1.

論文

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石川, 和宏 ; Ishikawa, Kazuhiro
出版情報: 平成27(2015)年度 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型) 研究実績の概要 = 2015 Research Project Summary.  2014-04-01 – 2016-03-31  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059944
概要: 金沢大学理工研究域機械工学系<br />タイプⅡ型Mg-Gd-Zn合金の熱処理による組織および構造変化と水素化挙動について調べた。Mg85Zn6Gd9合金は鋳造状態でMgとZnGdからなる層状組織を形成していた。X線回折の結果、鋳造合金中に 長周期性を有する相は観察されなかった。400℃でPCT試験を行ったところ、水素圧が0.1MPa以下で0.2H/M程度の水素を吸蔵することが分かった。さらに、1.3MPa付近で圧力プラトーが観察さた。vantHoff解析の結果、このプラトー圧の成因はMg+H2→MgH2反応に起因することが分かった。4MPaで1.8H/M程度の水素を吸蔵した。水素化後の試料中にはMgH2、GdH3、MgZn2が観察され、試料が完全に分解することが分かった。Mg85Zn6Gd9合金をアルゴン雰囲気下で400℃で熱処理すると、鋳造状態で観察された層状組織は消失し、ZnGd母相中にMgリッチ相が析出した組織に変化した。X線回折の結果、2θ=4.8℃付近に長周期性を示すブラッグピークが観察された。熱処理によりMgリッチ相中にLPSO相が形成されたと考えられる。この合金を400℃でPCT測定すると、0.1MPaで0.2H/M程度の水素を吸蔵し、1.3MPa付近でプラトー圧が観察された。この合金の水素吸蔵特性は鋳造合金とほぼ同じであった。水素化後には、鋳造材と同様に試料は完全に分解しており、長周期性を有する相は観察できなかった。以上より、鋳造状態ではLPSO相が観察されない合金でも熱処理によりLPSO相が生成するが、LPSO相の安定性はそれほど高くないため、不均化反応により分解することが分かった。<br />研究課題/領域番号:26109708, 研究期間(年度):2014-04-01 – 2016-03-31 続きを見る
2.

論文

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石川, 和宏 ; Ishikawa, Kazuhiro
出版情報: 平成25(2013)年度 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型) 研究実績の概要 = 2013 Research Project Summary.  2012-04-01 – 2014-03-31  pp.1p.-,  2019-07-29. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060098
概要: 金沢大学理工学域機械工学系<br />LPSO構造を有するMg85Ni6Y9合金を水素化し、水素化速度、水素吸蔵特性、水素化による構造変化について調べた。粉砕した合金を673Kで1時間活性化した後、4MPaの水素を導入し水素吸蔵による圧力低 下を測定したところ、673Kで水素化が平衡に達するまで4時間程度、573Kでは数十時間要することが分かった。したがって、LPSO相の水素化速度は極めて小さいといえる。試料の構造を大気中室温で測定した結果、MgH2、Mg2NiH4、YH2およびYH3が確認された。673KでのPCT測定の結果、0.1MPa以下でYの水素化物生成に伴うプラトー圧の存在が示唆された。また、1.0MPa付近でMgH2生成に伴うプラトー圧が、2.0MPa付近でMg2NiH4生成に伴うプラトー圧が観察された。4MPa水素中での水素吸蔵量は1.6H/M(約5.0wt%)であった。試験後に1時間真空引きした試料は、LPSO相とY水素化物から構成されていた。完全にLPSO相を再生成するには、より高温での脱水素化が必要であることが分かった。昨年度に実施したMg85Zn6Y9合金の水素化特性と合わせると、LPSO構造を有するMg-Tm-Re(Tm:遷移金属、Re:希土類金属)合金の水素化過程は次の通り考察される。(1)水素導入直後の極低圧域でLPSO相が分解してRe水素化物が生成する。(2)TmのMgに対する固溶限が小さいため、残ったMgとTmが単相を構成できずにMgとMg2Tmに分解する。(3)1.0MPa付近でMgが水素化しMgH2を形成する。(3)Mg2Tmが水素を急増する場合には、2.0MPa付近でMg2TmH4を形成する。水素化後の試料の構造測定はすべて大気中室温で行ったため、詳細な構造変化をとらえるには、その場測定が不可欠である。26年度以降には高輝度X線施設でのその場測定を実施する予定である。<br />研究課題/領域番号:24109502, 研究期間(年度):2012-04-01 – 2014-03-31 続きを見る