1.

論文

論文
浅野, 雅秀 ; Asano, Masahide
出版情報: 平成24(2012)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2012 Fiscal Year Final Research Report.  2010 – 2012  pp.5p.-,  2013-05-27. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00059621
概要: 金沢大学学際科学実験センター<br />高次脳機能における糖鎖の役割を明らかにするために様々な糖鎖遺伝子の改変マウスを用いて,行動実験を中心に解析を行なった。β4GalT-2欠損マウスやC6ST-1 Tgマウスでは新奇刺激に対する過敏性や注 意機能の異常が認められ,ドーパミン系の異常が示唆された。脳特異的β4GalT-5とβ4GalT-6欠損マウスでは活動性の変化や注意機能の異常が見られ,ミエリン形成の異常が示唆された。このように糖鎖は高次脳機能に重要な役割を持っていることが明らかとなった。<br />To elucidate the role of carbohydrates in higher brain functions, we investigated glycogene-manipulated mice using behavioral analysis. β4GalT-2 KO mice and C6ST-1 Tg mice showed hypersensitive to novel stimuli and disturbed attention, and were suggested to be impaired in the dopamine system. β4GalT-5 KO mice and β4GalT-6 KO mice showed abnormal activity and disturbed attention, and were suggested to be impaired in myelin formation. These results indicated that carbohydrates play an important role in higher brain functions.<br />研究課題/領域番号:22300142, 研究期間(年度):2010 – 2012 続きを見る
2.

論文

論文
浅野, 雅秀 ; Asano, Masahide
出版情報: 平成24(2012)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2012 Research Project Summary.  2011 – 2012  pp.2p.-,  2019-07-29. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060115
概要: 金沢大学学際科学実験センター<br />HP1Y欠損マウスを用いた解析から,HP1γは減数分裂時の相同染色体の対合(Takada,Naruse,et al.,Development,2011)及びPGCの増殖(Abe et al.,Biol Reprod,2011)に重要な役割を果たしていることを明らかにして論文として発表した。24年度は転写抑制性ヒストン修飾H3K27me3の脱メチル化酵素Jmjd3の解析を中心に進めた。Jmjd3欠損マウスは出生直後に致死となり,体軸形成に異常が認められた。体軸形成に重要な役割を担っているHox遺伝子群を中心に,定量RT-PCRやクロマチン沈降法を用いて,Jmjd3が体軸形成を制御するメカニズムを解析した。その結果,Jmjd3はHox遺伝子群に結合し,転写抑制マークのH3K27me3を脱メチル化することにより,一部のHox遺伝子群の発現をその発現開始時において制御していることを明らかにした(論文投稿中)。一方,Jmjd3欠損マウスの胎盤が過形成を生じることもわかった。Jmjd3欠損胎盤では胎盤特異的インプリント遺伝子群の発現が異常になっており,一部のインプリント遺伝子群の発現は,やはりJmjd3によるH3K27me3の脱メチル化で制御されていることを明らかにした(論文準備中)。Jmjd3欠損マウスは出生直後に致死であったので,生後の生殖細胞について解析することができなかった。そこでJmjd3-floxマウスと雄性生殖細胞で特異的にCreを発現するTNAP-Creマウスとを交配して,雄性生殖細胞特異的Jmjd3欠損マウスを作製したが,生殖細胞の異常は観察できなかった。<br />研究課題/領域番号:23013012, 研究期間(年度):2011 – 2012 続きを見る
3.

論文

論文
浅野, 雅秀 ; Asano, Masahide
出版情報: 平成22(2010)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2010 Research Project Summary.  2009 – 2010  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060133
概要: 金沢大学 学際科学実験センター<br />(1)HP1γ変異マウスの始原生殖細胞(PGC)の解析HP1γはメチル化ヒストン(H3K9me)に結合するエピジェネティック制御因子の一つである。22年度はHP1γ変異マウスにおいてPGCの数が少な い原因をさらに追及した。PGCの運命決定や生殖隆起への移動,細胞死,ヒストン修飾に異常はなく,PGCの増殖に問題があることを明らかにした。E12.5の増殖期のHP1γ変異PGCはBrdUの取込みが有意に低下しており,フローサイトメトリーの解析からもHP1γ変異PGCはG1期に集積しており,S期への移行が抑制されていた。様々な細胞周期制御因子を解析したところ,HP1γ変異胚ではサイクリン依存性キナーゼ阻害活性を持つp21(Cip)を発現するPGCの割合が増加し,p21の集積がG1/S期移行の遅延を引き起こしている可能性が示唆された。しかしながらE11.5の野生型PGCとHP1γ変異PGCとのマイクロアレイ解析では,他の細胞周期制御遺伝子の発現に有意な違いは見られなかった。以上の結果をまとめて論文を投稿したところ,いくつかの追加実験を求められた。特にPGCの数の減少が最初に認められるE7.25のHP1γ変異PGCでもBrdUの取込みが低下していること,PGCのin vitro培養系でもHP1γ変異PGCの増殖が低下していることを明らかにして再投稿を行った。(2)ヒストン脱メチル化酵素の欠損マウスの作製ヒストンのメチル化はエピジェネティックな制御の中心的な役割を果たしているが,脱メチル化酵素はまだ不明な点が多い。二つの脱メチル化酵素遺伝子についていわゆるfloxマウスを作製し,TNAPCreマウスと交配することにより,生殖細胞特異的に欠損したマウスを作製している。これらの生殖細胞の解析は,次の2年間の本特定領域の研究テーマとして解析を進める予定である。<br />研究課題/領域番号:21028007, 研究期間(年度):2009 – 2010 続きを見る