1.

論文

論文
長尾, 秀実 ; Nagao, Hidemi
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060515
概要: 金沢大学理工研究域数物科学系<br />本研究ではスピン状態のレーザー制御シミュレーションおよび二原子分子の多光子吸収過程に関する理論的研究を展開した。(1)スピン状態のレーザー制御シミュレーションCl_2分子とO_2分子のスピン状態一重項 -三重項遷移の光制御に関する理論的研究を行った。スピン-軌道相互作用を考慮にいれたスピン混合状態のab initio計算を行い、核の運動をあらわに取り込んだ光誘起ポテンシャル断熱通過(APLIP)法を適用した。Cl_2分子では三重項励起状態に一度は遷移するが、中間状態、目的状態ともに解離状態であるため解離することが分かった。O_2分子では最終的な目的状態のポピュレーションは99.5%となり、ほぼ完全に三重項基底状態から一重項励起状態へのスピン状態の制御を実現したが、遷移双極子モーメントの値は非常に小さいため適切な電場強度にするにはパルス幅を広くとる必要が分かった。(2)二原子分子の多光子吸収過程の理論的研究OH分子の電子状態計算によりポテンシャル曲線、遷移双極子モーメントの行列要素を計算しモースポテンシャルパラメータを決定した。基底状態からの1光子から4光子吸収過程までのシミュレーションに成功した。次に多光子吸収過程を利用した状態制御として2光子吸収を用いた誘導ラマン断熱通過法(STIRAP)のシミュレーションに成功した。核の運動をあらわに取り込んだ光誘起ポテンシャル断熱通過(APLIP)法を用いて多光子吸収過程のシミュレーションにより2光子吸収を用いた誘導ラマン断熱通過法(STRAP)による状態制御の可能性が示すことができた。<br />研究課題/領域番号:16032204, 研究期間(年度):2004-2005<br />出典:「レーザー照射による結晶の物性発現と制御に関する理論的研究」研究成果報告書 課題番号16032204(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16032204/)を加工して作成 続きを見る
2.

論文

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長尾, 秀実 ; Nagao, Hidemi
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2003  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060532
概要: 金沢大学理工研究域数物科学系<br />本研究ではレーザー照射による酸化物高温超伝導体における電子移動および酸素原子再配列に関する理論的研究を行った。(1)銅酸化物高温超伝導においてCu-O鎖の再配列銅酸化物高温超伝導においてCu-O鎖の再 配列に対するクラスターモデルを用いて量子化学計算を行った結果、酸素イオンが直線上に再配列した場合は準安定状態になることが分かった。この酸素イオンの再配列に伴いCuO_2平面の電子(セル当たり0.3電子)がCuO鎖面に遷移して、CuO_2平面のホールが増加したことになる。以上の結果から酸素イオンの準安定状態への再配列に伴い、CuO_2平面中の電子の減少が起り、超伝導転移温度の上昇が起るという機構の可能性を示すことに成功した。(2)Cu-O鎖の再配列のレーザ制御シミュレーション前述の酸素イオン再配列に対する準安定状態計算で得られたポテンシャルを用いて酸素イオン再配列のレーザー制御の可能性を示した。誘導ラマン断熱通過法(STIRAP)を用いた酸素イオン再配列のレーザー制御のためのパルス列を求めた。このレーザー制御シミュレーションから100nmの結晶薄膜を仮定すると約10^9W/cm^2のオーダーのパルスレーザーが必要であることがわかった。また従来の実験方法とは異なるCu-O鎖再配列制御の新しい可能性を示すことができた。本研究によって銅酸化物高温超伝導体における光誘起超伝導発現機構の一つである、酸素イオン再配列によるCuO_2平面のホール増加機構の可能性がはじめて示された。また酸素イオン再配列のレーザー制御の可能性が示された。今後の課題としてさらに強いレーザー照射による考察があげられる。<br />研究課題/領域番号:15035205, 研究期間(年度):2003<br />出典:「結晶におけるレーザー照射による物性発現と制御に関する理論的研究」研究成果報告書 課題番号15035205(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15035205/)を加工して作成 続きを見る