1.

論文

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中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成19(2007)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究概要 = 2007 Research Project Summary.  2006-2007  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060371
概要: 金沢大学附属病院<br />肝がん細胞の起源となる可能性がある骨髄及び肝細胞のマーカー遺伝子を用いることによって,その動態をin vivoで探索するとともに発がんに至る分子機構の解明を目的とした。昨年度に引き続いて,マーカー遺伝子をもった骨 髄細胞によって慢性肝炎モデルを構成することによって,肝細胞の再構築における骨髄細胞の関与を観察するとともに,慢性肝炎の過程で出現してくる肝がん細胞が骨髄細胞,肝細胞,または両者の融合細胞のいずれに由来するかを検討した。1)慢性肝炎モデルの作成:Diethylnitrosamine化学発がんモデル(♂)(Lab.Invest.85:655,2005)において,放射線照射(900 cGy)したのちに同系統(C57BL/6)のGFP遺伝子導入マウス(♀)の骨髄細胞(10^7個)を移植して骨髄の再構築を行った。(2)慢性肝炎組織の解析:門脈域を中心に骨髄細胞と肝臓由来細胞の融合が起こっていることを観察した。(3)肝がん組織の解析:骨髄由来GFP陽性細胞は,Cytokeratin陽性の胆管由来がん細胞やAlbumin陽性の肝由来がん細胞と異なっていた。そして,骨髄由来細胞の一部はPCNA陽性の増殖能の高い細胞であるものの,がん細胞に特徴的なβ-cateninの核移行は認めず,間質を構成する細胞に分化しているものと考えられた。これより,肝がん細胞が直接的に骨髄細胞から由来する過程は観察されなかったが,骨髄由来細胞はがん組織の間質(線維芽細胞,脈管,炎症細胞など)に分化して,発がんの微小環境に関与しでいる可能性が示唆された。<br />研究課題/領域番号:18659206, 研究期間(年度):2006 – 2007<br />出典:「マーカー遺伝子を用いた肝がん細胞の起源と分子機構の解明」研究成果報告書 課題番号18659206(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18659206/)を加工して作成 続きを見る
2.

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中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2004 Research Project Summary.  2004  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060522
概要: 金沢大学附属病院<br />慢性ウイルス肝炎からの発がんを誘導する責任遺伝子を同定することを目的に、マウスモデルにおいて発がん率の異なる肝組織の遺伝子発現プロファイルを比較することによって候補遺伝子を選択した。肝発がんモデルは、B型肝炎ウイ ルス(HBV)トランスジェニックマウスにウイルス抗原特異的な免疫反応を誘導することによって、17ヵ月間の経過の中で慢性肝炎から異形性を伴った前がん状態を経て90%以上のマウスに肝細胞がん(肝がん)を発症する実験系を確立している。慢性肝炎の誘導に関しては、これまで報告した肝障害分子であるFasリガンド(FasL)の関与に加えて、リンパ球分画におけるCD8+ Tリンパ球が深く関与しており、発がん率(発がんポテンシャル)を亢進していることが分かった。これらの検討で得られた発がん率の異なる前がん状態(非腫瘍部)の肝組織について、遺伝子発現プロファイルを比較することにより、発がん率の変化に応じて352遺伝子(1.7%)の発現が有意に変動することが分かった(P<0.05)。なかでも、細胞死・増殖因子に関する遺伝子群の変動が4.7%と最も高率であった。さらに、発がんに関連する候補遺伝子の1例として、セリン・スレオニンキナーゼpim-3の解析を行うことによって、細胞増殖を促進しアポトーシス(細胞死)を抑制して肝がんの進展に関与していることが示唆された。<br />研究課題/領域番号:16021216, 研究期間(年度):2004<br />出典:「慢性肝炎が誘導する発がん関連遺伝子の同定」研究成果報告書 課題番号16021216(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16021216/)を加工して作成 続きを見る
3.

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中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成21(2009)年度 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究成果報告書 = 2009 Fiscal Year Final Research Report.  2007-2009  pp.5p.-,  2010-05-14.  金沢大学附属病院
URL: http://hdl.handle.net/2297/00057035
概要: 慢性肝炎から肝がんに至るがん化のイニシエーション過程に作用するマイクロRNA分子[oncogenic micro RNA ; oncomiR(s)]を同定することを目的とした。これまで確立したB型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニックマウ スを用いた炎症性発がんモデルにおいて、経時的な遺伝子発現および酸化ストレスと相関する8個のoncomiR分子を明らかにした。これらの分子は、肝臓における前がん状態で悪性転化を制御する標的となる可能性が示唆された。<br />研究課題/領域番号:19390198, 研究期間(年度):2007-2009 続きを見る
4.

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中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成16(2004)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究成果報告書 = 2004 Fiscal Year Final Research Report.  2003-2004  pp.8p.-,  2005-03.  金沢大学附属病院
URL: http://hdl.handle.net/2297/00057036
概要: 慢性肝炎から肝がんへ進展するB型肝炎ウイルス表面抗原のトランスジェニックマウスモデルを用いて、肝発がんの病態機序を解析するとともに、発がんを制御する分子のスクリーニングを進めた。検討結果は、以下のごとくである。1)肝発がんの病態の検討として 、肝炎の誘導の際に行う各種の細胞免疫学的操作によって、前がん状態の異形性が変化し発がん率に違いが生ずることが分かった。異なるリンパ球分画によって誘導した慢性肝炎を観察したところ、CD8+Tリンパ球、CD4+Tリンパ球、B(CD19+)リンパ球の順に肝組織の異形性の程度、発がん率(それぞれ、86%、24%、0%)に寄与していることが明らかになった(Cancer Res.64:3326,2004)。2)これまで肝細胞障害に重要なFasリガンド(FasL)を介する経路を抑制すると、肝炎が軽快し発がんが著明に減少するという結果を得ているので(J.Exp.Med.196:1105,2002)、FasL抗体の投与による影響を約2万個の遺伝子解析が可能であるDNAチップを用いて検討した。抗体の投与によって352遺伝子(1.7%)の発現が有意に変動していた(P<0.05)。このうち機能が予測される遺伝子が190個認められた。なかでも、細胞死・増殖因子に関する遺伝子群の変動が4.7%と最も高率であった。3)発がんに関連する候補遺伝子の1例として、セリン・スレオニンキナーゼpim-3の解析を行うことによって、細胞増殖を促進しアポトーシス(細胞死)を抑制して肝がんの進展に関与していることが示唆された(Int.J.Cancer 114:209,2005)。これらの結果から、発がん病態の細胞免疫学的特徴が明らかになるとともに、発がん過程に関与する遺伝子のスクリーニングを継続することによって肝発がんの制御に有用な遺伝子が絞り込まれる可能性が示された。<br />Hepatocellular carcinoma (HCC) is a common complication of chronic viral hepatitis. Recently, we have reported that Fas ligand (FasL) is critically involved in the induction of chronic immune-mediated liver cell injury that increases HCC incidence (J Exp Med 196 : 1105, 2002) ; however, the molecular mechanisms potentially responsible for carcinogenesis are not well defined. In the current study, we asked the regulatory molecules in liver diseases that displayed different procarcinogenic potentials in a hpatitis B virus (HBV) transgenic mouse model. The results are summarized as follows.1)Transfer of CD8^+-enriched splenocytes caused prolonged disease kinetics and a marked increase in the extent of hepatocyte apoptosis and regeneration. In 12 out of 14 mice the transfer resulted in multiple hepatocellular carcinomas (HCCs) comparable to the manifestations seen in the mice transferred with total splenocytes. In contrast, mice that had received CD4^+-enriched cells demonstrated lower lev els of liver disease and developed fewer incidences of HCC (4 of 17). The experiment also revealed that all the groups of mice complicated with HCC developed comparable mean numbers and sizes of tumors. B cell depletion had no effect on disease kinetics in this model. (Cancer Res. 64 : 3326, 2004)2)During more than twelve months of disease progression, 352 (1.7 % of all) genes were expressed differentially between the mice treated with anti-FasL Ab and with PBS (P<0.05), 190 genes of which were assigned to functional groups based on Gene Ontology categories. In the gene groups of enzymes, cell communication, cellular components, signal transduction, and nucleic acid binding, the significant changes due to anti-FasL Ab treatment were observed in 43(1.6% of the gene group), 42(2.0%), 31(1.3%), 28(1.4%), and 22(1.8%) genes, respectively. In the cell communication group, high proportion (4.3%) of cell death control genes was involved in this expression dynamics.3)We identified several genes expressed differentially at the pre-malignant lesions. Among these genes, we focused on Pim-3, which is reported as a member of a proto-oncogene Pim family, but its contribution to hepatocarcinogenesis remains elusive. The mRNA expression was selectively detected in human hepatoma cell lines, but not in normal liver tissues. Pim-3 protein was also expressed in human hepatocellular carcinoma tissues and cell lines but not in normal hepatocytes. Moreover, cell proliferation was attenuated in human hepatoma cell lines, HepsB and HuH7, by RNA interference ablation of Pim-3 gene expression. (Int.J.Cancer 114 : 209, 2005)Taken together, these data suggest the molecular mechanisms potentially responsible for hepatocarcinogenesis and the future studies for the development of molecular targets.<br />研究課題/領域番号:15590631, 研究期間(年度):2003-2004<br />出典:「トランスジェニックマウスモデルを用いた肝発がん制御分子の研究」研究成果報告書 課題番号15590631 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))   本文データは著者版報告書より作成 続きを見る
5.

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中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2002  pp.1p.-,  2018-03-28. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00060568
概要: 金沢大学附属病院<br />慢性ウイルス肝炎からの肝発癌を制御する標的分子を同定することを目的に、発癌に関連することが予想される細胞死シグナルのなかでFas/Fasリガンド(FasL)を介する径路に注目して検討した。同時に、新たな標的分子の 侯補をスクリーニングした。肝発癌モデルは、B型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニックマウスにウイルス抗原特異的な免疫反応を誘導することによって、慢性肝炎、肝細胞癌(肝癌)を発症する実験系を確立している。1.肝炎の経過中に、FasLの中和抗体を投与すると、肝炎のピークは1/3に軽快した。また、免疫組織学的検討において肝細胞のアポトーシス、再生増殖が低下しており、肝癌の発生は対照群の100%に比べて13%(P<0.0001)と著明に減少した。これより、慢性肝炎において、FasLを介する肝細胞死シグナルを制御することによって、肝発癌が抑止される可能性が示唆された。2.発癌過程における遺伝子発現パターンの変化をディファレンシャルディスプレイ(DD)法を用いて検討したところ、前癌状態で発現が増加していた遺伝子は、機能が未知なものが6種類、既知遺伝子が19種類であった。一方、減少していたものは既知遺伝子が19種類認められた。<br />研究課題/領域番号:14026016, 研究期間(年度):2002<br />出典:「トランスジェニックマウス肝発癌モデルにおける標的分子の同定」研究成果報告書 課題番号14026016(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14026016/)を加工して作成 続きを見る
6.

論文

論文
中本, 安成 ; Nakamoto, Yasunari
出版情報: 平成14(2002)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2002 Research Rroject Summary.  2001 – 2002  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061213
概要: 金沢大学附属病院<br />肝発癌モデルにおいて、慢性肝炎の経過を組織学的に観察すると、移植9カ月後に肝細胞の異形性が出現し、17カ月後に100%(12/12)に肝腫瘍が発生した。FasLを介する経路を抑制する目的で、肝炎の経過中にFasL の中和抗体を投与すると以下の変化を認めた(J.Exp.Med.196: 1105,2002)。a)血清トランスアミナーゼ値から、肝炎のピークは1/3に軽快した。b)FasLにより活性化される肝細胞内のcaspase-3は、1/4に低下していた。c)肝細胞のアポトーシスをTUNELアッセイにより解析すると、1/5に低下していた。d)肝細胞の再生増殖をPCNA染色により検討すると、1/3に減少していた。e)肝組織に浸潤している単核球数や抗原特異的Tリンパ球の割合に変化はなかった。f)肝炎発症後7〜23ヵ月間の観察期間中に発生した肝腫瘍は、13%(2/15,P<0.0001)に減少した。これより、肝発癌モデルにFasL中和抗体を投与することによって、肝への炎症細胞の浸潤には影響しないもののFasLを介するシグナル経路が直接抑制されて、肝炎が軽減するとともに肝細胞のアポトーシス及び再生増殖が低下し、肝癌の発生が減少することが示された。<br />研究課題/領域番号:13770259, 研究期間(年度):2001-2002<br />出典:「トランスジェニックマウスモデルを用いた肝発癌の分子免疫学的予防法の研究」研究成果報告書 課題番号13770259(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) ( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13770259/ )を加工して作成 続きを見る