1.

論文

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松田, 英三
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.736-744,  1996-12-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9248
概要: 金沢大学 医 整形外科<br />1)HT-1080から,4つの,種々のPAI-1活性を持ったクローンを分離した.各クローンのPAI-1の発現とTFの発現との間に正の関連が見られた. 2)ヌードマウスの尾静脈へ腫瘍細胞を接種後の肺転移能は各 クローン間において有意差を認めた.そして肺転移能はPAI-1活性及びTF活性と強く相関していた. 3)各クローン細胞の有する接着能及び浸潤能と肺転移能の間には相関関係はなかった. 4)殆どの腫瘍細胞が,静注後数分で肺内へと移行した.高転移能を持つクローン26-6は,低転移能を持つクローン1-3Cに比べより長い時間,肺内に停留した. 5)各クローン細胞間に認められる転移能の差は血管内皮細胞に接着後,基底膜に浸潤するまでの間,着床部位に停留し続ける能力によることがわかった. 6)PAI-1活性と凝固活性の両因子共にこの細胞系の肺転移形成能を決定する因子になることが明らかになった 続きを見る
2.

論文

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原田, 憲一
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  105  pp.39-53,  1996-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9182
概要: 金沢大学 医 第2病理<br />1)定型的細胆管は,全ての肝胆道型疾患で種々の程度に増生していた.非定型的細胆管は,PBCやPSC等の原発性胆道系疾患及び肝外閉塞性黄疸,アルコール性肝線維症,亜広汎性肝壊死,肝硬変,慢性活動性肝炎例で種々 の程度と頻度でみられた. 2)定型的細胆管は胆管上皮固有の表現型を有し,増殖活性の亢進も認めた.小葉間胆管での胆管上皮細胞の増殖活性も亢進していた.つまり,定型的細胆管増生は既存の胆管上皮細胞からの増生による. 3)細胞増殖活性の弱い非定型的細胆管はPBCやPSC等の慢性胆汁うっ滞例でみられ,主として肝細胞の化生による見かけ上の増生である. 4)増殖活性の高い非定型的細胆管は肝外閉塞性黄疸,亜広汎性肝壊死,肝硬変や慢性活動性肝炎例でみられ,不完全な表現型の発現を示す胆管細胞の増殖と考えられ,これら疾患での肝細胞消失に関連する一つの現象と考えられた 続きを見る
3.

論文

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吉光, 裕
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.410-417,  1995-08-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9145
概要: 金沢大学 医 第2外科<br />1)パネート細胞の細胞質顆粒にトリプシンの発現をみとめた.その発現は多様であった. 2)パネート細胞にキモトリプシンの発現はみなかった. 3)主膵管閉塞では非閉塞群に比して,十二指腸1陰窩あたりの平均パネー ト細胞数は有意に増加していた.パネート細胞におけるトリプシン陽性率も有意に高率であった. 4)十二指腸1陰窩あたりの平均パネート細胞数と膵腺房細胞残存率との間には有意な負の相関がみられた.パネート細胞におけるトリプシン陽性率と膵腺房細胞残存率との間に有意な負の相関がみられた. 5)PFD異常値群ではPFD正常値群に比し,十二指腸1陰窩あたりの平均パネート細胞数は有意に増加していた.以上の結果より,十二指腸パネート細胞は膵外分泌機能の低下に際して,その数が増加し,トリプシン陽性物質が増加することにより,消化管内での消化機能,特に蛋白消化の代償に関与していると考えられた 続きを見る
4.

論文

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早川, 哲雄
出版情報: 金沢大学十全医学会雑誌.  104  pp.15-25,  1995-02-01.  金沢大学十全医学会
URL: http://hdl.handle.net/2297/9109
概要: 金沢大学 医 第1内科<br />甲状腺腫瘍のH-,K-,N-ras遺伝子それぞれのコドン12とコドン61の点突然変異の有無をPCR法とスロットブロットハイブリダイゼーション法を使って検討した. 1)新鮮手術標本の良性腫瘍では,濾胞腺腫1例 にH-rasコドン61でCAG→CGGの,腺腫様甲状腺腫1例にK-rasコドン12でGGT→GATの点突然変異を認めた. 2)新鮮手術標本の悪性腫瘍では,濾胞癌1例にH-rasコドン61でCAG→CGGの点突然変異を認めたが,乳頭癌と未分化癌ではras遺伝子の変異は検出されなかった. 3)穿刺吸引細胞を用いた方法では,乳頭癌,未分化癌ともras遺伝子の変異は検出されなかった. 4)穿刺吸引細胞と新鮮手術標本の結果を合わせると,良性腫瘍では濾胞腺腫11例中1例に,腺腫様甲状腺腫6例中1例に点突然変異を認めた.悪性腫瘍では濾胞癌1例に点突然変異を認めたのみで,乳頭癌と未分化癌ではras遺伝子の変異は検出されなかった 続きを見る