1.

論文

論文
須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2005  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060220
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ASCはCARD12等と結合してアポトーシス等を誘導する細胞質蛋白質で、その遺伝子は様々ながん組織で発現が抑制されている。しかし、ASCのアポトーシス誘導機構は明確になっていない。我々は、CARD12と Nod2の融合蛋白(C12N2)を発現させ、MDP(Nod2のリガンド)でASC依存性アポトーシスを誘導する実験系を開発した。本研究では、この実験系を用いASC依存性アポトーシスの分子機構を検討した。さらに、我々が最近発見した新規ASC阻害蛋白PYNODについて、がん細胞における発現とASC誘導アポトーシスに対する効果を検討した。結果は以下の通りである。1)種々のがん細胞にC12N2とASCを発現させ、MDPで刺激したところ、調べた全ての細胞株でアポトーシスが誘導された。2)種々のドミナントネガティブ(DN)変異体やsiRNA、カスパーゼ阻害剤などを用いた検討から、ASCはFADD非依存性にカスパーゼ8を介してアポトーシスを誘導し、さらにタイプ2細胞においてはカスパーゼ8で切断されるBid依存性に、ミトコンドリア経路のアポトーシスを誘導することが判明した。3)ASCとカスパーゼ8は細胞内でスペックと呼ばれる凝集塊に共局在した。一方、FADD, Bax, Nod2などとの共局在は認められなかった。4)組替ヒトPYNOD蛋白を特異的に検出する単クローン抗体の樹立に成功した。5)この抗体を用い、PYNOD mRNAの発現が確認された10種類のヒトがん細胞株についてPYNOD蛋白の検出を試みたが、検出できなかった。内在性PYNODの検出にはより高親和性の抗体が必要と思われる。6)PYNODを細胞に一過性に発現させるとASC依存性アポトーシスを阻害した。以上、ASCは種々のがん細胞にカスパーゼ8依存性のアポトーシスを誘導し、PYNODはこのアポトーシスを抑制しうることが判明した。<br />研究課題/領域番号:17014035, 研究期間(年度):2005<br />出典:「ASC依存性アポトーシスの分子機構とPYNODの抑制効果の検討」研究成果報告書 課題番号17014035(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17014035/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

論文
須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 1999 Fiscal Year Final Research Report.  1998-1999  pp.5p.-,  2000-03.  金沢大学がん進展制御研究所
URL: http://hdl.handle.net/2297/00050554
概要: 1)新鮮ヒト抹消血T細胞は、抗Fas抗体で死なないことから、Fas刺激に非感受性であるとされてきた。しかし我々は、新鮮ヒト末梢血T細胞中のFas陽性分画は、可溶型Fasリガンドには非感受性であるが、膜型Fasリガンドにより傷害されることを見 出した。興味深いことに、ヒト末梢血T細胞をいったんコンカナバリンAで活性化すると、抗Fas抗体、可溶型、膜型Fasリガンドのいずれにも感受性になった。この結果は、T細胞のFasリガンド感受性は活性化状態により変化することを示すと同時に、膜型と可溶型Fasリガンドは生体内で異なる役割を果たしている可能性を示唆する。2)アロ骨髄細胞と脾細胞移植によるマウス急性致死性移植片対宿主病(GVHD)モデルにおいて、パーフォリンとFasリガンドが関与していること、致死性にはFasリガンドの関与が大きいことをアロ脾細胞のドナーとして、Fasリガンドの突然変異であるgldマウスおよびperforin遺伝子欠損マウスを用いることにより明らかにした。また、急性致死性GVHDを誘導したマウスに抗Fasリガンド中和抗体を投与することにより、著明な延命効果が得られた。3)Fasリガンドが好中球に富む炎症細胞(腹腔浸出細胞)に対し、アポトーシスと同時にIL-1βconverting enazyme(ICE)非依存性にIL-1βの活性化と放出を誘導し、炎症を促進することを見出した。このFasリガンドの炎症誘導活性は膜型Fasリガンドにより媒介され、天然の可溶型Fasリガンドにはそのような活性は検出されなかった。<br />1) It has been said that freshly isolated human peripheral blood T (hPBT) cells are resistant to Fas-mediated apoptosis, because they are resistant to anti-Fas antibody treatment. However, we found that the Fas positive fraction of hPBT is killed by the membrane-bound form but not the soluble form of Fas ligand (FasL). While, hPBT activated by concanavalin A in vitro became sensitive to both membrane-bound and soluble FasL. Thus, FasL-sensitivity of T cells changes depending on a activation status of T cells, and that membrane-bond and soluble FasL may play distinctive roles in animals.2) Using a murine models of acute graft-versus-host disease (GVHD) after allogeneic bone marrow transplantation, we demonstrated that both FasL and perforin, the major effector molecules of cytotoxic T lymphocytes, are involved in this disease, and that FasL rather than perforin was associated with lethality. Administration of FLIM58 reduced the weight loss and mortality caused by GVHD. Our results demonstrated that neutralizing agents for FasL are therapeutic for lethal GVHD.3) We demonstrated that Fas ligand (FasL) introduced in tumor cells induces a massive infiltration of neutrophils, when the tumor cells are transplanted in peritoneal cavity of syngeneic mice. We also found that the FasL induces in inflammatory cells activation and release of IL-1β, which can explain the inflammatory activity of FasL. In addition, IL-1β converting enzyme (ICE), which is essential for LPS-induced IL-1β activation is not essential for the FasL-induced one. This activity was found to be mediated by membrane-bound but not natural soluble Fas ligand.<br />研究課題/領域番号:10470090, 研究期間(年度):1998-1999<br />出典:「Fasリガンドの生理的、病理的役割の解析」研究成果報告書 課題番号10470090 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
3.

論文

論文
須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060767
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />我々は昨年度の公募研究でFasリガンド導入したがん細胞を同系マウスの腹腔に移植すると、著名な好中球の浸潤を誘導すること、Fasリガンドは炎症細胞(主に好中球)にアポトーシス誘導すると同時に、IL-1βの 活性化と放出を引き起こし、in vivoではこのIL-1βが炎症を増強しているらしいことを示した。さらに、Fasリガンド刺激により不活性化型のIL-1βが活性型に転換される際に、よく知られるIL-1β converting enzym (ICE)は必要でないことが示された。そこで本研究では、まず、FasリガンドによりIL-1βが活性化される際に働く蛋白分解酵素を同定するため、種々の阻害剤を用いてその特性を検討した。その結果、FasリガンドによるIL-1βの活性化にはカスペース以外にキモトリプシン様のセリンプロテアーゼが関与していると考えられ、異なるグループに属する蛋白分解酵素のカスケード反応の結果、IL-1βの転換が起こることが示唆された。一方、Fasリガンドには膜型と、それがメタロプロテアーゼによって分解されて生じる可溶型が存在するが、Fasリガンドの延症誘導活性、腫瘍拒絶促進活性にはどちらの型のFasリガンドが働いているかを検討した。その結果、これらの活性には主に膜型が働いていることが明らかになった。in vitroの実験から示唆されているような可溶型Fasリガンドの好中球に対する直接的な走化因子活性は、in vivoでは検出されなかった。<br />研究課題/領域番号:11140224, 研究期間(年度):1999<br />出典:「Fasリガンドの炎症誘導作用の分子機構の解析」研究成果報告書 課題番号11140224(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11140224/)を加工して作成 続きを見る
4.

論文

論文
笠原, 寿郎 ; Kasahara, Kazuo
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1998 – 1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060808
概要: 金沢大学附属病院<br />1、肺癌細胞株におけるアポトーシスの検討肺癌細胞株PC-9及びそのシスプラチン耐性細胞株PC-9/CDDPを用い実験を行った。それぞれの細胞株をシスプラチンに2時間接触させて後、24時間培養し、細胞を回収した。シ スプラチンにより誘導されるアポトーシスはPC-9において有意に多く、さらに脂質メディエーターであるトロンポキサンA2(TXA2)拮抗薬、合成酵素阻害薬を併用したところ、シスプラチンにより誘導されるアポトーシスは有意に増強した。即ち、TXA2の機能を阻害する事でシスプラチン誘導細胞死が増加した。血小板活性化因子(PAF)拮抗薬についても同様の結果を得た。2、細胞死に関するプロテアーゼの解析TXA2拮抗薬の併用により、シスプラチン誘導アポトーシスの増強が確認されたので、細胞死に関わるシステインプロテアーゼであるカズパーゼについて検討した。ウェスタンブロット法を用い、蛋白量を検討したところ、TXA2拮抗薬の処理によってカスパーゼ2が誘導された。PAF拮抗薬ではカスパーゼ1が誘導された。3、Mitogen-activated proteinキナーゼ(MAPK)の検討TXA2拮抗薬、PAF拮抗薬のシスプラチン誘導細胞死の増強機序を解析するために脂質メディエーターと深く関わりを持つMAPKが果たす役割を検討した。活性化状態のMAPKを確認する抗リン酸化抗体を用いウェスタンブロット法で検討したが、TXA2拮抗薬、PAF拮抗薬、共に影響を与えなかった。以上の結果から、脂質メディエーターであるTXA2、PAFを阻害する事によりシスプラチン誘導アポトーシスが増強し、これはカズパーゼ蛋白を誘導する事に起因すると考えられた。<br />研究課題/領域番号:10770264, 研究期間(年度):1998 – 1999<br />出典:「肺癌細胞のアポトーシスにおける脂質メディエーターの役割」研究成果報告書 課題番号10770264(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10770264/)を加工して作成 続きを見る
5.

論文

論文
須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060841
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />マウス膜型FasLは限定分解を受け不活化される。分解されない組換え膜型FasL(CD40LFL)のcDNAをMethA細胞に導入し、細胞株MAFLを得た。40x10^6個のMAFLを同系マウスの腹腔に移 植したところ、著明な好中球の浸出を認めた。また、MAFL移植群でのみ、腹腔洗浄液中にELISAでIL-1βが検出された。FasL刺激がcaspasesを活性化すること、caspase1/ICEがIL-1βの活性化と分泌を誘導することから、FasLはIL-1βを介して炎症を誘導していると考えた。そこで、thioglycolate誘導(4時間)腹腔浸出細胞(PEC)をFasLで処理したところ、アポトーシスの誘導と同時に、培養上清中への活性型IL-1βの分泌を認めた。このFasLによるIL-1β分泌は種々のcaspase阻害剤で抑制された。LPS刺激によるIL-1β分泌はcaspase1/ICEノックアウトマウス由来のPECでは著しく低下したが、FasLによるIL-1β分泌は野生型と同様に認めれた。また、IL-1α/βノックアウトマウスの腹腔にMAFLを投与したところ、野生型マウスに比べ好中球の浸潤は著明に減少していた。以上の結果より、Fasリガンドを発現した癌細胞は、浸潤してきた炎症細胞にアポトーシスを誘導するが、このことがアポトーシスを引き起こした炎症細胞から活性型IL-1βの遊離を誘導し、さらに強い炎症細胞の浸潤を引き起こすらしいことが示された。また、FasLはcaspase 1以外のcaspasesの活性化を介してIL-1βの活性化と放出を誘導しうることが示された。またこの結果は、FasLの病理的作用に新しい観点を提供するとともに、FasLを免疫制御に利用しようとする最近の試みにも問題点とその解決策の鍵を与えると期待される。<br />研究課題/領域番号:10153268, 研究期間(年度):1998<br />出典:「がん細胞が発現するFasリガンドの意義」研究成果報告書 課題番号10153268(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10153268/)を加工して作成 続きを見る