1.

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松永, 司 ; Matsunaga, Tsukasa
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2002  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060460
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />我々は、紫外線誘発DNA損傷であるシクロブタン型ピリミジン二量体や(6-4)光産物を特異的に認識するモノクローナル抗体を作製し、1J/m^2という正常ヒト細胞の生存率に影響を与えない紫外線線量域におけ るDNA損傷修復能を測定できる超高感度定量系を開発した。その結果、従来の線量域(10-40J/m^2)では全く修復能が見られなかった色素性乾皮症A群(XP-A)患者由来細胞XP12BE、およびXP-G患者由来細胞XP2BIにおいて、(6-4)光産物が24時間で約40-50%修復されるという現象を見出した。本研究では、この現象がヌクレオチド除去修復が完全に破壊されたときのバックアップシステムによるものか否かさらに検証した。そこで、臨床症状と修復欠損がより重篤なXPEMB-1(XP-A)細胞、およびXPCS2LV(コケイン症候群併発型XP-G)細胞について1J/m^2照射後の(6-4)光産物の修復動態を解析したところ、これらの細胞ではウェスタンブロッティングで各欠損タンパク質が全く検出できなかったが、やはり24時問で20-40%程度の修復が観察された。また、検出限界以下の変異型タンパク質の存在とそれによる残存活性を否定するため、XPAあるいはXPGのノックアウトマウス由来細胞の供与を受けて同様の解析を行った結果、色素性乾皮症患者由来細胞で見られるよりも程度は低いものの(6-4)光産物の修復傾向が確認された。以上の結果より、1J/m^2照射時に見られるヌクレオチド除去修復欠損細胞における(6-4)光産物の修復能は、ヌクレオチド除去修復以外のバックアップシステムによる可能性が示唆された。<br />研究課題/領域番号:14658159, 研究期間(年度):2002<br />出典:「ヌクレオチド除去修復のバックアップ機構に関する研究」研究成果報告書 課題番号14658159(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14658159/)を加工して作成 続きを見る
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若杉, 光生 ; Wakasugi, Mitsuo
出版情報: 平成29(2017)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2017 Fiscal Year Final Research Report.  2015-04-01 - 2018-03-31  pp.5p.-,  2018-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051670
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />紫外線による塩基損傷がヌクレオチド除去修復(NER)により二次的なDNA損傷に変換されるメカニズムの解明を目指すとともに、生体内での二次的DNA損傷の生成について検討した。その結果、Exo1がNER反 応のssDNAギャップ中間体を拡大していることが明らかとなり、ATR経路を活性化することがわかった。また、Exo1がDSBに対するシグナリング経路にも影響を与えることや、細胞死の防御に寄与することを見出した。そしてマウス皮膚組織における諸反応について解析を行い、表皮の基底細胞層においてNER依存的なDNA損傷応答反応が起きることを示し、生体内でも二次的DNA損傷が生成することを示唆した。<br />In quiescent cells, nucleotide excision repair (NER) process generates multiple types of secondary DNA damage. However, the mechanism of secondary DNA damage formation and their biological meanings are unclear. In this study, we have examined the possible involvement of exonuclease 1 (Exo1) in the processing of ssDNA gap intermediate during NER. We found that Exo1 plays an important role in the processing of NER-induced ssDNA gap intermediates and protects UV-induced cell death in quiescent cells. In addition, we could detect several NER-dependent DNA damage responses in mouse skin, such as H2AX phosphorylation and ATM activation, indicating that NER-dependent formation of secondary DNA damage indeed occurs in vivo as well.<br />研究課題/領域番号:15K00534, 研究期間(年度):2015-04-01 - 2018-03-31 続きを見る
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若杉, 光生 ; Wakasugi, Mitsuo
出版情報: 平成26(2014)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2014 Fiscal Year Final Research Report.  2012-04-01 - 2015-03-31  pp.5p.-,  2015-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051671
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />休止期のヌクレオチド除去修復に依存して活性化するシグナル伝達経路に着目し、その初期シグナルと生物学的意義の解明を目的として実験を行なった。その結果、その活性化はヌクレオチド除去修復の反応中間体を介して 生じる2種類の二次的なDNA損傷に起因しており、致死的な作用が強い二本鎖切断が生じることを明らかにした。また、電離放射線感受性として知られる毛細血管拡張性小脳失調症患者由来の細胞が、休止期においては紫外線にも高感受性であることを示した。さらに、生体から単離した休止期もしくは休止期様の細胞について検討し、同調した培養細胞で観察されるヌクレオチド除去修復依存的な反応が生じることを明らかにした。<br />In this study, we tried to clarify the nucleotide excision repair (NER)-related DNA structure(s) activating the signal transduction pathways and their biological impacts. We found that, under the quiescent condition, DSB (DNA double-strand break) is generated in an NER-dependent manner, in addition to the predicted single-stranded regions. In NER-proficient cells arrested in G0 phase, UV exposure activates ATM signaling pathway, which leads to the accumulation of DSV-related factors. Importantly, A-T cells are more sensitive to UV compared with normal cells when exposed under quiescent but not exponentially growing condition. Finally, we show that the NER-dependent H2AX phosphorylation is also observed in peripheral T lymphocytes and hematopoietic stem cells from mice. These all results suggest that in vivo quiescent cells may suffer from the mixed types of DNA lesions such as ssDNA gaps and DSB after UV or chemical exposure generating NER substrates. 続きを見る
4.

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松永, 司 ; Matsunaga, Tsukasa
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060835
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />ヌクレオチド除去修復(NER)において、XPGとXPF-ERCC1はそれぞれ損傷の3′側と5′側の切断酵素として働くが、XPGやERCC1をノックアウトしたマウスはいづれも成長阻害、離乳前死亡というN ER欠損だけでは説明できない重篤な症状を示す。また、XPGはXPF-ERCC1による5′側切断にも関与している可能性が示唆されており、本研究ではXPGの除去修復エンドヌクレアーゼとしての機能以外の役割に注目した。1. Two-hybridシステムを用いた解析より、XPGとERCC1の相互作用が示唆された。プルダウンアッセイを用いて試験管内で確認したところ、バキュロウィルス高発現系から精製されたリコンビナントタンパクや試験管内転写/翻訳反応により合成されたタンパクで両者の相互作用が確認できた。また、その相互作用ドメインのマッピングを行い、XPGはN末とC末の2箇所(主にN末)にERCC1はN末の領域に特定できた。本研究で示されたXPGとERCC1との相互作用は、XPF-ERCC1の損傷部位へのリクルートに関与しているのかもしれない。2. XPGタンパクはNERとは別の修復機構である塩基除去修復(BER)にも関与する可能性が示唆されており、この点について検討した。まず、ウラシルを1個のみ含むDNA基質を用いて塩基除去修復の試験管内切断反応系を確立した。これを用いて各種細胞粗抽出液の切断活性を比較したところ、XP-G患者由来細胞や放医研の塩見らによって樹立されたxpgノックアウトマウス由来細胞の抽出液は、正常細胞に比べて常に低い切断活性(50-80%)を示すことがわかった。また、この低切断活性はウラシルDNAグリコシラーゼの反応効率の低下に起因していた。しかし、リコンビナントXPGを反応系に添加しても相補されず、XPGの塩基除去修復への関与は間接的なものであることが示唆された。<br />研究課題/領域番号:10165206, 研究期間(年度):1998<br />出典:「除去修復エンドヌクレアーゼの機能とその欠損による分子病態に関する研究」研究成果報告書 課題番号10165206(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10165206/)を加工して作成 続きを見る
5.

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若杉, 光生 ; Wakasugi, Mitsuo
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2007 Research Project Summary.  2006 – 2007  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060964
概要: 金沢大学理工研究域<br />ヌクレオチド除去修復におけるクロマチン構造変換機構とDDBの機能を明らかにするために、主に以下の点について解析を行った。まず、DDBとクロマチンリモデリングに関わるタンパク質との関連性を調べるために、免疫沈降法 によりDDBと共沈降するタンパク質をウェスタンブロッティングにより解析した。その結果、今までDDBと相互作用することが知られていなかったタンパク質が含まれることがわかったので、細胞内で共発現することによりDDBとの相互作用を確認した。また興味深いことには、細胞に紫外線を照射した時に、そのタンパク質がDNA損傷部位に集積することがわかり、紫外線によるDNA損傷応答において何らかの役割を担っていることが示唆された。現在、ヌクレオチド除去修復反応に及ぼす影響についてさらに詳細な解析を進めている。一方、ニワトリDT40細胞を用いて作成したDDB1のコンディショナルノックアウト細胞で、紫外線以外のDNA傷害剤に対する応答についても解析を行った。その結果、DNA複製を介して二本鎖切断を生じるcamptothecin(CPT)を処理すると、野生型DT40細胞はG_2/M期に停止するのに対し、DDB1を欠損させた場合にはG_2/M期まで進まず、S期の初期で停止することがわかった。さらに、ミトコンドリアの還元酵素活性を指標にCPTに対する感受性について検討したところ、DDB1を欠損させると感受性が有意に増加することがわかった。したがって、DDB1がCPTによるDNA損傷応答において何らかの役割を担っていることが推察され、このDDB1の新しい機能に注目して解析を行っている。<br />研究課題/領域番号:18710044, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「ヌクレオチド除去修復におけるクロマチン制御とDDBの機能」研究成果報告書 課題番号18710044(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18710044/)を加工して作成 続きを見る
6.

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若杉, 光生 ; Wakasugi, Mitsuo
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061075
概要: 金沢大学理工研究域<br />ヌクレオチド除去修復反応におけるDDBの機能とクロマチン構造変換機構を明らかにするために、以下の点について解析を行った。まず、昨年度解析したDDBと相互作用するヒストンアセチルトランスフェラーゼに加え、クロマチ ンの構造変換に関わるATP依存性クロマチンリモデリング因子の修復反応への関与について検討した。出芽酵母のATP依存性クロマチンリモデリング因子の一つであるIno80複合体は、その欠損体が紫外線を含む種々のDNA傷害剤に対して高感受性を示すことが知られている。最近になり、ATPase活性を担うIno80サブユニットのホモログ(hIno80)がヒトにおいても存在することがわかったので、cDNAを入手して外来発現系を構築した。ヒト細胞内でhIno80を発現後、局所的紫外線照射法により核の一部にDNA損傷を誘起し、蛍光免疫染色によりその局在性を解析した。しかし、ヌクレオチド除去修復の基本修復因子やDDBとは異なり、DNA損傷部位への集積は観察されなかった。また、SWI/SNF複合体のサブユニットについても検討したが、DNA損傷部位に集積することはなかった。また、DDBの機能を明らかにするために、DDBのサブユニットのうち自然に変異体が存在しないDDB1のノックアウト細胞の作成を行った。ニワトリDT40細胞を用いた通常のターゲッティングでは、ホモ接合体細胞を得ることはできなかったが、コンディショナルミュータントの作成に成功した。そして、細胞内のDDB1タンパク質を消失させると、細胞周期のS期の進行に異常を生じ、増殖が遅延して、最終的に死に至ることがわかった。さらに、siRNAを用いてDDB1を欠損させたヒト細胞も同様な表現型を示すことを見いだし、DDB1が細胞の生存に欠くことのできない重要な機能をもっことを明らかにした。<br />研究課題/領域番号:16710031, 研究期間(年度):2004 – 2005<br />出典:「ヌクレオチド除去修復におけるDDBの機能とクロマチン構造変換機構の解析」研究成果報告書 課題番号1671003(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16710031/)を加工して作成 続きを見る
7.

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二階堂, 修 ; Nikaido, Osamu
出版情報: 平成12(2000)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書概要 = 2000 Fiscal Year Final Research Summary.  1999 – 2000  pp.3p.-,  2002-03-25. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00063910
概要: 金沢大学 薬学部<br />紫外線(UVBとUVC)によって誘発される二量体型DNA損傷には、シクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)、(6-4)光産物(64P)とデワー型光産物(DwP)が含まれる。これら損傷は細胞死、突然変異とがん誘発に 関わることから、その検出は太陽光紫外線中のUVBの影響を評価するに必須である。本研究では低線量紫外線によって誘発される遺伝子損傷検出を目的として下記の検出系の樹立を目指した。全ての検出系は我々がこれまでに樹立したDNA損傷を特異的に認識するモノクローナル抗体を利用した系である。1.キャピラリー電気泳動法を利用した損傷の高感度検出系の開発抗CPDモノクローナル抗体(TDM-2)を一次抗体とし、二次抗体にはAlexa Fluor標識goat anti-mouse IgG(H+L)を用いた。DNA損傷は損傷と一次・蛍光標識二次抗体の複合体をキャピラリー電気泳動後、488nmレーザー励起蛍光検出器(BioFocus 2000:Bio Rad)で検出した。DNAと一次抗体の非特異的結合を抑制するため反応バッファー中の塩濃度を高く設定した。ヒトA549細胞由来のゲノムDNAを分離し低線量紫外線(UVC、<10J/m^2)を照射した後損傷を検出した。その結果、0〜1J/m^2のレベルで紫外線線量に依存して検出複合体量が直線的に増加した。また、検出された複合体のピークが大腸菌由来光回復酵素処理によって低下したことから、損傷に結合した一次・二次抗体複合体であることが確認された。今後は本検出系を用いて0〜1J/m^2のレベルでの損傷の細胞内修復動態の解析を行う。2.ECL(Enhanced Chemiluminescence)法を用いた増感酵素標識免疫測定法(ELISA)の樹立損傷を高感度に検出することを目的として従来のELISA法を改良した。マイクロプレートにLumiNunc^<TM>を、化学発光基質としてSuperSignal^*ELISA Femto Maximum Sensitivity Substrate(Pierce,IL)を用いた。その結果、0〜1J/m^2のUVC線量域で損傷の直線的検出が可能となった。従来の方法に比べ10〜20倍程度の検出感度の上昇が見られた。今後は64PとDwPの定量的検出に適用し、それら損傷の生物学的意義の解明に努めたい。3.ドットブロット法を利用した損傷検出系の開発plasmid DNAに各種の紫外線を照射し、種々の損傷修復タンパクで消化後、超螺旋型から開環型への変換を測定し検量線を描き、一方でECLを利用したドットブロット法を結合抗体の検出に利用して各種抗体が結合する損傷数を決定した。その結果、UVAランプの照射でCPDがDNA中に有意に誘発されること、DwPは人工太陽光紫外線照射で特異的に誘発され、CHO細胞中では64Pのそれとは異なってCPDと同様に遅い修復を示すことが分かった。従って太陽光紫外線に暴露された際の主たる損傷はCPDとDwPであり、それらは共に変異源性が高いことが示唆された。<br />We established the quantitative systems to detect various kinds of ultraviolet (UV)-induced DNA damage by using,1) a capillary electrophoresis combined with laser-induced fluorescence detector. The DNA irradiated with various doses of UVC was incubated with the first antibody recognizing DNA damage, followed by incubation with the second antibody (anti-mouse IgG goat antibody) conjugated with fluorescent dye. The DNA damage-first antibody-second antibody-complex was detected in a UVC dose-dependent manner in the rage of 0-1J/m^2.This higher resolution of the capillary electrophoresis for the detection of cyclobutane pyrimidine dimers (CPD) in UV-irradiated DNA made us possible to assess the biological effect of physiologically relevant doses of ultraviolet light in solar light.2) an enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) conjugated with enhancedchemiluminescence system (ECL). We successfully detected CPD in DNA irradiated with UVC doses up to 1J/m^2 by this ECL-ELISA system.<br />研究課題/領域番号:11470498, 研究期間(年度):1999 – 2000<br />出典:「モノクローナル抗体を用いた遺伝子損傷の高感度検出系の開発とその応用」研究成果報告書 課題番号11470498(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-11470498/114704982000kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成 続きを見る
8.

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松永, 司 ; Matsunaga, Tsukasa
出版情報: 平成29(2017)年度 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究成果報告書 = 2017 Fiscal Year Final Research Report.  2016-04-01 - 2018-03-31  pp.4p.-,  2018-06-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051083
概要: 金沢大学薬保健研究域薬学系<br />我々は、哺乳類細胞における紫外線誘発DNA 損傷に対する修復機構として、ヌクレオチド除去修復以外の反応が存在する可能性を見出し、本研究ではその反応メカニズムを詳細に解析した。その結果、この反応にはヌクレ オチド除去修復の初期過程で働く損傷認識因子XPCが必須であり、別の損傷認識因子であるDDBは必要ないことがわかった。一方、DDBが正常に存在する場合は、プロテアソーム活性もこの反応に必要であるが、DDB2ノックダウン下では必要ないことから、DNA損傷がDDBによって認識されたときはCul4-DDB1 E3リガーゼによるユビキチン化と分解反応が必要と推測された。<br />We recently showed that mammalian cells slowly remove UV-induced 6-4 photoproducts from their genome under the nucleotide excision repair (NER)-defective condition. In this study, we have tried to uncover the mechanism of the NER-independent reaction in human cells. We have found that the non-canonical repair reaction requires XPC, but not DDB, both of which are well-known NER factors involved in a damage recognition step. We further found that a proteasomal activity is also required for this reaction only when NER-deficient cells have functional DDB, suggesting the implication of proteasomal degradation mediated by Cul4-DDB1 E3 ligase.<br />研究課題/領域番号:16K15118, 研究期間(年度):2016-04-01 - 2018-03-31 続きを見る
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松永, 司 ; Matsunaga, Tsukasa
出版情報: 平成26(2014)年度 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究成果報告書 = 2014 Fiscal Year Final Research Report.  2013-04-01 - 2015-03-31  pp.4p.-,  2015-05-23. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051084
概要: 金沢大学薬保健研究域薬学系<br />我々が見出したヌクレオチド除去修復阻害化合物(NERi)が、シスプラチンの抗腫瘍作用増強剤となりうるか検討を行った。まず、胃癌由来KKLS細胞および卵巣癌由来A2780細胞を用いたコロニーアッセイで、N ERiは2~3倍の増強を示すことがわかった。また、シスプラチンで誘発される1,2-GpG架橋損傷の修復が、NERiの前処理により阻害されることを確認した。そこで、マウス肺癌由来LLC細胞をC57BL/6マウスに移植し、シスプラチンとNERiとの併用効果を調べたところ、シスプラチン単独処理に比べて有意に高い抗腫瘍作用が観察された。<br />In this study, we have analyzed whether a small-molecule inhibitor of nucleotide excision repair (NERi) we recently found can potentiate the cytotoxic effects of cisplatin in cancer cells. The clonogenic survival assay revealed that NERi treatment increases the cisplatin-sensitivity of KKLS stomach cancer cell lines and A2780 ovarian cancer cell lines 2-3 fold. Using an immunoassay with damage-specific antibody, we showed that the removal of cisplatin-induced DNA intrastrand crosslinks is markedly attenuated by NERi treatment. Furthermore, in vivo experiments using murine Lewis lung carcinoma and C57BL/6 mice revealed that a combination of cisplatin and NERi significantly suppresses tumor growth, compared with cisplatin alone.<br />研究課題/領域番号:25640089, 研究期間(年度):2013-04-01 - 2015-03-31 続きを見る
10.

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松永, 司 ; Matsunaga, Tsukasa
出版情報: 平成27(2015)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2015 Fiscal Year Final Research Report.  2013-04-01 - 2016-03-31  pp.4p.-,  2016-05-30. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00051085
概要: 金沢大学薬保健研究域薬学系<br />我々は、これまでにヒト細胞のヌクレオチド除去修復反応を阻害する低分子化合物を発見し、ERCC1-XPFのプロテアソーム依存的分解誘導が原因であることを明らかにしている。本研究では、この分解誘導の詳細なメ カニズムを明らかにすべく、この反応に関わる因子の同定を試み、2種のポリユビキチン化関連因子を同定した。また、100種以上の構造類縁体を用いて活性を比較し、構造活性相関を明らかにした。一方、新たな化合物ライブラリーを用いたスクリーニングも実施したが、上記化合物と同レベルの高い阻害活性を示す化合物は得られなかった。<br />We recently identified a small-molecule inhibitor (NERi) of nucleotide excision repair in human cells, which induces proteasomal degradation of one of core NER factors, ERCC1-XPF. In this study, we have tried to uncover the detailed mechanism underlying the loss of ERCC1-XPF heterodimer after NERi treatment. We have finally identified two cellular proteins possibly involved in the proteosomal degradation of ERCC1-XPF. We have also determined a structure-activity relationship of NERi by comparing the activity of more than 100 derivatives. On the other hand, we could find no further compounds showing comparably high NER-inhibition activity with NERi after screening of another public chemical library.<br />研究課題/領域番号:25281017, 研究期間(年度):2013-04-01 - 2016-03-31 続きを見る