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1.
論文 |
和田, 泰三
概要:
金沢大学 医 小児科<br />1)家系1-症例1(8ヵ月女児),2(2歳9ヵ月男児,症例1の兄)では母由来の変異対立遺伝子において点突然変異があり,このため変異対立遺伝子由来のmRNAではエキソン7と8の間にGCAGの4塩基の挿入が認めら
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れた.変異由来のFasレセプターは細胞内部分がなく異常な3量体を形成するため,ドミナントネガティブ効果により細胞死に至るシグナルが伝達されないと考えた. 2)家系2-症例3(1歳女児)ではイントロン3に点突然変異があるためエキソン4のスキップが認められた.両親がいとこ婚で変異対立遺伝子のホモ接合体となっていたためFasレセプターそのものの発現が全く欠如し細胞死に至るシグナルが伝達されないと考えた. 5)患児ではT細胞のFas誘導性アポトーシスが欠如しているほかAICDも減弱しているため,自己反応性T細胞が排除されず,自己寛容が破綻し様々な自己免疫状態が生じているものと考えた
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2.
論文 |
疋島, 一徳
概要:
金沢大学 医 第1外科<br />原発性肺癌215例を対象に,術前化学療法の投与法別に3治療群に分け,抗Fasモノクローナル抗体を用い,Fas抗原の発現率を検討した. 1)術前無治療群のFas抗原発現率は46.3%, BAI群61.1%,
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IT群70%と術前化学療法群が有意に高率であった.Fas抗原発現量を表すCYTOADに関しても,術前無治療群0.259±0.051, BAI群0.280±0.059, IT群0.300±0.052と有意差で術前化学療法群が高値を示した. 2)Fas抗原はBAI群において,制癌剤の投与薬剤数が増すごとに発現率が高くなる傾向を示し,CYTOADは1剤群0.251±0.042, 2剤(及び3剤)群0.296±0.056, 4剤群0.304±0.073で多剤投与が有意に高値を示した.IT群では,投与回数に比例し,Fas抗原の高率,CYTOADが高値となる傾向を認めた. 3)術前無治療群と異なり,術前化学療法群(BAI群とIT群)のFas抗原陽性例はFas抗原陰性例より有意に予後が良好であった
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3.
論文 |
高仲, 強
概要:
金沢大学 医 放射線医<br />1)放射線誘発アポトーシスは小細胞癌細胞株であるSBC-1, SBC-3に発現し,その最大発現頻度はSBC-1において10Gy照射48時間後17.9±0.1%, SBC-3において20Gy照射72時間後9.
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6±2.3%であった. 2)放射線誘発アポトーシスの発現は照射された生検腫瘍組織においても確認された. 3)Fas抗原の発現はSBC-3及び腺癌細胞株であるRERF-LC-MSに,Bc1-2蛋白の発現は全細胞株に認められた. 4)10Gy照射後SBC-3においてFasmRNA発現の増加とそれに伴うFas抗原発現の増加があり,抗Fas抗体によるアポトーシスの誘発が促進された. 5)RERF-LC-MSでは放射線誘発アポトーシスは認められず,抗Fas抗体によるアポトーシスの誘発も認められなかった
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4.
論文 |
朴, 在鎬
概要:
金沢大学 医 脳神経外科<br />Balb/cマウス脳におけるFas蛋白とmRNAの発現に関し,免疫組織化学的検索ならびに,RT-PCR法,免疫細胞化学的検索を行った. 1)Fas蛋白は,免疫組織化学的に海馬のCA2とCA3及び大脳皮質第
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III層の神経細胞に発現がみられた. 2)FasmRNAは,大脳と小脳,海馬に存在していることが確認されたが,陽性対照の胸腺に比し発現量は少なかった. 3)陰性対照であるMRL lpr/lprマウスにおいては,大脳,小脳,海馬のいずれにおいてもFasの発現はみられなかった.以上より,生理的な神経細胞死にFasが関与している可能性が示唆された
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5.
論文 |
村瀬, 真一
概要:
金沢大学医学部附属神経情報研究施設<br />ナイアシンアミド拮抗剤である3-APは,培養下のヒト ニューロブラストーマIMR-32細胞に選択的に細胞死を誘導した.この細胞死は,形態学的にはアポトーシスの特徴を有し,又,蛋白質やRNA阻害剤
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により細胞死の進行が阻止された.ヌクレオゾーム単位のDNA断片化はみられなかったが,この細胞死はアポトーシスに属すると考えられた.この3-AP誘導IMR-32細胞死は,神経細胞死の分子機序の解析に有用なモデルとなると考える
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6.
論文 |
太田, 哲生 ; 荒川, 元 ; 二上, 文夫 ; 伏田, 幸夫 ; 北川, 裕久 ; 萱原, 正都 ; 永川, 宅和 ; 宮崎, 逸夫 ; 沼田, 雅行 ; 大熊, 勝治
概要:
最近, 抗癌剤による癌細胞の死滅にはアポトーシスという能動的な死のプログラムが関与していることがわかってきた. したがって, 膵癌細胞にアポトーシスを誘導し消滅させることができる薬物があれば, それは理想的な抗癌剤となる可能性がある. しか
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しながら, 現在のところ膵癌にアポトーシスを誘導するような有効な抗癌剤がないのが実状である. 最近, われわれは液胞型プロトンポンプの特異的インヒビターであるbafilomycin A1が膵癌細胞に対して効率よくアポトーシスを誘導することを突き止めた. 今後, このbafilomycin A1を用いたプロトンポンプインヒビター療法が膵癌に対する新しい治療戦略の1つとして確立されることを期待したい. アポトーシスという概念は, 約20年前に病理学者であるKerr1)によって提唱されたものであり, ネクローシスと区別される細胞死であることで最近注目を集めている. アポトーシスを起こした細胞では,細胞のサイズの減少,クロマチンの凝縮のような形態学的特徴のほか,DNAの断片化といった生化学的変化がみられ,生体内にあっては比較的すみやかに排除されることが知られている.
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7.
論文 |
笠原, 善仁 ; Kasahara, Yoshihito
概要:
活性酸素のアポトーシスにおける重要性を活性酸素の産生欠如が主病因である慢性肉芽腫症(CGD)患児由来細胞を用い検討し,Fas誘導性アポトーシスにおける活性酸素の意義を検討した。正常ヒト由来細胞は抗Fas抗体の添加によりアポトーシス誘導を受け
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るのに対し、CGD由来細胞は抗Fas抗体の点かによりアポトーシス誘導を受けるのに対し、CGD由来細胞では僅かであった。カタラーゼを添加することにより産生されるH_2O_2を分解すると濃度依存性に抗Fas抗体のアポトーシス増強作用は抑制され,一方、CGD由来細胞をH_2O_2存在下で培養するとFas誘導性アポトーシスの増強が認められた.FasあるいはFasリガンドの遺伝子変異による自己免疫疾患モデル1prgldマウスと類似した肝脾腫リンパ節腫大、汎血球減少,溶血性貧血,高γグロブリン血症等の臨床像を呈するヒト自己免疫性リンパ球増殖症候群の兄妹例においてFas誘導製アポトーシスを解析したところ,患児由来細胞においては全くFas誘導性アポトーシスが認められなかった.Western blot解析にて異常Fas抗原分子が同定され,遺伝子解析の結果,Fas intron7におけるT→C置換により患児由来のFas抗原はdeathdomainを含む細胞内部分を欠如すること,さらにこの遺伝子異常は母親由来であることが判明した.患児及び母親の末消血においてTCRαβ+CD4-CD8-T細胞の増加が認められた.Fas抗原を介したアポトーシスの生体内での免疫学的恒常性における重要性が示唆された.<br />1) The involvement of reactive oxygen intermediates in Fas-mediated apoptosis was investigated using cells from patients with chronic granulomatous disease (CGD) that have no ability of reactive oxygen intermediates production. Although the treatments with anti-Fas antibody induced apoptosis of cells from normal subjects, cells from CGD were resistant to anti-Fas antibody. Catalase significantly inhibited Fas-mediated apoptosis of normal cells, on the other hands hydrogen peroxides induced apoptosis of CGD cells.2) Fas-mediated apoptosis was estimated in two siblings with autoimmune lymphoproliferative syndrome characterized with hepatosplenomegaly, lymphadenopathy, pancytopenia, hyper-gammagloblinemia, which is similar to clinicalmanifestations of lpr or gld mouse that have mutations of Fas or Fas ligand gene. Cells from two patients showed reduced Fas-induced apoptosis and smaller abnormal Fas protein was detected by western blot analysis. The T to C point mutation of intron 7 in patients Fas gene was detected and Fas antigen of patients lacks intracellular portion including death domain by this mutation TCRalphabeta+CD4-CD6- T cells were increased in blood I patients and analysis of family showed that mother has a same Fas mutation. These results indicated significance of Fas-mediated apoptosis in immunological homeostasis n vivo.<br />研究課題/領域番号:08670862, 研究期間(年度):1996-1997<br />出典:「Fas誘導性アポトーシス細胞死における活性酸素の意義」研究成果報告書 課題番号08670862(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) 本文データは著者版報告書より作成
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8.
論文 |
大熊, 勝治 ; Ohkuma, Shoji
概要:
我々は、細胞の増殖・分化・アポトーシスに対する空胞系酸性顆粒の寄与を,bafilomycin A_1の他、プロジギオシン類やデストラキシン等の空胞系プロトンポンプ阻害剤を用いて明らかにするとともに、これら阻害剤のプロトン輸送阻害機構の解明を
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目指した。その結果、(1)デストラキシンBとEは、ともにリソソームのプロトンポンプを阻害し、リソソーム内pHを上昇させたが、PC12細胞の分化誘導作用はデストラキシンEにのみ認められた。(2)プロジギオシン類は、そのH^+/Cl共輸送活性によりプロトンポンプを脱共役する、新規H^+/Cl symporterであることを初めて明らかにすることが出来た。また、(3)bafilomycin A_1同様、ブロジギオシン類も神経突起伸展(NOG)を誘導することを発見した。(4)そこで、両プロトンポンプ阻害剤によるNOG誘導作用の特徴を検討したところ、ともに新たなRNA及び蛋白質合成を必要とし、MAPキナーゼ、セリン・スレオニンホスファターゼ、チロシンキナーゼ、チロシンホスファターゼ、カルモジュリン、ホスフォリパーゼA_2依存性であるが、trkチロシンキナーゼやAキナーゼには非依存性である等、両情報伝達経路は酷似していることが判明した。(5)また、tambjamineグループのBE-18591もH^+/Cl symporter活性を示し、免疫抑制や、NOG・アボトーシス誘導作用を示すことを見い出した。(6)ところが、同じH^+/Cl symporterでも、tetrapyrroleは増殖阻害・細胞死誘導作用はあるがNOG作用は示さなかった。以上の結果より、pH変化やプロトンポンプ活性自身は、少なくともNOG誘導の直接の引き金にはなっていないと結論した。<br />In this research project, we have studied the machanism of (1) inhibition of cell growth, (2) induction of cell differentiation, and (3) induction of apoptosis, by V-ATPase inhibitors like bafilomycins, prodigiosins and destruxins, as well as the mechanims of inhibition of proton translocation by these inhibitors.We found (1) that both destrauxin-B and -E inhibited lysosomal proton pump, but only destruxin-E induced induced neurite out growth (NOG) of PC12 cells., (2) that prodigisins uncoupled various proton pump activities due to their H ^+ /Cl symport activity, (3) that prodigiosins, like bafilomycin A ^<1'> induced neurite out growth (NOG), and (4) that the prodigiosin-induced NOG, like bafolomycin-induced one, required de novo synthesis of new messenger RNA as well as protein synthesis, was sensitive to the inhibitors of MAP kinases, serine/threonine phosphatases, tyr-kinases, tyr-phosphatases, calmidulin and phospholipase A ^<2' > but resistant to inhibitors of trk tyrosine kinase and protein kinase A.BE-18591, a tambjamine group antibiotics, also behaved as H ^+ /CU symporters and inhibited hog gastric proton pump, inhibit *cid secretion by gastric parietal cells, inhibited osteoclast differentiation, suppressed proliferation of immune lymphocytes, and induced both NOG and apoptosis, suggesting that the variety of biological activities displayed by these H ^+ /C1 symporters may be due to their H ^+ /C1 symport activity. However, tetrapyrrole, another H ^+ /CV symporter, did not induced NOG.From these results, we conclud that the effect of V-ATPase inhibitors on the intracellular pH does not participate in the variety of biological activities (including induction of NOG) displayed by these compounds.<br />研究課題/領域番号:09672220, 研究期間(年度):1997-1998<br />出典:「V-ATPase 阻害剤による分化・細胞死誘導機構」研究成果報告書 課題番号09672220 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) 本文データは著者版報告書より作成
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9.
論文 |
西條, 清史 ; Saijoh, Kiyoshi
概要:
中枢神経の特定の核に局在する蛋白がなぜその核に局在するのか,或いはどのような条件下で局在が起こるのかを検索した。アデノシン受容体サブタイプのうちA2Aが上丘に局在することで視覚入カを増強する形で制御されていること,近年中枢神経の生存促進因子
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であることが報告されたセレノプロテインPの遺伝子構造を解析し,発現調節に重金属関連転写因子や,インターフェロン関連転写因子を始めとする炎症関連因子が関わっていること,実験的近視眼では近視進展にともない一酸化窒素合成酵素mRNAの特定のサブタイプにのみ発現抑制が観察されること,神経組織以外でも線維芽細胞が骨芽細胞化することで硫酸トランスポーターに遺伝子発現の変化が生じることや被虐待児症候群患児において免疫担当細胞の機能低下が起こっていることなどを報告した。さらに,神経中毒を引き起こすような化学物質の影響を評価するために,実際の作業現場での健康影響を評価する一方,アルキル化酢酸の膜流動性変化に対する構造活性相関を明らかにし,ニトリル化合物が特定の神経細胞にアポトーシスを誘導することを見出し,ニトリル中毒時の行動異常発生機序の一部を明らかにした。現在アポトーシス力スケードのどの部位が標的であるかを検索中である。このことは分子生物学的なアプローチが産業衛生を実践していくうえでも有効であることを示しており,今後とも社会医学への貢献の基盤としたい。さらに,このようなアプローチは神経研究のみに有効なばかりでなく,癌特有の遺伝子発現を知るためにも有用であり,多段階発癌機構を明らかにしたり,癌悪性度の評価や腫瘍マーカーの検索に利用できると考え応用を試みている。<br />In order to elucidate the mechanisms why gene expression was regulated not only in a region-specific manner but also in a stimuli-specific manner, gene regulation of several proteins which were enriched in specific brain region was examined. Adenosine receptor subtype A2a was enriched in superior colliculs and its activation caused enhancement in visual input. Analysis of gene structure of selenoprotein RHO.which was recognized to be a survival elongation factor of neuron, displayed that its expression was regulated by metal-responsive-elements, interferon-related-elements, etc. Form-deprivation myopia caused differential regulation in nitric oxide synthase (NOS) gene in retina, namely, down regulation in iNOS and bNOS mRNAs but not F in eNOS mRNA.Aside from neurons, alteration in gene regulation was investigated, i.e., diastrophic dysplasia su1fate transporter was cloned because it was up-regulated in association with osteoblastic differentiation, while MHC-II antigens were down-regulated in lymphocytes of abused children. On the other hand, such molecular biological approach was applied to occupational health, especially, in order to elucidate neuronal toxicity of several chemicals. Anesthetic activity of alkyl acetates were associated with their hydrophobicity, namely their availability to change membrane fluidity. In case of nitriles which displayed neuronal toxicity, including behavioral abnormality, their toxicity involved in apoptosis to specific neurons. We are now investigating which apoptotic cascade is a major target to nitriles. Moreover, we are applying such approach to investigation in cancer-specific gene expression in order to clarify the mechanism of cancer progression, to estimate malignancy of each cancer, etc.<br />研究課題/領域番号:09670353, 研究期間(年度):1997-1998<br />出典:「中枢神経に局在する蛋白の遺伝子発現を司る核蛋白の同定と機能解析」研究成果報告書 課題番号09670353 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) 本文データは著者版報告書より作成
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