1.

論文

論文
全, 陽 ; 中沼, 安二
出版情報: 胆道 = Journal of Japan Biliary Association.  22  pp.658-668,  2008-01-01.  日本胆道学会 = Japan Biliary Association
URL: http://hdl.handle.net/2297/24735
概要: 金沢大学医薬保健研究域医学系<br />原因不明の硬化性胆管炎は原発性硬化性胆管炎 (PSC) と呼ばれてきたが, 近年, 多数のIgG4陽性細胞の浸潤を特徴とする胆管炎 (IgG4関連硬化性胆管炎 : IgG4-SC) がPSCと類似の病 態を起こしうることが明らかとなった. 病理学的に, PSCとIgG4-SCはリンパ球・形質細胞浸潤と線維化を特徴とするが, PSCでは胆管内腔側のびらん性変化が目立ち, IgG4-SCでは胆管壁の高度の肥厚を特徴とする. IgG4の免疫染色では, IgG4-SCの罹患胆管にはびまん性かつ多数の陽性細胞が認められる. PSCとIgG4-SCは病理学的に異なる疾患であるが, 臨床的には鑑別が困難な症例があり, 各症例で慎重な鑑別が求められる. 特に, 治療法が異なるため, 適切に鑑別する必要がある. 硬化性胆管炎の病態には不明な点が多く残されているが, PSCでは細菌やウイルス感染, 遺伝子異常などの関与が指摘されている. 一方, IgG4-SCの病態研究は始まったばかりで, 制御性T細胞の関与や, Th2優位の免疫応答が病態形成に関与していると考えられている. 続きを見る
2.

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北川, 諭 ; 全, 陽 ; 中沼, 安二
出版情報: 消化器と免疫 = Digestive organ and immunology.  41  pp.69-72,  2004-01-01.  日本消化器免疫学会 / マイライフ社
URL: http://hdl.handle.net/2297/29613
3.

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全, 陽 ; 中沼, 安二
出版情報: 胆と膵 = The Biliary tract & pancreas.  30  pp.1271-1276,  2009-10-01.  医学図書出版
URL: http://hdl.handle.net/2297/40451
概要: 自己免疫性膵炎と類似の病態が, 胆管にも発生することが明らかとなり, IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)と呼ばれている. 現在, IgG4-SCと原発性硬化性胆管炎(PSC)との鑑別が問題となっている. 病理学的に, IgG4-SC とPSCはリンパ球・形質細胞浸潤と線維化を特徴とするが, IgG4-SCでは胆管壁の肥厚が顕著で, PSCでは胆管内腔側のびらん性変化が目立つ. IgG4の免疫染色では, IgG4-SCの罹患胆管にはびまん性かつ多数の陽性細胞が認められる. IgG4-SCとPSCは病理学的に異なる疾患であるが, 臨床的には鑑別困難な症例があり, 各症例で慎重な鑑別が求められる. 特に, 治療法が異なるため, 適切に鑑別する必要がある. 「はじめに」原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)は胆管癌や結石症など明確な先行病変がない硬化性胆管炎と定義され, 原因不明の硬化性胆管炎と解釈されてきた1). しかしながら, 2001年に, 自己免疫性膵炎の患者で, 血中IgG4濃度が上昇することが報告されてから2), 原因不明の硬化性胆管炎の中にも, IgG4の観点から包括される一群の症例が存在することが明らかとなった. 続きを見る
4.

論文

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全, 陽 ; 中沼, 安二
出版情報: 消化器科.  44  pp.222-227,  2007-01-01.  科学評論社
URL: http://hdl.handle.net/2297/29619
5.

論文

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全, 陽 ; Zen, Yoh
出版情報: 平成18(2006)年度 科学研究費補助金 若手研究(B) 研究概要 = 2006 Research Project Summary.  2005 – 2006  pp.2p.-,  2016-04-21. 
URL: http://hdl.handle.net/2297/00061010
概要: 金沢大学附属病院<br />本年度は以下の3つの点に関して研究を行った。・自己免疫性膵炎およびIgG4関連硬化性胆管炎の病変局所におけるウイルス遺伝子の検出前年度に引き続き、10例の組織切片から抽出したDNAを用いて、ウイルス遺伝子の検出を 試みた。HHV-5、HHV-6、HHV-8の特異的プライマーを用いて、nested PCRによるウイルス遺伝子の検出を試みたが、いずれの症例からもウイルス遺伝子は検出されなかった。・自己免疫性膵炎およびIgG4関連硬化性胆管炎の病変局所におけるサイトカイン産生の検討前年度の研究で、自己免疫性膵炎とIgG4関連硬化性胆管炎は多数の制御性T細胞(Tregs)の浸潤を特徴としていることが明らかとなった。本年度は、凍結標本から抽出したRNAを用いて、局所で産生されるサイトカインの発現をreal-time PCRを用いて定量的に解析した。IgG4関連疾患ではTregsから産生されるIL-10、TGF-βの発現が、他の自己免疫性疾患に比して有意に亢進していることが明らかとなった。また、Th1サイトカインであるIFN-γと、Th2サイトカインであるIL-4・IL-5・IL-13の発現を比較すると、他の自己免疫性疾患に比して、Th2サイトカインの産生が亢進していることが明らかとなった。凍結標本を用いてin situ hybridizationを行ったところ、自己免疫性膵炎やIgG4関連硬化性胆管炎では、IL-4やIL-10陽性リンパ球の多数の浸潤が認められた。これまで、IgG4関連疾患はTh1有意の病態と考えられていたが、病変局所のサイトカイン発現の結果からは、Th2優位の免疫応答が生じていると考えられた。Th2有意の免疫応答とTregsの多数の浸潤はアレルギー疾患で見られる免疫応答と類似しており、何らかの抗原に対する過敏反応がIgG4関連疾患の病態に関わっている可能性を示唆する結果と考えている。・IgG4に着目した肝炎症性偽腫瘍の分類多数例のIgG4関連疾患の病理組織像を解析している過程で、肝の炎症性偽腫瘍は2群に分類でき、その一方がIgG4関連疾患で、他方はIgG4関連疾患とは異なることが明らかとなった。病理学的差異だけでなく、性別・初発症状・病変の局在・病変の分布が異なっており、異なる病態と考えられる。つまり、肝炎症性偽腫瘍とされていた病変はheterogeneousな疾患単位で、その一群が自己免疫性膵炎と類似の病態であることが明らかとなった。<br />研究課題/領域番号:17790231, 研究期間(年度):2005 – 2006<br />出典:「自己免疫性膵炎およびIgG4関連硬化性胆管炎の病因・病態に関する研究」研究成果報告書 課題番号17790231(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17790231/)を加工して作成 続きを見る