1.

論文

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中村, 暢宏 ; Nakamura, Nobuhiro
出版情報: 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究実績の概要 = 2006 Research Project Summary.  2005 – 2006  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060211
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />FinGER3,FinGER4はcis-Golgiに局在し複合体を形成する5回膜貫通タンパク質である。これまでに、RNAi法を用いて、FinGER3,FinGER4の発現抑制を行ったところ、FinGE R3,FinG直R4ともにRNAi処理後3日で顕著にタンパク質量の低下を認めたこと、またFinGER3,FinGER4のタンパク質量低下と共にゴルジ体が断片化し、細胞質に分散することを報告している。本年度はFinGER3,FinGER4の機能のさらに詳細な解析を行った。まず、FinGER3のタンパク質量低下に伴って若干のFinGER4タンパク質量の低下が起こる事を発見した。また逆に、FinGER4タンパク質量の低下によって顕著なFinGER3のタンパク質量低下が観察された。興味深いことに、FinGER3のタンパク質量低下に伴って細胞の増殖阻害が引き起こされる事が明らかとなった。FinGER3,FinGER4が複合体を形成することから、FinGER3のタンパク質量低下に伴って複合体を形成しないFinGER4量が増加し、このことが細胞の増殖阻害を導いている可能性が考えられた。一方、本年度は、以前に酵母Yip1のほ乳類での相同タンパク質としてER exit sitesに局在することが報告されていたFinGER5とYif1p相同タンパク質であるFingER7の機能解析を行った。FinGER5,FingER7に対する抗体を作成し、免疫蛍光染色法と細胞分画法によって詳細に解析を行ったところ、FinGER5,FingER7が小胞体とゴルジ体の中間区画(ERGIC)に局在すること、またFinGER5とFinGER7が複合体を形成することが明らかとなった。RNAi法を用いて、FinGER5,FinGER7の発現抑制を行ったところ、FinGER5,FinGER7ともにRNAi処理後3日で顕著なタンパク質量の低下を認めた。また、FinGER3,FinGER4のタンパク質量低下時と同様にFinGER5,FinGER7のタンパク質量低下と共にゴルジ体が断片化し、細胞質に分散することが明らかとなった。さらに、FinGER7のタンパク質量低下に伴って若干のFinGER5タンパク質量の低下が観察された。逆に、FinGER5タンパク質量の低下によって顕著なFinGER7のタンパク質量低下が観察された。興味深いことに、FinGER7のタンパク質量低下に伴って細胞の増殖阻害が引き起こされる事が明らかとなった。FinGER5,FinGER7が複合体を形成することから、FinGER3,FinGER4の場合と同様にFinGER7のタンパク質量低下に伴って複合体を形成しないFinGER5量が増加し、このことが細胞の増殖阻害を導いている可能性が考えられた。<br />研究課題/領域番号:17028016, 研究期間(年度):2005 – 2006<br />出典:「ゴルジ体の機能・構造情報のモニター機構の解明」研究成果報告書 課題番号17028016(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17028016/)を加工して作成 続きを見る
2.

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山本, 健一 ; Yamamoto, Kenichi
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1999 Research Project Summary.  1999  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060758
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />免疫抑制剤FK506によるNF-κB活性化の機序を明らかにするため、そのインヒビターのIκBαの分解について解析した。その結果、その分解は、IκBαのN末部の32番目と36番目のセリン残基(Seri32 /Ser-36)に依存し、従来指摘されていたプロテアソームが関与していることを確かめた。さらに、Ser-32で燐酸化されたIκBαに対する特異抗体を用いてウェスタンブロットした結果、FK506がIκBαのSer-32の緩徐な燐酸化を引き起こすことが確認された。しかし、FK506はJNKの強い活性化を引き起こすにも関わらず、FK506によるIκB Kinase(IKK-1/-2)の活性化は認められなかった。また、IL-1によるIκBαの分解では、N末部のセリン残基の燐酸化に依存したN末部の21番目と22番目のリジン残基(Lys-21/Lys-22)へのユビキチン化が必須であるが、FK506によるIκBαの分解はこのN末部のユビキチン化部位に依存しないで起こった。以上、FK506によるIκBαの分解は、従来考えられている機構とは異なり、N末部のセリン残基の燐酸化には依存するが、N末部のユビキチン化部位には依存しないプロテアソーム蛋白分解機構によって起こると考えられた。現在我々は、FK506/FKBPによって活性化される新規IKKとFK506/FKBPによって抑制されるフォスファターゼの同定を進めている。<br />研究課題/領域番号:11153208, 研究期間(年度):1999<br />出典:「シグナルモジュレーターとしてのFKBPシャペロンの役割」研究成果報告書 課題番号11153208(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11153208/)を加工して作成 続きを見る
3.

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山本, 健一 ; Yamamoto, Keiichi
出版情報: 平成10(1998)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 1998 Research Project Summary.  1998  pp.2p.-,  2021-08-26. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060831
概要: 金沢大学がん進展制御研究所<br />多様なストレスにたいする細胞の応答機構における分子シャペロンの役割について明らかにするため、これらストレスによって活性化されてストレス応答に重要な役割を果たしていると考えられているNF-κB転写因子の活 性化のシグナル伝達機構における分子シャペロンの役割について研究し、現在までに次のような成果を上げた。我々は前に免疫抑制剤FK506によりIκBαの分解を介してNF-κBの活性化が起こることを明らかにした(J.Clin.Invest.,1996)。NF-κBの活性化には、そのインヒビターであるIκBαのN末部のセリン残基の燐酸化とユビキチン化に依存したプロテアソームによる蛋白分解が必須であると考えられている。我々はFK506とFKBP分子シャペロンによるNF-κBの活性化ではIL-1/TNF-αの場合と異なり、N末部のユビキチン化部位の非依存性にプロテアソームによる分解が起こることを明らかにした。また、42番目のチロシン残基のアラニンへの置換には影響されないが、N末部のセリン残基の変異によって分解はブロックされた。しかし、燐酸化したN末部のセリン残基に対する抗体を用いたウェスタンブロティングや、in vitro kinase assayによるIκBαキナーゼの活性化の測定、等IκBαの燐酸化を検出できないという興味ある結果が得られた。今後FKBPがIκBαの燐酸化とプロテアソームによる分解にどのように関わっているのか明らかにしていく。<br />研究課題/領域番号:10172207, 研究期間(年度):1998<br />出典:「シグナルモジュレーターとしてのFKBP分子シャペロンの役割」研究成果報告書 課題番号10172207(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10172207/)を加工して作成 続きを見る
4.

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中村, 暢宏 ; Nakamura, Nobuhiro
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書概要 = 2007 Fiscal Year Final Research Report Summary.  2006 – 2007  pp.2p.-,  2010-02-03. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061808
概要: 金沢大学理工研究域<br />細胞分裂期のゴルジ体の分散とpS277の増加は細胞分裂開始時に同じタイミングで起こるが、細胞分裂終了時のゴルジ体の再形成とpS277の脱リン酸化は同時ではなく、再形成し始めたゴルジ体上にpS77が残っていた。し たがってGRASP65の脱リン酸化は、ある程度小胞が融合した後に起こるものと考えられた。細胞質型GRASP65タンパク質を微細注入すると、ヒストンH3のリン酸化が抑制された。AuroraBがヒストンH3をリン酸化することから、GRASP65がAuroraBの活性の制御に関わる可能性が示唆された。中心体の分離機構に影響はみられなかった。中心体の分離機構にはリン酸化酵素であるNek2がはたらいている。Nek2をはじめとする中心体分離機構にはGRASP65は影響しないことが示唆された。Plk1は細胞分裂期にCdk1-cyclinBとともにGRASP65をリン酸化することが報告されている。本研究では分裂期細胞質でS277がリン酸化されたGRASP65タンパク質がPlk1FLやPBDに結合することが明らかとなった。S277のリン酸化を認識して結合したPlk1はGRASP65をさらにリン酸化することや、その周囲にあるゴルジ体局在タンパク質のリン酸化にはたらくことが予想される。GRASP65をはじめとするゴルジ体局在タンパク質のリン酸化が細胞分裂の進行を制御するシグナルとしてはたらいているとすれば、細胞分裂期に起こるゴルジ体の分散はゴルジ体の成分を娘細胞に均等に分配するための受動的な役割だけでなく、リン酸化シグナルを細胞全体に広げ細胞分裂を制御するための能動的な役割を持つと推測される。<br />GRASP65 is phosphorylated at S277 by cdc2/cyclin B and may participate in the regulation of mitotic entry. The role of GRASP65 S277 phosphorylation in cell cycle regulation was analyzed by two approaches. (1) Injection of recombinant GRASP65 G2A mutant, which cannot localize to the Golgi apparatus and accumulate in the cytoplasm, into the cells inhibited the phosphorylation of histone H3 in early prophase but not the centrosome separation. This result suggested that phosphorylation of histone H3 and centrosome separation are independently regulated at the onset of mitosis and S277 phosphorylation of GRASP65 may have some role in the regulation of those events. (2) Biochemical analyses revealed that Plk 1 binds to GRASP65 phosphorylated by mitotic e and this was dependent on the phosphorylation of S277. The binding is mediated by polo-box domain of Plk1. This result suggested that GRASP65 phosphorylated at S277 recruit Plk1 and function as a signaling scaffold at the onset of mitosis.<br />研究課題/領域番号:18570173, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「細胞増殖の調節におけるゴルジ体の役割の解明」研究成果報告書 課題番号18570173(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-18570173/185701732007kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成 続きを見る
5.

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星, 直人 ; Hoshi, Naoto
出版情報: 平成13(2001)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2001 Research Project Summary.  2000 – 2001  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00064438
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />受容体刺激によるMチャンネル抑制は、神経興奮性を制御する重要な機構の一つであるが、このシグナル伝達系については十年来混乱している。我々は近年Mチャンネル本体と同定されたKCNQ2, 3チャンネルを用い てムスカリン作動性アセチルコリン受容体(M_1)刺激からのシグナル伝達経路を解析した。今回特にAKAP150がプロテインキナーゼC(PKC)、カルシネウリン、カルモジュリンと結合することに注目し、KCNQ2/3チャンネル修飾におけるAKAP150の関与を、部分欠損変異体を用いて解析した。PKC結合部位欠損変異体において、受容体によるチャンネル修飾が消失しこれらの複合体がなんらかの役割をはたしていることが明らかになった。更にこの複合体を解析するため、filter overlay法によりチャンネルとAKAP150の相互作用を調べたところ両者が直接結合することが分かった。従来、PKCの関与は、PKC阻害薬が受容体修飾を解除できないことから否定的と考えられていた。数種類のPKC阻害剤を投与したところ、PKCの活性中心に結合するbisindolylmaleimide、chelerythrineは効果がなく、ジアシルグリセロール結合領域に作用するcalphostin、safingolだけがM電流抑制を解除した。AKAP150がPKCの活性中心に結合することが知られているので、複合体形成により、ある種のPKC阻害剤の標的部位が保護されていると考えられた。このことを検証するため、^<32>Pを用いた代謝ラベル法によりチャンネルのリン酸化を測定したところ、KCNQ2チャンネルのリン酸化は、電気生理と同様の結果が得られ、複合体形成によりPKC阻害剤の感受性が変化することが分かった。以上、今回の研究からMチャンネルはAKAP150と複合体を形成しその構成要素のPKCにより制御されていることが明らかになった。<br />研究課題/領域番号:12770017, 研究期間(年度):2000-2001<br />出典:「電位依存性カリウムMチャンネルの受容体による制御機構の解明」研究成果報告書 課題番号 12770017(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12770017/)を加工して作成 続きを見る