1.

論文

論文
倉本, 展行 ; Kuramoto, Nobuyuki
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2002 – 2003  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061161
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />大脳皮質神経細胞を妊娠18日目のラット胎児脳から単離し、無血清培養液中で培養した。この培養細胞をCa^<2+>感受性蛍光指示薬であるfluo-3で前処理後、複数細胞の蛍光強度変化を共焦点レーザー顕微鏡 で同時に観察した。その結果、培養細胞をNMDAに暴露したところ、MgCl_2非添加条件下で、多数の神経細胞において蛍光強度上昇が観察された。一方、NMDA受容体特異的アンタゴニストであるMK-801を前処置すると、NMDAによる蛍光強度増加は完全に抑制された。NMDA暴露継続中は、少なくとも30分以上は蛍光強度上昇が観察されたのに対して、高濃度KCl添加による蛍光強度上昇は、暴露継続中でも経時的に減弱された。FeCl_2の添加は、NMDA適用に伴う蛍光強度上昇を著明に抑制したが、高濃度KCl添加による蛍光強度上昇に対してはほとんど著明な影響を与えなかった。この遊離Fe^<2+>の抑制効果は、10〜200μMの濃度範囲内では添加するFeCl_2の濃度依存的に出現したが、FeCl_3の添加は200μMでもNMDAによる蛍光強度上昇に著変を与えなかった。以上の結果からNMDA受容体の活性化が細胞内遊離Ca^<2+>濃度の増加を引き起こすこと、および膜電位依存型Ca^<2+>チャネルでは速やかに脱感作が招来されるのに対して、NMDA受容体Ca^<2+>チャネルでは脱感作が誘発されにくいことが確認されたばかりでなく、NMDAによるCa^<2+>濃度上昇は遊離Fe^<2+>により選択的かつ可逆的に阻害されることが推察された。<br />研究課題/領域番号:14771276, 研究期間(年度):2002-2003<br />出典:「NMDAレセプターコンプレックス上の新しい調節部位の探索研究」研究成果報告書 課題番号14771276(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14771276/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

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櫻田, 惣太郎 ; Sakurada, Sotarou
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2001 – 2002  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061218
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />興奮性アゴニストによる平滑筋収縮において、20kDミオシン軽鎖(MLC)のリン酸化は主要な役割を果たす。これは、1)細胞内Ca^<2+>の上昇によるミオシン軽鎖キナーゼの活性化、2)三量体G蛋白質G_ <12/13>、低分子量G蛋白質Rhoとその下流のRhoキナーゼを介した、ミオシンホスファターゼの抑制の両者を介する。本研究にて初めて、これら二つの情報伝達経路の間の連携、すなわちCa^<2+>依存的なRho活性化機構が存在することを見出した。60mM Kc1は受容体アゴニストであるノルアドレナリン(NA)とほぼ同等の大きさの持続的収縮とMLCリン酸化レベルの上昇を惹起した。Rhoキナーゼ阻害薬HA-1077、Y-27632はKC1による収縮とMLCリン酸化をNAと同程度に抑制した。KC1、NA刺激はともに濃度依存的に活性型Rho(GTP-Rho)量を増加させた。KC1による収縮とRho活性化は、外液Ca^<2+>除去、ジヒドロピリジンCa^<2+>チャネルブロッカーにより完全に抑制された。KC1による収縮とRho活性化は、チロシンキナーゼ抑制剤やカルモジュリン阻害剤、カルモジュリン依存性キナーゼ抑制剤で強く抑制された。また、NAによるRho活性化・収縮は外液Ca^<2+>除去かつカフェイン処理による細胞内Ca^<2+>ストアの枯渇操作により強く抑制された。以上の結果より、血管平滑筋においてCa^<2+>依存的なRho活性化機構の存在が明らかとなった。この機構は、Ca^<2+>-カルモジュリン-カルモシュリンキナーゼが関与したRho活性化気候の可能性が強い。また、生理的な受容体アゴニストによるRho活性化に関与していると考えられる。<br />研究課題/領域番号:13770021, 研究期間(年度):2001-2002<br />出典:「平滑筋緊張制御系Rho-Rhoキナーゼ-ミオシンホスファターゼの分子生理学的研究」研究成果報告書 課題番号13770021(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13770021/)を加工して作成 続きを見る