1.

論文

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金子, 敏行
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.693-705,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9244
概要: 金沢大学 医 眼科<br />1)フィブリン糊硝子体内注入眼のERG各波の正常僚眼に対する振幅比,頂点潜時比及び高浸透圧応答の正常僚眼に対する振幅比には注入前と注入9週後で差はなかった.注入後74日目の網脈絡膜組織像に異常はなかった. 2) 後部硝子体剥離作成後にフィブリン糊を網膜上に滴下した眼ではa波頂点潜時が短縮した以外には有意な変化はなかった.フィブリン糊消失112日後には網脈絡膜に異常はみられなかった. 3)後部硝子体剥離及び網膜裂孔を作成し網膜を剥離させた後に3種の裂孔閉鎖術を行った.網膜光凝固のみ施行では手術操作の最後に眼内を灌流液に置き換えると同時に網膜は再剥離した.フィブリン糊滴下のみ施行では手術終了時には網膜は復位したが,1週間後に網膜は再剥離した.両者の施行では網膜復位が得られ少なくとも16週に至るまで網膜は再剥離しなかった.併用による裂孔閉鎖術では手術後112日で網脈絡膜に異常はなかった 続きを見る
2.

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瀧, 康則
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.384-391,  1996-06-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9214
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />全身麻酔下で人工呼吸を行っているイヌを用い検討した. 1)硬膜外麻酔は,交感神経をブロックし,低酸素症による血漿エピネフリンやノルエピネフリンの濃度の上昇を抑制した. 2)硬膜外麻酔は,低酸素症による循環動 態の変動を抑制し,収縮期血圧,心拍数,体血管抵抗,及び左室心仕事量係数を低く維持した.又,血圧上昇の抑制は,主に体血管低抗の減少によるものと考えた. 3)硬膜外麻酔は,低酸素症によるアシドーシスを抑制したが,死亡率を低下させなかった. 4)上記の作用は,胸部から腰部に及ぶ広範囲な硬膜外麻酔を行った動物のみでなく,臨床上多用される胸部硬膜外麻酔を行った動物においても認められた. 5)硬膜外麻酔が循環動態の変動を抑制する現象は,低酸素状態の発見を遅らせる恐れがあると考えられた.硬膜外麻酔や脊椎麻酔を施行する際は,パルスオキシメータを使用すべきである 続きを見る
3.

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田尻, 和八
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.215-221,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9198
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />根性坐骨神経痛の発現における病変部位より末梢を流れるインパルスの関与を調べる為に,臨床的及び実験的検討を行った. 1)臨床的検討として,根性坐骨神経痛の19例に病変部位より離れた腓骨頭部で総腓骨神経ブロック を行い,リドカイン群がプラセボ群に比し有意に有効であった. 2)実験的検討として,坐骨神経の中枢を電気刺激し坐骨神経末梢で記録すると,皮膚での反射波と考えられる波形が得られた. 3)以上より,根性坐骨神経痛の発現には,病変部位より末梢を通過するC線維のインパルスが皮膚で反転して大脳まで伝導される経路が関与していると考えられた 続きを見る
4.

論文

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松本, 勲
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.309-332,  1996-04-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9207
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />実験1ではイヌで自家肺同所移植モデルとリンパ節郭清を施行した部分肺移植モデルを作成してECLRの手技上の問題点とリンパ節郭清の影響を検討した.実験2ではイヌで左肺の2時間温阻血モデルを作成し,体外での保存, 再灌流障害に対してのUTI投与,冷却保存及び肺血管床前灌流の効果を検討した.ECLRにおいては,特に肺静脈の吻合に留意し,縦隔リンパ節郭清施行時には吻合部の被覆等の吻合部の血流を確保する工夫が必要である.又,保存中の肺障害,虚血後肺再灌流障害の抑制に対してはUTI投与及び冷却保存は有効であった 続きを見る
5.

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安田, 保
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.2-16,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9179
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />1)近赤外分光法を利用したSo2, Hb+Mbの測定は常温血性心筋保護液の冠灌流,灌流停止を鋭敏に反映した. 2)常温血性心筋保護液の5分間冠灌流と10分間灌流停止を3回繰り返したA群では心機能は低下しなか ったが,5分間冠灌流と20分間灌流停止を3回繰り返したB群では収縮期血圧,心拍出量係数は低下し,末梢血管抵抗が上昇し,左室仕事量係数が低下し,心機能が低下した. 3)A群では心筋内ATP, ADP, AMP含量のいずれも有意な変化を示さなかったが,B群ではATP含量が低下し,AMP含量が上昇し,高エネルギー燐酸の枯渇が認められた. 4)心筋超微細構造において,A群では経時的な虚血性変化が認められなかった.B群では3回目の灌流開始直前に,ミトコンドリアや核に変化が認められ,大動脈遮断解除直前にそれらが増悪し,虚血による蓄積性の細胞損傷が示された 続きを見る
6.

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米田, 高宏
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.112-120,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9188
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />イヌを対象に,硬膜外麻酔中の高二酸化炭素症が,循環動態に与える影響を心エコー及び肺動脈カテーテル所見より検討した. 1)硬膜外麻酔を施行しなかったイヌでは,高二酸化炭素症は,心拍出量を前負荷依存性に上昇させ た. 2)PaCO2が正常な場合,硬膜外麻酔は,駆出分画に影響を及ぼさなかった. 3)硬膜外麻酔を施行したイヌでは,高二酸化炭素症は,前負荷や後負荷を変化させることなく,心拍出量及び駆出分画を低下させた.以上から,硬膜外麻酔中の高二酸化炭素症は,心拍出量を減少させると結論された.又,その減少には左室収縮機能の低下が強く関与していると考えられた 続きを見る
7.

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得田, 和彦
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.517-528,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9155
概要: 金沢大学 医 脳神経外科<br />急性頭蓋内圧亢進を繰り返すことにより脳循環障害モデルを作製し,CBF低下によるICPampの影響を検討した. 1)加温人工髄液の側脳室注入負荷を繰り返すと,脳血流自動調節能が正常でかつCBFも正常な脳血流 保持群(A群,n=22),脳血流自動調節能が正常でCBFのみが低下した脳血流低下群(B群,n=31),脳血流自動調節能破壊群と順次変化した. 2)A群,B群共にICP亢進に伴いICPampは増大し,ICPWは単峰化した. 3)mICPが120mmHg以下の全範囲において,B群のICPampはA群に比べ低下し,特にmICPが30~120mmHgでは,両群間に有意差を認めた. 4)mICPが30~80mmHg及び100, 110mmHgの範囲では,CBFとICPampの間に正の相関関係が認められた 続きを見る
8.

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西村, 彰
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.563-589,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9160
概要: 金沢大学 医 眼科<br />フルオロシリコンオイル(FSiO)及びパーフルオロトリブチラミン(PFTA)の主に神経網膜及び網膜色素上皮に対する毒性をイヌ及びネコにおいて調べた. 1)FSiOの硝子体腔内短期(6週間)留置はイヌではERG各 波と高浸透圧応答及び網膜光顕像に不可逆的な影響を与えず,ネコではERGのa波,b波,c波,明上昇と網膜光顕像に不可逆的な影響を与えなかったが,律動様小波(O2)頂点潜時をFSiO留置前に比べ留置6週後で変化させず,FSiO留置前に比べ抜去9週後では有意に延長させた.ネコでのO2頂点潜時延長には,FSiO自体よりもその抜去操作による影響の関与が疑われた. 2)粘度300csのFSiOと粘度1000csのFSiOでは眼内からの抜去の難易度に大差はなく,何れのFSiOも明らかな乳化を示さなかった 続きを見る
9.

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森, 一朗
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.590-599,  1995-10-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9161
概要: 金沢大学 医 麻酔蘇生<br />雑種の成熟イヌ24頭を用い,神経機能障害を残さない全脳虚血時間として5分間群を,機能障害を確実に残す虚血時間として15分間群を設定し,2群の脳波及び脳循環・代謝の回復過程を比較検討した. 1)再循環10~2 0分後における15分間群のCBFは,5分間群より有意に高値を示し,虚血前値の2倍近くであった. 2)15分間群は5分間群より,脳波の再出現が47分遅かった. 3)15分間群で脳波の再出現はCMRO2の回復時期より29.7分前後遅れて認められたが,5分間群で両者はほぼ同時期に認められた. 4)再循環10分後における15分間群のCCIは,5分間群より有意に高値を示し,虚血前値の3倍近くまで増加し,その持続時間も再循環30分後まで続いた. 5)15分間群は5分間群より,再循環後30分以内のSSS血の血糖値,ピルビン酸値及び乳酸値が高値であった 続きを見る
10.

論文

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高橋, 政夫
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.454-464,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9148
概要: 金沢大学 医 第1外科<br />雑種成熟イヌ15匹を使用し,電気刺激した骨格筋の収縮力を利用した右心又は左心機能補助の実験的検討を行った. 1)側副血行を温存し骨格筋の収縮力を最大限に利用でる新型の直線牽引式駆動装置を考案・作成した.これ を右心室自由壁また左心室心尖部に置換したダイナミックパッチの駆動源とすることで,骨格筋の電気刺激により有効な心補助効果が得られた. 2)動物7匹を用いた骨格筋駆動右室ダイナミックパッチの実験にて,右室収縮期圧は41.0mmHgから55.6mmHgへ有意に上昇し,平均右房圧は14.3mmHgから9.57mmHgへ有意に低下し,有効な右心機能補助効果が得られた.大動脈収縮期圧は78.1mmHgから91.3mmHgへ,AoFは0.73l/minから0.97l/minへと有意に上昇し,心機能全体としての補助も有効であった. 3)動物8匹を用いた骨格筋駆動左室ダイナミックパッチの実験にても有効な左心機能補助効果が得られた 続きを見る