1.

論文

論文
小林, 永治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.126-133,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4487
概要: 金沢大学大学院医学系研究科環境医科学専攻感染症制御学講座ウイルス感染症制御学<br />1996年~2001年にケニアで実施された「短期ジドブジン(ZDV)投与による母子感染予防コホート研究」でZDV投与群および非投与群におけるヒト免疫不全 ウイルス(HIV)母子感染例各々3組ずつの検体を用い,プロウイルスDNA中の逆転写酵素領域をPCR法にて増幅しジデオキシ法を用いて塩基配列を決定した.さらにZDV耐性をひきおこす既知のアミノ酸置換の有無を調べ,得られた塩基配列について近隣結合法により分子解析を行った.その結果,児のウイルスにはZDV耐性をひきおこす既知のアミノ酸置換は認めず,母親のウイルスクローンの一部にこのアミノ酸置換を認めたが,いずれも2次変異のみであった.短期ZDV投与でも母子感染が起こった原因はZDV耐性ウイルスが誘導され児へ感染したことによるものではないことが示唆された<br />原著論文/比較研究 続きを見る
2.

論文

論文
渡邉, 卓也
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.337-347,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4520
概要: 金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳機能制御学<br />神経膠芽腫における染色体12番長腕12q22-23のヘテロ接合性の喪失(LOH)とApaf-1の不活化を検討した.対象は,神経膠芽腫33例で染色体12q22-23LOHとApaf -1発現の関与,p53遺伝子異常およびEGFR遺伝子増幅との関係を検討した.33例中14例(42%)にLOHを認め,14例中Apaf-1 mRNAの低発現は9例(69%),Apaf-1陰性反応は12例(86%)で,染色体12q22-23LOHとApaf-1 mRNAおよび蛋白の低発現は有意に相関した.p53遺伝子変異は13例(39%),EGFR遺伝子増幅は8例(24%)に認め,両者は互いに相容れない関係で,染色体12q22-23LOHと両者に相関関係はなかった.p53,EGFRいずれの遺伝子異常も有さず染色体12q22-23のアレル情報が得られた9例中6例(67%)にLOHを認め,LOHまたはp53遺伝子異常のいずれかを有するものは23例(70%)に上った.本疾患では「p53-Apaf-1」アポトーシス経路の破綻が考えられた<br />原著論文 続きを見る
3.

論文

論文
張, 家生
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.282-289,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4525
概要: 金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳細胞遺伝子学<br />RNAインターフェランス法(RNAi)による神経形成遺伝子の探索を行った.方法は,ショウジョウバエのESTでラベルされたDNAをPCR法で増幅して2本鎖RNA(dsRNA)を合 成し,これを受精2時間以内の卵に注入した.胚発育15~17時間後に固定操作を行い,神経系を22C10モノクローナル抗体で染め,実体顕微鏡下で神経組織の異常がある胚とない胚の数を数え,透過顕微鏡で変異の有無や表現型の詳細を観察した.fau遺伝子のdsDNA注入により,その部位では中枢,末梢神経とも強く発達が抑制され,他の部分には異常な中枢,末梢神経の発達が見られた.96個の遺伝子の中から1つが確実に神経発達に関与する遺伝子であることが判明した.RNAiの方法で全ゲノムを用いて網羅的に神経形成に関与する遺伝子の探求が可能であると考えられた<br />原著論文 続きを見る
4.

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論文
浅野, 昭道
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.130-141,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4537
概要: 金沢大学大学院医学系研究科循環医科学専攻血管分子遺伝学<br />日本人2型糖尿病患者で,35歳以下発症で三世代または二世代かつ同胞に家族歴を有する患者30名(1群)と35歳以下発症で家族歴が1群の用件を満たさない患者33名(2群),36歳 以降発症で家族歴が1群と同じ患者15名(3群)を対象に,肝細胞核因子(HNF)-1α遺伝子変異と新しい変異の有無を検索し,さらに,変異蛋白を機能解析し変異保有者の臨床像と比較検討した.15歳以下発症者8名のうち2名にHNF-1α遺伝子変異を検出した.1家系4名に新しくHNF-1α遺伝子Thr433Ile変異を検出し,変異蛋白の機能解析よりドミナントネガティブ変異であると判断した.この家系の検討より,若年発症成人型糖尿病第3型患者の臨床像は,他の糖尿病遺伝因子に修飾される可能性があることを示唆した.1家系2名にHNF-1α遺伝子Pro291fsinsC変異を検出したが,発端者のインスリン分泌障害の進行は緩徐で,今までの報告と異なる臨床像であった<br />原著論文/比較研究 続きを見る
5.

論文

論文
武藤, 寿生
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.35-43,  2002-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4549
概要: 金沢大学医系研究循環医<br />日本人慢性腎不全患者254例(男156例,女98例)を対象に,潜在的ファブリー病の頻度,その遺伝子変異,臨床病型を検討した.その結果,血漿中,白血球中にα-ガラクトシターゼA活性の低下を8例に認めた.うち2 例にα-ガラクトシターゼA遺伝子のエクソン部位に異常A156T,V339Eを見出した.うち1例は古典的ファブリー病であり,他方は腎障害のみを示す亜型ファブリー病であった.V339Eはこれまで報告がなく,突然変異であった.女性例の中には,ヘテロ接合体のファブリー病患者を認めなかった.ファブリー病は慢性腎不全患者の中に潜んでいることがあり,特に原因不明の腎不全の場合,注意を要する.腎障害のみを示す亜型ファブリー病の頻度は従来考えられていたよりも多い可能性がある.α-ガラクトシターゼA活性が低値であったが,遺伝子異常を認めなかった症例は測定時に阻害物質が存在した可能性や,遺伝子プロモーター部位等,遺伝子発現因子の異常が想定された<br />原著論文 続きを見る
6.

論文

論文
伊藤, 英樹
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.348-359,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4561
概要: 金沢大学医系研究循環医<br />Brugada症候群の臨床的特徴と心筋Naチャネル遺伝子に関して分子遺伝学的に検討した.対象は,北陸地方のBrugada症候群患者40例(男性37例,女性3例・平均年齢50歳)であった.心室細動あるいは失神 発作を17%に認め,発作性心房細動は25%と高率で,不整脈事象では14例中13例が夜間から早朝に発生し,発生直後のSTは13例中10例で前後の心電図に比し上昇していた.SCN5A遺伝子変異の検討では,1症例でエクソン7の282番目のアミノ酸ArgをコードするコドンCGCがHisをコードするCACへと変化する変異Arg282His,6症例でエクソン12の568番目のアミノ酸HisをコードするCACがArgをコードするCGCへと変化する変異His568Arg,2症例でエクソン18の1090番目のアミノ酸ProをコードするCCGがLeuをコードするCTGへと変化する変異Pro1090Leu,5症例でエクソン20の1193番目のアミノ酸ArgをコードするCGGがGlnをコードするCAGへと変化する変異Arg1193Glnを検出した.これらはすべてドメインを結ぶ細胞内ループ上の変異で遺伝子多型であった<br />原著論文 続きを見る
7.

論文

論文
村瀬, 裕子
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.360-369,  2001-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4557
概要: 金沢大学医系研究循環医<br />インスリン抵抗性症候群および2型糖尿病患者におけるLMNA遺伝子変異について検討した.対象は,黒色表皮症を伴ったインスリン抵抗性男性患者8名(平均年齢20.8歳),男性2型糖尿病患者164名(平均年齢48. 4歳)および男性非糖尿病対照者171名(平均年齢53.9歳)で,末梢白血球より分離した高分子DNAを用いた.インスリン抵抗性患者で,エクソン10の1908番目の塩基がCからTへ変異する一塩基変異多型のみが3名に認められた.変異型ホモ(1908T/T)のラミンAおよびラミンCのmRNAレベルでの明らかな異常は認められなかった.1908CtoTの変異型群の頻度は,非糖尿病群に比し糖尿病群で有意に高値であった.1908CtoTの変異型群では,1908C/C群に比し血清総コレステロール,血清中性脂肪,空腹時インスリン値,HOMAが有意に高値で,HDL-Cが有意に低値であった.以上より,LMNA 1908CtoT遺伝子多型は日本人男性においてインスリン抵抗性を介して糖尿病や脂質代謝異常に関連している可能性が考えられた<br />原著論文 続きを見る
8.

論文

論文
江本, 従道
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.227-242,  2001-08-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4563
概要: 金沢大学医系研究循環医<br />北陸地方在住の異なる168家系のHCM発端者について,心筋βMHC遺伝子異常の頻度,種類,遺伝子変異と表現型の関係について検討した.患者末梢血白血球より高分子DNAを抽出し,心筋βMHC遺伝子のエクソン3か らエクソン24迄の領域についてPCRによりDNA断片を増幅した.その後,PCR一本鎖コンフォメーション多型法および直接塩基配列決定法により遺伝子変異を同定し,PCR制限酵素切断多型法を用いて遺伝子変異の確認を行った.HCM発端者168名における検討で,7種類の心筋βミオシン重鎖遺伝子変異を見出し,この内4種類は新変異であった.北陸地方の肥大型心筋症における心筋βミオシン重鎖遺伝子変異の頻度は6.0%であった.βMHC遺伝子変異における臨床病型には,荷電変化の有無よりも遺伝子変異の存在する機能部位が深く関わっている可能性が示唆された<br />原著論文 続きを見る
9.

論文

論文
大坪, 公士郎
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.52-64,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4581
概要: 金沢大学がん研究所<br />60例のヒト膵癌組織材料を用い,免疫組織学的検討よりp16蛋白の発現を検討し,DNAを用いたホモ接合性欠失,変異,メチル化等のp16遺伝子異常を検索した.その結果,ヒト膵癌60例のp16の異常は,蛋白発現レベル で38例,遺伝子レベルで11例にみられた.変異レベルでp16の変異がみられた9症例の内訳は,エクソン1が2例,エクソン2が7例であった.又,メチル化は2例でみられた.遺伝子レベルの異常の有無では占拠部位,組織型,臨床病期に有意差はみとめなかったが,p16遺伝子異常群は正常群に比し,腫瘍径が大きく,術後6ヵ月以内に死亡した者が多かった.以上よりp16を有する膵癌は悪性度が高く,予後不良予測マーカーとなり得ることを示す<br />原著論文 続きを見る
10.

論文

論文
安田, 敏彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  110  pp.96-105,  2001-02-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4583
概要: 金沢大学医第2内科<br />男性DCM患者連続50症例を対象に末梢血リンパ球よりゲノムDNAを抽出し,マルチプレックスPCR法によってジストロフィン遺伝子異常を検索同定した.全例に心エコー図検査を施行し冠動脈疾患を除外した結果,ジストロフ ィン遺伝子異常は4例(8名)に認められ,エクソン45-48の欠失2例,45-51,48-52の欠失がそれぞれ1例であった.遺伝子異常例では,平均44歳で他のDCM症例の平均60歳に比し若年であり,3例にDCMや若年突然死の家族歴を有していた.平均血清CPK値は670IU/Iで平均107IU/Iに比し高値であった.又,全ての症例に心臓刺激伝導障害を認めた.心エコー図検索所見は他のDCM症例と差異を認めなかった<br />原著論文 続きを見る