※一部利用できない機能があります
1.
論文 |
佐藤, 保則 ; 中沼, 安二
概要:
WHOによる消化器腫瘍分類が10年ぶりに改訂され, 胆管内腫瘍では胆管上皮層内腫瘍(biliary intraepithelial neoplasia: BilIN)と胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neopl
…
asm [IPN] of the bile duct)の二つの分類が新たに採用された. それぞれ, 膵管内腫瘍であるpancreatic intraepithelial neoplasia (PanIN)とintraductal papillary mucinous neoplasm (IPMN)に相同性を示す胆管内腫瘍である. 新WHO分類においてBilINとIPN of the bile ductはともにprecursor lesions of invasive neoplasiaとされ, 胆道癌の多段階発癌のプロセスにおける前癌病変としての位置づけが明確にされた. BilINとIPN分類の導入により, 胆道系腫瘍の病理病態がより理解しやすくなったが, その一方で分類上のいくつかの問題点も残されている. また, 分子病理学的な側面からの解析も行われつつあり, これらの分類がWHO分類に採用されたことで研究面でも広く活用され, 病態解析がさらに進行することが期待される.
続きを見る
|
|||||
2.
論文 |
佐藤, 保則 ; 中沼, 安二
概要:
肝内結石症の胆道発癌に関して, 病理学的立場から前癌/初期癌病変である胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of the bile duct: IPNB)と胆管上皮内腫瘍性病変(biliary in
…
traepithelial neoplasia: BilIN)を中心に解説した. 当初, IPNBとBilINは肝内結石症からの発癌過程における病態が着目されたが, WHO分類に採用されたこともあり, 現在は胆道系一般に用いることが可能な概念として広く浸透しつつある. IPNB分類, BilIN分類を用いて, これらの臨床病理学的, 分子生物学的な解析が進行している. IPNBと乳頭型胆道癌あるいは胆管内発育型肝内胆管癌との異同についても病理学的な解析結果が示されつつある. [はじめに] 肝内結石症は胆管癌の確立された危険因子であり, 5~10%の症例に肝内胆管癌を合併するとされる.
続きを見る
|
|||||
3.
論文 |
中沼, 安二 ; 原田, 憲一 ; 佐々木, 素子 ; 佐藤, 保則 ; 池田, 博子
概要:
「要約」胆道癌は, 代表的な難治性の悪性腫瘍であり, 現在, 早期発見と外科的切除が唯一の根治治療法とされている. 胆道癌の治療や予後の改善には胆道癌の生物学的あるいは分子生物学的特性を理解する必要がある. 現在, 胆道癌の発生, 進展には
…
多くの分子が関与することが知られている. 癌抑制遺伝子であるp16 INK4aは胆道癌の進展とともに発現が低下し, ポリコーム蛋白であるEZH2は逆に発現亢進を示す. また, 胆道癌は慢性胆道障害に関連して発生する症例があり, 慢性炎症部や胆道癌先進部, さらに胆道癌細胞自身で産生される炎症性サイトカイン, 特にTNFα, IL6が胆道癌内に発現するCOX2, PGE2およびMMP9などの重要な内因性腫瘍促進因子として, 胆道癌の発生・進展に関連している. 今後, これら分子とその作用機序を標的とした有効な化学療法や分子標的治療等の補助療法の開発が望まれる.
続きを見る
|