1.

論文

論文
中沼, 安二 ; 池田, 博子 ; 佐々木, 素子 ; 小坂, 一斗 ; 原田, 憲一 ; 一瀬, 久美子 ; 佐藤, 保則 ; 澤田, 星子 ; 全, 陽
出版情報: 胆と膵 = The Biliary tract & pancreas.  25  pp.335-341,  2004-06-01.  医学図書出版
URL: http://hdl.handle.net/2297/39999
概要: 肝内胆管上皮のheterogeneityを病理形態学の観点から解説した. 正常の肝内胆管系の胆管上皮では, 解剖学的なレベルに応じた形態学的特徴に加え, 酵素や血液型物質の分布に違いがあり, 粘液や抗菌ペプチドは主に肝内大型胆管や隔壁性胆管 に発現する. また, 網羅的な遺伝子解析により, 胆管の解剖学的なレベルにより発現する遺伝子の違いも報告されている. 肝内胆管癌は, 肝内胆管系の種々の解剖学的部位から発生するが, 正常胆管にみられるこれらの形質が, 癌化後も発現し, 生物学的特性に関連している可能性が高い. 病的な肝内胆管では, 粘液プロフィルや化生等の形質発現にheterogeneityがみられ, 発癌との関連性が示唆されている. 特に, 胆管上皮の腸上皮化生とCDX2の異常発現との関連性が注目されている. 末梢型肝内胆管癌と増生細胆管の形質に類似しており, 肝progenitor細胞が発癌に関連する可能性がある. 続きを見る
2.

論文

論文
中沼, 安二 ; 冨士井, 孝彦 ; 太平, 周平 ; 全, 陽
出版情報: 胆と膵 = The Biliary tract & pancreas.  26  pp.351-357,  2005-04-01.  医学図書出版
URL: http://hdl.handle.net/2297/40114
概要: 従来より, 原発性硬化性胆管炎(PSC)に胆管癌を合併する症例の存在することが知られているが, その合併頻度は施設により, また地域により異なる. わが国では現時点では非常に少ないと思われる. 今後, PSC症例の管理が十分に行われ, 長期 生存例が増加すれば, 胆管癌を始め, 悪性腫瘍の合併がPSC患者の生命予後に重要となると考えられる. 特に, 潰瘍性大腸炎を合併するPSC, いわゆる欧米型のPSCで, 胆管癌の発生が将来的には欧米レベルになるかもしれない. 慢性胆管炎に発生する胆管癌は, 多段階発癌を経由すると考えられる. 近縁疾患の肝内結石症では慢性胆管炎に関連して3段階の胆管上皮内異型病変がみられる. また, 発癌機序として, 慢性胆管炎に関連して, 胆管炎局所で産生されるnitric oxideなどの活性化酸素種による酸化ストレスに胆管上皮が曝されることが重要と考えられており, これに関連して癌関連遺伝子の活性化や不活性化が発癌過程に関与すると考えられている. 続きを見る