1.

論文

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佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 平成5(1993)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1993 Research Project Summary.  1993  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060284
概要: 金沢大学がん研究所<br />本研究では転移の抑制および転移癌の治療法の開発を最終目的として、受精鶏卵を用いるヒト癌転移実験系を駆使して、転移性癌細胞の悪性形質発現に係わる生体物質並びに転移過程におけるそれらの発現意義を明らかにするとともに 、転移抑制に有効な物質および効果的な使用法の研究開発を展開している。平成4年度の研究では、受精鶏卵胎児におけるヒト癌細胞の転移動態を明らかにし、さらに、ノーザンブロット法または特異抗体を用いた免疫組織化学染色法により高転移性癌細胞に発現される細胞外マトリックス分解酵素ならびに細胞接着因子を解析した。平成5年度は4年度の研究成果を基に、マトリックス分解酵素および細胞接着因子に対する阻害剤による転移抑制の可能性について検討した。その結果、フィブロネクチンあるいはラミニンに対する接着阻害合成オリゴペプチドとインテグリンβ_1サブユニットのmRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドはヒト線維肉腫細胞であるHT-1080の転移を抑制し、接着因子が転移抑制において有用な標的となる可能性が示された。一方、本研究で試験した市販試薬級のマトリックス分解酵素阻害剤は明らかな転移阻害活性が認められず、持続的効果と癌細胞の浸潤局部への集積性を考慮した新たな阻害剤を開発する必要性が考えられた。また、現在開発中の抗腫瘍性2'-デオキシシチジン誘導体、CNDAC(2'-cyano-2'-deoxy-1-β-D-arabinofuranosylcytosine)およびDMDC(2'-deoxy-2'-methylidenecytidine)の転移抑制効果についても受精鶏卵法により検討した結果、CNDACとDMDCはともにヒト癌細胞の微小転移巣に対して強い治療効果を示すことが明らかとなった。微小転移巣の早期診断と治療は癌の治療の成否を決定づける最も重要な要因である。CNDACおよびDMDCはヒト癌細胞の微小転移巣に対して強い治療効果を示し、微小転移巣の早期治療や転移予防への実際的な応用も期待される。<br />研究課題/領域番号:05152052, 研究期間(年度):1993<br />出典:「受精鶏卵を用いたヒト腫瘍転移実験モデルの確立とその応用」研究成果報告書 課題番号05152052(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05152052/)を加工して作成 続きを見る
2.

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大野, 真介 ; Ohno, Shinsuke
出版情報: 平成5(1993)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1993 Research Project Summary.  1993  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060285
概要: 金沢大学がん研究所<br />我々は、SCIDマウスに、マーカー染色体をもつBALB/c6.15マウス脾細胞を移入する実験系により、少なくともt(6;15)転座をもつ2例の形質細胞腫がSCIDマウス起源であることを見いだした。この知見は、t (6;15)転座型形質細胞腫の標的細胞は、pro〜pre-B段階にあるB細胞である可能性を強く示唆した。ところで、奇妙なことに、上記2例の形質細胞腫ABPC-SCID-IM-BおよびIM-Dは、いずれもアロタイプ“a"をもつIgA産生細胞であった。SCIDマウスは、そのIgH遺伝子領域がC57BL/Kaマウス由来の“b"アロタイプ型である以外、すべてBALB/c遺伝子型をもつ。また、本実験に用いられた、マーカー染色体をもつBALB/c6.15マウスは、AKR6.15マウスをBALB/cマウスに戻し交配して得られたもので、いくつかのAKRマーカーを残している。そこで、IM-B,IM-Dと、donor BALB/c6.15起源である形質細胞腫ABPC-SCID-IM-A,C,EとについてSSLP解析の比較を行った。(1)第12染色体の中心体より27cMに位置するSSLPマーカーD12Mit4では、IM-A,C,EがすべてAKRタイプであったのに対し、IM-B,IM-DはともにBALB/cタイプであった。SCIDマウスのD12Mit4は、BALB/cタイプである。(2)ところが、同染色体の中心体より50cMにあるD12Mit7では、IM-A,C,E,B,DすべてがBALB/cタイプであった。この位置、SCIDマウスではB6タイプである。(3)65cMに位置するIgh-C遺伝子は、得られた5例の形質細胞腫すべてについて、“a"アロタイプ(BALB/c型)であった。つまり、SCIDマウスに発症した形質細胞腫ABPC-SCID-IM-B,IM-Dでは、第12染色体の27より50cMの間で遺伝子組み換えが起こり、結果として“a"アロタイプをもつIgA産生細胞となったものと考えられた。<br />研究課題/領域番号:05152051, 研究期間(年度):1993<br />出典:「SCIDマウス系における形質細胞腫発症機構の分子細胞遺伝学的研究」研究成果報告書 課題番号05152051(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05152051/)を加工して作成 続きを見る
3.

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藤井, 雅寛 ; Fujii, Masahiro
出版情報: 平成5(1993)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1993 Research Project Summary.  1993  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060286
概要: 金沢大学がん研究所<br />1、CArG box配列を介したc-fos,egr-1,egr-2遺伝子の発現誘導機構:TaxはCArG box結合因子SRF(serum response factor)と直接結合することによって、これら遺伝 子群の転写活性を増強する。今回我々はTaxが酵母の転写因子GAL4とSRFとのキメラ蛋白(GALSRF)をGAL4結合配列特異的に活性化することを指標として、SRF(508アミノ酸から構成されている)C端のアミノ酸397番から435番の領域をTax活性化領域(Tax responsible region of SRF,TRRS)として同定した。Taxが存在しない場合、GALSRFのGAL4結合配列に対する活性はTRRSによってむしろ抑制された。c-fos遺伝子の転写能はCArG box配列を介して抑制的に調節され、この抑制制御はc-fos遺伝子の一過性発現制御に関与すると考えられている。今後この一過性c-fos遺伝子発現におけるTRRSの役割特に細胞性TRRS結合因子の検索およびその機能の解析を試みる。2、Taxによる細胞性初期遺伝子fra-1遺伝子の発現誘導機構:Taxによるfra-1遺伝子の発現誘導機構を解析するために、ヒトfra-1遺伝子プロモーター領域をクローニングした。CAT(chloramphenicol acetyltransferase)アッセイにより、3つの独立したTax応答性領域を同定した。これらの領域中にはCArGbox配列は存在せず、Taxによるfra-1遺伝子の発現誘導機構はc-fosの場合とは異なっていることが明らかになった。これらの領域中のRCE(Retinoblastoma Control Element)様配列および2つのFAP(c-fos AP-1)様配列がそれぞれTax応答性に関与することが示された。今後、RCE様配列を中心として、Tax活性化に関与する結合因子の同定および活性化機構の解析を試みる。<br />研究課題/領域番号:05152050, 研究期間(年度):1993<br />出典:「細胞性初期遺伝子群の転写制御因子p67^<SRF>のHTLV-1Taxによる活性化機構」研究成果報告書 課題番号05152050(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05152050/)を加工して作成 続きを見る
4.

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松島, 綱治 ; Matsushima, Kouji
出版情報: 平成5(1993)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1993 Research Project Summary.  1993  pp.3p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060287
概要: 金沢大学がん研究所<br />担癌宿主に於ける種々の癌病態を制御するサイトカインネットワーク分子機構の解析として以下のような成果があった。1)マウス大腸癌細胞株colon26のin vitroとin vivoにおけるサイトカイン産生を比較し たところ大きく異なることが判明した。更に、悪疫質をおこす株では選択的にIL6をin vivoで発現し、おこさない株ではIL6の産生がみられずIL1 receptor antagonistの発現が観られた。2)担癌宿主では腫瘍由来TGFbによるCD4+Thのサイトカイン産生抑制に加えIL6がMoによるTNF産生を抑制して抗腫瘍生体防御能を低下させていることがわかった。3)CD4+のCTL誘導抑制性Tsの存在を明らかにし、CTL標的抗原を決定した。4)ヒト胸腔内Moが癌性胸水中リンパ球のIL2による活性化を増強するとともにIL12がCD8+Tリンパ球よりCTLを誘導する時もMoが関与することを明らかにした。5)gp130,NF-IL6ノックアウトマウスを作製した。6)癌病態調節サイトカインIL8,IL6の遺伝子発現調節機構を詳細に解明した。in vitroとin vivo(癌部位)におけるサイトカイン産生検索は、サイトカインネットワーク解析の仕事はin vivoを想定してのみなしうることを示した。今後更に担癌にともないどのようなサイトカインが実際に発現されるのか、その産生細胞はどれか、実際にin vitroの観察から予想されているようなサイトカインネットワークが存在するのかを種々の癌細胞株を用いたマウスでのモデル実験を行なうとともにヒト癌においても検証する必要がある。サイトカイン遺伝子発現調節機構解析、受容体シグナル伝達機構解析の基礎研究をサイトカイン遺伝子、受容体遺伝子、転写因子、シグナル伝達分子ノックアウトマウス作製の仕事と連結し、サイトカインネットワーク機構解析のためのよいモデル動物を提供できることを期待する。<br />研究課題/領域番号:05151028, 研究期間(年度):1993<br />出典:「担癌宿主に於けるサイトカインネットワーク分子機構の解析」研究成果報告書 課題番号05151028(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05151028/)を加工して作成 続きを見る
5.

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清木, 元治 ; Seiki, Motoharu
出版情報: 平成5(1993)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1993 Research Project Summary.  1993  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060288
概要: 金沢大学がん研究所<br />1、各種のマトリックスメタロプロテイナーゼに対する単クローン抗体で胃癌組織を調べることにより、72-kDaと92-kDa type IV collagenaseの発現は共に初期癌では認められず進行癌でのみ高頻度 (65%)に起こることを示した。一方で、collagenaseの発現は初期から高頻度の発現を示した。2、92-kDa type IV collagenaseの発現誘導機構についてプロモーターの解析から、以下の点を明らかにした。炎症性サイトカインとv-Srcに代表されるシグナルによってそれぞれ独立に制御される。v-Srcシグナルによる誘導を受けるかどうかは細胞によって異なるがそれはプロモーター中のRCE(Rb control element)への結合活性の有無によって決まる。3、胃癌細胞を正所移植すると組織の線維芽細胞の産生するTGF-bによって癌細胞による72-kDaと92-kDa type IV collagenaseの発現が誘導され、転移能が昂進する。TGF-bの作用は細胞によって異なるがそれを決定する因子の一つとしてRbの欠失があることを明らかにした。所見:本研究班は今年で最終年度を迎える。この3年間で癌細胞の浸潤に関わる様々な細胞外マトリックスの分解酵素に関する情報が遺伝子から組織レベルで蓄積した。癌細胞の浸潤制御を可能にする標的分子としてどの細胞外マトリックス分解酵素が妥当かを決めることが今後の問題である。<br />研究課題/領域番号:05151027, 研究期間(年度):1993<br />出典:「がん細胞の浸潤性獲得の分子機構」研究成果報告書 課題番号05151027(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05151027/)を加工して作成 続きを見る
6.

論文

論文
佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 平成4(1992)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1992 Research Project Summary.  1992  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060289
概要: 金沢大学がん研究所<br />癌治療の成否は癌の転移および再発をいかに防ぐかにかかっている。転移の完全抑制こそ、癌治療の最大の課題と言える。本研究では転移の抑制および転移癌の治療法の開発を最終目的として、我々が独自に開発した受精鶏卵を用いる ヒト癌転移系と転移細胞の検出法を駆使して、転移抑制に効果的な物質および効果的な使用法の研究開発を展開中である。平成4年度の研究では、特異的DNA増幅反応法(PCR:Polymerasechainreaction法)を応用した転移細胞検出法及び病理組織学的手法を用いて受精鶏卵胎児におけるヒト癌細胞の動態を中心に調べた。その結果、受精鶏卵の血管内に移植したヒト癌細胞は移植後数分間で胎児組織に90%以上補捉され、移植後8時間から24時間以内に血管外に移行し、24時間後より増殖することが明らかになった。受精鶏卵法により、標的臓器の血管内皮細胞への接着、基底胯浸潤、増殖の各転移過程における癌細胞の生物学的解析が可能であることが明らかにされた。さらに、ヒト癌培養細胞にやけるIV型コラゲナーゼ及びその特異的阻害因子TIMP(tissueinhibitorofmetalloproteinase)の発現をノーザンブロット法により調べた結果、高転移性の線維肉腫栽養株、HT-1080ではIV型コラゲナーゼが恒常的に発現しているのに対して、その阻害因子の一つであるTIMP-1の発現がみられないことから、コラゲナーゼの発現と供に、TIMPによる活性制御が転移・浸潤において重要な意義を持つことが明らかになった。特異抗体を用いた免疫組織化学染色法によりヒト癌細胞の転移巣における細胞接着因子、コラゲナーゼ及びプラスミノーゲンアクチベーターの発現を調べた結果、ヒト線維肉種HT-1080細胞の鶏卵胎児肝転移巣ではフィブロネクチン、ラミニン及びコラーゲンに対する接着受容体であるVLA-3(α_3β_1インテグリン)の発現は見られるが、フィブロネクチンに対する接着受容体であるVLA-5(α_5β_1インテグリン)の発現は見られないこと、さらにIV型コラゲナーゼ、間質コラゲナーゼ及びウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターなども高レベルで発現していることが明らかになった。<br />研究課題/領域番号:04152051, 研究期間(年度):1992<br />出典:「受精鶏卵を用いたヒト腫瘍転移実験モデルの確立とその応用」研究成果報告書 課題番号04152051(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04152051/)を加工して作成 続きを見る
7.

論文

論文
松島, 綱治 ; Matsushima, Kouji
出版情報: 平成4(1992)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1992 Research Project Summary.  1992  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060290
概要: 金沢大学がん研究所<br />近年、生体防御反応、癌免疫において重要な役割を有すると考えられているインターロイキン1(IL1)にたいするナチュラルアンタゴニスト(IL1Ra)の在存が明らかになった。本研究では、IL1Raの作用機序の解明、担 癌状態におけるIL1Ra産生の証明ならびに担癌にともなう免疫不全症、悪疫質における内因性IL1Raの病態生理作用を明らかにすることを目的とする。本年度の主な成果として1)マウスIL1Raを遺伝子組み替え法にて大腸菌にて大量発現し、完全精製することに成功した。精製IL1Raはマウス/ヒトIL1RにIL1と同等の親和性を有し、IL1の生物活性を特異的に抑制することが確認された。2)精製IL1Raをウサギに免疫することによりIL1Raにたいする特異抗体を作製した。この抗体を用いてマウスIL1RaにたいするELISAによる測定法を確立した。3)癌悪疫質発生マウス大腸癌細胞株colon26(clone-20)のinvivoにおけるサイトカイン、サイトカインナチュナルアンタゴニスト産生をnorthemblotting法にて検索した結果、癌組織浸織マクロファージ由来IL1により刺激を受けた癌細胞によりIL6が過剰に且つ持続的に産生され癌悪疫質をもたりしていることが判明した。一方、癌悪疫質非発生colon26(clone-5)においては、癌組織においてIL1の他、同時に大量のIL1Raが産生されており、結果的にIL6が全く新生されないことが判明した。colon26の実験結果は、IL1Raが癌組織において実際に産生されていることを証明し、さらに、IL1Raがサイトカインネットワークを調節する重要な内因性制御分子であることを示した世界で最初の仕事である。今後、種々の実験腫瘍、ヒト癌組織におけるIL1Ra、サイトカインの発現検索をするとともに担癌宿主におけるサイトカインネットワーク分子機構を生体工学、遺伝子導入法、単クローン性抗体等を駆使して解明する。<br />研究課題/領域番号:04152050, 研究期間(年度):1992<br />出典:「インターロイキン1受容体アンタゴニストの担がん状態における病態生理学的意義」研究成果報告書 課題番号04152050(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04152050/)を加工して作成 続きを見る
8.

論文

論文
清木, 元治 ; Seiki, Motoharu
出版情報: 平成4(1992)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1992 Research Project Summary.  1992  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060291
概要: 金沢大学がん研究所<br />清木班員はヒト胃癌細胞株を用いて実験的にマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の活性発現が必須であることを特異的インヒビターであるTIMP-1遺伝子導入実験により示した.同時に、TIMP-1発現の低下が悪性形 質発現の一因となることも示された.岡田班員はヒト骨肉腫OST細胞、ヒト単球様細胞U937を用いて細胞の浸潤能および転移能の発現とIV型コラーゲナーゼ(MMP-9)の発現との相関が高いことを示した.中島班員は腎臓癌細胞KG12がヌードマウスへの正所移植では転移するが異所である皮下からは転移しないことを示した.組織由来の線維芽細胞が産生するTGFbがKG12細胞のIB型コラーゲナーゼおよびウロキナーゼ産生と浸潤能発現の制御因子であることを明らかにした.浸潤・転移能に関連して重要性が示されたMMP-9遺伝子発現制御機構を解析することにより、佐藤班員はTPA、TNFaとc-Srcを介するシグナルがそれぞれ独立にMMP-9の伝写を制御していることを明らかにした.MMP以外の浸潤能に関する細胞外マトリックス分解酵素として宮崎班員は胃癌細胞株からトリプシン1を精製し、同定した.早川班員はもう一つのMMPインヒビターであるTIMP-2に対する単クローン抗体を作成し、サンドイッチELISA法による測定系を確立した.木村班員は転移抑制遺伝子として報告されたNKPキナーゼ(NM23)遺伝子の二つのアイソフォームをラットからcDNAと対応する染色体遺伝子として単離し、その構落を明らかにした.また、ラット高転移性乳癌細胞での発現低下を確認した.谷口班員はbmアクチンの転移の抑制活性が細胞運動の抑制と相関しすることを明らかにした.若い研究者伊藤君は大腸癌でMMP-7の発現が特異的に見られること丹田君は血管作動薬による腫瘍組織血流量の増加が化学療法剤の効果を増強することを見いだした.<br />研究課題/領域番号:04151024, 研究期間(年度):1992<br />出典:「がん細胞の浸潤性獲得の分子機構」研究成果報告書 課題番号04151024(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04151024/)を加工して作成 続きを見る
9.

論文

論文
大野, 真介 ; Ohno, Shinsuke
出版情報: 平成4(1992)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1992 Research Project Summary.  1991 – 1992  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060292
概要: 金沢大学がん研究所<br />本研究は、「どの分化段階にあるB細胞が形質細胞腫発症の標的細胞であるのか」を実証するために計画された。具体的には、(1)SCIDマウスを用いた形質細胞腫発症実験系の確立、および(2)抗体産生能を持つ形質細胞腫の 誘発、の2点であった。当初懸念されたことは、重症複合性免疫不全マウスであるSCIDマウスで、果たして形質細胞腫誘発が可能か否かということであった。事実、多くの実験は、SCIDマウスその自体での形質細胞腫発症には成功していない。私共は、今回、ヒツジ赤血球(SRBC)ー免疫あるいは正常BALB/c6.15(第6-第15染色体間のRobertsonian転座)マウスの脾臓おらび骨髄細胞をSCIDマウスに移入することにより、形質細胞腫を誘発し得ることを見いだした。特筆すべきことは、2例(2/12)の形質細胞腫がその染色体解析によりSCID起源と同定されたことである。この知見は、形質細胞腫発症の標的細胞が、ひとつには少なくとも未成熟B細胞である可能性を強く示唆し、今後の研究遂行の上で大きな指針を与えた。目的(2)抗体産生能を持つ形質細胞腫の誘発については、現在迄のところ成功していない。SRBCー免疫BALB/c6.15マウスの脾臓中には、抗ーSRBC抗体産生および同免疫記憶細胞は存在する。事実、これらの細胞により再構成されたSCIDマウス血清中には、抗ーSRBC抗体は約3ヶ月間陽性であった。ところが、マウス脾臓細胞全体を移入した場合には、SRBC応答性細胞以外のB細胞群が圧倒的に多いためか、実験結果はnegativeであった。移入する細胞群をさらにrefineすることにより、この実験は再度組織的に計画され、実施される予定である。<br />研究課題/領域番号:04152049, 研究期間(年度):1991 – 1992<br />出典:「SCIDマウス系における形質細胞腫発症機構の分子細胞遺伝学的研究」研究成果報告書 課題番号04152049(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04152049/)を加工して作成 続きを見る
10.

論文

論文
久田, 欣一 ; Hisada, Kinichi
出版情報: 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1991 Research Project Summary.  1991  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060293
概要: 金沢大学医学部<br />モノクロ-ナル抗体によるタ-ゲッティング療法の中では、抗がん剤や細胞毒結合体に比べて、放射性物質を用いるradioimmunoconjugate法が原理的には最もシンプルかつ強力である。しかし腫瘍への絶対的・相対的 な集積量が低いため診断・治療共に実用化に至っていない。radioimmunoconjugateを用いたがんの核医学的診断法には、現在 ^<111>In(インジウム)が最も頻繁に用いられる放射性核種であるが、肝・脾への非特異的な放射能集積が高いため、これらの臓器内や近傍の腫瘍の診断の妨げになることを、我々は従来より明らかにしてきた。そこで、標識用核種と抗体の中間に化学スペ-サとしてジエステル化合物を導入し、組織代謝を利用し正常組織への放射能分布を低減する新しい標識法を開発した。抗大腸癌モノクロ-ナル抗体(A7,IgG_1)とヒト大腸癌(LSー180)移植のヌ-ドマウスを用いた実験モデルで種々の検討を行った。体外への放射能消失速度を生物学的半減期で比較すると、従来法の146時間に対して、24時間と6倍に促進された。また体内分布実験から、腫瘍への集積は投与後24時間まで両者ほぼ同等であるが、化学スペ-サ法では、血液、肝、脾等の正常組織分布が著明に減少した。これは、イメ-ジング実験の結果と良く一致し、従来法に比べて正常組織バックグラウンド放射能が低く、明瞭に腫瘍を描出した画像が得られた。今後動物実験により、従来法との詳細な比較をさらに追加する。また今年度の結果より、この化学スペ-サ法を臨床に応用すれば、微小ながん病巣の検出率向上が予想できる。したがって、基礎的な前臨床段階では、期待どおりの成果と考えられたため、『医学研究施設内で作られたRI標識モノクロ-ナル抗体の臨床利用に関する指針』(RADIOISOTOPES 39:597ー599,1990)に則て、安全性の評価および線量分布計算を行い、臨床応用を準備中である。<br />研究課題/領域番号:03152050, 研究期間(年度):1991<br />出典:「化学スペーサによる放射性核種標識モノクローナル抗体の腫瘍集積性増幅に関する研究」研究成果報告書 課題番号03152050(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03152050/)を加工して作成 続きを見る
11.

論文

論文
藤井, 雅寛 ; Fujii, Masahiro
出版情報: 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1991 Research Project Summary.  1991  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060294
概要: 金沢大学がん研究所<br />1,Taxによる初期応答遺伝子群(Immediate early genes,IE genes)の発現誘導HTLVー1 Tax蛋白はcーfos遺伝子の発現を転写レベルで誘導する。cーFosはcーJunとヘテロ複 合体を形成してTREに結合し転写を活性化する事から、ウイルス感染に伴うTRE結合活性の変化を検討した。ウイルス感染、非感染細胞の核抽出液を用いたゲルシフト法により、ウイルス感染細胞特異的なTRE結合活性の増強が検出された。このTRE結合活性の増強はAPー1familyをコ-ドする複数の遺伝子の活性化による事が明らかになつた。即ち,cーjun,junB,junD,cーfos及びfraー1 mRNAがウイルス感染細胞特異的に昂進していた。これらAPー1familyの中でjunBを除く、cーjun,junD,cーfos及びfraー1の発現はTax依存性を示した。APー1familyは細胞増殖の制御に関わる事が知られており,以上の結果はウイルス発がんにおけるAPー1の関与を示唆する.2、TaxによるCArG boxを介したIE genesのトランス活性化cーfos遺伝子上流領域内のCArG boxがTax応答性の最小配列として同定された。他のTax応答遺伝子群について検索したところ、egrー1及びegrー2のプロモ-タ-領域内にもCArG boxが存在し、実際にTaxによって活性化された。即ち、CArG boxはこれら3種類のIE genesに共通なTax応答性エンハンサ-である。ゲルシフト法を用いて、これら3種類のCArG boxに共通に結合する2種類の細胞性因子が検出された。1つは、SRF(serum response factor)、もう1つはSRFとp62のヘテロ複合体と推定された。HTLVー1感染・非感染細胞間でこれらCArG box結合因子の質問・量的な変化は認められなかつた。以上の結果は,TaxがCArG boxに直接結合せず,細胞性転写因子(SRF,p62)を介して転写を活性化する事が示唆する.<br />研究課題/領域番号:03152049, 研究期間(年度):1991<br />出典:「HTLVー1 Tax蛋白によるcーfos発現誘導の分子機構」研究成果報告書 課題番号03152049(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03152049/)を加工して作成 続きを見る
12.

論文

論文
松永, 司 ; Matsunaga, Tsukasa
出版情報: 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1991 Research Project Summary.  1991  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060295
概要: 金沢大学薬学部<br />当研究室では、これまで、紫外線誘発DNA損傷を特異的に認識するモノクロ-ナル抗体の樹立を行ない、チミン二量体(TDMー1,2,3)、(6ー4)光産物(64Mー1,2,3,4,5)、Dewar型光産物(DEMー1)の 各損傷に対する9種のモノクロ-ナル抗体の樹立に成功した(Mori et al.,1988;Mizuno et al.,1991;Mori et al.,1991;Matsunaga et al.,投稿中)。本研究では、これらの抗体の損傷特異性を利用して、ヒトDNA修復機構における損傷認識ステップの解析を行なった。1)まず、DNA修復過程をより分子的に解析するために、Woodら(1988)により樹立された試験管内修復系を導入し、上記の抗体を併用することにより、修復合成に加えて損傷除去も追跡できる系を確立した。この系において、チミン二量体の除去に伴う修復合成のパッチサイズは、約20塩基程度であることが明らかとなった。2)抗DNA損傷モノクロ-ナル抗体と細胞内DNA損傷結合因子は、DNA損傷結合能という共通の性質を持つことから、以下の解析を行なった。a)抗DNA損傷抗体と紫外線照射DNAとの結合は、HeLa細胞の粗抽出液により濃度依存的に阻害された。b)試験管内修復系に、抗DNA損傷抗体を添加すると、修復反応が阻害された。c)ゲルシフト法において、抗DNA損傷抗体ならびに細胞粗抽出液とも、バンドのシフトが観察されたが、その移動度は異なっていた。以上の結果より、抗DNA損傷モノクロ-ナル抗体競合法は、細胞内DNA損傷結合因子の解析、ならびにその分離・精製に有用であることが示された。3)抗体のパラト-プに対する抗イディオタイプ抗体は、元の抗原と類似した構造をとることが知られており、抗DNA損傷モノクロ-ナル抗体に対する抗イディオタイプ抗体を樹立するプロジェクトに着手した。現在、64Mー2抗体と紫外線照射DNAとの結合を阻害する抗体を産生するハイブリド-マ2種を得ており、クロ-ニングを行なっている。最終的に、アフィニテイ-クロマトグラフイ-法を駆使して、細胞内DNA損傷結合因子の分離を目指したい。<br />研究課題/領域番号:03152048, 研究期間(年度):1991<br />出典:「抗DNA損傷モノクロ-ナル抗体競合法を用いたヒトDNA損傷結合因子の解析」研究成果報告書 課題番号03152048(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03152048/)を加工して作成 続きを見る
13.

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佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1991 Research Project Summary.  1991  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060296
概要: 金沢大学がん研究所<br />本年度も種々の新しい知見が得られたが、その中でも進展の著しかった転移抑制物質スクリ-ニング法を中心に記述する。転移抑制物質のスクリ-ニング法として鶏卵法の有用性をさらに追求すべく、転移抑制試験に使用可能なヒト腫 瘍細胞の探索を行なった。25種のヒト腫瘍培養株について鶏卵胎児における実験転移能を調べた結果、骨軟部悪性腫瘍4株(HTー1080,MNNG/HOS,SKーESー1,MGー63)、胃癌(KKLS)、肺癌(PCー8)、結腸癌(COLO320)、喉頭癌(HEpー2)、及び膀胱癌(Tー24)は鶏卵胎児の肝及び肺に転移することが明らかとなった。従って、これらの転移性ヒト腫瘍を用いることにより腫瘍型に応じた転移抑制物質の探索が可能となった。癌遺伝子は正常細胞の癌化のみならず、癌の転移・浸潤能の発現にも関与することが既に知られている。癌の転移形質発現に関与する癌遺伝子を標的とした転移抑制物質のスクリ-ニング系の確立を目的に、鶏卵法を用いて、癌遺伝子で形質転換したマウス胎児細胞株NIH/3T3の転移実験を行なった。具体的には癌遺伝子Haーras、Kiーras、src、abl、及びfosで形質転換したNIH/3T3細胞を受精鶏卵漿尿膜上の血管内より移植し、鶏卵胎児の肝及び肺における転移細胞を我々が開発したPCR法を用いる転移腫瘍検出法により定量的に検出した。その結果、これらの形質転換細胞はいずれも鶏卵胎児臓器に転移し、中でもras遺伝子(vーHaーrasおよびvーKiーras)形質転換NIH/3T3細胞は極めて強い転移性と転移臓器における高い増殖能を示した。以上の結果は、他の実験動物を用いた転移実験の結果と一致し、鶏卵法が転移実験系として有用であることが確認された。鶏卵法および癌遺伝子形質転換細胞を用いることにより転移関連癌遺伝子に照準を合わせた転移抑制物質の開発研究が期待されると共に、転移機構解明に有用な実験系となることが期待される。<br />研究課題/領域番号:03151021, 研究期間(年度):1991<br />出典:「休止期細胞の動員と転移抑制効果を有する新合成制癌剤の探索」研究成果報告書 課題番号03151021(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03151021/)を加工して作成 続きを見る
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清木, 元治 ; Seiki, Motoharu
出版情報: 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1991 Research Project Summary.  1991  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060297
概要: 金沢大学がん研究所<br />清木班員は各種がん細胞株の産生するメタロプロテア-ゼのmRNA発現をノ-ザン法で調べ、また鶏卵胎児の肝臓へ転移したがん細胞での発現を免疫組織学的に調べることにより、がん細胞でのMMPー9の発現が鶏卵法での転移能 と良く相関することを示した。佐藤班員はMMPー9遺伝子の発現制御領域を解析し、その発現が転写因子APー1,Spー1,NFーkBの結合部位を介して制御されることを示した。また、MMPー1、MMPー3遺伝子の制御領域との比較から、Spー1,NFーkBの結合部位を介するシグナルがMMPー9発現を誘導するために特徴的に必要とされることを明かにした。宮崎班員はインヒビタ-結合型MMPー2およびMMPー9がMMPー3によって効率良く活性化されることを示した。岡田班員はMMPー1、2、3、9とTIMPー1に対する単クロ-ン抗体を作成し、肺癌組織における発現を免疫組織学的に調べた。その結果、MMPー1とMMPー9が癌組織での主要酵素であり、TIMPー1との不均衡状態の存在を示した。早川班員はTIMPー2に特異的な単クロ-ン抗体を作成し、サンドイッチ酵素免疫測定法を確立した。谷口班員はβmアクチンが重合アクチンを安定化し、細胞運動能を低下させることにより転移能を抑制する可能性を示した。木村班員はヒトNDPキナ-ゼの2種のアイソフォ-ムに対応するラットホモロ-グcDNAを単離し、各組織での発現を調べた。ラットがん細胞の転移能との関係、シグナル伝達系への関与野解析を始めている。<br />研究課題/領域番号:03151020, 研究期間(年度):1991<br />出典:「がん細胞の浸潤性獲得の分子機構」研究成果報告書 課題番号03151020(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-03151020/)を加工して作成 続きを見る
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久田, 欣一 ; Hisada, Kinichi
出版情報: 平成2(1990)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1990 Research Project Summary.  1990  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060298
概要: 金沢大学がん研究所<br />モノクロ-ナル抗体によるタ-ゲッティング療法の中では、抗がん剤や細胞毒結合体に比べて、放射性物質を用いるradioimmunoconjugate法が原理的には最もシンプルかつ強力である。しかし腫瘍への絶対的・相 対的な集積量が低いため診断・治療共に実用化に至っていない。radioimmunoconjugateを用いたがんの核医学的診断法には、放出γ線エネルギ-や物理的半減期より、現時点では ^<111>In(インジウム)が標識に最も適当な放射性核種と考えられている。しかし従来からの ^<111>In標識方法では、血液、肝、脾への非特異的な放射能集積が高いため、これらの臓器内や近傍の腫瘍の検出の障害になることが我々の検討より判明した。そこで、腫瘍集積性を減少させることなく、組織代謝を利用し正常組織への放射能分布を低減する新しい標識法の開発を目的として、標識用核種と抗体の中間に化学スペ-サとしてエステル化合物を導入した。具体的には、架橋剤であるEGSとキレ-ト剤であるDTPAを用いて、抗大腸癌抗体にジエステルスペ-サを挿入した。in vitroでの検討より、EGS対抗体比で10:1までは抗体の免疫活性は低下せず、充分な比放射能で標識できることが明らかとなった。ヒト大腸癌移植のヌ-ドマウスを用いた動物実験の結果では、血中からの放射能消失は従来法に比べ2ー3倍に促進され、肝や脾等の正常組織分布が減少した。エステルは肝等に特異的に存在するエステラ-ゼにより分解されるため、正常組織から放射能が速やかに洗い出される一方、エステラ-ゼを含まない腫瘍組織では、タ-ゲッティングされた放射能は安定に留まると考えられた。この方法により、診断面ではより微小な腫瘍の検出が可能となり、また治療面では組織毒性の低下に伴い投与量を増加できるため、腫瘍集積性の増幅効果が期待できる。今後さらにin vitroで標識条件の最適化をはかり、動物実験により、従来法との比較をダブルトレ-サ法を用いて詳細に行う予定である。<br />研究課題/領域番号:02152042, 研究期間(年度):1990<br />出典:「化学スペーサによる放射性核種標識モノクローナル抗体の腫瘍集積性増幅に関する研究」研究成果報告書 課題番号02152042(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02152042/)を加工して作成 続きを見る
16.

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清木, 元治 ; Seiki, Motoharu
出版情報: 平成2(1990)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1990 Research Project Summary.  1990  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060299
概要: 金沢大学がん研究所<br />がん細胞の浸潤能に関係する因子としてメタロプロテア-ゼとTIMPに着目し、まずは報告された遺伝子配列に基づいて72kDa,92kDaIV型コラ-ゲナ-ゼ、ストロムライシン、TIMPのcDNAクロ-ンをPCR法で 単離した。また、TIMP関連蛋白質の部分的アミノ酸配列を入手し、これを基に合成DNAプロ-ブを調整して新しいTIMP遺伝子のcDNAをクロ-ニングした。しかし、これは本年、L.Liottaらが報告したTIMPー2と同一であることが判明した。上記のcDNAをプロ-ブとして用いて、様々ながん遺伝子でトランスフォ-ムしたNIH3T3細胞の転移・浸潤能との関連を調べた。1、転移能は鶏卵法を用いて調べた。ヌ-ドマウスによる実験的転移能の解析で報告されている結果と一致して、ここでもrasトランスフォ-マントがもっとも強い転移能を示し、src,fos,ablもrasほどではないが明らかに造腫瘍性と転移能を増加させた。2、ノ-ザン法でメタロプロテア-ゼ、インヒビタ-の発現を調べると、親株のNIH3T3で既に72kDa,92kDaコラ-ゲナ-ゼ、ストロムライシンが発現しており、細胞の転移能との相関は認められなかった。TIMP,TIMPー2の発現量にもトランスフォ-メ-ションや転移能と相関した変化はなかった。3、前年度にrasトランスフォ-マントではAutocrine Motility Factorの産生が昂進していることを報告した。本年度の結果と合わせて考えると、ras遺伝子による高転移性のNIH3T3細胞では浸潤性の昂進は細胞外マトリックスの分解能の昂進よりもむしろ運動性の昂進によって引き起こされていると考えられる。<br />研究課題/領域番号:02152041, 研究期間(年度):1990<br />出典:「癌遺伝子rasによる高転移性獲得過程の分子生物学的解析」研究成果報告書 課題番号02152041(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02152041/)を加工して作成 続きを見る
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佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 平成2(1990)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1990 Research Project Summary.  1990  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060300
概要: 金沢大学がん研究所<br />前年度に引続き2'ーdeoxycytidineの2'ーarabino位への置換基の導入を検討し、2'ーazido体(Cytarazid)の簡便、大量合成法を確立すると共に2'ーシアノ体(CNDAC)をラジカル反 応を用いて新たに合成した。種々のヒト固型腫瘍由来細胞に対しCytarazid及びCNDACはともに強い増殖抑制効果を示した。また、podophyllotoxin型リグナン類の合成をDielsーAlder反応を用いて合成し、強い抗腫瘍活性を有する化合物を得ることができた。ブレオマイシンの細胞毒性は、ポリアクリル酸と撹拌すると増大するが、この時の細胞死は未知の致死機構によるものと考えられ、休止期細胞や耐性細胞にも同等に作用することを見出した。白金錯体を酸性多糖に結合させた高分子マトリックス型錯体を合成し、それらがB16ーF10メラノ-マの肺転移を抑制することを見出した。酸化還元代謝調節能を有するフラビンや5ーデアザフラビンの誘導体を合成した。これらの中でもNO_2基やCOOC_2H_5基を有するものが強い抗癌活性を示した。次に生元素の一つであるセレンを骨格内に導入した5ーデアザー10ーセレナフラビンを合成し、この化合物もかなり強い抗癌活性を有することを見出した。一方、ヒト腫瘍に対する簡便で能率の良い転移治療モデルとして、鶏卵胎児の転移多発臓器のおけるヒト腫瘍の微小転移巣に含まれるヒト腫瘍細胞の特定遺伝子をPolymerase Chain Reaction法により定量的に検出する我々独自の方法を用いて、転移抑制及び治療に有効な物質をスクリ-ニングした。その結果、本研究班で合成したDMDC(2'ーdeoxyー2'ーmethylidenecytidine)とCNDACがヒト線維肉腫HT1080の肝・肺の転移巣を顕著に抑制することがわかった。選択性の高いプロテインキナ-ゼ作用薬を得るために新しくデザインされたイソキノリン誘導体の細胞周期及び制癌剤多剤耐性に及ぼす影響を検討した結果、in vitroではあるが、P388/ADRの耐性解除作用の強い物質を見出した。<br />研究課題/領域番号:02151021, 研究期間(年度):1990<br />出典:「休止期細胞の動員と転移抑制効果を有する新合成制癌剤の探索」研究成果報告書 課題番号02151021(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02151021/)を加工して作成 続きを見る
18.

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清木, 元治 ; Seiki, Motoharu
出版情報: 平成1(1989)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1989 Research Project Summary.  1989  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060301
概要: 金沢大学がん研究所<br />癌の転移は癌患者の死因の大半を占めている。しかし、転移を防ぐ有効な方法は未だ確立されていない。その原因の一つは、転移の成立過程は複雑であり、その成立機序の解析が困難であったことによる。本研究では癌細胞の転移能と 良く相関している基底膜の浸潤能のステップに焦点を絞って解析を進めた。用いた細胞はNIH3T3であり、ras癌遺伝子の導入によって高転移性にトランスフォームした細胞での変化を調べた。癌細胞の運動性の昂進は、基底膜を破壊しながら通過する際に必要とされる性質である。ras癌遺伝子の導入による細胞の運動性昂進の機序に着目して以下のことを明らかにした。1、ras遺伝子の導入によって自らの運動性を刺激するAutocrine Motility Factor(AMF)の産生が昂進していた。2、AMFに対する反応性にはras遺伝子の導入によって変化がないことから、運動性の昂進はAMFの産生量の増大によると結論される。3、AMFはクロマトグラフ的に単一成分からなる。4、ヒトメラノーマで最初のAMFが報告されているが、それとは見かけの分子量や安定性などの点で異なる。5、NIH3T3のAMFとヒトメラノーマ細胞のAMFの作用はGタンパク・インヒビターに対する感受性が異なること、また二つのAMFがそれぞれの細胞に対して相加的に働くことから細胞の受容体も異なると考えられる。以上のことから、rasトランスフォーマントでもAutocrineの機構で運動性の昂進が引き起こされていることが明らかになった。<br />研究課題/領域番号:01015032, 研究期間(年度):1989<br />出典:「癌遺伝子rasによる高転移性獲得過程の分子生物学的解析」研究成果報告書 課題番号01015032(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-01015032/)を加工して作成 続きを見る
19.

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佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 平成1(1989)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1989 Research Project Summary.  1989  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060302
概要: 金沢大学がん研究所<br />我々が既に報告した2'-メチリデンシチジン(DMDC)は臨床応用の可能性が極めて高い特色ある抗癌剤として開発中であるが、このDMDCの2'ーメチリデンヌクレオシド誘導体である5ーフルオロシトシン体(5FDMDC )は、AraC及び5FUなどの既存抗癌剤が無効なヌードマウスに移植したヒト腫癌に対しても有効であることが確認された。さらに、各種ヒト腫癌細胞に対するin vitroのターゲットスペクトラムも明らかにAraC、5FUとは異なり、AraCの不活性化酵素であるシチジンデアミナーゼによって不活性化されず、骨髄毒性もAraCに比して弱いという特徴を有することも明らかなった。一方、核酸塩基部に不飽和官能基を有するヌクレオシドとして新たにエチルイミダゾールリボシド(EIR)を合成し、その抗腫癌活性を検討結果、in vivoの実験系で固型腫瘍に対しても有効であり、且つ低毒性の物質であることが確認された。Cyclic AMP 依存性蛋白リン酸化酵素Aー及びCーキナーゼに対する一連のイソキノリン及びスタウロスポリン誘導体の作用と細胞増殖に及ぼす影響を検討結果、Nー[2ー(4ーchloro-alpha-methylcinnamylamino)ethyl]-5-isoquinolinesulfonamide(H-87)がAーキナーゼを強く阻害し、AーキナーゼがG_1→S期の移行を促進的に、S→G_2期の移行には抑制的に関与していることが示唆された。胆汁酸を脱離基とするシクロヘキサンジアミン白金錯体類を新たに合成し検討結果、癌細胞の肺転移を顕著に抑制することが明らかとなった。全く新しいタイプの合成抗癌剤としての進展が期待される電子伝達系の5ーデアザフラビン類及び関連化合物の活性構造相関をin vitroの抗腫瘍活性を基にほぼ確立し、同じく新合野であるシコニン類縁体の合成に関しても簡便で信頼性のある合成法の確立に成功し、それらの抗腫癌性、癌転移抑制効果及び癌細胞周期に与える効果を検討中である。<br />研究課題/領域番号:01010024, 研究期間(年度):1989<br />出典:「休止期細胞の動員と転移抑制効果を有する新合成制癌剤の探索」研究成果報告書 課題番号01010024(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-01010024/)を加工して作成 続きを見る
20.

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村上, 清史 ; Murakami, Seishi
出版情報: 平成1(1989)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1989 Research Project Summary.  1989  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060303
概要: 金沢大学がん研究所<br />HBV持続感染と肝癌発生との関連を1)肝癌及び慢性肝炎試料のHBV DNAの組み込み様式の構造解析。2)HBVゲノムの転写及び複製制御のシス情報の解析とトランスに結合する蛋白の同定、3)ウイルスX蛋白のtran s-activatorとしての可能性、4)動物モデル系の肝発癌とウイルスの関与の検討を行なった。主要な成果として1)培養肝細胞のHBV感染系を用い、感染後早期に再編成されたHBV DNA組み込みを検出した(落谷班員)。慢性肝炎試料で癌化に先だち多様な再編成を受けたHBV DNAの組み込みの存在が示された(小池班員)。これらの結果はHBV DNAの組み込み、または再編成が肝発癌と関連するとの作業仮説を支持しない。多中心性肝癌の機構、癌の進展機構の解析に組み込みの様式を癌細胞のクローナルなマーカーとして解析する方向が進展し(小林、安井班員)、動物モデル系でのウイルス増殖と癌試料のウイルスDNAの組み込み構造の解析が行われた(小俣、吉川班員)。2)エンハンサーの活性化と結合蛋白の検討を進め、c-jun/fos関連蛋白が活性化に関与し、更にX蛋白の標的領域であることが示された(村上)。X蛋白がmyc遺伝子上流制御領域のtrans-activatorとして機能することが示唆された(小池班員)。検討を進めるべき課題として、1)X蛋白が異なったシス情報をtrans-activationし、ウイルス増殖のみならず宿主の増殖関連遺伝子の活性化により細胞増殖をもたらし、癌化の前提となる細胞集団のexpansionに関与する可能性が提示されている。X蛋白のtrans-activation機能の解析をHBV及び宿主のXREと結合する制御蛋白と解析とXのmidulation機構の検討が重要となった。2)肝癌発生にはHBV感染後長期の潜伏期が疫学的に示されている。今後ヒト肝癌とウイルスの関与を理解する上でhypernodule、初期癌、進行癌の過程の特性を癌関連遺伝子の活性化、suppressor遺伝子の欠損等の検索が必要となった。<br />研究課題/領域番号:01010023, 研究期間(年度):1989<br />出典:「肝炎ウイルスと肝癌発生」研究成果報告書 課題番号01010023(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-01010023/)を加工して作成 続きを見る
21.

論文

論文
鈴木, 文男 ; Suzuki, Fumio
出版情報: 昭和63(1988)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1988 Research Project Summary.  1988  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060304
概要: 金沢大学薬学部<br />従来,ヒト腫瘍細胞から活性化がん遺伝子を分離するために,標的細胞としてマウスNIH3T3細胞が用いられてきた。しかしながら,この細胞は自然がん化率が高いこと,さらに検出できるがん遺伝子種類が限られるという欠点があっ た。そこで本研究では,ゴールデンハムスター胎児細胞よりマウスNIH3T3様の細胞株を樹立し,新しいがん遺伝子検出系の開発を試みた。まず,胎児より分離した細胞を一定条件下で継代培養し,各継代期における細胞の性質を調べた。その結果,ほとんどの細胞は継代培養を操り返すに従い増殖能が低下して死滅したが,5例中2例の培養系は20継代過ぎても活発に増殖しつづけた。このうちのひとつ(L系)は,50継代培養しても軟寒天コロニー形成能や造腫瘍性といったがん化形質を示さず、また正常の細胞形態を維持していた。このことから,この細胞(GHE L50と命名)はマウスNIH3T3細胞に似た株細胞であることが示唆された。次に,この細胞およびクローニングして得たSHOK細胞について,ヒトがん細胞DNAによる形質転換能を調べた。T24細胞DNAをトランスフェクトすると,NIH3T3細胞に比べて8〜10倍のフォーカスを形成し,それらの細胞はいずれも軟寒天コロニー形成能や造腫瘍性を示した。このようにして得た悪性形質転換細胞についてサザンブロット解析した結果,すべての細胞にヒト反復配列プローブと反応するDNAが検出された。また最近では,種々のマウスがん細胞に適用し,これらの細胞DNA中に活性化がん遺伝子が存在することを発見した。以上の結果より,本研究で樹立したGHE L50細胞およびSHOK細胞は,活性化がん遺伝子を検出するための標的細胞として極めて有用であることがわかった。<br />研究課題/領域番号:63015028, 研究期間(年度):1988<br />出典:「がん遺伝子検出に使用する新しい細胞系の開発」研究成果報告書 課題番号63015028(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-63015028/)を加工して作成 続きを見る
22.

論文

論文
佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 昭和63(1988)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1988 Research Project Summary.  1988  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060305
概要: 金沢大学がん研究所<br />新しい化学構造ないし作用機序をもつ新しい合成制癌剤の開発を目指して、主に複素環化合物類の化学合成を行い、それら新規合成化合物の分化誘導活性と鶏卵法やヌードマウスを用いてヒト癌を含めた抗癌活性の検討を行った。1. 既知制癌剤AraC と5FUの療法の性質を兼ね備えた新規化合物2'-メチリデンシチジンが顕著な抗白血病作用をもつことは前年度に報告した。今年度はこの物質の制癌効果を更に検討した結果:(1)静脈内及び経口投与でも有効である(2)AraCや5FUとは異なりP36(ヒトメラノーマ)にも有効である(3)Lewis 肺癌、M5076肉腫に対しても顕著な効果を示す(4)マウスでの骨髄毒性は、AraCに比して弱いこと等が明らかになり、ヒト固型腫瘍にも有効な新規制癌剤として極めて有望であることが確認された。2.新たにイミダゾールヌクレオシド類を合成し、その制癌活性を検討中であるが、invivoの実験系で腫瘍に対する選択性が極めて高く且つ毒性の低い物質であることが確認され、今までに報告されていないタイプの新規制癌剤として期待される。3.チロシンキナーゼ阻害剤であるハービマイシンAによるヒト骨髄性白血病細胞(K562)の分化誘導と増殖抑制効果を詳細に検討の結果、癌遺伝子産物の活性を特異的に抑制する薬剤は、分化誘導を介して制癌効果を発揮することが明らかになった。この新知見は、今後の新規合成制癌剤開発の重要な指針となるものと考えられる。4.新たに合成したフツ素あるいは水酸基を有する2種類のブスルファン誘導体(BFSおよびBIT)はいずれもブスルファンに比べて有意に坦癌動物に対する延命効果が優れており且つ動物に対する致死効果が小さい。これら誘導体は、chromic myeloid leukemia治療薬として、ブスルファンに勝る効果が期待される。<br />研究課題/領域番号:63010031, 研究期間(年度):1988<br />出典:「新しい合成制癌剤の開発」研究成果報告書 課題番号63010031(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-63010031/)を加工して作成 続きを見る
23.

論文

論文
服部, 信 ; Hattori, Nobu
出版情報: 昭和63(1988)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1988 Research Project Summary.  1988  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060306
概要: 金沢大学がん研究所<br />本研究班の本年度の成果は1)慢性肝炎試料のHBV DNA組み込みの構造解析から組み込みが癌化に先行する可能性が示唆された。予備的結果では1n Vitro感染後早期にHBV DNAの組み込みが検出された。2)比較 的発癌性が弱いと考えられていたダックB型肝炎ウイルス感染によって肝癌発生が観察された。3)多中心的な腫瘍を特徴とするウッドチャック肝癌でProgressionの段階と組み込み様式の変化・再編成を解析した。4)組み込まれたHBV DNAとその近傍の再編成を高頻度に起こすトランスジェニックマウスの系統を用いて、その子孫、及び培養細胞系で解析を続け、肝癌発生頻度が高くなる結果を得た。5)X遺伝子の細胞増殖に与える影響を検討し、高発現細胞では増殖促進効果が観察され、cMyc遺伝子の活性化を示唆する結果を得た。cMyc上流の制御領域と結合蛋白との相互作用にX蛋白が直接または間接的に影響を与える可能性が示唆された。6)エンハンサーに特異的に結合する肝細胞の蛋白の精製を進め、4蛋白成分の存在を示す結果を得た。またプレゲノムのプロモター領域と結合する肝特異的な結合蛋白を検出した。7)肝癌試料で活性化している癌遺伝子1caはonco-fetalな遺伝子でその遺伝子でその遺伝子構造を決定した。8)ヒト胎児初代培養系を用いて1n Vitro感染系の確立に成功し、今後ウイルス感染、ウイルス増殖HBV DNAの組み込み等の機構を実験的に検討することが可能となった。<br />研究課題/領域番号:63010030, 研究期間(年度):1988<br />出典:「肝炎ウイルスと肝癌発生」研究成果報告書 課題番号63010030(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-63010030/)を加工して作成 続きを見る
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服部, 信 ; Hattori, Nobu
出版情報: 昭和62(1987)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1987 Research Project Summary.  1987  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060307
概要: 金沢大学がん研究所<br />班としての重要な成果として, 1.Transfection系が確立し, HBVウイルスの増殖とゲノム遺伝情報の解析が画期的に進む可能性が生まれた. 2.肝炎ウイルス遺伝子の発現の検討を行い, 特に関心が持たれる X遺伝子産物単離と抗体の作製が進むと共に, 培養細胞系でのX遺伝子発現により, 増殖促進効果を示唆する結果をえた. また肝炎ウイルスエンハンサーと相互作用する蛋白因子についての解析が開始された. 3.癌細胞で活性化したがん遺伝子について単離と解析により, lca遺伝子の検討が進んだ. 4.組み込み様式の解析を進め, HBV, WHV, DHBVの多くの例で宿主側の再編成を含む複雑な構造をとっていることが示され, 組み込み近傍の宿主側DNAの特長についての解析を進めた. 5.Transgenic Mouse系の実験が進み, 組み込みによる再編成とウイルス遺伝子の発現と効果についての実験が着手された.班では先述の如く肝発癌作用を持つ肝炎ウイルス遺伝子の検索と, 活性化される宿主側遺伝子の検索の両方向を中心に進め, 各々の分野で新しい知見を得ている. また組み込みの解析は肝細胞の発癌に多段階な過程を想定させており, 今後感染から組み込み, 及び再編成と癌の進展についての検討が必要である. これらのウイルス発癌研究の基礎となるのはウイルス増殖過程に関与する複製, 転写, 遺伝子蛋白の機能の分子的解析であり, Transfection系等により基礎的解析を更に進める.<br />研究課題/領域番号:62010032, 研究期間(年度):1987<br />出典:「肝炎ウイルスと肝癌発生」研究成果報告書 課題番号62010032(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-62010032/)を加工して作成 続きを見る
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佐々木, 琢磨 ; Sasaki, Takuma
出版情報: 昭和62(1987)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1987 Research Project Summary.  1986 – 1987  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060308
概要: 金沢大学がん研究所<br />1.水溶媒中でミセルを形成するように胆汁酸を脱離基としたDACHPのミセル形成型白金錯体を合成し,その抗腫瘍活性を検討した. これられ錯体は全身投与可能な脂溶性錯体であり, マウス白血病L1210やマウス悪性黒 色腫瘍B16メラノーマに対して,in vivoで著明な効果を示した. 脱離基分子上の水酸基の数,位置,配置が油層への溶解度,ミラル形成,抗腫瘍活性等に大きく影響を与えることを明らかにした.2.2′ーdeoxyー2′ーmethylideue cytidine(DMDC) の抗腫瘍活性を更に検討した. その結果, マウス白血病以外にヒト由未白血病細胞やヒト由未カルチノーマに対しても効果が見いだされ, DMDCが白血病のみならずヒト固型腫瘍にも有効であることが分った. 又, このDMDCは鶏卵法でもヒト肺癌に制癌効果を示した. 作用機作の解明を含めた広範な前臨床実験を目下実施中である.3.1,4ーbutanediol diー2,2,2ーtrifluoraethanesulfonate(BFS) と1,4ーbutanedioldiisethionate(BIT)を用いて,chronic myeloid leukemia(CML)に対する治療薬としての特性を既知制癌剤のbusulfanと比較検討した. その結果,busulfanは骨髓抑制以外の致死的毒作用を有し,しかもmgeloid系への選択毒性が,BFS,BITに比べて小さい事が判明した. 從って,BFS及びBITは,毒性面からも,またmyeloid選択毒性面から見てもbusulfanに優るCML治療薬となる可能性が強く示唆された.4.臨床応用可能な分化誘導物質をめざして,多数の新規核酸関連合成化合物を検討の結果,2,4ーdiethylー7,7,8,8ーtetramethylーcisー2,4ーdiazabicyclo〔4.2,0〕Octaneー3,5ーdioneがヒト前髓球性白血病細胞(HLー60)に対して強い分化誘導効果と増殖抑制効果を示すことを見出した. また,この新規分化誘導物質に,抗白血病剤(daunomycin)やビタミンA誘導体と併用すると,相乘的に作用が増強されることを見出した.<br />研究課題/領域番号:62010033, 研究期間(年度):1986 – 1987<br />出典:「新しい合成制癌剤の研究」研究成果報告書 課題番号62010033(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-62010033/)を加工して作成 続きを見る
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服部, 信 ; Hattori, Nobu
出版情報: 昭和61(1986)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1986 Research Project Summary.  1986  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060309
概要: 金沢大学医学部<br />昨年度の本研究班の成績にひき続いて、肝細胞癌染色体DNAに組み込まれているB型肝炎ウイルス(HBV)DNAおよび周辺領域の構造解析が進められた。松原班員は、これまで報告された組み込みHBV DNAの特徴から、組み込 みに際して保存されやすい領域、欠損しやすい領域を明かにし、小池班員は良く似た慢性肝炎と肝細胞癌に組み込まれているHBV DNAの解析から、組み込み様式の検討を行った。三田村班員は肝細胞癌からクローニングを行い、また樋野班員は染色体転座を伴ったHBV DNAの組み込み例の解析から、HBV DNAの組み込みによって染色体異常が誘発され発癌に結びつく可能性を考察した。さらに松原,小池班員はHBs抗原陽性肝細胞癌DNAのトランスフェクション実験を行い、Transforming geneを検出した。小池班員は既存の発癌遺伝子と類似したgeneを、松原班員は新しい発癌遺伝子に属するgeneを単離同定し、その構造解析をすすめると共に、HBV DNA組み込みの関与を検討した。実験動物モデルでは、小俣班員が北京ダックを用いた感染実験系を確立するとともに、北京ダックに生じる肝細胞癌染色体DNAにもダック肝炎ウイルスDNAが組み込まれていることを明らかにし、その構造解析がなされた。吉川班員はWHVのX抗原、抗体系と肝細胞癌の関連を考察した。服部および吉川班員はウッドチャック肝細胞癌および同癌由来の実験系に組み込まれているウッドチャック肝炎ウイルスDNAをクローニングし、その塩基配列決定を含めた構造解析を行い、repeated sequence等、特徴ある構造を証明した。同時にウイルスDNAの組み込みによって染色体DNAが再編成されると共に、組み込まれた肝炎ウイルス領域がエンハンサー活性を持つのみでなく、その再編成された染色体領域の構造がさらにエンハンサー活性を有しているという機能上の特徴を明らかにし、その下流には増幅したtranscriptionも認められたことよりエンハンサー挿入モデルによる発癌の可能性を検討した。<br />研究課題/領域番号:61010034, 研究期間(年度):1986<br />出典:「B型肝炎ウイルスの宿主DNAへの組込みと肝癌発生」研究成果報告書 課題番号61010034(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-61010034/)を加工して作成 続きを見る
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安東, 醇 ; Ando, Atsushi
出版情報: 昭和60(1985)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1985 Research Project Summary.  1985  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060310
概要: 金沢大学医学部<br />〔目的〕肝臓の癌化に伴って、ライソゾームへの酸性ムコ多糖の流れがどのように変化するかを酸性ムコ多糖の種類ごとに明らかにすることと、その原因を明らかにするものである。【^(67)Ga^(3+)】は肝臓においてはライソ ゾームへ集積することが知られていたが、酸性ムコ多糖によってライソゾームへ運ばれることは、我々が以前に報告し、また【^(46)Sc^(3+)】も肝臓のライソゾームへ運ばれることを我々がみいだした。本研究は【^(67)Ga^(3+)】,【^(46)Sc^(3+)】の肝細胞、癌細胞中での挙動および結合物質を手掛りとして上記の目的を達成しようとするものである。〔実験〕【^(67)Ga】-citrate,【^(46)Sc】-citrateを種々の種類の担癌動物へ注射し、肝および癌を摘出し、【^(67)Ga】および【^(46)Sc】のライソゾームへの集積率とこれら元素の結合する酸性ムコ多糖の種類を調べた。〔成果〕肝臓においては【^(67)Ga】が結合する酸性ムコ多糖(分子量約10,000、ケラタンポリ硫酸と推定される)と【^(46)Sc】が結合する酸性ムコ多糖(分子量は40,000以上、種類は未定)は全く同じように細胞内でライソゾームへ集積するが、肝臓が癌化すると【^(67)Ga】と結合する酸性ムコ多糖のライソゾームへの集積は顕著に減少し、肝癌以外の癌ではライソゾームへの集積は非常に少なくなる。これに対し、【^(46)Sc】と結合する酸性ムコ多糖は肝臓が癌化してもライソゾームへの集積はあまり減少せず、肝癌以外の癌でもライソゾームへ多量に集積することが判明した。このことは肝細胞では幾種類もの酸性ムコ多糖がライソゾームへ集積しているが、肝臓の癌化に伴って集積が著しく減少する酸性ムコ多糖と、あまり減少しないものとがあることを意味していた。〔反省と展望〕肝臓の癌化に伴って酸性ムコ多糖のライソゾームへの流れに変化の起ることが明らかとなった。今後はこの原因を明らかにするとともに癌の診断に利用する方法を検討したい。<br />研究課題/領域番号:60015027, 研究期間(年度):1985<br />出典:「肝臓の癌化とライソゾームの機能の関連に関する研究」研究成果報告書 課題番号60015027(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-60015027/)を加工して作成 続きを見る
28.

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鈴木, 文男 ; Suzuki, Fumio
出版情報: 昭和60(1985)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1985 Research Project Summary.  1985  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060311
概要: 金沢大学薬学部<br />古くから、染色体変化と細胞がん化との間には密接な関係があるものと考えられている。本研究では、培養細胞を用いた自然発がん系を確立し、正常細胞から悪性な形質転換細胞に至る全過程を通して染色体変化を調べ、さらにがん遺伝子 発現との関係を調べることにより、細胞がん化における染色体変化の役割について解析した。研究成果の概要は次のとおりである。1.チャイニーズハムスター胎児由来細胞は、ゴールデンハムスター胎児由来細胞に比べて容易に自然がん化することがわかった。この際、細胞の不死化や軟寒天コロニー形成能および造腫瘍性といったがん化形質が段階的に発現し、培養細胞レベルで細胞がん化の多段階性が証明できた。2.チャイニーズハムスターの場合、すべての培養系において無限増殖系へ移行した時点で高頻度に3番染色体長腕部の付加(3qトリソミー)が見られた。つまり、3qトリソミー化が細胞の不死化に関係していることがわかった。3.ゴールデンハムスターの場合、細胞系によって変化する染色体が異なるが、比較的早い時期に共通して現われた11番染色体のトリソミー化が細胞の不死化を引き起こしていることが示唆された。4.既知がん遺伝子をプローブを用いて各継代期のがん遺伝子発現量を調べたが、有意な傾向をつかむことはできなかった。しかし、DNAトランスフェクション実験では、ゴールデンハムスター正常二倍体細胞のがん化には少なくとも2種類のがん遺伝子の活性化が必要であり、myc遺伝子は細胞の不死化に、ras遺伝子はその後の悪性化に関係していることを示唆する結果が得られた。現在、このような染色体変化によってドのような遺伝子変異が生ジるかを、遺伝子工学的手法を用いて解析中である。<br />研究課題/領域番号:60015026, 研究期間(年度):1985<br />出典:「細胞がん化の多段階的形質発現に関連した染色体変化とがん遺伝子の活性化」研究成果報告書 課題番号60015026(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-60015026/)を加工して作成 続きを見る
29.

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二階堂, 修 ; Nikaido, Osamu
出版情報: 昭和60(1985)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1985 Research Project Summary.  1985  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060312
概要: 金沢大学薬学部<br />がんの放射線治療において、細胞に発現する潜在的致死損傷の修復(PLDR)が、治療効果を減弱することが明らかとなった。本研究では有効なPLDR阻害剤を開発し、その併用によって放射線によるがんの治療効率を高めることを目 指した。ハムスター、ヒトがん由来培養細胞を高密度状態に置き、X線を照射し、直後および一定時間37度Cで保持後希釈培養し、細胞の生存率の上昇からPLDRを測定した。薬剤は細胞にX線照射直後から投与され、もたらされる生存率の低下からPLDR阻害率を算出した。核酸関連物質、arabinofuranosyladenine(ara-A)、ara-A5′-monophosphate(ara-AMP),3′-deoxyguanosine(3′-dG)と、それらの誘導体について、ハムスター細胞のPLDR阻害率を調べたところ、ara-A,ara-AMPは高い阻害率を示したが毒性も高かった。3′-dGは阻害率、毒性ともに低かった。ヒト膀胱がんKK47細胞を用いて前記薬剤のPLDR阻害率を調べたところ、ara-A、ara-AMPは阻害率、毒性ともに高い結果を得た。さらにara-Aの【N^6】位butyryl,Octanoyl置換体について調べたところ、低毒性、かつ高い阻害率を得た。ヒト骨肉腫細胞はKK47細胞よりもPLDRの規模が大きいことが明らかになったので、今後は本系を薬剤のスクリーニングに用いることとした。骨肉腫細胞はヌードマウス皮下で、ヒトの原発がんに類似した増殖を示すことから、本細胞の移植腫瘍はがんの実験モデルとなり得る。本細胞系を用いて、培養系内でのPLDR阻害剤のスクリーニングを行い、そこで有効性の見出された薬剤が、ヌードマウス移植腫瘍での実験的放射線治療においても有効か否かを判定し得る系が樹立された。現在、ara-Aの有効な置換体についてマウス皮下腫瘍系で調べている。<br />研究課題/領域番号:60015025, 研究期間(年度):1985<br />出典:「修復阻害剤併用によるがん治療効果増強の試み」研究成果報告書 課題番号60015025(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-60015025/を加工して作成 続きを見る
30.

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服部, 信 ; Hattori, Nobu
出版情報: 昭和60(1985)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1985 Research Project Summary.  1985  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060313
概要: 金沢大学医学部<br />B型慢性肝炎の肝細胞ではHBV DNAの組込みは多くないと考えられるものの、HBs抗原陽性肝細胞癌では、きわめて高率にHBV DNAが宿主DNAに組込まれていた。この宿主DNAにおける組込み部位は、サザン法、組込ま れた領域のクローン解析、染色体解析からrandomである可能性が示唆された。また組込まれたHBV DNAの周辺には既知のoncogeneは検出されなかった。これまでにクローン化された組込みHBV DNAの構造解析では、保存されて組込まれている特定の部位はなく、Region Xから C geneにかけての領域が欠損していることが多かった。この部位において宿主DNAに接続している例が多く、その解析からHBVの組込みの様式が示唆された。組込まれたHBV DNAは周囲の宿主DNAとともに、欠損や反復などの再編成を伴っており、さらに染色体レベルにおいても、欠損や転座を生じることが示された。これらはHBV DNAが組込まれた後に宿主DNAを含めて再編成を生じた例であると考えられた。HBV DNAが組込まれた肝癌DNAをNIH 3T3細胞にtransfectしこれまで知られていないTransforming geneが検出されたがHBV DNAの組込みとの関連は明らかではなかった。4種のHBVを含む類似のウイルス(Hepadna virus)では宿主における肝癌の発生率が異なっているためこれらの構造解析を行なった。Ground squirrel hepatitis virusとWoodchuck hepatitis virus(WHV)はよく似た構造を示しながら、発癌性は異なっているなど、その構造との関連は明らかではなかった。Duck hepatitis B virusを用いての感染実験の系が確立され、またダック肝癌にもviral DNAの組込みが認められた。ウッドチャック肝癌でもWHV陽性例では高率にWHV DNAが組込まれていることが示された。ウッドチャック肝癌由来培養細胞株に組込まれているWHV DNAのクローニングが行なわれた。その結果WHVでもHBVと同様にRegion XからC geneにかけての部位が組込まれておらず同部位から宿主DNAに接続していた。<br />研究課題/領域番号:60010034, 研究期間(年度):1985<br />出典:「B型肝炎ウイルスの宿主DNAへの組込みと肝癌発生」研究成果報告書 課題番号60010034(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-60010034/)を加工して作成 続きを見る
31.

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服部, 絢一 ; Hattori, Kenichi
出版情報: 昭和60(1985)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1985 Research Project Summary.  1985  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060314
概要: 金沢大学医学部<br />化学・X線・外科療法など集学的な癌根絶法と自家骨髄移植法の組合せで癌を治すことを研究目的として、次の研究成果が挙げられた。1.基礎的研究:移植用骨髄中に混在する癌細胞の除去法について(1)モノクローナル(モノ)抗体 と補体の in vitro処理法 common ALL に対するJ-2、-5、BA-1、-2、-3(以上市販)、横山製NU-N2、愛知がんセンター製NL-1、-22、HL-47が試用に供され、T-ALLに対する山田製B-7、ATL-27などや横山製KOLT-2の実用性が検討されている。(2)4-hydroperoxycyclophosphamide(4HC)やimmunotoxinの in vitro処理法4-HCのCFU-Cへの影響が検討され、4-HCは分化型に比し末分化CFUへの抑制度は軽いことが明かにされた(三浦)。immunotoxinとして、モノ抗体・ricin結合体の適用性が検討された(永井、横山)。2. 臨床的研究:成人と小児の癌に対し行った成績を合せて述べる。固形癌91例、悪性リンパ腫19例中6例(=6/19)、ホジキン病1/2、肺小細胞癌1/12、神経芽腫2/11、脳腫瘍1/10、精巣癌4/8、ユーイング肉腫1/5、横紋筋肉腫1/5、骨肉腫2/4、鼻咽頭癌2/2、卵嚢癌、乳癌各1、合計23/91(25%)は移植後12〜66月間生存、うち悪性リンパ腫3例、精巣癌、鼻咽頭癌各1例は無治療で5年間健在で、本治療法が癌を治しうることを証明した。予じめ、モノ抗体と補体で処理した自家骨髄を移植した common ALL15例中3例は何れも16月間、無治療で寛解維持中、5例は1年未満ながら生存、観察中、残りの7例は再発または感染症で死亡し、再発防止に今一つの工夫を要することがわかった。まとめ 問題点である再発が、採取骨髄内の癌細胞の完全除去法と患者への徹底的な癌根絶法とで解決され、さらに本治療法に対する保険が全面的に適用されれば、本法により未分化癌を完治させる道が開かれるであろう。さらに目下開発中の高エネルギー粒子線が分化癌に効果があれば本法の適応は一段と拡大するであろう。<br />研究課題/領域番号:60010033, 研究期間(年度):1985<br />出典:「自己造血幹細胞の移植を応用する悪性腫瘍治療法の基礎的臨床的研究」研究成果報告書 課題番号60010033(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-60010033/)を加工して作成 続きを見る
32.

論文

論文
二階堂, 修 ; Nikaido, Osamu
出版情報: 昭和59(1984)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1984 Research Project Summary.  1984  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060315
概要: 金沢大学薬学部<br />研究課題/領域番号:59015041, 研究期間(年度):1984<br />出典:「細胞の悪性形質転換過程に伴う染色体変化と腫瘍遺伝子の活性化」研究成果報告書 課題番号59015041(KAKEN:科学研究費助成 事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-59015041/)を加工して作成 続きを見る
33.

論文

論文
安東, 醇 ; Ando, Atsushi
出版情報: 昭和59(1984)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1984 Research Project Summary.  1984  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060316
概要: 金沢大学医療短期大学<br />研究課題/領域番号:59015040, 研究期間(年度):1984<br />出典:「肝臓の癌化とライソゾームの機能の関連に関する研究」研究成果報告書 課題番号59015040(KAKEN:科学研究費助成事業 データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-59015040/)を加工して作成 続きを見る
34.

論文

論文
服部, 信 ; Hattori, Nobu
出版情報: 昭和59(1984)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1984 Research Project Summary.  1984  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060317
概要: 金沢大学医学部<br />研究課題/領域番号:59010029, 研究期間(年度):1984<br />出典:「B型肝炎ウイルスの宿主DNAへの組込みと肝癌発生」研究成果報告書 課題番号59010029(KAKEN:科学研究費助成事業データ ベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-59010029/)を加工して作成 続きを見る
35.

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論文
服部, 絢一 ; Hattori, Kenichi
出版情報: 昭和59(1984)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1984 Research Project Summary.  1984  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060318
概要: 金沢大学医学部<br />研究課題/領域番号:59010028, 研究期間(年度):1984<br />出典:「自己造血幹細胞の移植を応用する悪性腫瘍治療法の基礎的臨床的研究」研究成果報告書 課題番号59010028(KAKEN:科学研究費 助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-59010028/)を加工して作成 続きを見る
36.

論文

論文
服部, 絢一 ; Hattori, Kenichi
出版情報: 昭和58(1983)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1983 Research Project Summary.  1983  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060319
概要: 金沢大学医学部<br />研究課題/領域番号:58010031, 研究期間(年度):1983<br />出典:「自己造血幹細胞の移植を応用する悪性腫瘍治療法の基礎的臨床的研究」研究成果報告書 課題番号58010031(KAKEN:科学研究費 助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-58010031/)を加工して作成 続きを見る
37.

論文

論文
渡辺, 正己 ; Watanabe, Masami
出版情報: 昭和57(1982)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1982 Research Project Summary.  1982  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060320
概要: 金沢大学薬学部<br />研究課題/領域番号:57015041, 研究期間(年度):1982<br />出典:「細胞の悪性形質転換は染色体異常と関連があるか?」研究成果報告書 課題番号57015041(KAKEN:科学研究費助成事業データベ ース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=20111768)を加工して作成 続きを見る
38.

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論文
服部, 絢一 ; Hattori, Kenichi
出版情報: 昭和57(1982)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1982 Research Project Summary.  1982  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060321
概要: 金沢大学医学部<br />研究課題/領域番号:57010029, 研究期間(年度):1982<br />出典:「自己造血幹細胞の移植を応用する悪性腫瘍の基礎的臨床的研究」研究成果報告書 課題番号57010029(KAKEN:科学研究費助成事 業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-57010029/)を加工して作成 続きを見る
39.

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高橋, 守信 ; Takahashi, Morinobu
出版情報: 昭和56(1981)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1981 Research Project Summary.  1981  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060322
概要: 金沢大学がん研究所<br />研究課題/領域番号:56015034, 研究期間(年度):1981<br />出典:「担癌生体に見出される免疫複合体の研究」研究成果報告書 課題番号56015034(KAKEN:科学研究費助成事業データベース( 国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-56015034/)を加工して作成 続きを見る
40.

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服部, 絢一 ; Hattori, Kenichi
出版情報: 昭和56(1981)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1981 Research Project Summary.  1981  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060323
概要: 金沢大学医学部<br />研究課題/領域番号:56010031, 研究期間(年度):1981<br />出典:「自己造血幹細胞の移植を応用する悪性腫瘍の基礎的, 臨床的研究」研究成果報告書 課題番号56010031(KAKEN:科学研究費助 成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-56010031/)を加工して作成 続きを見る
41.

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高橋, 守信 ; Takahashi, Morinobu
出版情報: 昭和55(1980)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1980 Research Project Summary.  1980  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060324
概要: 金沢大学がん研究所<br />研究課題/領域番号:X00021----501532, 研究期間(年度):1980<br />出典:「担癌生体に見出される免疫複合体の研究」研究成果報告書 課題番号X00021----501532(KAKEN: 科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-X00021----501532/)を加工して作成 続きを見る
42.

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服部, 信 ; Hattori, Nobu
出版情報: 昭和55(1980)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1980 Research Project Summary.  1980  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060325
概要: 金沢大学医学部<br />研究課題/領域番号:X00021----501531, 研究期間(年度):1980<br />出典:「肝細胞癌に特異なγ-GTPisoenzyme にかんする基礎的・臨床的研究」研究成果報告書 課題番号X00021 ----501531(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-X00021----501531/)を加工して作成 続きを見る
43.

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越村, 三郎 ; Koshimura, Saburo
出版情報: 昭和54(1979)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1979 Research Project Summary.  1979  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060326
概要: 金沢大学がん研究所<br />研究課題/領域番号:X00021----401533, 研究期間(年度):1979<br />出典:「溶連菌及び菌体成分による癌化学療法効果の増強と宿主免疫動態の相関」研究成果報告書 課題番号X00021--- -401533(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-X00021----401533/)を加工して作成 続きを見る
44.

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堀川, 正克 ; Horikawa, Masakatsu
出版情報: 昭和54(1979)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1979 Research Project Summary.  1979  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060327
概要: 金沢大学薬学部<br />研究課題/領域番号:X00021----401532, 研究期間(年度):1979<br />出典:「哺乳類細胞における癌化と突然変異誘発のメカニズムの比較研究」研究成果報告書 課題番号X00021----4015 32(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-X00021----401532/)を加工して作成 続きを見る
45.

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越村, 三郎 ; Koshimura, Saburo
出版情報: 昭和53(1978)年度 科学研究費補助金 がん特別研究 研究概要 = 1978 Research Project Summary.  1978  pp.1p.-,  2021-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060328
概要: 金沢大学がん研究所<br />研究課題/領域番号:X00021----301539, 研究期間(年度):1979<br />出典:「溶連菌及び菌体成分による癌化学療法効果の増強と宿主免疫動態の相関」研究成果報告書 課題番号X00021--- -301539(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-X00021----301539/)を加工して作成 続きを見る
46.

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福森, 義宏 ; Fukumori, Yoshihiro
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2018-03-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060505
概要: 金沢大学理工研究域<br />1.N-FeoBの大量発現と抗N-FeoB抗体の作製FeoBを精製するには、高感度なアッセイ系が必要である。そこで、本年度は、抗-FeoB抗体を作製した。具体的には,FeoBのN末端ドメイン(245アミノ酸残基 )をコードするDNA断片をPCRで増幅、PCRエラーが無いことを確認し、pET-15b vectorにクローニングした。大量発現には大腸菌BL12株を用いた。N-FeoBは封入体として発現しており、大腸菌より封入体を調製し、変性条件下でNiアフィニティクロマトグラフィにより精製した。大量発現の結果得られたN-FeoBをトロンビンで処理しHis-tag部分を取り除き、SDS-PAGEしたゲルから切り出すことで、更に精製した。得られた精製標品を抗原としてウサギに免疫した。抗体価は二重免疫拡散法とドットブロット法により測定し、アッセイに十分な抗体価をもつ抗血清が得られた。2.磁性細菌M.magnetotacticumの大量培養と膜画分の調製M.magnetotacticumを120Lの合成培地で培養し、25gの細胞を得た。細胞をフレンチプレスで破砕し遠心分離(8,000xg)によって未破砕細胞とマグネトソームを取り除き、更に、超遠心(100,600xg)し沈澱を回収することで膜画分(細胞膜と外膜を含む)を調製した。3.FeoBの検出抗N-FeoB抗体を用いてWestern blotを行い、M.magnetotacticumの膜画分からFeoBの検出を行った。その結果、73.6kDaのメジャーなバンドと2つのマイナーバンド(81.5,61.1kDa)が確認できた。メジャーなバンドの分子量はfeoB遺伝子の塩基配列から推定される分子サイズとほぼ一致した。このことから本細菌のFeoBは膜画分に存在していることが明らかになった。4.FeoBの精製(可溶化条件の検討)FeoBの精製を行う為、膜可溶化条件を検討した。可溶化効率はWestern blotによって検出したバンドをルミノイメージアナライザーによって定量し、求めた。その結果、デオキシコール酸ナトリウムが最も効率的にFeoBを可溶化できることが分かった。現在,アフィニティ、イオン交換、ゲルろ過、ハイドロキシルアパタイトカラムクロマトグラフィによりFeoBの精製を試みている。<br />研究課題/領域番号:16048211, 研究期間(年度):2004<br />出典:「磁性細菌のGタンパク質融合型鉄輸送体: 精製と再構成」研究成果報告書 課題番号16048211(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16048211/)を加工して作成 続きを見る
47.

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加藤, 将夫 ; Kato, Yukio
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060506
概要: 金沢大学理工研究域<br />腎臓や小腸は外界からの低分子異物の侵入を防ぎ、かつそれらを生体から排除する一方、生体に必要な栄養物質を吸収している。これら臓器の上皮細胞アピカル側膜上には、異物を排出し栄養物質を吸収する巧妙な分子メカニズムとし て薬物トランスポーター群が存在する。本研究は、異物解毒と栄養吸収という双方向のベクトル輸送を司る高次の分子機構の解明を目指し、薬物トランスポーター分子内に存在する共通の分子配列を同定するとともに、その配列を認識しトランスポーターの機能を制御するアダプタータンパク質の同定を目的とした。Yeast two hybrid法および遺伝子組換え精製タンパク質を用いたpull-down法により、solute carrier superfamilyに属する薬物トランスポーター20種類のC末端と、腎臓および小腸に発現する4つのPDZドメインを有するタンパク質との相互作用を解析した結果、アピカル膜に発現する数種類のトランスポーターとの特異的相互作用を見いだした。このうち腎アピカル膜に局在するPDZタンパク質であるPDZK1存在下で、ペプチドトランスポーターPEPT2および有機カチオン/カルニチントランスポーターOCTN2の基質輸送能の亢進が認められた。特にOCTN2による基質輸送能に及ぼす促進効果は顕著であり、基質に対する親和性の変化ではなく輸送キャパシティーの約6倍の上昇により説明できた。また細胞表面に発現するOCTN2をビオチン標識とWestern blot法により定量したところ、PDZK1はOCTN2の形質膜上での発現量には影響を与えておらず、相互作用により直接輸送を制御することが示唆された。免疫共染色によりPDZK1とOCTN2は腎尿細管刷子縁膜に共局在することが示された。以上の知見は、薬物トランスポーターがアピカル膜において個々に単独で存在するのではなく、PDZタンパクを介したクラスターを形成することにより異物の排除と栄養物の吸収を担っていることを強く示唆するものである。<br />研究課題/領域番号:16048210, 研究期間(年度):2004<br />出典:「異物排出トランスポーター群の上皮細胞アピカル膜局在を制御する分子シグナル」研究成果報告書 課題番号16048210(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16048210/)を加工して作成 続きを見る
48.

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論文
柴田, 進和 ; Shibata, Sinwa
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060507
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />1.Tsix遺伝子ジーントラップES細胞を用いたXist遺伝子領域のクロマチン修飾解析:平成16年度には未分化状態特異的なアンチセンス遺伝子の転写がヒストン蛋白質の修飾変化を引き起こしセンス・パートナ ー遺伝子の制御を行っている可能性について検討し、Tsix遺伝子トラップ細胞Xist遺伝子領域のhistone H3 lysine 27残基(H3K27)のトリメチル化が顕著に増加していることを示した。平成17年度には分化誘導時のH3K27トリメチル修飾変化を検討し、Xist遺伝子座の同修飾は分化が進むとともに減少するとの結果が得られた。さらにオスTsixトラップES細胞でもメスES細胞の場合と同様にH3K27トリメチル化亢進を確認した。トリメチルH3K27とXist RNAのImmuno-FISH解析から、Tsixトラップ細胞でのH3K27トリメチル化修飾は、不活化X染色体でのXist RNA依存性H3K27メチル化とは異なる作用機序によって起きることが示唆された。以上の結果から未分化細胞特異的にH3K27のトリメチル化修飾を引き起こす活性が存在し、この活性はアンチセンス遺伝子転写によって抑制を受けることが明らかになった。細胞内で多数認められるアンチセンス遺伝子の役割や作用機序については今まで解析が進んでいなかったが、我々の結果はアンチセンス遺伝子がクロマチン構造制御により他の遺伝子発現を制御している可能性を示唆している(投稿準備中)。2.ntES細胞でのX染色体不活性化の検討:ntES細胞のゲノム初期化について検討するために、胚様体から作成したntES細胞株と親株のES細胞との間でX染色体不活性化のについて調べた。未分化状態ではXist遺伝子座クロマチン修飾の顕著な違いは認められず、分化初期X染色体でのXist RNA、トリメチルH3K27分布についても大きな差は見られなかった。<br />研究課題/領域番号:16045205, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「アンチセンス転写によるXist遺伝子エピジェネティックス制御メカニズムの研究」研究成果報告書 課題番号16045205(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16045205/)を加工して作成 続きを見る
49.

論文

論文
中村, 暢宏 ; Nakamura, Nobuhiro
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060508
概要: 金沢大学理工研究域<br />ゼブラフィッシュで使用できるゴルジ体マーカータンパク質遺伝子としてGM130とgolgin97のクローニングを行った。ラット及びヒトのGM130及びgolgin97の相同遺伝子のcDNA、EST及びゲノムDNA 配列を検索したところ、それぞれについて部分的に相同な配列が同定できたが、完全長のcDNA配列は同定できなかった。GM130とgoglin97両遺伝子について、N末端とC末端部分のcDNA配列を同定することができたので、この配列を用いてプライマーを合成した。これらのプライマーを用いて、6ヶ月齢のメス固体一匹の全体よりpolyA-RNAを抽出し、オリゴdTをプライマーとして合成したcDNAライブラリーを鋳型としてRT-PCR法でクローニングを行った。クローニングの後、GM130及びgolgin97の両遺伝子について10個以上のポジティブクローンを取得し、制限酵素地図を作成したのち、配列決定を行った。最終的に、golgin97のcDNAを一種、また、GM130のcDNAを数種得た。golgin97遺伝子は、全長に渡ってヒト及びラットの遺伝子と高い相同性を示し、オーソログ遺伝子である事が確認された。一方、GM130で得られた数種のcDNA配列を比較検討したところ、これらは、全てが読み枠の変異を伴わない挿入や欠失であり、部分配列の異なるGM130タンパク質をコードするcDNAである事が示唆された。cDNA配列が他の部分で大きく異なっていない事からこれらの変異体がスプライシング変異体であることが示唆された。<br />研究課題/領域番号:16044218, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「ゴルジ体が発生・分化に果たす役割の解析」研究成果報告書 課題番号16044218(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16044218/)を加工して作成 続きを見る
50.

論文

論文
加藤, 将夫 ; Kato, Yukio
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060509
概要: 金沢大学理工研究域<br />我々は、昨年度の本特定領域研究において、腎臓や小腸の上皮細胞刷子縁膜や肝臓の血液側膜に発現する薬物トランスポーター群とPDZタンパク質群との特異的な相互作用を見出すとともに、PDZタンパク質の一つであるPDZK 1が有機カチオントランスポーターOCTN2やペプチドトランスポーターPEPT2の機能制御因子であることを見出した。本年度は、PDZタンパク質群の薬理学的意義をさらに追究するため、ともにPDZタンパク質と結合するペプチドトランスポーターPEPT1とその輸送駆動力であるH^+勾配を形成するNa^+/H^+ exchanger (NHE)3との機能的カップリング、およびPDZK1のホモログであるPDZK2によるトランスポーター機能制御について検討した。NHE3がPEPT1と同時に存在すると、PEPT1による基質輸送能が上昇し、輸送にNa依存性が見られるとともに、より高いpH条件下でも効率的な輸送の見られることを示した。このことは、PDZタンパク質との結合により両者が近接して存在することで、PEPT1によるペプチドや基質薬物輸送がより効率的に行なわれることを示唆する。一方、PDZK2はPDZK1と同様、OCTN2の輸送機能を促進したものの、PDZK1が細胞表面でのOCTN2の発現量に影響を与えないのに対し、PDZK2はOCTN2の発現量を上昇させることが示された。このことはPDZK2がOCTN2の輸送機能よりもむしろソーティングの制御に関与することを示唆する。さらに薬理学的意義を強く示唆するため、臨床応用の進められているモデル薬物として尿酸生合成阻害薬Y-700を用い、その肝細胞における輸送メカニズムを明らかにした。以上、本研究ではPDZタンパク質群のいくつかの薬理学的意義を示唆し、薬物動態において重要なタンパク質群である可能性を明らかとすることができた。<br />研究課題/領域番号:16044217, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「薬物取り込み・排出トランスポーターの細胞膜ソーティングの分子機構と薬理学的意義」研究成果報告書 課題番号16044217(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16044217/)を加工して作成 続きを見る