1.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2007 Research Project Summary.  2006-2007  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060369
概要: 金沢大学自然科学研究科<br />本課題では,薬物送達に有用な皮膚に注目し,ここにおいて,薬物の細胞内外の輸送を担う膜タンパク質、トランスポーター群の機能を解析し,経皮投与の可能性の拡大,皮膚の薬物トランスポーターを利用した新規薬物送達シス テム開発に基盤的知見を提供すること目的としている。昨年度は,皮膚におけるNSAIDsであるフルルビプロフェン透過機構に有機アニオントランスポーターが関与していることが示唆された。本年度は,代表的な排出型トランスポーターであり,皮膚においても発現が観察されているMDRIおよびMRP1に関してその検証実験を実施した。前年度同様,モデル動物としてマウスを採用し,MRPIおよびMDR1の寄与をそれぞれの遺伝子欠損マウスから採取した皮膚を用いUssing chamber法で解析した。Mrp1遺伝子欠損マウスにおいては,モデル化合物としてfluo 3を採用した際に,表皮側および真皮側の両方において排出方向の活陸低下が認められた。このことから,Mrp1は皮膚組織から薬物、異物を排除する機能を発揮していることが示唆された。一方,Mdr1遺伝子欠損マウスにおいては,ローダミン123をモデル化合物として採用した際に,表皮→真皮方向の輸送活性の低下が観察された。以上から,排出型トランスポーターが皮膚組織において機能していることが明らかとなった。近年,医薬品添加剤による薬物トランスポーターの機能阻害、促進が報告されていることから,このような知見と本課題の成果を併せることにより,皮膚を利用した新規薬物送達システムの開発に繋がるものと期待される。<br />研究課題/領域番号:18659039, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「経皮吸収性の飛躍的向上を目指したトランスポーター分子標的化薬物デリバリー」研究成果報告書 課題番号18659039(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18659039/)を加工して作成 続きを見る
2.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成17(2005)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2005 Research Project Summary.  2004 – 2005  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060418
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />本研究は、薬物輸送能を有するトランスポーター遺伝子あるいはアンチセンス配列を臓器にin vivoで導入する発現ベクターを構築し、薬物の特異的かつ能動的な組織送達が可能であるかを検証するものである。しか し、このためにはin vitro系における厳密な検討が必要であり、このため、本年度は、トランスポーター遺伝子発現用ベクターに代表的トランスポーターであるペプチド・トランスポーター遺伝子(PEPT1、PEPT2、HPT1)遺伝子を組み込み、これらの機能を培養細胞発現系で解析した。PEPT1はβ-ラクタム系抗生物質などの腸管取り込み輸送に大きな役割を有していると考えられるが、特にセファレキシン輸送時には、「ペプチダーゼ様活性」の存在が示唆された。PEPT1のこのようなペプチダーゼ活性は他のペプチドトランスポーター(PEPT2、HPT1)などと比して、非常に大きいものであった。このペプチダーゼ活性は、種々のペプチダーゼインヒビターによって阻害を受けた。このことは、個体(in vivo)においてPEPT1を利用した組織特異的薬物デリバリーに至適な薬物をデザインする際に重要な知見であると考えられる。これまでのところ、ペプチダーゼのような消化酵素活性を有するトランスポーター群は知られておらず、その作動機序には大きな関心が寄せられる。しかしながら、PEPT1の輸送機能およびペプチダーゼ用活性の解明は、培養細胞発現系のみでの解析系では限界であると考えられる。酵素活性がトランスポーターに由来するものか?あるいは、発現によって誘導されたものかは明確とは言えないため、今後は、これまでに我々が構築してきた発現系を利用したトランスポータータンパク質の精製・再構成および機能解析が必須と考えられ、現在、その検討に向けて準備段階にある。<br />研究課題/領域番号:16659037, 研究期間(年度):2004 – 2005<br />出典:「トランスポーター発現アデノウイルスベクターを用いた薬物の能動的組織デリバリー」研究成果報告書 課題番号16659037(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16659037/)を加工して作成 続きを見る
3.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成15(2003)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2003 Research Rroject Summary.  2002 – 2003  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060447
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />1997年に我々が発見した有機カチオントランスポーターOCTN1は、腎刷子縁膜に存在することが想定されていながらその分子的実体が未だ不明である有機カチオン輸送体と、機能的に類似していることが遺伝子発現 系を用いた解析により示されている。しかし腎以外の臓器における機能は未だ不明である。本研究ではアデノウイルスベクターを用い、in vivoでOCTN1に対するアンチセンス遺伝子を導入することでその遺伝子発現を抑制し、OCTN1の生理的役割を評価することを目的とした。マウスあたり2.4x10^9PFUの力価で、OCTN1アンチセンスをコードしたアデノウイルスを頸静脈投与したところ、2-3日後には肝において遺伝子導入マーカーの発現が見られた。RT-PCRにより、肝にOCTN1が存在すること、および導入したアンチセンスが発現していることを確認した。一方で14日後にはGFPの蛍光は消失していた。以上よりアンチセンス一過性導入の実験系を確立することができた。この系において単離肝切片を調製しOCTN1の典型的基質であるtetraethylammonium (TEA)の取り込みを検討したところ、顕著な取り込みが観察されたもののAdmOCTN1.ASの導入により肝臓への取り込みに顕著な変化は観察されなかった。また感染2日後のマウスに放射標識TEAを投与しその胆汁排泄を検討したところ、胆汁中のTEA回収量にも有意な変化は見られなかった。一方でセンス鎖をコードしたアデノウイルスを感染させた際には、以前に肝において基質の輸送活性が認められ、今回血液脳関門においても輸送活性の上昇を認めることができた。従って、本実験系はトランスポーターの持つ生物学的活性の評価や薬物デリバリーには有用である一方で、遺伝子ノックダウンによる生理的役割解明への応用にはさらなる検討が必要であると考えられる。<br />研究課題/領域番号:14657615, 研究期間(年度):2002 – 2003<br />出典:「アンチセンス発現アデノウイルスを用いたトランスポーターの薬物体内動態制御機能評価」研究成果報告書 課題番号14657615(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14657615/)を加工して作成 続きを見る
4.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2006 Fiscal Year Final Research Report.  2004-2006  pp.14p.-,  2007-03.  金沢大学自然科学研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049353
概要: 生体は、要・不要なものの識別輸送によって栄養物質を効率的に取込む一方、異物に対しては防御機能を備えており、この過程にトランスポーターと代謝酵素が協調的に関わることが明らかにされつつある。しかし、生体は生体異物に対し、巧妙・多様な応答を示し、 その複雑なメカニズムを理解するための新しいドグマの確立が要求されている。本研究では、分子認識および実体異物排除を担う分子をそれぞれ、パスポートタンパク質およびゲートウェイタンパク質と位置づけて、研究を実施した。その成果として、(1)オリゴペプチドトランスポーター・PEPT1がβ-ラクタム系抗生物質であるcephalexinに対して代謝機能を発揮することを示唆した。このことは、薬物トランスポーターが輸送機能に加え、代謝機能を協奏的に発揮し、ゲートウエイタンパク質として効率的な異物排除に寄与する可能性が示された。(2)有機カチオン/カルニチントランスポーター・OCTN2がカルニチンの消化管取り込みの分子的実体であることを明らかとし、また、H1アンタゴニストの臓器分布に寄与することが明らかとした。本研究によってインフラックストランスポーターがパスポートタンパク質として機能し、生理的・薬物動態学的に重要であることが示された。(3)薬物投与部位として有用な皮膚に注目し、解析を実施した。NSAIDsであるflurbiprofenに担体介在性取り込み機構が存在することを見出した。薬物皮膚透過における薬物トランスポーターの寄与が示されたことから、新規経皮投与薬の開発が期待される。(4)OCTNsなどのトランスポーターが膜裏打ちタンパク質による制御を受けていることを示唆した。また、新規薬物スクリーニング系を考案し、その基盤技術を構築した。本研究で得られた成果は、個体における役割解明、構造解析による分子機序解明、また、創薬への実用化などの多数の発展形態が期待される。<br />rug transporters are thought to be an important factor in drug absorption, distribution, excretion and delivery. Therefore, in this project, we studied drug transporters that act as the 'Passport' and 'Gateway' proteins in human body, and aimed to elucidate the mechanisms of substrate recognition and construct a system for high-through-put screening in drug developments.As the harvests of this project, the hydrolysis function of intestinal oligopeptide transporter, PEPT1, was suggested. The hypothesis that transporters could act as metabolic enzymes is novel one in this field, and verifying with proteoliposomes will provide beneficial findings to develop the orally effective peptide-like drugs. Additionally, Octn2 was shown to be involved in the intestinal absorption of carnitine. This finding suggested that influx transporters, such as PEPT1 and PCTN2, also have important roles in the intestinal absorption of drugs, and that further intensive in vivo researches will be lead to the improvement of bioavailability in oral administrations. Furthermore, study on protein-protein interaction provided the information about regulation mechanisms for drug transporter. PDZ-K1, a membrane scaffold protein was clarified, to regulate or modify the expression, stability and activity of drug transporters. Therefore, it was suggested that transporters are physiologically governed via interactions with membrane scaffold proteins. Information obtained from this project lead to build up high-through-put screening. Xenopus laevis oocytes system expressed with transporters and membrane scaffold protein.<br />研究課題/領域番号:16390039, 研究期間(年度):2004-2006<br />出典:「パスポートタンパク質・ゲートウェイタンパク質の機能を利用した薬物動態制御」研究成果報告書 課題番号16390039 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
5.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成13(2001)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2001 Fiscal Year Final Research Report.  2000-2001  pp.21p.-,  2002-03.  金沢大学自然科学研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049354
概要: ペプチドトランスポーターを利用した選択的な抗がん剤デリバリーの可能性を検証する目的で以下の検討を行った。1.ヒト小腸オリゴペプチドトランスポーターhPEPT1 cDNAをHeLa細胞に遺伝子導入し強制発現細胞(HeLa-hPEPT1)を得、 その輸送活性を確認した。2.HeLa-hPepT1を背部皮下に移植した担がんマウス(Balb/c nu/nu)に、ベスタチンおよび[3H]カルノシンを投与し組織移行性を検討した結果、細胞間液のみ分布する[14C]イヌリンの値と比べ有意に高く、両ペプチドが腫瘍細胞内に蓄積することが示された。3.in vitroでのベスタチンに対する感受性の変化をMTT法により検討したところ、HeLa-hPEPT1細胞については2.2μg./ml似上の濃度において顕著な増殖抑制効果がみられた。in vivo実験として担がんマウスにベスタチン(0.5mg/kg)を28日間経口投与した結果、HeLa-hPEPT1を移植した腫瘍の増殖はmock細胞の腫瘍に比べて顕著に抑制された。4.ヒト由来の各種株化腫瘍細胞25株について、ペプチドトランスポーター遺伝子の発現量をリアルタイム定量PCR解析した結果、PEPT1の発現量はML-1細胞、NakajimaおよびCaco-2に顕著な発現が見られた。PEPT2は殆どの細胞に発現が見られた。各細胞のペプチド取り込み活性と比較した結果、トラスポーター発現量と輸送活性とが必ずしも一致しないことから、新規のペプチドトランスポーターの存在が示唆された。5.がん細胞に発現するOCTN、OATP等のトランスポーターのクローニングならびに機能特性解析、体内動態制御への利用法についての検討も行った。6.腫瘍細胞の増殖に関与するアミノ酸トランスポーターLAT1およびLAT2が、血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞にも発現すること明らかにした。<br />In the present study, we studied feasibility of drug delivery using oligopeptide transporter which expressed in some tumor cell lines. During this study period, we obtained following findings.1. A stable cell line which over expresses human oligopeptide transporter PEPT1 was established by transfecting hPEPTl cDNA into HeLa cells. Its transport actiyity was confirmed by measuring glycylsarcosine and termed the cell line HeLa-hPEPT1.2. Nude mice (Balb/c nu/nu mice) inoculated with HeLa-hPEPT1 bared tumor within several weeks. In these mice, I.v. injected an anti-tumor drug bestatine, and dipeptide carnosine were accumulated in the hPEPT1-expressing tumors.3. HeLa-hPEPT1 was more sensitive to bestatine than parent HeLa cell line by in vitro MTT assay. Tiimor growth of HeLa-hPEPT1 in nude mice was strongly suppressed by oral dose of bestatine to the mice, while that of HeLa inoculated mice was not affected.4. Messenger RNA expression levels of known oligopeptide transporters that is PEPT1 and PEPT2 were quantitatively analyzed by the real time PCR in iridivisual 25 tumbf lines. Among them ML-1, Nakajima and Caco-2 cells expressed PEPT1in high level on the other hand, PEPT2 expression was observed majority of cell lines examined. Comparing mRNA expression and transport activity profiles, we found little correlation between them. Therefore, existence ofnovel transporter that represents the uptake of peptides has been suggested.5. Molecular cloning of CDNA of organic cation transporter OCTNs and OATPs were performed and some of which were expressed in tumor cell lines.6. We have proved that expression of amino acid transporter LAT1 and LAT2, which play roles in tumor growth, in the blood-brain barrier.In conclusion, detailed characterization of many kinds of transporters which expressed in tumors will provide us valuable information to establish method for tumor specific delivery of drugs.<br />研究課題/領域番号:12557204, 研究期間(年度):2000-2001<br />出典:「ペプチド輸送系の組織特異的発現と分子認識多様性を利用した腫瘍選択的薬物デリバリー」研究成果報告書 課題番号12557204 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
6.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 基盤研究(A) 研究成果報告書 = 2002 Fiscal Year Final Research Report.  2000-2002  pp.12p.-,  2003-03.  金沢大学自然科学研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049355
概要: 本研究は、薬物の体内動態に影響を与えるトランスポーター群の多様な薬物構造認識・輸送機構を小腸、腎臓、肝臓、脳などの特定臓器に焦点を当て、臓器レベル、細胞レベル、オルガネラレベル、分子レベル、遺伝子レベルで解明し、薬物動態の臓器普遍性または臓 器特異性を明確にすることを目的として、1)PEPT1、OCTN1、OCTN2、NPT1等について、各トランスポーター発現細胞における詳細なin vitroでの分子構造認識・輸送特性を明らかにした。2)有機アニオン系、有機カチオン系、ペプチド系等の薬物に対して生体に備わった物質輸送、蓄積、排泄機構の組織、細胞および細胞膜レベルでの検討を行った。3)それらのin vivo、in vitro実験の情報を元にした新規トランスポーター群(mOCTN1,mOCTN2,mOCTN3,OATP-B、OATP-C、OATP-D、OATP-E)のクローニングに成功した。4)クローニングしたトランスポーターに対する抗体の作成とそれを用いた組織内および極性細胞における細胞内局在性を明らかにするとともに、発現細胞を作成してその輸送特性を明らかにし、生体の種々生体物質および薬物輸送における役割について検討した。5)血液脳関門の持つ輸送機構の詳細を明らかにするため、不死化ラット脳毛細血管内皮細胞株を確立し、種々トランスポーターの機能発現を確認した。中枢移行性の少ない種々ニューキノロン抗菌薬やH1-アンタゴニストの輸送機構とABCトランスポーターの関与を明らかにした。6)OCTN2やOATP-C等のSNPsの機能特性を明らかにした。7)トランスポーターを発現するアデノウイルスベクターを構築し、本組換えウイルスをラットおよびマウスに投与することによって肝臓や血液脳関門に新たな薬物輸送活性を付与することに成功した。本研究によっていくつかの薬物の体内動態に及ぼすトランスポーターの意義が明確にされた。本研究の成果は、今後、合理的な医薬品の分子設計の提言し、臓器標的化を指向したドラッグデリバリーシステムの開発に役立てて行く必要がある。<br />The author' s research on transporter-mediated pharmacokinetics focuses on the molecular functional characteristics of drug transporters including oligopeptide transporter, monocarboxylic acid transporter, anion transporter, organic cation transporters, organic cation/carnitine transporters (OCTNs) and the ATP-binding cassette transporters P-glycoprotein and MRP2. We have successfully demonstrated that the transporters play important roles in the influxes and/or effluxes of drugs in intestinal and renal epithelial cells, hepatocytes and brain capillary endothelial cells that form the blood-brain barrier. In the systemic carnitine deficiency (SCD) phenotype mouse model, juvenile visceral seatosis (jvs) mouse, a mutation in the OCTN2 gene was found. Furthermore, several types of mutation in human SCD patients were found, demonstrating that OCTN2 is a physiologically important carnitine transporter. OCTNs transport not only carnitine but also various organic cationic drugs in a sodium-independent manner. It is suggested that OCTNs are multifunctional transporters for the uptake of carnitine into tissue cells and at the same time for the elimination of intracellular organic cationic drugs. In this research term, novel cDNA of organic anion transporters i.e., OATP-B, OATP-D and OATP-E have been isolated and functionally characterized. Furthermore, single nucleotide polymorphism of OATP-B, OATP-C and OCTN2 in the Japanese population was analyzed. Although more data should be collected, such information will enable us to establish ultimate drug delivery system.<br />研究課題/領域番号:12307057, 研究期間(年度):2000-2002<br />出典:「薬物トランスポーター群の分子認識・輸送の多様性に基づいた臓器移行性の制御」研究成果報告書 課題番号12307057 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
7.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 1999 Fiscal Year Final Research Report.  1998-1999  pp.11p.-,  2000-03.  金沢大学自然科学研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049356
概要: 本研究においては薬物の消化管吸収性促進を目的とし、小腸上皮細胞に備わるトランスポーターならびに膜動輸送機構に関する研究を行った。その結果、モノカルボン酸輸送については、アニオン交換輸送体として働く分子的実体の一つとしてAE2やMCT1が安息 香酸やサリチル酸などのモノカルボン酸系化合物の消化管吸収に働いていることがわかった。即ち、pH依存的なモノカルボン酸輸送系としてMCT1やAE2が重要な役割を果たしていることが示唆され、モノカルボン酸系化合物の小腸上皮細胞膜輸送におけるトランスポーターの重要性が明らかとなった。一方、ペプチドトランスポーターPepT1については抗ウイルス薬アシクロビルのバリンエステル体がその基質となることを明らかにした。本結果はPepT1の基質認識に対してペプチド結合が必須でないことを示す新しいPepT1の機能特性を提示するものである。また、パーキンソン病治療薬L-dopaのペプチド誘導体を合成し、その吸収性促進効果について検討を行った結果、L-dopaがアミノ酸輸送系を介して吸収されるよりも誘導体がペプチド輸送系を介して膜透過されるほうがより高い吸収性が期待できることが示された。以上の成果は、PepT1の機能ならびに経口デリバリーへの応用性について新たな知見を与えるものである。さらに分子サイズの大きなペプチドの経口デリバリー法の樹立を目的とし、小腸における吸着介在型エンドサイトーシス機構について検討をした。その結果、小腸には塩基性ペプチドを幅広く取り込むエンドサイトーシス機構が備わっていることを明らかにできた。以上、本研究成果は、消化管に備わるトランスポーターあるいは膜動輸送機構が薬物の消化管吸収に機能することを実証するものであり、またそのような膜輸送機構が薬物の消化管吸収性を制御する手法として有用であることを示すものである。<br />In the present study, identification and functional significance of intestinal transporters in the drug absorption were studied. The obtained results are as follows :1. Monocarboxylic acids have been thought to be absorbed by passive diffusion mechanism according to pH-partition theory. However, in the present study, two transporters that are present at the intestinal epithelial cells and accept monocarboxylic acids as the substrates were identified. MCT1 is a proton-cotransporter for monocarboxylic acids such as lactic acid and pyruvic acid. However, when MCT1 was stably transfected to MDA-MB231 cells, it exhibited transport activity for acidic drugs such as benzoic acid and salicylic acid In addition, anion antiporter AE2 also transported such monocarboxylic acids. Furthermore, immunohistochemical analysis demonstrated the presence of MCT1 at the brush-border membrane as well as basolateral membrane. These results suggest that monocarboxylic acid drugs are absorbed via specific trans porters and will be useful for the enhancement of intestinal absorption of acidic drugs by utilization of these transporters.2. Peptide transporter, PepT1 is present at the brush-border membrane of intestinal epithelial cells and mediates absorption of various di- and tri-peptides in a pH-dependent manner. L-dopa, which has low bioavailability, was derivated to dipeptide and the mechanism of intestinal absorption was examined. L-dopa-L-phe, a peptide-derivative of L-dopa, showed significantly higher permeability than that of L-dopa across the intestinal epithelial monolayers and the permeability was significantly decreased in the presence of high concentration of native dipeptides. So, peptide-derivation is expected to be useful for the increased intestinal absorption by utilizing peptide transporter PepT1.These lines of studies provide new insight of the significance of membrane transporters and new strategy to control intestinal absorption of drugs by utilizing the transporters in the intestinal epithelial cells.<br />研究課題/領域番号:10557214, 研究期間(年度):1998-1999<br />出典:「小腸上皮トランスポーター遺伝子発現系による経口薬物スクリーニングシステムの開発」研究成果報告書 課題番号10557214 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
8.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成11(1999)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 1999 Fiscal Year Final Research Report.  1998-1999  pp.17p.-,  2000-03.  金沢大学自然科学研究科
URL: http://hdl.handle.net/2297/00049357
概要: 本研究では、薬物や生理的物質の体内動態に関わるトランスポーターの同定・機能解析を目的とした。得られた第一の成果は、新規に遺伝子クローニングに成功したOCTNトランスポーターファミリーの薬物ならびに生理的基質としてのカルニチン輸送解析である。 本研究では、特にヒト及びマウスOCTN2の遺伝子クローニングを行い、その組織分布性や機能特性から生理的役割として脂肪酸代謝に重要なカルニチントランスポーターであることを実証した。すなわち、カルニチン欠乏症状を示すjvsマウスならびに臨床医の協力を得て得られた患者におけるOCTN2遺伝子解析によって、OCTN2遺伝子変異が直接的にカルニチン欠乏症と関連していることを示すことに成功した。さらに、OCTNはカルニチンとともに有機カチオンも輸送することが示された。しかも、カルニチンはナトリウムイオン依存的に、有機カチオン輸送はナトリウムイオン非依存的に輸送する多機能的トランスポーターであることが示された。本研究成果は、全身性カルニチン欠乏症の原因遺伝子の同定という、生理的・医学的に極めて意義のある研究成果となった。特にカルニチン欠乏症は小児においては致死的あるため、その遺伝子診断など臨床的に極めて有用な情報を提供する基礎研究成果となった。その他には、血液脳関門で働くモノカルボン酸トランスポーターMCT1の機能発現の実証、元来リン酸トランスポーターとしてクローニングされたNpt1がアニオン性薬物を輸送しその腎・肝排泄に関わること、キノロン系抗菌薬の臓器移行・排泄にはMRP2やP-糖蛋白質を含む複数のトランスポーターが関与していること等の結果が得られた。これら薬物輸送に働くトランスポーターの同定、機能解析、発現部位の同定、および薬物速度論的なトランスポーターの役割の解析研究は、トランスポーターを利用した薬物動態制御法の可能性を強く示すものである。<br />Various transporters that mediate membrane transport of drugs as well as physiological compounds were clarified by molecular cloning of the genes and their functional analysis by gene expression systems. The obtained results are as follows :1. Novel transporter family OCTNs were molecularly cloned and their transport functions were analyzed by transfection of the gene to HEK293 cells. Human and mouse OCTN2 transported physiologically important carnitine in a sodium dependent manner. JVS mice that show systemic carnitine deficiency(SCD) syndrome had a mutation in OCTN2 gene with loss of carnitine transport function. Furthermore, various mutations in OCTN2 gene were identified in patients who show the SCD syndrome. From these results, it was clarified that OCTN2 is a physiologically important camitine transporter and its mutation leads to the SCD. Interestingly, OCTN2 and its isoform OCTN1 transported organic cations in a sodium independent manner. Accordingly, OCTNs are unique transporters which have are multifunctionality by transporting carnitine and organic cations in the distinct mechanisms.2. Molecular characterization of the transporter for monocarboxylic acids at the blood-brain barrier (BBB) was performed. Monocarboxylic acid transporter MCT-1 gene was expressed at the BBB and was found to play important role in the transport of organic weak acids by the in vitro cultured cells and in vivo studies.3. Multiple efflux mechanisms for new quinolone antibacterial agent were found to be expressed at the BBB. They are P-glycoprotein and unknown transporters sensitive to anionic compounds. These multiple efflux transporters seem to restrict the brain distribution of quinolones and other drugs, resulting in a low distribution into the central nervous system.These lines of studies provide new insight of the siginificance of membrane transporters and new strategy to control disposition of drugs by focusing on the transporters function present in various tissues.<br />研究課題/領域番号:10470510, 研究期間(年度):1998-1999<br />出典:「薬物のトランスポーター介在輸送に基づいた臓器移行性の制御」研究成果報告書 課題番号10470510 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
9.

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辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成12(2000)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary.  1999 – 2000  pp.3p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060748
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />研究代表者等がこれまでにクローニングしたOCTN2は、全身性カルニチン欠損症の原因遺伝子である。本年度我々はマウスよりOCTN2のホモログとして、OCTN1およびOCTN3のクローニングを行い、生理的 物質の維持とゼノバイオティクスの排除への関与について検討を行った。OCTN1、OCTN2、OCTN3はいずれも腎臓に共通して発現が認められたが、OCTN3は精巣でもっとも高い発現を示した。各遺伝子産物について、カルニチンおよび有機カチオン性ゼノバイオティクス(TEA)の取り込み活性を測定した結果、OCTN1およびOCTN2はNa^+依存的に、OCTN3はNa^+非依存的にカルニチンを輸送された。またOCTN1およびOCTN2はTEAを輸送したのに対し、OCTN3は輸送しなかった。よって遺伝子の存在がマウスのみに確認されているOCTN3は、カルニチンに対して特異性が高い特徴的なトランスポーターであることが明らかとなった。OCTN3のカルニチン輸送はNa^+非依存的でその発現が精巣に特に強く認められることから、生理的には精巣での役割が主であると考えられた。OCTN1のカルニチン輸送活性はOCTN2、OCTN3と比べ非常に低いことから、OCTN1が有機カチオントランスポーターとして重要な役割を持つと考えられた。OCTN2はカルニチンおよびTEAのいずれも効率的に輸送するが、腎尿細管における輸送の方向性は、カルニチンがNa^+依存的に再吸収方向に輸送されるのに対して、TEAは分泌方向の輸送となる。すなわち、OCTN2は生体に必要なカルニチンの再吸収と生体異物である有機カチオンの分泌に働く多機能性トランスポーターであることが示された。これらの結果は、OCTN2によるカルニチンのinfluxとTEAのeffluxがシンクロナイズしていることを示すものであり、OCTN2が生理的物質の維持とゼノバイオティクスの排除とがシンクロナイズした生体防御機構の一部として機能している可能性が考えられた。<br />研究課題/領域番号:11167237, 研究期間(年度):1999-2000<br />出典:「ゼノバイオティックス取り込み・排出輸送と化学変換がシンクロナイズした生体防御機構」研究成果報告書 課題番号11167237(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11167237/)を加工して作成 続きを見る
10.

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論文
辻, 彰 ; Tsuji, Akira
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2002 Research Project Summary.  2001 – 2002  pp.2p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060932
概要: 金沢大学医薬保健研究域薬学系<br />本研究は、オリゴペプチド、有機アニオンおよび有機カチオン系薬物を輸送する一次性(ABC)トランスポーターおよび二次性のトランスポーターが、生体外異物(ゼノバイオティックス)の細胞内取り込みおよび排出に 関わるシンクロナイズした生体防御のシステムの一つとして機能しているかを明らかにすることを目的とした。グレパフロキサシンは経口投与後の吸収率が良好なニューキノロン抗菌薬である。本薬物は胆汁クリアランスが高い特徴を持ち、遺伝子欠損ラットEHBRを用いた検討からMRP2の基質であると考えられている。そこで、HEBRを用いて消化管吸収過程に関わる分子メカニズムを解析した。小腸組織をUssing型チャンバーに装着し、グレパフロキサシンの経組織輸送を測定したところ、正常ラットにおいては分泌方向の輸送が吸収方向の2倍高かったが、EHBRにおいて分泌輸送は顕著に低下していた。正常ラットでみられた分泌輸送はMRP2阻害剤およびABCトランスポーターMDR1の阻害剤に感受性であった。肝臓においてMRP2はグレパフロキサシンの抱合代謝物の胆汁排泄に働くことが明らかにされている。また、昨年度の我々の研究により、グレパフロキサシンは小腸上皮細胞刷子縁膜に発現するMDR1によっても排泄されることが明らかにされている。これら2つの分泌型トランスポーターの基質となる一方で、前述のように本薬物は優れた消化管吸収性を示すことから、吸収方向にも何らかの非常に強力なトランスポーターが関与する可能性が強く示唆される。以上のことから、グレパフロキサシンの消化管吸収過程には、細胞取り込みに働く未同定のトランスポーター、グレパフロキサシンの細胞への侵入に対して防御的に働くMDR1、さらにおそらく細胞に取り込み後に未変化体および代謝物の分泌輸送に関与するMRP2がシンクロナイズして働いているものと考えられた。<br />研究課題/領域番号:13022226, 研究期間(年度):2001-2002<br />出典:「ゼノバイオティックスの取り込みと排出輸送がシンクロナイズした生体防御機構」研究成果報告書 課題番号13022226(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13022226/)を加工して作成 続きを見る