1.

論文

論文
若山, 友彦 ; Wakayama, Tomohiko
出版情報: 平成12(2000)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary.  1999 – 2000  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060730
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />精巣に発現する免疫グロブリンスーパーファミリー分子は、昨年解析したMC31/CE9の他、neural cell adhesion molecule(NCAM)が報告されているのみである。そこで、NCA Mの免疫グロブリン様構造のアミノ酸配列を利用して、この部分に対応する核酸の塩基配列でマウスのESTデータベースをスクリーニングして相同なアミノ酸配列をもつ新規遺伝子を探索した。この方法では蛋白質をコードする核酸の全塩基配列を決定できなかったので、マウス精巣よりmRNAを抽出して作製したcDNAライブラリーをスクリーニングして全塩基配列を決定した。データベースを参照したところ得られた遺伝子は新規の免疫グロブリンスーパーファミリー遺伝子であることがわかった。また、そのアミノ酸構造の解析から、細胞膜に局在することが推測され、細胞外領域に3個の免疫グロブリン様構造をもち細胞膜を1回貫通し細胞内領域をもつことが分かった。ノーザンハイブリダイゼーション法により精巣に発現するmRNAの大きさと発現量を解析したところ、2.1kと4.5kベースの2種類のmRNAが存在することが分かった。また、in situハイブリダイゼーション法によりこのmRNAを発現する細胞をマウス精巣において同定したところ、精祖細胞から早期の精母細胞にmRNAが強く発現することが分かった。そこで、この新規免疫グロブリンスーパーファミリー遺伝子の名称をspermatogenic immunoglobulin superfamily(SgIGSF)と命名した。さらに、精巣以外の器官・組織におけるSgIGSFのmRNAの発現を解析したところ、大脳・肝臓・腎臓・精巣上体においてもmRNAが発現していることが分かったが、大脳と精巣上体では4.5kベースのmRNAのみが発現していた。また、心臓ではSgIGSFのmRNAは発現していなかった。<br />研究課題/領域番号:11770010, 研究期間 (年度):1999 – 2000<br />出典:「精子鞭毛蛋白質の遺伝子発現、機能解析と新規免疫グロブリンスーパーファミリーの探索」研究成果報告書 課題番号11770010(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11770010/ )を加工して作成 続きを見る
2.

論文

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若山, 友彦 ; Wakayama, Tomohiko
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2001 – 2002  pp.1p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061219
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />精子発生は、内分泌など様々な因子によって調節される複雑な過程であるが、生殖細胞とセルトリ細胞の細胞膜を介する相互作用も重要な調節機構であると考えられる。しかしながら、この相互作用に関与する分子について はまだ十分にわかっていない。そこで申請者は生殖細胞とセルトリ細胞に発現する接着分子に着目し、マウス精巣のcDNAライブラリーより免疫グロブリンスーパーファミリーに属する新規遺伝子をクローニングした。この分子は細胞膜を一回貫通する膜蛋白質で、細胞外に3つの免疫グロブリン様ドメインをもつ。精巣において、mRNAは生殖細胞のみに発現し、主として精祖細胞から合糸期の精母細胞に局在したことからSpermatogenic Immunoglobulin Superfamily (SgIGSF)と命名した。次に、SgIGSFに対する特異的抗体を作製し、光学および電子顕微鏡レベルの免疫組織化学を行ったところSgIGSFは中間型精祖細胞から厚糸期早期の精母細胞とステップ7以降の精子細胞の細胞膜に局在することがわかった。生殖細胞の細胞膜に発現するSgIGSFの機能を解析するため、精巣の蛋白抽出物から抗SgIGSF抗体と反応する分子を免疫沈降法により分離し、初代培養セルトリ細胞と反応させたところ、免疫沈降産物は培養セルトリ細胞の細胞膜と結合することがわかった。また、この時SgIGSFは生殖細胞同士の接着部位に強く発現することが観察されたので、生殖細胞同士のホモフィリックな結合に関与することが示唆された。さらに、COS-7細胞にSgIGSFを遺伝子導入してSgIGSFとタグ蛋白質との融合蛋白質を産生させた。この融合蛋白質を含む蛋白質抽出物を培養セルトリ細胞と反応させ、タグ蛋白質に対する抗体で検出すると免疫沈降産物と同様にセルトリ細胞の細胞膜と結合した。以上の結果から、生殖細胞に発現するSgIGSFはセルトリ細胞の細胞膜上に存在する分子とヘテロフィリックな結合をする接着分子としても機能することが示唆された。<br />研究課題/領域番号:13770005, 研究期間(年度):2001-2002<br />出典:「新規接着分子の精子発生における機能解析およびそれと相互作用する分子の探索」研究成果報告書 課題番号13770005(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13770005/)を加工して作成 続きを見る