1.

論文

論文
久保, 正幸
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.109-116,  2004-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4489
概要: 金沢大学大学院医学系研究科環境医科学専攻環境生態医学<br />コンベンショナル環境下でアトピー性皮膚炎(AD)を発症したNC/Ngaマウス(コンベンショナル群)とSPF環境下でADを発症しないNC/Ngaマウス(SPF群)を用い,一酸化窒 素(NO)やNOより生じる活性窒素種(RNS)とAD病態との関係を検討した.コンベンショナル群の皮膚病変部において誘導型NO合成酵素(NOS)および内皮型NOS発現はSPF群より有意に上昇し,神経型NOSの発現は減少傾向を示した.また,コンベンショナル群の血清中の亜硝酸イオンおよび硝酸イオン濃度はSPF群より有意に上昇したが,皮膚中での濃度は有意に低下していた.AD様皮膚病変部ではニトロチロシンやS-ニトロソチオール量が有意に増加し,ニトロチロシンの産生は好酸球に認められた.一方,酸化ストレス指標であるthiobarbituric acid-reactive substancesや8-ヒドロキシデオキシグアノシンの生成は両群間で有意差を認めなかった.NC/NgaマウスではAD皮膚病変部におけるNOSアイソフォームの発現の変化,NOxの減少やRNS産生の増加などNO代謝バランスの変化がAD病態と関連していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
2.

論文

論文
東, 良
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  113  pp.34-44,  2004-03-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4496
概要: 金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳機能制御学<br />成熟ラットの定位的脳幹内軸索損傷による顔面神経核の逆行性変性モデルを用いて,変性過程における一酸化窒素(NO)と内在性エリスロポエチン(EPO)ならびにEPO受容体(EPO-R) の発現に注目して逆行性変性過程を調べた.さらに遺伝子組み替えヒトエリスロポエチン(rhEPO)の腹腔内投与による神経細胞保護効果を検討した.ラット顔面神経脳幹内軸索損傷モデルに対してrhEPOを外因性に投与することで,顔面神経細胞の逆行性変性,脱落を抑制することが示された.この神経保護効果は,脳幹内損傷顔面神経細胞の逆行性変性,脱落にNOによる酸化ストレスが関与し,外因性rhEPOがこれを抑制したためと推察された<br />原著論文 続きを見る
3.

論文

論文
国枝, 武重
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.317-325,  2002-12-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4522
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻がん遺伝子治療学<br />経皮的近赤外線(NIR)照射による再内皮化の促進および新生内膜増殖抑制に関して検討した.方法は,ウィスターラットの頸動脈バルーン傷害モデルを作成し,3日間,10分間づつ経皮 的NIR照射を行い,新生内膜増殖および培養細胞に及ぼす影響を非照射群とで比較した.NIR照射によって内膜/中膜比は非照射群に比し1週間後で25%,2週間後で49%の有意な減少を認めた.1週間目のPCNA染色による陽性細胞率は非照射群に比し25%減少した.TUNEL法によるアポトーシスの検討では両群間に差はなかった.エバンスブルー染色による再内皮化率は非照射群に比し49%の増加を認めた.培養細胞では平滑筋細胞はNIR照射の影響を受けなかったが,血管内皮細胞は10J/cm^2照射で有意な増殖促進を認めた.INR照射は非侵襲的かつ簡便で,新しい再狭窄予防の治療法となる可能性が考えられた<br />原著論文 続きを見る
4.

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上原, 健治
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  111  pp.173-182,  2002-06-01. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/4533
概要: 金沢大学大学院医学系研究科がん医科学専攻機能再建学<br />術前放射線照射による延長仮骨形成障害の機序を解明にする目的で,日本白色家兎15Gy照射後延長モデルを作製し,延長部の単純レントゲン,組織標本,微小血管造影について検討した.その結 果,延長終了時に仮骨形成を全く認めなかった.延長終了後に仮骨形成が出現したが構造に規則性は無く,散在性の骨化巣で内軟骨性骨化であった.血管内皮増殖因子(VEGF)に対する免疫組織染色では,延長終了4週の延長部の血管は少なく,骨芽細胞はVEGFの強い発現を認めた.以上より,術前放射線照射による延長仮骨形成障害は,骨芽細胞や前駆細胞の障害の他に血管新生障害が関与していると考えられた<br />原著論文 続きを見る
5.

論文

論文
常山, 幸一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.538-550,  1996-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9230
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />最近,我が国で開発された免疫不全マウスALY系のホモ接合体であるaly/alyマウスを対象に,新生児,8週齢,10週齢,12週齢における肝,胆道系の変化をヘテロ接合体であるaly/+マウスと病理学的に比較し た. 1)8週齢以降,aly/+マウスの肝,胆管系には著変がみられないのに比べ,aly/alyマウスは門脈域内にリンパ濾胞形成を伴う軽~中等度のリンパ球浸潤がみられ,胆管上皮に種々の変性像,偽幽門腺化生,胆管破壊像,胆管を中心とする炎症所見がみられた. 2)aly/alyマウスでは8週齢以降の全個体で,大型胆管上皮の胞体内に均一な好酸性物質を蓄積した,好酸性の上皮細胞の出現を認めた.好酸性細胞で構成される胆管腔内には長方形~多角形の好酸性結晶の出現がみられた. 3)電顕的検索の結果,aly/alyマウス胆管上皮の好酸性物質は拡張した粗面小胞体内に蓄積していた.胆管腔内の好酸性結晶は電顕的にも無構造な結晶であった 続きを見る
6.

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小泉, 博志
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.363-381,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9211
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />総胆管結紮ラットモデル,3'-MDABラットモデルを用いて,細胆管増生及びオバール細胞増生の,病理組織像と細胞動態を,神経分布との関連性より検討した. 1)細胆管増生域,オバール細胞増生域は経過と共に,拡大 し,42日目には,肝小葉を分断し肝硬変様の形態をとった. 2)PGP 9.5陽性神経線維は,総胆管結紮群では経過と共に減少した.3'-MDAB投与群では減少,消失はなく,28~35日目以降には,オバール細胞増生域に神経線維が分布する像がみられた. 3)NSE陽性神経線維は,総胆管結紮群では28日目以降に細胆管増生域に神経線維の分布する像がみられた.3'-MDAB投与群ではオバール細胞増生域に神経線維の分布は全経過を通じてなかった. 4)NPY陽性神経線維は,総胆管結紮群では経過と共に減少した.3'-MDAB投与群では減少,消失はなかった.オバール細胞増生域には全経過を通じて神経線維の分布はなかった 続きを見る
7.

論文

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高塚, 茂行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.335-343,  1995-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9138
概要: 金沢大学 医 歯口腔外科<br />関節円板の切除が必要な重症型の顎関節症に対する至適な再建方法と考えて,耳介軟骨を関節円板切除後の顎関節に中間挿入物として使用する術式の検討を行った.家兎の顎関節より関節円板を切除し,同側耳介より採取した軟 骨片を中間挿入物として使用し,関節円板切除のみの家兎の顎関節,正常顎関節と形態の変化ならびに移植片の動態を比較した. 1)関節円板切除を行った家兎の顎関節では,術後4週までは急性炎症症状を伴う関節軟骨の完全吸収,軟骨下骨の露出が観察され関節面は平坦になっていた. 2)関節円板切除を行った家兎の顎関節では,術後6週より関節軟骨の増殖が観察され,術後8週頃よりほぼ正常な軟骨層の再生がみられたが,関節面は著しく平坦であった. 3)関節円板切除後に耳介軟骨を移植した家兎では,関節形態はほぼ正常に保存されていた 続きを見る
8.

論文

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山野, 潤
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.154-161,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9121
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />ニホンザルを用いて全身麻酔下で腕頭動脈と無名動脈を一過性に遮断することにより脳虚血モデルを作製した. 1)非活性型のカルパインは正常海馬では海馬の全領域に同程度に存在していたが,虚血後には僅かながらも減少 を示した. 2)活性型のカルパインはウェスタンブロットではCA1に有意に多く発現が見られ,虚血前に比べてCA1ニューロン,特にその核周囲の胞体に強い発現を示した. 3)カルパインの基質であるフォドリンの分解産物の発現は虚血後の海馬では有意な増加を示したものの,海馬の各領域による差異は見られなかった. 4)虚血後に活性化されたカルパインは,CA1ニューロンにおいて,プロテインキナーゼCなどフォドリン以外の蛋白を基質としていることが示唆された.以上より,脳虚血後に生じるカルパインの活性化は,海馬CA1における遅発性神経細胞死の発生に重要な役割を果たしていると考えられた 続きを見る
9.

論文

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堀川, 勲
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.206-215,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9125
概要: 金沢大学 医 耳鼻科<br />1)全期間を通じて染色を認めたのはtrk, trk B, trk Cのうちtrkであった.よって,嗅覚伝導路の発達,成熟,生存維持にNGFが神経栄養因子として関与している可能性が示唆された. 2)trkの発現 は胎生14日から老年期まで認められた.嗅上皮では嗅細胞の細胞体と粘膜固有層の嗅神経線維束に,嗅球では嗅神経線維層,糸球体に染色を認めた. 3)嗅細胞では胎生16日に最大のtrkの発現を認め,以後生後10日にかけて減少し,成熟期,老年期と加齢に従って発現嗅細胞数が減少した.糸球体では胎生18日からtrkの発現を認めた. 4)嗅糸切断後7~14日目に再生嗅細胞の細胞体と嗅神経線維束にtrkの発現の増強を認め,以後28日目まで減少した.糸球体では嗅糸切断後21日目に発現の増強を認めたが,28日目には非切断マウスと変わらないほど染色性が低下した 続きを見る