1.

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永長, 一茂 ; Nagaosa , Kazushige
出版情報: 平成27(2015)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2015 Fiscal Year Final Research Report.  2013-04-01 – 2016-03-31  pp.4p.-,  2016-06-13. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059463
概要: 弘前大学 / 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />生体内の不要な細胞は細胞死が誘導され、食細胞により速やかに貪食される。貪食受容体のDraperとintegrin βνを欠いたショウジョウバエでは成長が遅れることから、貪食受容体を介した 死細胞貪食が個体の成長期間を調節すると仮定し、その仕組みを検証した。食細胞を用いた実験により、死細胞貪食後の細胞では成長促進に関係する遺伝子Bの発現が増加すること、Bの転写抑制因子Cの発現が低下すること、およびCの転写抑制因子Aが活性化することがわかった。よって、貪食後の細胞ではAが活性化してCの発現量が低下することで、Cに発現を抑えられていたBの発現量が増加し、個体の成長が促される仕組みが予想された。<br />Unwanted cells are induced cell death, then phagocytes recognize them using phagocytosis receptor(s) and engulfed. Our previous experiments showed that a Drosophila lacking phagocytosis receptors, Draper and integrin beta-nu, took longer time to develop into adults. This results hypothesized that phagocytosis receptor-mediated phagocytosis controlled ontogenetic growth. To be clear that, phagocytosing phagocyte was subjected to DNA microarray analysis and gel-shift assay. I found; 1) expression level of growth-related gene B was up-regulated, 2) amount of a repressor C which suppresses transcription of the gene B was decreased, and 3) another repressor A which suppresses transcription of the gene C was activated. These findings support the hypothesis.<br />研究課題/領域番号:25440044, 研究期間(年度):2013-04-01 – 2016-03-31 続きを見る
2.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2006 Research Project Summary.  2005 – 2006  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060212
概要: 富山大学 / 金沢大学がん進展制御研究所<br />RNAポリメラーゼII(Pol II)最大サブユニットカルボキシル末端領域(CTD)は、転写中にダイナミックなリン酸化-脱リン酸化調節を受けることによって、RNAプロセシング因子やヒストン 修飾酵素の転写部位への集合を制御する足場として機能している。本研究は、脊椎動物細胞において転写とRNAプロセシング過程を協調的に制御している分子メカニズムを解明するために、CTDのリン酸化および構造変換を調節している因子である我々が近年同定した新規リン酸化CTD結合因子PCIF1、および酵母CTDフォスファターゼSsu72の脊椎動物オルソローグの機能を解析することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、それぞれの遺伝子のトリB細胞株DT40を用いたノックアウトによる解析を行い次のような結果を得た。(1)今回DT40野生株を出発細胞株としてトリPCIF1遺伝子ホモノックアウト細胞株を新たに樹立し解析を行った。その結果これまでに我々が観察していることと同様に、ノックアウト細胞においてはトリプロリルイソメラーゼPin1の発現が亢進していること、細胞へのUV照射によるリン酸化Pol II特異的な分解が促進することが観察された。(2)3種類の独立したSsu72遺伝子コンディショナルノックアウト細胞株を樹立した。これらの細胞株を用いた解析から、トリSsu72は細胞生育に必須の因子であること、またトリU4 snRNA遺伝子の3'末端生成に関与している可能性が示唆された。一方出芽酵母の場合とは異なり、Ssu72ノックアウトによって細胞全体のPol II-CTDのリン酸化の程度は大きく影響されなかった。このことからSsu72は、少なくともトリ培養細胞においては主要なCTD脱リン酸化酵素ではなく、Ssu72以外のCTD脱リン酸化酵素が細胞内で機能している可能性が示唆された。<br />研究課題/領域番号:17026013, 研究期間(年度):2005 – 2006<br />出典:「RNAポリメラーゼIICTDリン酸化制御による転写とRNAプロセシングの協調機構」研究成果報告書 課題番号17026013(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17026013/)を加工して作成 続きを見る
3.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2003 – 2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060536
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />RNAポリメラーゼII(RNAP II)最大サブユニットカルボキシル末端領域(CTD)は、RNAP IIによるRNA合成中にダイナミックなリン酸化を受けながら、RNAプロセシング因子の転写部位への集合・ 離散を制御するscaffoldとして機能している。私は、リン酸化CTDに特異的に結合する新規因子の同定と機能検索を通じ、転写とRNAプロセシングをカップルさせている分子機構にアプローチしている。これまでに、ヒト新規核蛋白質PCIF1、細胞周期調節因子プロリルイソメラーゼPin1など4種類のWWドメイン蛋白質をリン酸化CTD結合因子として独自に同定してきた。今年度は脊椎動物PCIF1の機能解析を中心に行い、以下の結果を得ることが出来た。(1)トリB細胞株DT40を用いたPCIF1遺伝子ノックアウトによる解析から、PCIF1の発現消失に伴いPin1の発現亢進が観察された。このことから両者の機能的な関連性、またはPCIF1がPin1発現の負の調節因子である可能性が示唆された。(2)ノックアウトDT40細胞と正常細胞を比較し、mRNA発現量が変化する遺伝子をディファレンシャルディスプレイによって検索し候補遺伝子を単離した。(3)ヒトPCIF1は細胞周期M期特異的にリン酸化を受ける。(4)CTD脱リン酸化酵素ヒトSCP1による試験管内CTD脱リン酸化反応は、PCIF1またはPin1によって強く抑制される。(5)ヒトPCIF1および酵母CTD脱リン酸化酵素Ssu72のヒトオルソローグ遺伝子産物のC-末端側に、TAP(タンデムアフィニティー精製)タグを融合させた蛋白質を発現誘導出来るヒト安定細胞株を樹立した。またTAPタグ精製法によって各々の因子を含む細胞内複合体の精製を行った。<br />研究課題/領域番号:15030217, 研究期間(年度):2003-2004<br />出典:「リン酸化RNAポリメラーゼIIによるmRNAプロセシング過程の制御機構」研究成果報告書 課題番号15030217(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15030217/)を加工して作成 続きを見る
4.

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村上, 清史 ; Murakami, Seishi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 国際学術研究 研究成果報告書 = 1998 Fiscal Year Final Research Report.  1997-1998  pp.11p.-,  1999-03.  金沢大学がん研究所
URL: http://hdl.handle.net/2297/00050058
概要: HBV X蛋白(HBx)がRNAポリメラーゼサブユニットRPB5と結合し、転写装置を修飾する可能性を検討した。本研究は、ウイルス制御蛋白が転写装置と直接相互作用し転写を正又は負に修飾する研究であり、転写装置の新しい局面を明らかにする研究と位 置付けられる。この研究で得られた成果は、1)HBxが転写基本因子TFIIBとRPB5とに相互作用することを見い出した。置換変異HBxを用いた検討により、3者間の相互作用領域がHBxによるトランス活性化に必要であることを確認した(J.Biol.Chem.,‘97)。2)in vitro及びin vivo転写系で人為的プロモータを用いて、HBxは転写活性化因子として機能せず、転写補助因子として種々の異なった転写活性化系にCoactivatorとして機能した(J.Biol.Chem.,‘98)。3)RPB5が制御蛋白と相互作用するサブユニットであることから、RPB5と結合する新規蛋白の単離・同定を進めた。ヒトcDNAライブラリーからRPB5結合蛋白cDNAの単離を行い、新規のRMP(RPB5-mediatingprotein)を同定した(Mol.Cell.Biol.,‘98)。RMPは、TBPやHBxとの結合能は示さず、RPB5と特異的に結合した。HepG2細胞を用いてRMPを過剰発現すると、HBxによるトランス活性化が抑制された。更にHBxの存在しない条件で、活性化転写を抑制するCorepressor活性を示した。RMPのRPB5結合領域が内部欠損変異RMP(RMP-Id150など)を用いた解析から、RMPが転写を負に制御する機能には、RPB5結合領域が必須であった。これらの結果は、RMPがHBxと機能的な拮抗因子であることを示唆した。4)p53とHBxの結合を生化学的に示し、p53及びHBxのトランス活性化が相互に干渉すること、しかしXトランス活性化能を欠くがp53機能を干渉する欠損変異HBxの存在を明らかにした。これらの結果はHBxのトランス活性化とp53への干渉とは区別されるHBxの機能であることを明らかにした(Cancer Res.,‘97).<br />HBx has been suspected to have positive roles in hepatocarcinogenesis. Previously e reported that RNA polymerase II subunit 5 (RPB5) is one of the targets of HBx, suggesting a possibility that HBx may modulate transcription machinery. Our main results are following. 1).The trimeric interaction among HBx, RPB5 and TFIIB is necessary for HBx transactivation since the substitution mutants defective in binding either to TFIIB or RPB5 are impaired in transacting ability (J.Biol. Chem., 272 : 317 (1997)). 2)By in vivo and in vitro transcription assays, GaIDB-fused HBx can not act as transcriptional activator, but HBx augmented activated transcription by Gal-VP16, indicating that HBx can act as a coactivator (J.Biol. Chem., (1998)). 3)We isolated a novel RPB5-mediating protein (RMP) by a far Western cloning. RMP strongly bound RPB5 but neither HBx nor TBP in vitro and in vivo. RMP counteracts HBx transactivation in a dose dependent manner. Furthermore, RMP acts as a co-repressor since it inhibits transcriptional activation by Gal-VPl6. These RMP functions requires its RPB5-binding region, suggesting that these functional interference is due to competition between HBx and RMP to bind RMP.These results suggest that RMP negatively modulates transcription process at the interaction step between RPB5 and TFIIB which might be the target process of HBx (Mol. Cell. Biol., (1998)). 4)HBx interacts with p53 and interferes p53-dependent transactivation. However, the interference of the p53 function by HBx is distinct from the transactivation of HBx (Cancer Res., (1997)).<br />研究課題/領域番号:09044278, 研究期間(年度):1997-1998<br />出典:「ヒトB型肝炎ウイルスX蛋白による転写装置の修飾」研究成果報告書 課題番号09044278 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
5.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060754
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />転写やmRNAプロセシングといった核内事象を連携(カップル)させている分子機構を明らかにするアプローチとして、精製した二種類のリン酸化及び非リン酸化フォームのRNAポリメラーゼII(Pol II)のin vitroスプライシング反応に対する影響を解析した。その結果Pol II最大サブユニットのカルボキシル末端領域(CTD)が高度にリン酸化したPol IIはスプライシング反応を強く促進し、一方非リン酸化フォームPol IIは反応を逆に抑制することを見い出し(Hirose et al. Genes & Dev.1999)、Pol IIがmRNAプロセシング装置と物理的に相互作用出来るだけでなく、CTDのリン酸化調節を介してプロセシング反応を機能的に制御できる可能性を生化学的に示すことが出来た。更にPoll IIが、CTDのリン酸化調節を介して、転写反応のみならずmRNAプロセシング等の他の核内事象に如何なる分子間相互作用を通じて関わっているかを明らかにするために、リン酸化CTDに結合する新規蛋白質の同定をFar-western法を用いた発現クローニングによって試みた。これまでの解析から、リン酸化CTDに結合する候補蛋白質としてヒトの新規蛋白質PCIF1(Phosphorylated CTD Interacting Factor 1)及び既知のヒト核蛋白質Pin1を同定した。これらの蛋白質のリン酸化CTDとの結合責任領域をFar-western法及びGST-pull down法で同定した。新規蛋白質PCIF1については、flag-PCIF1叉はGFP-PCIF1をトランスフェクトした細胞を用いた免疫共沈実験、及び細胞内局在解析実験より、内在性のリン酸化RNAポリメラーゼIIとPCIF1の細胞内における特異的会合を確認した(未発表データ)。<br />研究課題/領域番号:11155211, 研究期間(年度):1999<br />出典:「RNAポリメラーゼIIによるmRNAスプライシング調節機構の解析」研究成果報告書 課題番号11155211(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11155211/)を加工して作成 続きを見る
6.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060757
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />転写やmRNAプロセシングといった核内事象を連携(カップル)させている分子機構を明らかにするアプローチとして、精製した二種類のリン酸化及び非リン酸化フォームのRNAポリメラーゼII(Pol II)のin vitroスプライシング反応に対する影響を解析した。その結果Pol II最大サブユニットのカルボキシル末端領域(CTD)が高度にリン酸化したPol IIはスプライシング反応を強く促進し、一方非リン酸化フォームPol IIは反応を逆に抑制することを見い出し(Hirose et al. Genes & Dev.1999)、Pol IIが、転写後のmRNAプロセシングにも直接的に機能しうることを生化学的にはじめて明らかにすることが出来た。更にPol IIが、CTDのリン酸化調節を介して、転写反応のみならずmRNAプロセシング等の他の核内事象に如何なる分子間相互作用を通じて関わっているかを明らかにするために、リン酸化CTDに結合する新規蛋白質の同定をFar-western法を用いた発現クローニングによって試みた。これまでの解析から、リン酸化CTDに結合する候補蛋白質としてヒトの新規蛋白質PCIF1(Phosphorylated CTD Interacting Factor 1)及び既知のヒト核蛋白質Pin1を同定した。これらの蛋白質のリン酸化CTDとの結合責任領域をFar-western法及びGST-pull down法で同定した。新規蛋白質PCIF1については、flag-PCIF1叉はGFP-PCIF1をトランスフェクトした細胞を用いた免疫共沈実験、及び細胞内局在解析実験より、内在性のリン酸化RNAポリメラーゼIIとPCIF1の細胞内における特異的会合を確認した(未発表データ)。<br />研究課題/領域番号:11154209, 研究期間(年度):1999<br />出典:「転写装置とmRNAプロセシング装置のクロストーク機構の解析」研究成果報告書 課題番号11154209(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11154209/)を加工して作成 続きを見る
7.

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村上, 清史 ; Murakami, Seishi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060829
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />RNAポリメラーゼサブユニットRPB5がHBVX蛋白(HBx)と結合し、HBxのトランス活性化に関わる結果(EMBO.J.,1995)をもとに、HBxによる転写装置の修飾機構を検討した。本研究は転写装置 と直接相互作用して転写を正又は負に修飾する転写制御の新しい局面を明らかにする研究である。得られた成果は、1)人為的プロモータを用いたin vitro及びin vivo転写系で、HBxは転写活性化能は示さず、転写補助因子能(Coactivator)を示し、種々の異なった転写活性化系にCoactivatorとして機能した。各種変異HBxを用いたcoactivator機能の必須領域はトランス活性化ドメインと一致し、精製はHBxはHeLa核抽出蛋白の内在性転写活性化因子の活性化転写を促進した(J.Biol.Chem.,1998)。これらの結果は、従来からのin vivoで報告されたトランス活性化はcoactivator能の結果であると推定された。2)RPB5結合蛋白がHBxの機能修飾と拮抗することを想定して、RPB5結合蛋白cDNAの単離を行い、新規のRMP(RPB5-mediating protein)を同定した(Mol.Cell.Biol.,1998)。RMPは、TBPやHBxとの結合能は示さず、RPB5と特異的に結合した。RMPの過剰発現はHBxトランス活性化に拮抗し、HBx非存在下で活性化転写を制御するCorepressor活性を示した。これらのRMPの転写抑制効果には、RPB5結合領域が必須であった。これらの結果は、RMPがHBxと機能的な拮抗因子であることを示唆した。<br />研究課題/領域番号:10173213, 研究期間(年度):1998<br />出典:「新規転写補助因子RMPによる転写制御とHBvX蛋白のトランス活性化」研究成果報告書 課題番号10173213(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10173213/)を加工して作成 続きを見る
8.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成13(2001)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(C) 研究概要 = 2001 Research Project Summary.  2001  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060920
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />真核生物RNAポリメラーゼII(PolII)の最大サブユニツトC-末端領域(CTD)は、保存された7アミノ酸配列の繰り返しからなり、種々のキナーゼによってリン酸化されることにより、mRNA転写及びプロセ シングの制御と両者のカップリングに関与していることが明らかになりつつある。本研究は、mRNA転写とプロセシングがどのように相互に関連し制御されているのかを解明するために、リン酸化CTDを中心とする蛋白質間相互作用のネットワーク解析を行うことを目的としている。そのために、リン酸化CTDに結合する新規蛋白質の同定及び同定した蛋白質と更に相互作用する因子の検索を行っている。これまでに、ヒト新規核蛋白質(PCIF1)、細胞周期(Pin1)、mRNAスプライシング(FBP11)、及び蛋白質ユビキチン化(WWP1)に各々関与する因子が、これらの蛋白質中に共通して存在しているWWドメインを介してリン酸化CTDと特異的に結合することを見出している。今年度は以下のことを見い出した。(1)PCIF1の細胞内ターゲットを、酵母two-hybrid法、アフィニティー・タグ免疫沈降法及びGST-WW蛋白質を用いたpull-down法によって検索し、候補因子が得られたので検証中である。またPCIF1がリン酸化蛋自質を標的にし、更にPCIF1自身が細胞周期特異的なリン酸化を受けていることが示唆された。(2)CTD7アミノ酸配列中、2番目(Ser2)及び5番目(Ser5)のセリン残基が細胞内に於ける主なリン酸化部位であるが、PCIF1及びpin1のWWドメインが、どちらか一方のリン酸化を区別して認識出来るかを検討した。リン酸化部位の違うCTDペプチドを用いた結合実験に於いて、PCIF1のWWドメインが、Ser5リン酸化とSer2リン酸化に対し異なるアフィニティーを示したが、Pin1のWWドメインは両者を区別しなかった。<br />研究課題/領域番号:13206024, 研究期間(年度):2001<br />出典:「転写とmRNAプロセシング過程を協調させている核内蛋白質間相互作用ネットワーク」研究成果報告書 課題番号13206024(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13206024/)を加工して作成 続きを見る
9.

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石垣, 靖人 ; Ishigaki, Yasuhito
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2002 – 2003  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061162
概要: 金沢大学理工研究域<br />生物は紫外線、放射線、化学物質などの外的要因、および生体内で生じる代謝産物などによるDNAへの損傷から生体を守り遺伝情報を正確に次世代へ伝えるために、生じたDNA損傷を取り除くDNA修復系を進化の過程で獲得して きた。常染色体劣性遺伝疾患のコケイン症候群患者由来細胞は、特に転写と共役したDNA修復機構に異常が認められるのに加えて、通常およびストレス時の転写機構に異常がみられる。本研究ではコケイン症候群原因遺伝子の機能解析を目的として、各種遺伝子発現量の検索、蛋白質の発現解析を行った。その結果、定量的RT-PCR法によりHeLa細胞との比較においてコケイン症候群細胞の各遺伝子発現量に相違が認められ、特定遺伝子のmRNA量の減少が確認された。コケイン症候群細胞の原因遺伝子にはナンセンス変異が存在するため、その変異mRNAは選択的に分解されて消失していた。この選択的変異mRNA分解機構をシクロヘキシミド添加によって抑制したところ、コケイン症候群細胞の原因遺伝子mRNA量は回復が観察されたが、愚者細胞で発現低下が確認された遺伝子の回復は認められなかった。また、Western blottingにより蛋白質量を測定した結果、コケイン症候群細胞においてmRNAが消失していることが確認された遺伝子の蛋白質量は、コントロールのHeLa細胞と比較して有意に減少していた。この発現消失は細胞の種類によって度合いが異なるため、今後更に機構の解明を行っていくとともに発症との関連を検討していきたい。さらに、発現遺伝子のノックアウト法の構築を目指してDNA損傷修復関連遺伝子のRNAi誘導ベクターによるノックアウト系の構築を目指した。U6プロモーター下流にショートヘアピン型2本鎖RNAを発現できる配列を挿入し、培養細胞へ導入したところ標的mRNA量の特異的な減少が観察された。さらに誘導コンストラクトの改良やアデノウイルスによるRNAi誘導配列の導入法を取り入れて実験系を改善して行く予定である。<br />研究課題/領域番号:14771275, 研究期間(年度):2002-2003<br />出典:「転写促進異常症候群の分子病態解明」研究成果報告書 課題番号14771275(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14771275/)を加工して作成 続きを見る
10.

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広瀬, 豊 ; Hirose, Yutaka
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書概要 = 2003 Fiscal Year Final Research Report Summary.  2002 – 2003  pp.2p.-,  2005-04-18. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00063677
概要: 金沢大学がん研究所<br />真核生物RNAポリメラーゼII(RNAP II)最大サブユニットC-末端領域(CTD)は、種々のCTDキナーゼによってリン酸化されることによって、mRNA前駆体の転写とプロセシングおよび両者のカップリングの制御 に関わっている。私は、CTDリン酸化による遺伝子発現調節の分子機構にアプローチするために、リン酸化に依存してCTDに結合するヒト新規因子を同定しその機能検索を行っている。本研究は、リン酸化CTD結合因子として新規に同定したヒト核蛋白質PCIF1の生物機能を、高頻度相同組み換えを起こすことが知られているトリB細胞株DT40を用いたジーンノックアウト、および組換えタンパク質を用いた生化学的解析によって検索することを目的としており、解析の成果および中間結果を以下に報告する。(1)トリPCIF1遺伝子のホモノックアウトDT40細胞株、およびテトラサイクリン添加によってPCIF1の発現をオフにできるコンディショナルノックアウトDT40細胞株を樹立した。(2)PCIF1ノックアウトDT40細胞を用い、PCIF1非存在下に於ける細胞増殖能、細胞全体のRNAP IIのリン酸化とヒストンH3のメチル化の程度、および熱ショック下における熱ショックタンパク質(HSP)遺伝子の発現誘導能の変化を解析した。その結果、PCIF1は細胞の増殖に必須なタンパク質でないことが示唆され、PCIF1ノックアウトによる細胞全体のRNAP IIのリン酸化およびヒストンH3のメチル化の程度、更にHSP mRNAの発現誘導に対する影響は見出されなかった。(3)トリPCIF1の発現減少・消失に伴って、細胞周期調節に関わるペプチジルイソメラーゼPin1の発現の亢進が観察された。(4)PCIF1発現・精製のための組換えバキュロウイルスを作製した。またTAPタグを持つ外来性PCIF1を発現誘導出来るヒト安定細胞株を樹立した。<br />Phosphorylation of the carboxy-terminal domain (CTD) of RNA polymerase II largest subunit has important roles both in transcription and in coupling transcription to pre-mRNA processing. To better understand the molecular mechanism in which transcription coordinates with pre-mRNA processing, I have identified and characterized human factors that can directly interact with the phosphorylated CTD (pCTD).Recently I reported a novel human protein PCIF1 as a pCTD interacting factor. To investigate cellular functions of PCIF1, I disrupted the PCIF1 gene in the chicken B-cell line DT4O. I have established two independent mutant DT40 cell lines in which all three copies of PCIF1 gene are disrupted by homologous recombination. One clone is a homozygous PCIF1-null mutant and the other is a conditional knock out cell line in which PCIF1 protein is expressed from a chicken PCIF1 cDNA under control of a tetracycline-repressible promoter.Addition of doxycyclineto the cells results in depletion of PCIF1 protein within several days but not in growth defect. Thus, chicken PCIF1 is not essential for cell growth. Depletion of PC1FI in DT40 cells did not significantly affect neither the phosphorylation status of the CTD nor the methylation status of the histone H3 N-terminus region.PCIF1-deficient cells exhibited normal heat shock-response, as measured by inducible expression of heat shock genes.<br />研究課題/領域番号:14580682, 研究期間(年度):2002 – 2003<br />出典:「新規リン酸化RNAポリメラーゼII結合蛋白質の機能解析」研究成果報告書 課題番号14580682(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-14580682/145806822003kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成 続きを見る