1.

論文

論文
清川, 裕明
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.658-672,  1996-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9240
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />家兎摘出大腿動脈を用い,5HT, NE, 高Kの血管収縮反応に及ぼすインスリンの影響を内皮の有無により比較し,更に,内皮温存標本においてアスピリン及びL-NAMEのインスリン作用への影響及びAchとSPによ る内皮依存性拡張反応に対するインスリンの作用を検討した. 1)インスリンは,内皮剥離標本において濃度依存性に,5HT, NE, 高Kの収縮を抑制した. 2)インスリンにより内皮温存標本でも収縮物質に関わらず,非特異的な収縮抑制を示したが,内皮剥離標本に比べ血管収縮抑制の程度は大きかった. 3)内皮温存標本での,インスリンの血管拡張作用はアスピリン投与により変化しなかった. 4)内皮温存標本での,インスリンの血管拡張作用はL-NAME投与により収縮物質に関わらず,非特異的に抑制された. 5)インスリンによりAch及びSPの内皮依存性血管拡張反応が増強した 続きを見る
2.

論文

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高橋, 麗子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.71-80,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9184
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />サーファクタントの作成に必要な脂質の種類と割合を検討する為,種々の合成リン脂質の組合わせと蛋白質からなる再構築サーファクタントを作成して,生物学的及び物理学的活性を調べた. 1)疎水性蛋白質であるSP-Bと SP-Cはサーファクタントの活性に不可欠な因子である. 2)サーファクタントの脂質として,飽和脂肪鎖を持つDPPCだけでは不十分である. 3)酸性リン脂質であるPGはサーファクタントの活性発現に必要な脂質である.サーファクタントの全脂質に対するPGの割合としては15~20%が適当であると考えられる. 4)不飽和脂肪鎖をもつu-PCはサーファクタントの動的条件下における性能を高め,換気量を増加させる為に必要な物質である.DPPC, PG,及びu-PC(重量比,60:20:20)を混合して作成したサーファクタントは,天然肺サーファクタントとほぼ同様の活性を示した 続きを見る
3.

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坪川, 恒久
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.102-111,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9187
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />ウサギにプロポフォールを持続静注し,動脈血酸素分圧がプロポフォールの薬物動態とその基剤である脂肪の代謝に与える影響を検討した. 1)高酸素環境ではプロポフォールのクリアランスは空気吸入時と差がなかった.しか し,プロポフォールの基剤として用いられる脂肪のケトン体生成系で処理される比率が高まり,動脈血中のケトン体濃度が大きく上昇する. 2)低酸素環境では,肝でのプロポフォールの除去率の低下と肝血流量の低下の相乗作用により,プロポフォールのクリアランスは約2分の1に減少し,血中濃度は平均で約2倍に上昇した.肝のミトコンドリアは酸素の供給不足により還元状態となり,プロポフォールと脂肪の代謝は抑制されていると考えられた. 3)空気吸入下ではプロポフォールのクリアランスは十分に大きく代謝は早かった.したがって,鎮静度の調節は容易であり,投与中止後の覚醒も迅速であると考えられた 続きを見る
4.

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青山, 和裕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.668-679,  1995-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9168
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)家兎脛骨に骨欠損を作成し,圧縮荷重及び引張荷重を与え,骨欠損部に生じた骨形成量を定量的に評価した. 2)圧縮荷重だけでなく引張荷重でも骨形成が促進する. 3)圧縮荷重及び引張荷重のいずれを与えた場合にも 低い有効応力(初期に生じた有効応力の大きさが0.0~4.1MPa,ひずみに換算すると0.0~347.5μstrain)を示す領域よりも高い有効応力(初期に生じた有効応力の大きさが2.7~10.8MPa,ひずみに換算すると228.8~915.3μstrain)を示す領域に骨形成が多くみられ,力学的刺激量と骨形成量は相関する. 4)力学的骨再構築理論式を用い,骨欠損部での骨形成過程をシミュレーション計算により求めた.その結果は動物実験の結果と骨形成の全体的な傾向での満足のいく一致が得られたことより,この新しい力学的骨再構築理論式は様々な骨代謝動態を表現する上で有用であると考えられた 続きを見る
5.

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加藤, 要
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.428-453,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9147
概要: 金沢大学 医 眼科<br />1)カエルにおいて10~100μMドーパミンは暗所視系応答と考えられるb波後峰を減弱させ,薄明視系ないし明所視系応答と考えられる律動様小波,d波及びオフ小波を増大させる作用を有することが判明した. 2)ウサギに おいてドーパミン硝子体内注入(50μM)は弱刺激光によるbs波を減弱させ,その頂点潜時を短縮させたが,反復強刺激光による律動様小波を増大させた. 3)ドーパミンはウサギ網膜においても暗所視系応答を抑制し,明所視系応答を増大させた.以上の結果よりカエル及びウサギ網膜においてドーパミンは暗時に作用していた杆体系一錐体系抑制作用を解除することによって明所視機能を促進する可能性が指摘された. 4)ウサギにおいてドーパミン硝子体内注入(50μM)は光刺激開始直後の30Hzフリッカー網膜電図の振幅を増大させ,漸増現象の程度を減弱させ,ドーパミンが暗所視系から明所視系への抑制の解除に関与すると推論された 続きを見る
6.

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中山, 博文
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.483-491,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9151
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />家兎の大腿骨を延長することにより,坐骨神経を間接的に伸張した.2.0mm/日延長群(I群)及び4.0mm/日延長群(II群)を作成した. 1)電気生理学的検討でI群は延長直後に伝導障害を認めたが,8週後には 回復傾向を示した.II群では延長直後に,波形の痕跡化・消失を認め,8週後にも回復をみなかった. 2)I, II群共に8週経過しても,ワーラー変性・慢性炎症細胞の浸潤・神経内膜の線維化・神経周膜の肥厚等の所見はなかった. 3)電子顕微鏡的観察ではI群の延長直後には,ランビエ絞輪部の軸索の延長・髄鞘層板一軸索角の鋭角化及び軸索膜の軽度の不整が認められた.8週後にはそれらの組織変化の修復像が認められた.II群の延長直後では同様の組織変化がより顕著に認められ,8週後には,軸索膜の不整の増悪・基底膜の不鮮明化・軸索内細胞骨格の希薄化が認められた 続きを見る
7.

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高塚, 茂行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.335-343,  1995-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9138
概要: 金沢大学 医 歯口腔外科<br />関節円板の切除が必要な重症型の顎関節症に対する至適な再建方法と考えて,耳介軟骨を関節円板切除後の顎関節に中間挿入物として使用する術式の検討を行った.家兎の顎関節より関節円板を切除し,同側耳介より採取した軟 骨片を中間挿入物として使用し,関節円板切除のみの家兎の顎関節,正常顎関節と形態の変化ならびに移植片の動態を比較した. 1)関節円板切除を行った家兎の顎関節では,術後4週までは急性炎症症状を伴う関節軟骨の完全吸収,軟骨下骨の露出が観察され関節面は平坦になっていた. 2)関節円板切除を行った家兎の顎関節では,術後6週より関節軟骨の増殖が観察され,術後8週頃よりほぼ正常な軟骨層の再生がみられたが,関節面は著しく平坦であった. 3)関節円板切除後に耳介軟骨を移植した家兎では,関節形態はほぼ正常に保存されていた 続きを見る
8.

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西村, 立也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.121-131,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9118
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />ステロイド性大腿骨頭壊死症の病因病態を検索する目的で,ステロイド投与家兎における静脈の変化を病理組織学的および免疫組織学的に検討した. 1)ステロイドを8週間投与した家兎の静脈では,内膜における泡沫様細胞の 増殖や中膜の空胞化が認められた.免疫組織染色により,この泡沫様細胞は主に平滑筋細胞由来であることが明らかになった. 2)ステロイド投与家兎の静脈では,内膜におけるV型コラーゲンの増加が認められた. 3)ステロイド投与家兎の静脈を電子顕微鏡により検討したところ,走査電顕では内皮細胞の表面不整が認められ,透過電顕では平滑筋細胞内の筋原線維の変性および内皮細胞内に空胞が認められた.以上の結果より,ステロイドは静脈にも障害をもたらし,これによる還流障害が血流のうっ滞,および骨頭内圧の上昇をまねいて大腿骨頭壊死発生の要因の一つになっている可能性が示唆された 続きを見る