1.

論文

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成21(2009)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2009 Research Project Summary.  2008 – 2009  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060154
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ASCを標的とした細胞死を誘導する薬剤を探索する目的で、昨年度に引き続き対照細胞株(HEK293細胞)と比較してASC遺伝子導入細胞株MAIL8細胞を選択的に傷害する天然物や化合物の探索を行った。本特定 領域の化学療法基盤情報支援班より約300種類の化合物の提供を受け、スクリーニングを行ったところ、2種類の化合物が比較的選択的にMAIL8細胞に細胞死を誘導した。一方、昨年度海洋微生物抽出液の分画中にMAIL8に比較的選択的に細胞死を誘導する活性を見出し、HPLCによる精製を試みた。MAIL8細胞に対する細胞死誘導活性を有する物質を精製し、NMRで構造決定したところ、malforminの一種であることが判明した。しかしこの物質の細胞死誘導活性はMAIL8細胞に選択性を示さなかった。MAIL8選択的な細胞死を誘導する活性のピークは微量で構造決定に至っていない。また、昨年度作成したASC遺伝子とその上流5kbを含むヒトゲノム領域のASCコード領域の3'端にGFP cDNAを挿入したコンストラクトをASC陽性メラノーマ細胞株G361とASC陰性メラノーマ細胞株C32TGに導入したところ、前者でのみASC-GFP融合蛋白の発現が検出された。後者の細胞株をインジケーター細胞として、ASCの発現を誘導しうる化合物、天然物の探索を行ったが、ASCの発現を有意に誘導できる物質は発見できなかった。我々はこれまで、種々のがん細胞のASCを活性化するとアポトーシスが誘導されることを示してきたが、本研究の過程で、ヒト大腸腺癌細胞株COLO205ではASCの活性化によりネクローシスが誘導されることを発見した。この細胞死はカテプシンBやV-ATPaseに対する阻害剤で抑制されることから、リソゾームが関与することが示唆された。<br />研究課題/領域番号:20013015, 研究期間(年度):2008 – 2009 続きを見る
2.

論文

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須田, 貴司 ; Suda, Takashi
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2007 Research Project Summary.  2006 – 2007  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060195
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />ASCはCARD12等と結合してアポトーシスと炎症のシグナルを伝達する細胞質アダプター蛋白である。我々は、CARD12とmuramy1 dipeptide(MDP)刺激で活性化するNod2の融合蛋白(C 12N2)を用い、MDPでASCを特異的に活性化する実験系を開発し、ASCはがん細胞にアポトーシスとIL-8産生を誘導すること、後者の応答にNF-KBとAP-1の活性化が寄与していることを示してきた。昨年度はAP-1活性化の分子機構を解明し、ヒト胃癌細胞株NUGC4にC12N2とASCを安定導入した細胞株(NUC12N2)の腫瘍をヌードマウスに形成させ、MDPを投与すると腫瘍が完全に退縮することを示した。,本年度は、以下の点を明らかにした。1)ASCの活性化により転写因子 STAT1,ISGF3,STAT3,NFATの内STAT3のみが活性化されること、STAT3の活性化はAP-1とNF-kBに依存した2次的な応答であることを示した。2)DNAマイクロアレー解析でASCの活性化により誘導される遺伝子を網羅的に解析し、転写関連(24%)、炎症関連(21%)、細胞死関連(16%)を含む75種類の遺伝子が有意に誘導されることを示した。3)NUC12N2またはNUGC4の腫瘍を形成させたヌードマウスにMDPを投与し、24時間後の腫瘍組織のアポトーシス細胞をTUNEL法で染色したところ、NUC12N2腫瘍組織でのみ、著しいアポトーシスが検出された。また、NUC12N2にNUGC4を5%以上混入させた場合には、MDP投与で腫瘍が拒絶されなかったことから、このがん治療モデルにおける腫瘍退縮はがん細胞のアポトーシスによるもので、炎症反応による周囲のがん細胞の巻き込み排除はほとんど寄与していないことが示された。<br />研究課題/領域番号:18013022, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「ASC依存性AP-1活性化機構の解明とASCのがん分子標的としての可能性の検討」研究成果報告書 課題番号18013022(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18013022/)を加工して作成 続きを見る