
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.750-757,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9175
概要: 金沢大学 医 第3内科<br />1)非小細胞肺癌由来のEBC-1株,PC-3株,RERF-LC-MS株では2種の異なる構造を有するトロンボキサン受容体拮抗薬S-1452及びBAYu3405処理によりCDDP感受性が増強された. 2)S-1 452処理によりRERF-LC-MS株ではCDDPの細胞内取り込み量が増加した. 3)S-1452処理により非小細胞肺癌株の細胞膜Na+, K+-ATPase活性が増強された. 4)小細胞肺癌由来のSBC-1株とSBC-3株ではS-1452による感受性増強作用は明らかではなかった. 5)S-1452処理によりSBC-2株では細胞膜Na+, K+-ATPase活性が増強されたが,CDDP感受性の増強は明らかではなかった 続きを見る
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論文

論文
東馬, 智子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.758-767,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9176
概要: 金沢大学 医 小児科<br />1)フローサイトメトリーにより,好酸球は末梢血中の顆粒球分画におけるCD16抗原陰性細胞群として得られ,二重免疫蛍光染色により,選択的に好酸球表面の抗原発現を解析することが可能であった. 2)IL-5やGM- CSF等の好酸球活性化サイトカインによる全血培養では,末梢血好酸球表面のCD11b抗原発現が極めて早期に増強し,CD69抗原発現が経時的に誘導された. 3)末梢血好酸球表面のCD11b抗原の発現は,アレルギー群において有意に増強しており,末梢血好酸球総数よりも鋭敏な病態評価の指標となると考えた. 4)CD69抗原は通常のアレルギー疾患では末梢血好酸球表面には発現せず,炎症局所に浸潤した好酸球表面に強い誘導が認められた.好酸球増多症の2例では,一部の末梢血好酸球表面にもCD69抗原が強く発現しており,生体内で強い活性化を受けた状態にあることが示唆された 続きを見る
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論文

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東馬, 智子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.768-777,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9177
概要: 金沢大学 医 小児科<br />1)好塩基球表面結合IgEは年齢依存性に増加し,血清IgE濃度とも高い相関を示した.アレルギー群では乳児期前半から強いIgE結合を示し,乳児期のアレルギー感作の指標としては,血清IgE濃度よりも鋭敏である可能 性が示唆された. 2)血清IgE濃度と好塩基球結合IgEの相関を検討し,比較的低い血清IgE濃度でFceRIが飽和する可能性が示唆された. 3)臍帯血や種々の好塩基球結合IgEを示す検体と過剰のIgEを培養すると,好塩基球表面にある一定のIgE結合誘導或いは増加を認めたが,成人の飽和状態には至らなかった. 4)乳児期に喘鳴を繰り返す症例で,血清IgE濃度と好塩基球IgE結合を同時に測定することは,アレルギーの関与の有無を判定し,治療方針を決定する際に有用な指標となる 続きを見る
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森田, 克哉
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.600-610,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9162
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />原発性肺癌症例96例を対象にフローサイトメトリー法を用いて腫瘍細胞のPCNALI及び核DNA量を同時定量的に測定した. 1)96症例に対し1症例につき平均3.4個のサンプルが採取,測定可能であった. 2)P CNALIは免疫組織化学染色から算出したものと,フローサイトメーターから算出したものものとはよく相関したが,フローサイトメーターから算出したものがより正確であった. 3)異数倍体細胞群のPCNALI(40.4±22.7%)は二倍体細胞群のPCNALI(15.9±11.2%)に比べ有意に高かった. 4)腺癌では全細胞数内異数倍体細胞数占有率が高くなるにつれて,測定サンプルのPCNALIが高くなる傾向を認めた. 5)扁平上皮癌では腫瘍径とPCNALIとは正の相関を認めた. 6)PCNALI高値のもので予後不良であった 続きを見る
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林, 子清
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.622-636,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9164
概要: 金沢大学 医 法医<br />1)DNA分析によって性別判定を行う場合は,湿潤環境に比べて乾燥環境に置かれた試料の方がより適していた.ただし,湿潤環境でも低温環境(4℃)に保存された試料は,4週間まで十分に性別判定が可能であった. 2)10 0℃で12時間,150℃で2時間,200℃で30分間の条件下で加熱された試料については,PCR法によるヒト性別判定に用いるDNA領域の増幅が可能であった. 3)長期間ホルマリン固定やホルマリン固定後パラフィン包埋する操作によりDNAは低分子化したが,DNA分析による性別判定については両者とも15年まで,ABO式血液型の遺伝子型判定は両者とも3年まで可能であった. 4)DNA分析の方法を用いて,法医学実務上の試料,たとえば白骨化死体や高度焼損死体等における既に低分子化した試料や極く微量の試料についても,性別とABO式血液型の遺伝子型が確実に判定された 続きを見る
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吉光, 裕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.410-417,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9145
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)パネート細胞の細胞質顆粒にトリプシンの発現をみとめた.その発現は多様であった. 2)パネート細胞にキモトリプシンの発現はみなかった. 3)主膵管閉塞では非閉塞群に比して,十二指腸1陰窩あたりの平均パネー ト細胞数は有意に増加していた.パネート細胞におけるトリプシン陽性率も有意に高率であった. 4)十二指腸1陰窩あたりの平均パネート細胞数と膵腺房細胞残存率との間には有意な負の相関がみられた.パネート細胞におけるトリプシン陽性率と膵腺房細胞残存率との間に有意な負の相関がみられた. 5)PFD異常値群ではPFD正常値群に比し,十二指腸1陰窩あたりの平均パネート細胞数は有意に増加していた.以上の結果より,十二指腸パネート細胞は膵外分泌機能の低下に際して,その数が増加し,トリプシン陽性物質が増加することにより,消化管内での消化機能,特に蛋白消化の代償に関与していると考えられた 続きを見る